アズールレーン ―あの素晴らしい海をもう一度、です―   作:ブロックONE

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アズステ視聴後ですが、今回はノンジャンル話(仮)をお送りいたします。

あくまでノンジャンル(仮)です。

ではどうぞ。




ニホンハムマンってなんなのだ? by雪風

「それあんたのことよwww」

 

時雨が雪風に向けてそう返した。

 

 

「ハムマンってユニオンのあの駆逐艦なのだ?」

 

「うん」

 

「そんなに雪風様に似てるのか?」

 

「うーん…うん」

 

 

 

 

 

なぜ一瞬迷ったのか。

 

 

 

 

 

 

 

「なるほどね!カップ焼きそば現象ってやつなのね!」

 

「髪の毛の色くらいしか合ってませんよね…?」

 

 

 

 

 

「となると…あの子はアメリカユキカゼ…だと…?」

 

「どうしてそうなるのよ!?」

 

 

 

 

「こうしてはいられないのだーっ!」

 

 

雪風は思い付いて走っていった。きっと文句を言うためだろうか…

 

 

 

 

「待ちなさ~い!!私との勝負はどうすんのよー!」

 

 

「そんな前フリありましたっけ…地の文見ても何ら記されてないですよ…?」

「これこそ即興アドリブって奴なのね!」

 

 

 

…そして、ユニオン寮に雪風は到着する。

 

 

 

 

「ここか…!」

 

 

息巻く。まるで、親の仇の如しと言った表情。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんにちは~」

 

 

 

 

 

 

普通にノックして入る。

 

息巻いていたのはどこへやら。

 

 

 

 

 

 

「あ、こんにちは~」

 

ハムマンもやたら大人しい。

 

 

 

 

 

そして、雪風はハムマンをびしっと指差し…

 

「お前がハムマンなのだな!?」

 

「そ、そうだけど…え?急になによ…?」

 

 

 

「この雪風様と、お互いの名前を掛けて勝負なのだ!!」

 

「はぁぁ!?」

 

 

 

いきなり過ぎる展開にハムマンは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待って、いきなりすぎて全くわからないんだけど…」

 

「んー…言ってるこちらも、 ちょっと出任せすぎたのだ…」

 

 

 

 

 

 

 

「「「お邪魔しまーす…」」」

 

 

 

更に来客。

 

それを気にすることなく…

 

「と、とりあえず!ハムマンは一隻で十分だってこと教えてやるのだ!(一神教)」

 

「それは雪風様だって同じことなのだ!ていうか語尾被ってるのだぞ!!」

 

 

 

「おいっ」

「いったァ!?」

 

雪風の頭にチョップを食らわす。その方を向くと時雨たちがやって来ていた事に今更気づく。

 

 

「幾らなんでも無茶苦茶だっつの!このヴァカ雪風っ!」

 

「"ヴァカ"だと雪風様が『機動艦船ユキカゼさん』になっちゃうのだぞ!?」

 

「意味がわからないわよ!赤くて仮面のあいつか!」

 

 

 

時雨の口ぶりから、『赤くて仮面のあいつ』の漫画は母港でも読まれているらしい。おまけに一つ足りないものは『三倍速い』…である。

 

 

 

「と、取り合えずハムマン!雪風様と勝負なのだっ」

 

「や…やってやるわ!!」

 

 

 

 

「やっちゃうの!?」

 

 

 

 

 

「なるほどね!これがゴリ押しね!」

 

「いやもうこれって読者さんも私も意味がわからないですよ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…母港海域特設スタジオ。

 

 

 

 

大勢の観衆が囲む中にリングが備わっており…

 

 

 

 

【雪風vsハムマン】

 

 

 

 

……と記された看板が吊り下げられている。

 

 

 

実況席並びに審査席に付いたのは…

 

 

 

 

 

 

 

「なぜ綾波たちも巻き込まれたです?」

「主人公ズの無駄使い」

「まぁまぁ二人ともぉ~」

「ていうか、これ…やって平気なネタなのかなぁって…」

 

「あのーうち、祥鳳やけど、どうしてうちもこっちの席で呼ばれたん?ユニコーンの方がええんとちゃう?」

 

「ユニコーンですと、無邪気に爆弾発言されて大変なことになってしまうという懸念が生じたためだそう…です」

「えぇ…(困惑)」

 

 

一方、ニーミはリングを見て重桜のテレビ番組でやっていた『あれ』を思い出す。下手するとみんな試合に夢中になって台詞が少なくなる恐れもあるのだが。

 

 

むしろ、看板通りに章のタイトルを『雪風vsハムマン』にするべきだったのではという突っ込みはここでは誰もしなかった。

 

 

そして、なによりユニコーンによる無邪気の爆弾発言を期待している人が読者の中にどれ程いるのかが気になるところ。

 

 

 

「取り合えず、面白そうなのでこのままやっていくです」

 

 

「もうこの時点で色々草」

 

「ええんかなぁこれ…」

 

 

そして、試合前の雪風とハムマンの控え室の様子を見てみる事にした。饅頭カメラマンとリポーターの青葉が様子を伝えていた。

 

 

お互いあからさまに殺気立っている。その目が血走り様に、綾波たちは笑いだしそうになっていた。

 

それだけ似てる問題は二人…むしろ幸運艦である雪風にとっては死活問題だった。

 

そんなことを言い出したら、ラッキーEことエンタープライズだっているし、カンレキ的な幸運艦の類いとなるKAN-SENは雪風以外にも少なからずいるのである。目の前の時雨もそうだ。

 

しかし、ハムマンとの細かい差異はともかく、語尾が被っている。ニホンハムマンというあだ名にキャラかぶりの危機感を感じてしまっていたのだろうか。そして、思い付きに走ったに過ぎなかった。ここまで来たならもう後には引けない。

 

 

 

「雪風、取り合えず肩の力抜きましょう、です」

 

「ハムマン、冷静、冷静…」

 

そして、ハムマンは頭の耳に手を掛けて…

 

 

 

 

一度外した。

 

 

 

 

「えええ!?」

「外れるのそれ!?」

「衝撃です…」

「ラフィーと同じ(・x・)b」

 

 

「映してええんかこれ!?」

 

これ以上は流石にカメラを戻すことにした。

 

 

 

かくして、

 

 

「では、最初の対決はぁ…」

 

 

 

 

 

 

「魚雷しばきあいィィ対ィィィ決ゥゥゥ!!!」

 

 

 

 

コールにより、大声援が返ってきた。

 

 

「いきなりそれから行くの綾波ちゃん!?」

 

「もう草」

 

流石にクライマックスでやるべきではないのか。それはもはや言うまでもない。

 

 

「ほら、駆逐艦は魚雷叩き込んでナンボ、です」

 

「ま、まぁそうだけど…」

 

「説得力有りすぎて草」

 

「綾波は重桜艦の中でも雷装値が高いから、むしろ説得力の概念を振り切ってるというか…」

 

「ある意味ぶっちぎりや…」

 

「取り合えず、やらせてみよう、です」

 

 

「ええと、ルールは、柔らか魚雷を使ってシバきあい、三本取った方が勝ちで、魚雷の構え方は自由…となってますね」

 

 

 

 

「母港で指揮官と三笠大先輩が試合をテストしたそうですが、指揮官は見事にボコられた末、三笠大先輩も止めの袈裟斬りを繰り出そうとして、腰を痛めてドローとなりました…です」

 

「なにやってんのあの人ぉぉ!!?」

 

「ボコったのにドローは草」

 

「むしろ三笠大先輩の判定勝ちやん…」

 

 

 

 

そして、リングインする雪風とハムマン。

 

 

 

 

「雪風様の新陰流を見せてやるのだ!」

 

「どんな風に来ようと、受けて立ってやるわ!」

 

 

 

バチバチを火花を散らす。

 

 

 

 

 

 

「カップ焼きそば現象のためにここまでやるです…? 」

 

 

綾波のツッコミ。

 

 

「き、気を付けてね…?」

 

 

ゲスト席のヨークタウンも心配そうである。

 

 

 

そんなこんなでゴングを鳴らした。

 

 

 

雪風とハムマンはマウスピースとヘッドギアを身に付け、そしてお互いのセコンドから『魚雷』を受け取り、一刀流で構えた。

 

 

「魚雷がしなってるwww」

 

そう。柔らか魚雷はスポーツチャンバラの剣のように柔らかめに作られている。が、それでもこの思いきりの良いブン回しようでは掠めただけでも…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アッツァァァァ……」

「いッッ……」

 

 

何かが思いきり擦れる音が響くと、ハムマンと雪風の両名が離れて手に息を吹き掛け悶えはじめた。観客席は沸き上がる。ヨークタウンは思わず吹き出してしまっていた。

 

「今の痛い」

「絶対痛い、です」

「軽く擦過傷ものやで?」

 

ラフィー、綾波、祥鳳は率直な感想を述べる。

 

 

「例えるなら、ジャベリンの振り回す槍が肩を掠めた時です…ここです」

 

「え!?」

 

綾波の肩に貼られた絆創膏がアップで映される。

 

「それ絆創膏で済む話なん!?」

「あれは勢い余って当たっちゃっただけだよ綾波ちゃん!?」

 

突っ込む中、下段で突っ込んだ雪風に魚雷を振り下ろすハムマン。

 

ここで雪風が身体を捻ってギリギリ回避。幸運艦は伊達ではない。

 

「ていうか、リングではかなりのアクションが展開されてます!目を離したらダメなやつですね!?」

 

そして、ハムマンは雪風の下段を回避して、地面に突っ伏した雪風の尻をシバきまくる。

 

秘技、連続ケツシバき。

 

「おりゃっ!おりゃっ!おりゃっ!」

 

「ちょちょちょ、痛っ!痛いのだぁっ!?タンマ!タンマー!」

 

 

そしてゴングが鳴った。

 

 

 

魚雷しばきあい対決 winner:ハムマン

 

 

 

 

 

 

 

 

重桜駆逐艦、魚雷に破れる。これは本当の戦闘でも、ましてや演習ですらないのだが、雪風の目は死んだ魚の様な顔になっていた。これは公共の電波に流して平気な顔なのか。

 

 

セコンドの時雨が思わず苦笑いしながら雪風を担いでいく

 

 

 

 

「ハムマン勝った」

「凄まじかったですねぇ最後の…」

 

最後のハムマンによる連続攻撃。

 

「雪風、毛をむしられたファービーみたいな顔になってるです」

「怖っ!?」

 

 

 

そして、雪風は次の試合に挑むべく息を吹き返す。

 

 

 

 

…………

 

 

「第二試合ですね!」

 

 

「つづきまして、キングサイズベッド対決ゥゥ!」

 

 

リングに大きなベッドが敷かれる。

 

 

「これってどういう試合なんです?」

 

「ゴングがなったらピロートークが始まるです。そしてもう一度ゴングがなったらパンツの脱がし合いでケリを着けるというもの、です」

 

「ガキ使準拠は草」

 

「それ公開して良いの!?下手したら…」

 

「このSSにガールズラブ要素は皆無です。やっても単なるお笑いコントのネタにされてまう落ち、です」

 

 

 

百合もくそもないこのSSにおいて、女子同士のピロートーク。これは一体どうなるのか。

 

 

 

注目の一戦。

 

 

 

 

「綾波ちゃん、この試合の見所については?」

 

「はい……ええっと」

 

 

綾波は進行用の台本を見つつ…

 

 

 

「甘い展開に見せかけた駆け引きからの、体勢的に寝技による壮絶なインファイトに切り替わるところに注目です」

 

「きっともつれたんですね」

 

「そういう問題ちゃうやろww」

 

試合開始の一回目のゴングが鳴ると、雪風とハムマンが向かい合ってベッドに横たわっている。ツンデレキャラを展開するかとおもわれたものの、ニヤけているハムマン。

 

 

 

 

「__雪風様はどうだったのだァ…?」

 

この時の雪風の無理矢理なイケボに会場の観客を爆笑させた。セコンドの時雨は、雪風が次に何を言い出すか不安であった。

 

 

「なんで雪風が攻め側みたいな物言いなん…!?」

「これは良い流れ、です。雪風、初手から押してるです」

 

 

 

 

 

 

 

「スゴかったわよ…もうっ…」

 

 

 

ハムマンはなんで頬を染めるのか、実況席にいる四名は笑いと突っ込みたくなってしまうのを堪える。まるで本当の事後ではないか。

 

 

 

 

このハムマン、ノリノリである。

 

 

 

 

「ヨークタウンさんのと、雪風の、どっちが良かったのだァ…?」

 

 

ここでハムマンに対して切り返す雪風。

 

 

 

「なんの話してんねん…!?」

 

 

雪風に向けてコメントする祥鳳。ラフィーたちはここでもう吹き出しそうになるのを堪えきれない。

 

 

 

「どうしてでしょう…ぜーんぜんキマせんね?」

「ジャベリン…。ていうか、このSS内にキマシを期待する方っているんですかねぇ…」

 

 

 

 

一方、リング上のハムマンは…

 

 

「え?あ、うぅ…」

 

 

 

 

 

「ハムマンさん…!?」

「何で悩むのそこ!?」

「究極の選択、です」

「これに対してヨークタウンがなにも言わないっていうの草」

「いやもうこれ答えられへんやろ!?」

 

 

 

と言っても次のゴングを鳴らすタイミングがわからなくなりつつあったので…

 

 

 

 

 

 

 

綾波がその場でゴングを鳴らした。

 

 

「そこでかいなっ」

「不意打ちで草」

 

 

 

 

 

「あ!雪風ー!」

「鳴ったぞー!」

 

セコンドの時雨と、一緒にセコンド側に居た夕立が声をあげる。

 

 

 

 

が、ゴングの音でスイッチが入ったかのように、ハムマンは雪風を自分の方へ一気に引きずり込んでいった。

 

掛け布団にくるまる雪風は完全に後手に回ってしまった。抜け出そうと必死でもがくものの、ハムマンがあまりにも早く立ち回ったために為す術無く…

 

 

「押さえられてますよ!?」

「ジャベリン、落ち着けです。重桜には柔道という武道があるです…きっと…」

 

 

「おりゃあっ」

「HA☆NA☆SEなのだっ」

 

抜け出そうとしたが、掛け布団ごとハムマンにがんじがらめにされてしまった。

 

 

「雪風ーーーー!!?」

「まぁ、そうなるわな…」

 

 

そして、いち早く掛け布団から抜けたハムマンは雪風の下半身だけ露出させ、パンツを脱がしたところで試合終了のゴングが鳴る。

 

 

 

 

 

キングサイズベッド対決 winner:ハムマン。

 

 

 

 

高らかに雪風のパンツを掲げ観衆にガッツポーズをするハムマン。ニーソは掛け布団内で雪風が手を掛けたのか、左側がずり落ちている。

 

 

 

 

 

 

「どうしよう…パンツが映ってるのにぜんっぜんエロさを感じないんですけど!?」

 

ジャベリンは言う。エロさなどこの空気では吹き飛んでしまっていた。ハムマンはそのお子様御用達の柄の下着をリングに投げ捨てた。

 

 

 

無惨に舞う雪風のパンツ。

 

 

 

観衆は『何れだけ柄が可愛かろうとセクシーだろうと、布地の多さなども関係ない、所詮パンツはただの布でしかないのだ』と認識させるに相応しい試合となった。

 

 

 

すると、終了後のリングの方を見つめる綾波とラフィーは…

 

「何かキャスパーみたいなのがいるです」

「キャスパーってなんやねん、雪風やで?ww」

「不気味…」

 

それは方向感覚を失いかけ、試合が終わっても未だにもがいている雪風のことであった。

 

「あああ、外してあげるから止まりなさいって!」

 

セコンドの時雨たちが駆け付け、雪風にまとわりつく掛け布団を外してあげていた。

 

汗でべっとりくっついており、少し外すのに時間が掛かってしまっていた。

 

その間にハムマンはニーソを直す。事を終えて颯爽と去るメンズめいた立ち振舞いであった。

 

 

「むしろ女抱いた後のゴ○ゴ13みたい…です」

 

 

 

 

………

 

 

「ま、まだ負けてないのだ……!」

 

 

 

控え室にて、「いや負けてるよ、お前もう二回も負けてるよ…!」と時雨は冷静に突っ込みつつも、雪風の身体をチェックしていた。怪我はない。ハムマンもそれなりに加減はしている事が見て取れる。メンタルはボロボロだが。

 

 

「おい雪風、しっかりしろよ~?まだ全部終わってないぞー?」

 

 

夕立は雪風に声を掛ける。

 

 

「なるほどね…これが背水の陣ってやつなのね…!」

 

「それですともう洒落になりませんよ…?」

 

 

 

 

「やれやれ、雪風、とりあえずまだもう一回勝負あるから元気出せです」

 

「綾波!?ホントなのだな!?」

 

「はい」

 

突如現れた綾波たち。ジャベリンたちも頷く。

 

 

 

そんなこんなで最終戦。

 

雪風は名前を守れるのか。

 

 

 

 

…………

 

「次は、最終対決っ」

 

「それでは…ガーターベルト外しあい対決ゥゥゥゥ!!!」

 

 

 

 

入場前の雪風たちには、衣装新たにTシャツに短パン。その短パンの上に重ね穿きされたガーターベルトが見えていた。明らかにチラ対策。というかチラなど度外視であった。

 

 

「綾波、どんな試合?」

 

 

「三つのガーターベルトを先に外した方が勝利という単純なルールです」

 

 

セクシーさの欠片もない勝負。

 

雪風にとっては背水の陣。

ハムマンはここで勝ち抜けてしまえば、名前における生殺与奪の権利はもはや彼女にあったも同然である。というより、ここでハムマンが負けても何も失わない。

 

「雪風ー!しっかりー!」

 

「ハムマーン!がんばれー!」

 

声援の中、雪風とハムマンがリングイン。

 

というか、本来ハムマンなら嫌がる情けない格好に抵抗しないのは何故だろうか。後に引けないのか。

 

一方、雪風の背中は先程の死にかけた様子から打って変わって勇ましかった。

 

 

そして、泣いても笑っても今回における最後の勝負。

 

 

今、そのゴングが鳴った。

 

 

「さあ、最終決戦が始まりました…です」

「どっちも頑張れ」

 

 

お互いに牽制し合う。ぐるぐると

 

「あの…なんで二人とも下段で行かないんですか…?」

「誘い込みでしょうか…下に手が行く時間を稼いで攻撃に転ずるつもりだと推測できるです」

 

「それにしても…雪風さん追い詰められてません?」

 

 

キメ顔だが逃げ回っている雪風。それをじわじわとリングの端に追い詰めるハムマン。

 

隙を見て抜け出し、また反対側へ追い詰められるという不毛過ぎる展開に。

 

 

そして…

 

 

「おっと、ハムマン選手が捕まえた!雪風選手を捕まえましたです!」

 

 

持ち上げて身動きを取れなくし、逆さにすると、雪風のガーターベルトの一つを外した。

 

「やめろなのだ!?うおおお!!」

 

「ふふっもう終わりよ!!って暴れんな!!」

 

ジタバタする雪風により、一回降ろすことに。しかし雪風の抵抗で床に膝ま付き、そこから更にガーターベルトの二本目に手を掛け、外した。

 

 

そしてさらに立て続けに最後の三本めに手を掛ける。

 

 

あーこれもうだめだ。もうニホンハムマン確定だ……

 

誰もがそう思った次の瞬間。

 

 

雪風はハムマンのガーターベルトをズボンごと下ろすことにした。

 

 

 

「バカっ何してんのよこのHENTAI!!」

 

顔を真っ赤にしながらハムマンは吠える。

 

「ていうか!ずっと言わなかったけど!なんでハムマンに似てるからってここまでやるのよ!?」

 

 

「二人も三人も雪風様に似てるの居すぎたら、混同してそれこそ雪風様のキャラが立たなくなっちゃうのだ!!幸運が二つも三つもとか絶対おかしいのだ!!雪風様が一番の幸福を掴むのだっ!独り占めしてやるのだっ!」

 

 

それは時雨に対してある意味失言であった。

 

 

「別に良いじゃないの!ハムマンはシムス級なんだし!!それにニホンハムマンなんてどうせ非公式の俗称なんだから!!つか、幸福の独り占めって私欲!!?白いくせに腹ン中は真っ黒じゃねえかァァァ!!?」

 

 

 

 

 

(雪風からすごいこと聞いちゃったです…)

(あかんやろこれ…)

(ハムマン…)

(本心じゃないですよね…!?)

(なんか修羅場見てるみたいで、ジャベリンドキドキします!)

 

 

(な、なるほどね!つまりはホシンってやつなのね!)

(それって動機からしてアカンやつだと思いますよ…)

 

 

 

 

 

「隙ありなのだぁっっ!」

「あっ」

 

そして、その隙に雪風はハムマンのガーターベルトにて手を掛け、三つとも一気に引きちぎったのであった…!!

 

綾波たちは総立ち。まさかの逆転である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

試合終了。レフェリー役の饅頭が今更感MAXでリングに上がり確認する。

 

 

すると…

 

饅頭は『ドロー』とジェスチャーした。

 

 

 

 

よく見ると、雪風のガーターベルトも外れていたのである。

 

 

 

二勝しているため、ハムマンの勝利であるが、結局のところ、二人とも疲れきってしまい、それどころではなくなったために改名は取り止めになった。

 

 

 

ほっとするヨークタウン。

 

 

 

 

 

 

痛み分け(?)の雪風とハムマン。

 

 

 

 

 

 

 

そして、雪風の名前は守られた。それはもしかしたら、雪風の幸運が運んだ結果なのかもしれない。

 

 

あの後、雪風とハムマンが『あみだくじファイナルリベンジマッチ』なる対決を繰り広げて時雨たちを困惑させていたという。

 

 

「なるほどね!不毛な争いってやつなのね?」

「対決の方法があみだくじってそれ雪風さんが有利では…」

 

 

 

 

 

 

 

「あ、当たったわ!ハムマンの勝ち!」

 

「なにいい!?もう一回なのだ!」

 

 

 

 

 

 

母港は概ね平和でした。

 

 




閲覧ありがとうございました。


あくまでノンジャンル話(のつもり)でした。

魚雷はゴボウの替わりです。

そんなこんなで雪風とハムマンの片方、もしくは双方を入手した指揮官様がいらっしゃいましたら、是非ともお気に入り登録やご感想、ご投票をよろしくお願いいたします。

では、次のお話が出来た頃に。


by筆者

突然ですが、この中で見てみたいのはどれですか?

  • これやってみたかってんシリーズ
  • 加賀さんの疑問シリーズ
  • オーラの泉
  • オフニャの知らない世界
  • ノンジャンル話

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