アズールレーン ―あの素晴らしい海をもう一度、です―   作:ブロックONE

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ノンジャンル話です。

長めです。

見所:前任者(!?)、時を経て…?


いにしえの骨董品とビームサーベル、です。

母港。

 

執務室。

 

 

 

 

 

「___指揮官、そう言えばこの前の委託の途中で桃の香りのするセイレーンの骸が岩場に漂着してたです…」

 

雑談が混じりつつ、指揮官は鼻をほじりつつ事務仕事をしている真っ最中、突然電話連絡がやって来た。本日の秘書艦担当は綾波。執務の途中で綾波から途中での話を聞く。そう言えば、報告書にもそう記されていたなと思い出しつつ、受話器を手に取った。

 

 

 

 

それは、工房にいる明石からだった。

 

『倉庫整理してたら使われてない武器みたいなのが出てきたにゃ。引っ張り出したから指揮官にも確認してほしいにゃ。後、人も回してにゃ過労で死にそうだにゃ指導するから未経験大歓迎にゃ…』

 

鼻ほじりをやめ、指に鼻くそが付いたままの指で席を立った。

そんなの後回しにしてこの前のイベントで疲労困憊の艦隊の艤装メンテをやらせれば良いのでは、とも考えてしまうところだが、指揮官は何故か奮い立っていた。

 

その原因はその古い武器という部分。それに思わず光放ってしまった少年のハート。指揮官は急ぎ明石たちのいるところへ向かう事を決めた。他のことは今のところはない。

 

 

そして、この日の秘書官担当の綾波はその颯爽とした指揮官の背中に向けてこう言った____

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「指揮官、せめて指の鼻くそを拭き取ってからにしましょう、です」

 

 

 

 

あっ…いけない。

 

そう思って立ち止まった指揮官は数歩戻ってティッシュで拭き取った。

 

…さて、道中にて手透きのKAN-SENたちにも声を掛けようとアポなし突撃する指揮官。

 

大鳳はこんな時に覗いてない。

 

理由は執務室から出た廊下で気絶していた。きっとアルバコアに遭遇した事によるものと断定。 いやそれしか考えられなかった。つか大鳳もアルバコアも覗きしてるなら普段から執務手伝ってくれ…!と悔やむ指揮官。

 

 

この頃のイベントの多さゆえ、皆それぞれに仕事を割り振っていたのが仇となったか。いやそれでも概ねしっかり動いている。となれば、明石たちの方へはコンディションが回復している少ない非番を向かわせようと考えた。指導するにも、技術者の明石と夕張たちの助手として動いてもらえれば負担は楽になる。

 

そして紆余曲折経てその結果、手伝えそうな手透きのメンツとして、結局いつもの主人公ズたちが付いて来てもらう事に。

 

 

 

持つべきものは初期艦(主人公)ズと言うべきだろうか。というか、何時ものメンバーがどうしてこういつも暇してるのか。そこに突っ込む余地はない。

 

 

 

 

 

 

 

明石たちのいる倉庫へと到着する。

 

中には一休み中の明石と夕張がそこにいて、床に敷かれた白い風呂敷の上にはその発掘された品が並べられていた。

 

作業をしていた饅頭たちも疲れた様子で眺めていた。

 

 

 

 

その白い布の上に鎮座されていたのは…古ぼけた艤装や使用されていない刀剣。指揮官はこれを見たことがなかった模様。恐らく古くからの貯蔵品がそのままになっていたのだろうか。ていうかなんで今になって見付かったのか。

 

 

 

 

 

そんなこんなで並べられたものを見てみると、ある一つを除いて、古い艤装が並ぶ。それらはモスボールされている。でも現行のものではない、古いロット。

 

 

 

 

 

 

 

そして…

 

 

 

 

 

「ヒッ!?なんですかこれ…!?」

 

 

 

「まさかこれ…持ち主まで付いてきてません…?」

 

 

 

 

人の骨。しかも体一式揃って横たわっている。

 

 

 

 

 

「え、これストラップじゃないのです?」

 

「なんでストラップで持ち主の屍ぶら下がってんだよ!!?」

 

 

ニーミの指摘通り、この剣を握りしめたまま白骨化した遺体はストラップにしてはやたらにクオリティが高く、もはやただの遺体とかいうレベルではなかった。

 

とんでもないものを掘り出してしまった様だ。

 

 

「もしかしたらそういう趣味かもしれないよ…?ラフィー、この前ミネアポリスの部屋でそういうの見たことある」

 

「これは狩猟とかのトロフィーじゃないよ!!?普通に白骨化したご遺体だよ!!?」

 

 

「ていうか明石ちゃん、夕張ちゃん…こちらのご遺体の身元は…!?」

 

「わからないにゃ…あーでも、分かるのはこのアズールレーンの官帽(かんぼう)からして、関係者にゃ…」

 

 

 

 

官帽…それは指揮官が被っている帽子がそうである。つまり、制服の一つである帽子。

 

 

大体は総称である制帽(せいぼう)やら軍帽(ぐんぼう)とかで通じてしまうので、割りと影が薄目の単語である。

 

 

 

「じゃあ、この人って…」

 

「前任者……?」

 

 

前任者が剣を上段構えしたまま白骨化してるというのは、死ぬ直前はどんなシチュだったのだろうか。

 

しかも剣は何故か綺麗。

 

 

 

 

「装備したら呪われて、装備が外せなくてこうなったのかにゃ?…呪い、どう対策するかにゃ…セイレーンにも効くのかにゃ…?」

 

「南無…骨の髄まで大切に使いますので…南無…」

 

「いや普通に火葬と納骨してやろうよ!!?遺族と会わせてやろうよ!!?どんだけ酷な扱いしていく気なんだよお前らァァ!?セイレーンだって引くだろ流石にィィ!?」

 

 

 

 

 

「呪われるとめんどくさいので、たけしごと装備してみるです」

 

綾波は前任者を剣のように持ってみる。

 

「たけしに呪われるゥゥゥゥゥゥゥゥぅ!!?」

 

 

 

 

 

「では、ここは指揮官の護身用に装備するとかどうですか?前任者さんだって指揮官をいざって時に守ってくれそうだし!」

 

ジャベリンの提案。すると指揮官は、前任者たけしの両足の脛骨を持ち、正眼の構えを取る。そしてなによりキメ顔。

 

 

「言われるままにたけしごと帯刀しやがったァァァァァァァァァ!!?つか骨も剣も剥き身のまんまじゃん!!危ないよ指揮官!!?つか前任者になんつー扱いしてんだよ!!?キメ顔してもその得物で台無しだよ!!?」

 

「じゃあ…この古い艤装をここに懸架するのってどうよ?」

 

夕張は指揮官から渡された前任者たけしの両肩に、古い艤装を懸架しようと考えた。古い艤装は主に主砲や副砲。

 

というか撃てるのか怪しい。

 

すると、綾波たちはその艤装をいじくりだし…

 

窓に向けて撃った。屋内だけあり、凄まじい音が耳をつんざく。

 

 

 

「何やってんだァァァァァァァァ!!?」

 

「試し撃ちです」

 

「お前今なんて事してくれたにゃ!!?か、壁に穴が…」

 

窓を貫いたどころか周辺の枠まで吹き飛ばし、大きい穴が空いてしまった。

 

 

「いやほら、ニーミだってクロスウェーブで重桜の古い備蓄倉庫を実弾ぶちかましたです。あれと同じです。後で皆で仲良く修繕すれば良いのです。」

 

「それにたけしときよし、新鮮な空気吸える筈…」

 

「ふざけんにゃ!?誰が直すと思ってるにゃ!!?」

「つーかクロスウェーブはそんな軽いノリで撃ったんじゃねぇよ!?そういう命令だったんだよあの時は!!?」

 

「ええ!?違ったです!!?」

 

「なんですかその顔ォォォ!!?あれがありし日のテレビ番組みたいに無駄に金掛けたVの類いだとか本気で思ってたのォォォ!!?」

 

「昔やってたトリビアのVTRとかみたいな?」

 

「そうそれです!てっきり綾波は…」

 

「TV黄金期みたいで草」

 

 

 

 

「あ、そうです。指揮官に背負いっこ付けてもらって、そこにたけしを載せるってどうです?」

 

「た、たけしを媒介にして指揮官も艤装使えるようにする考えにゃ…?」

 

「流石綾波、名案…うーん…こんな感じ?」

 

艤装を施す夕張と綾波。

 

 

「指揮官とたけし、二人ともキマってる」

 

 

ドヤる指揮官。

背中にはたけし。

 

「リボガンのキャノンの部分みたいで草」

 

 

「たけし媒介にされちゃったァァァァァァ!!!?」

 

「ニーミ、そんな驚くことではないです。亡者を生きてる様に大切に扱う考え方だってこの世にはあるのです」

 

「装備してる時点で大切もクソもねえよ!!?生きてるどころか思いっきりたけし物扱いしてるじゃねえかッッ!!!」

 

 

 

すると、ジャベリンはたけしの骨格を眺めつつ、何かを見付けた。

 

 

「あ、皆!あれを!」

 

え?と指揮官とKAN-SENたちは指差すところを見ると、前任者たけしの恥骨に何かが挟まっているのを見つける。

 

「えええ!?なんでそんなところに巻物なんか挟まってるの!?」

 

 

この反り立つ角度と位置では…まるで…

 

 

 

 

 

 

「ラフィー、てっきりチ○コかと思った」

 

「綾波もチ○コかと思ったです」

 

 

指揮官も顎に手を添えてたけしの骨格を眺めている。確かに巻物だ。

 

 

 

「ちょっと二人とも!?」

 

 

「ラフィーちゃん!!綾波ちゃん!!」

 

 

ジャベリンが思わず声を荒げた。遂にジャベリンがツッコミに回ってくれるのか…!とニーミは期待を寄せた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういう時は"おいなりさん"って言わなきゃ!!!」

 

 

「どっちにしても隠せてねえェェェェェェェェ!!!?」

 

 

 

ダメだった。

 

 

「ハッ…もしや…!!」

 

 

綾波はなにかに気づいた。

 

 

 

「こんなところに巻物…前任者の性癖だったです……?

 

「気付いたのそこかよ!?死因はなんだって言いたいの!!!?」

 

 

…そして、綾波は明石から貰ったゴム手袋を付け、恥骨から反り立つ巻物を引き抜いた。

 

 

力付く過ぎて思わず指揮官は股間を押さえる。

 

 

 

 

 

 

『これを読んでいる後任の君、もしくはたまたま運悪く見つけてくれちゃった人や、KAN-SENの皆へ…アナタたちがもしこれを読んでいると言うことは、私はセイレーンの攻撃が済んでるか、もしくはここでとっくにこの世を去っていることだろう。

 

そして、そんな私の白骨化した遺体ごと装備したり、綾波あたりが指揮官に装備させたりしてることでしょう』

 

 

 

 

「先見の明有りすぎでしょこの前任者!?」

 

 

「見抜かれてたです」

 

 

 

『そうそう、この遺書、読まれたらクッソハズイから、尿道と肛門どっちに隠そうか迷ってたんだけど__よし、折角だから肛門にしよう!あ、葬儀は楽しげな空気でお願いね!』

 

 

「思いっきり暴露してる!!?」

 

「未来へ向けてカミングアウトしちゃうの草」

 

「そして葬儀の事まで記されてるです」

 

 

『あ、そうそう、どこかに同業者のきよしが居るらしいから探してみてちょ』

 

「きよしって誰だァァァァァァ!!?」

 

「ニーミ、たけしと言ったらきよしなのです」

 

「相方…見つけてあげれば寂しくない。問題ない」

 

「そういう問題じゃないでしょ!!?ここに白骨化した遺体が複数ある時点で問題ありすぎだろうが!!?」

 

「で、でも…お友だちの方だというなら、見つけてあげましょうよ~!」

 

ジャベリンの訴え。指揮官も頷く。

 

 

確かに。一人取り残されるのは可哀想過ぎる。死んでも死にきれない。死ぬ直前の事はどうであれだ。

 

 

 

「あの古い大きな箱、あれはまだ開けてないにゃ…。もしかしたらあの中に潜んでるかもしれないにゃ」

 

 

 

 

開けてみた。

 

すると、体育座りしている白骨遺体を発見してしまう。

 

「これ、もしや…きよしです?」

 

 

 

「本当にいた!?」

 

「な、なんというかもう突拍子無さすぎて逆に怖くなくなったんですけど…こちらの方がきよしさん…?縮こまってるポーズ的に、キューブ持って建造行って帰って来た時の指揮官みたいになってますけど…」

 

 

きよしも制帽を被っていた。その裏側にひらがなで『きよし』と記されている。

 

「南無…死因は…ガチャ爆死です?」

 

「南無…来世はよく当たりますように…」

 

 

指揮官も同情と共感から合唱している。

 

「勝手に死因決めるなよ!?ガチャで死ぬってどんだけメンタルクソ雑魚なんだよ!!?指揮官、遅いかもしれませんけど海軍部に通報しましょう!!今すぐッ!!!

 

 

 

一先ず他のKAN-SENたちに見えないように、カーテンを閉めた。艤装を施された前任者たけし、そして相方(?)きよしが向き合って工房に安置されている。まるでベッドで向き合う男女みたいに見えなくもない。

 

指揮官は海軍部に連絡。しかし担当がお昼休みのために折り返すそうで、一先ず掘り起こしちゃったのは仕方ないとして、指示に従い、たけしときよしはそのままにしてあげることに。

 

 

 

「死して骨になっても向き合ってるって仲良しなのです。きっと今ごろあの世でピロートークしてるです」

 

「今じゃ仲良くカルシウム同士だもんね…」

 

「んなわけねえだろ!?お前らがそんな風に並べただけじゃねえかそれェェェェ!!?」

 

 

 

「寝づらそうなので、こちらも添えるです」

 

 

と、枕を置いてあげる綾波。表にはYESと記されている。

 

 

「ってなんでYES/NO枕なの!?」

 

 

「なるほど!許容の心ですね!」

 

「何の許容だよ!!?まるでたけしときよしがそういう中みたいに見えるじゃねえかァァァ!!」

 

 

「ここで売れなかった枕にゃ…柄はあれだけど唯一使いどころが生まれたにゃ」

 

 

 

 

……

 

 

一先ずたけしときよしは保留しておくことに。

 

 

 

そして引き続き明石たちの工房にて。

 

 

 

「明石、居るか?」

 

「どうしたにゃー?」

 

「実は…拙者の刀を診てもらいたいのだが…」

 

 

と言って、照れ臭そうに背中に回していた刀を見せた。

 

 

一先ず見てみると…

 

 

 

 

え、なに!?何に刺さってるのこれ!?つかこれ漫画とかで見たような気が…」

 

「桃缶…草」

 

桃缶の中身は腐っている。臭いを放ち、鼻をつまむ。缶自体はべっこりと凹んでおり、なにやら血痕らしきものがこびりついていた。

 

 

 

「出先で腹が減ってだな…腹が減っては戦は出来ぬから、そこで持ってきていた缶詰を刀で開けようとしたら、その…刺さったまま抜けなくなってしまい…」

 

「高雄さんも横着するんですねぇ…?ジャベリンも包丁で開けようとしたりしますよ?」

 

「包丁と刀じゃ違いすぎるでしょ!?」

 

「じ、時短だよ時短…そ、そうしたらまた突然セイレーン出現し、それどころではなくなり…刀を慌てて抜こうとしたら取れない故、缶詰くっついたままセイレーンたちを殴打した…倒したが、その…余計外れなくて…」

 

 

 

「なんつーアバウトォォォ!!?それでぶっ叩かれたセイレーン可哀想すぎるだろ!!?」

 

 

「あ、この前の桃の香りのするセイレーン、それが原因だったです?」

 

 

 

 

「あーあ…これはもう直せるか分からないにゃ…」

 

「直すとか以前の問題でしょ!!?」

 

「今度から缶切り持ってくなり、居合いの町井先生みたく、スパッと蓋切ったりするなり気を付けて使ってにゃ?ていうか腐る前に持って来いにゃ!桃缶が勿体無いにゃ!」

 

 

 

「明石ィィ!?普通そこ缶切り使えだけで済むでしょ!?なんでわざわざチャレンジングなことさせんだよ!!?」

 

 

「おお、居合いか!その手があったな!助言に感謝するぞ!拙者もまだまだでござるな…更なる妥協なく鍛練に励まなくてはならぬ!」

 

「横着して缶にブッ刺してる時点で思いきり妥協だよ!!?」

 

 

 

「それでは、頼めるか?」

 

「やるだけやってみるにゃ」

「まぁ、直せる可能性は無きにしも非ず…だね…」

 

 

「では、頼むぞ?」

 

高雄は颯爽と出ていった。

この後、新しい桃缶を不知火のところから購入していく姿が見られたという。

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてまた数分後。

 

 

 

 

 

「失礼しまーす」

 

そこにまた来客。

どうやらやって来たのは愛宕だった。辺りを気にする様子である。

 

 

「愛宕?どうしたのにゃ?」

「あの…じ、実はね?これを…」

 

どうやらまた修理依頼であった。背中に何か隠しており、それをそっと前に出して見せる。

 

 

 

「実は…刀…やっちゃったの…」

 

 

 

またか。と明石たちは困惑する。

 

 

恥ずかしがりながらも、愛宕が言うには、普段携えている刀がセイレーンと打ち合っていた際に岩に刺さったまま抜けなくなり、めんどくさくなってそのまま持って帰って来たそうである。

 

「すごいです…」

 

「封印されし伝説の剣みたいです…!」

 

「このままオブジェにしてみるのも…ラフィーとしては悪くない…」

 

 

指揮官も頷いている。

 

 

「武器だからね!?さっきまで普通に武器として使ってたものだからねこれ!!?」

 

「全く…今度からやる時は、居合いの町井先生みたいに岩ごと叩っ切るようにしてにゃ?」

 

「だからなんでそんなハイレベルなもん要求すんだよォォォ!!?刀こんな状態にする時点で町井先生とレベル差ありすぎんだろォォォッッ!!?」

 

 

ニーミは叫んだ。

そして、愛宕はありがとう!高雄ちゃんには内緒ね?とお礼を言って工房を去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「しかし、どうするかにゃ…うわー何でか知らにゃいけど、缶が取れないにゃ…」

 

「あっ…ごみ袋とか持ってくるね…」

 

そして…たけしときよしが向き合って横たわる中、作業する羽目になった。

 

 

 

「取り合えず、来た順では高雄さんの刀を桃缶から分離しないとです」

 

「トリアージ…」

 

トリアージするならば、高雄の刀に至ってはある意味救命不能レベルであった。

 

「綾波ちゃん、どうするつもり?」

 

「綾波は重桜出身ゆえに、一応刀には造詣がある方です」

 

「確かに、綾波は普段から刀剣を手に持ってますけど…」

 

「造詣があるだなんてそんなの初めて聞いたにゃ…まぁ、刀剣使いにゃ?」

 

 

 

 

 

 

「ここは綾波を信じて。……ピンプ・マイ・カタナー!!

 

このままでは埒は空かないため、掛け声と共に綾波は思いきり床に叩きつけ、刀身をへし折った。

 

 

 

 

「にゃああああ!!?」

「バッキリ行った…!!」

 

「折っちゃだめでしょォォォォォ!?」

 

「たまたま力かけたらたまたま折れちゃったのです」

 

「そうそう、不可抗力もあるってニーミちゃん!」

 

「不可抗力に見えねェよ!!!思いきり床に降り下ろしただろうが!!!?つか曲がる前に折れちゃったよ今ァァァァ!!」

 

 

「じゃあ、分業。ラフィーも手伝う。愛宕のは任せて……えいっ」

 

 

愛宕の刀もへし折られてしまった。

 

 

 

「ア"ァァァァァァァァァァァァ!!?」

「に"ゃあァァァァァァァァァァ!!?」

 

「ご、豪快すぎる…」

 

 

 

「だから!!なんで折っちゃうんですか!!?もっと他にやれることあったでしょ!?つかなんでこんな簡単に折れるの!!?指揮官も止めろよォォォォォォォォ!!!?」

 

 

 

ツッコミを入れるニーミの後ろにいる指揮官も唖然としてしまっている。

 

 

 

 

「まぁまぁニーミも指揮官も落ち着いて、です。あれ?なんだか高雄さんの方が長いです」

「不公平…よくない」

 

「どこが不公平だよ!?どっちも折れてこれじゃ使いもんにならねえだろうがァァァ!!?

 

 

すると、指揮官が何か綾波に伝え、綾波は了解すると…

 

 

「なるほど、んーじゃあ早速金槌を…この辺りから…ですっ」

 

金槌が振るわれ、金属のぶつかる音と共に短くされていく。

 

「あれれ?今度は愛宕さんの方が長くなったよ?」

 

「じゃあ…こっちも短くしよう…」

 

「任せて、です」

 

ジャベリンの指摘から、今度は愛宕の刀を手に、再び金属のぶつかる音が響いた。

 

 

 

「え、ちょっと何してんですか!?指揮官なに吹き込んだのォォォォォ!!?

 

 

 

 

 

「あ、今度は高雄の刀が長くなったよ」

 

何故か夕張も参加している。

 

「よし、じゃあここから…ですっ」

 

 

 

 

 

 

作業が終わって出てくると…

 

 

 

綾波とラフィーは感動したような顔になり…

 

 

 

 

 

 

 

 

「これが拙者のビームサーベルか、です」

「これが私のビームサーベルか」

「誤魔化せるかァァァァァァァァァァァァ!!!」

 

 

その完成した新たなる姿を見てニーミは叫ぶ。

 

すでに刀は二本とも鍔から先が無くなっていたのである。

 

 

「まぁこういうのは6割本当と4割の嘘のセールストークが物言うのです。知ってるです?重桜の刀が光輝いているのは、敵に幻惑して間合いを誤魔化すために…」

 

「誤魔化すどころか刃渡り1ミリすらねえよ!!!刃がある事自体10割嘘になったじゃねえかよォォ!!?」

すると、綾波とラフィーは疑問符を浮かべる。

 

 

 

「えーっと…どっちが高雄さんので」

 

「どっちが愛宕のだっけ……」

 

 

分かんなくなっちゃったの綾波ちゃんラフィーちゃん!!?

 

「どっちも似てる…」

「仕方ないのです…では…取りあえずはこのあたりの隙間にこうやって、です」

 

「じゃあ、可哀想だから、きよしにも…」

 

 

すると、前任者たけしときよしにそれぞれ装着する。

 

 

 

股間に。

 

 

「何つー所に差してんのォォォ!!?高雄さんと愛宕さんの握ってたもの何つーところに差してんだよォォォォォォ!!?」

 

 

ニーミは叫ぶ。

 

 

「よかったにゃ。たけし、きよし。お墓に入れる前にチ○コが再建されたにゃ」

 

 

「墓入れる前に再建されたのチ○コだけって何事だよ!!?どこエンバーミングしてんの!!?もっとやるべきところあるだろォォォォォォォォ!!!高雄さんにどう説明するんですかっ!!!」

 

 

「ありったけのパーツ(厳選素材)をぶっ込んだと言っとくです」

 

「オートにすると自分から敵を斬ってくれる。股間から」

 

「あ、ジャベリンみたことありますよ!微刀・釵ですね!」

 

「そうそれ…」

 

「どこにそんな股間一本差しと手に一本の変体刀があるんだよォォォォォォ!!?」

 

「じゃあ、具像化してみたって言うのはどうです?」

 

「斬魄刀かッッッ!!つかいきなり中身の人見せたら持ち主困惑するわ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

それから少しして…

 

 

 

 

 

 

 

「す、すまぬ…拙者の刀の方は…どうなった…?」

 

 

 

高雄がやって来た。ドッと滝汗が出るニーミと指揮官。そして夕張と明石。

 

 

 

「出来たです」

 

「ちょっと綾波そのまま渡すの…!?」

 

 

たけしごと手渡してしまった。

 

 

 

「ふむ、ちょっとカルシウムっぽくてごつごつしてるが、ふむ、良い仕事だ

 

高雄は何故か

たけしごとブン回す。遠心力で骨格がカラカラと音を立てる。

 

「どこがだよ!?それ白k…」

 

「世話になった!恥ずかしいから愛宕には黙っててくれるか?それでは失礼する」

 

 

そのままたけしを背負って帰っていった。

 

 

 

 

その数分後、愛宕も再び工房に戻ってきた…

 

「そのぉ…刀、出来てるかしら…?」

 

そんなすぐ出来るわけないのにどうして…?

 

 

と突っ込みたくなる指揮官たち一同。

 

 

「ラフィーが手伝った…」

 

「ああああ、ちょっとラフィー…!?」

 

「あらあ!これは良いわ!ちょっとゴツゴツしててカルシウムっぽくなってるけど…

 

 

振り回す。たけし同様にきよしもカラカラと音を立てるきよしの骨格。

 

 

 

「うん!これなら負ける気はしないわ!」

 

 

「愛宕さんが負ける前に先ずそっちが負けちゃうだろォォォォ!!?」

 

 

「ありがとう!それじゃ、高雄ちゃんには内緒ね?」

 

 

 

 

 

指揮官とニーミは、これこの後どうすっかなぁ…と案じた。なにせ前任のたけしと相方のきよし。

 

 

 

 

更にその後。

 

 

 

 

 

「な、何をする!?」

「あらぁ~?良いじゃない。身体が堅いわよ~?」

 

 

噴水前ではとんでもないことが起こっていた。

 

声からして愛宕と高雄と思われる。少なくとも加賀とエクセターが接点も脈絡無視して絡んでなにかのコントをしている訳ではなさそうだ。

 

 

見るものは普通なら愛宕からのスキンシップとして特に大袈裟に見ることもなくスルーするが、この有り様とドン引き様では異常事態とも言えた。背負うたけしときよしも含めて。摩耶と鳥海も例には漏れず言葉を失っていた。

 

 

 

「もう、いいじゃないの!愛宕ちゃんったら連れないわね?お姉さん悲しくなっちゃうわぁ~」

「何を申すか高雄!?うわやめろっ」

 

なんと高雄から愛宕にスキンシップを行っていたのである、そして愛宕が恥ずかしがって逃げるという事象が起こっていたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「高雄さん……ござる系からオネェ系になったです?」

 

 

ござるからオネェってどんな転身だよ!?

 

「オネェ系って…高雄さんはござる系だけど女の子ですよ?きっと、今さらになって女の本能に目覚めただけかも…?

 

確かに高雄は高雄型のネームシップ。愛宕、摩耶と鳥海の姉である。

 

「愛宕の口調は説明がつかないの草」

 

 

 

 

 

「でも何故そんな現象が?」

 

ここでまさか…とニーミはある部分に注目し仮説を立てた。

 

たけしときよしの股間にセットされた刀の柄。

 

もしや…

 

 

 

 

「おお、股間の柄が逆だったです?いやいや!まさか…そんなはずは…」

 

「ラフィー、もうここで大草原…」

 

 

「どうすんだよォォォォォ!!?これこのまま放って置いたらお二人が…つかなんでたけしときよしが骨なのに気付かないの!?スルースキルそこだけ高くない!?」

 

 

 

「これ…取り替えれば二人とも元通りじゃないかな?」

 

「こっそり…付け替える……?」

 

 

 

そんなの出来るのだろうか。

 

 

 

「なら綾波に任せるです」

 

綾波が立候補した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…という訳で、指揮官!後はお願いしますですっ」

 

「結局指揮官に丸投げかァァァ!!!」

 

 

指揮官は真顔になった。

 

かくして、苦笑いの奇行士こと指揮官は、責任者でもあるため、なんとか高雄と愛宕の背負うたけしときよしの股間の刀を如何にして取り替えるのか。

 

いや、取り替えるのではなく、一度奪取する提案をする。

 

 

 

そして数分後、作戦開始。

 

 

眼前には変貌しオネェ系(?)になった高雄、もう一方はござる系になった愛宕が待ち構える。

 

指揮官は内心二人の変わりように躊躇する。特に高雄。あのボイスでテンションの高い女性口調は上司に誘われて行ったシンジュク二丁目のそれに負けず劣らずの存在感を放っていた。

 

 

そこに一人向かっていく指揮官。

 

(なんか何時もの指揮官よりカッコいい…です?)

(目がマジになってて草)

(それって警戒心で顔が強ばってる様にも見えるような…)

(大丈夫ですよ指揮官!絡まれても元は二人とも女の子ですから!)

(そういう問題!?)

 

 

 

「あら指揮官?どうしたの?」

「指揮官、何か用か?」

 

向けれる視線から、電撃と寒気が背中に走る指揮官。

 

 

 

(どうやら無事に接触できましたね…)

(愛宕、SA○のア○スが取り乱してるのをキ○トに見られた時みたいで草)

(高雄さんはアークナイツのフランカを声低くしたみたいです)

(ラフィーちゃん綾波ちゃん!それ以上はしーっ!いろんな意味でっ)

 

 

 

 

すると、指揮官は高雄たちに、たまには試合をしよう…と持ちかけた。

 

 

「あらぁ」

「ふむ…それは良いな」

 

指揮官もたまには一緒に汗を長したい素振りをする。実質勝てるのかは別だ。

 

(おおーそれなら道着に着替えてるときに竹刀に持ち帰る筈です)

 

(重桜の剣道…となれば重桜寮の道場ですね!)

 

(後は忍び込むのみ…)

 

(流石ですよ指揮官!!)

 

(天城さん著作の『天城式・これでもう何も怖くない!読むだけで誰でも策士になれる本』を読み漁ってただけはあるです)

 

(いつそんなハウツー本執筆したのあの人ォォォォォォ!?)

 

そして道場へ。

 

 

しかし…

 

 

 

(なんで真剣使ってるんだろう……)

(まさかの実戦想定です…)

 

 

高雄と愛宕の傍らには、なんとたけしときよしが正座している。刀の柄が恥骨辺りからそびえ立ち、日の光を反射して煌めいていた。なんて事だ。試合と聞いて竹刀を持つ筈、と思い込んだ浅はかさを恨む。

 

綾波たちは見学ということで参加している。

 

チャンスを見つけるため、どうするか考える。

 

 

 

 

(どうするのこれェェェ…)

 

(4対1って割と卑怯です)

 

(たけしときよしも参加するみたいな物言いは草)

 

(ていうか、このままたけしさんときよしさんを傷付けたら100%海軍部にしょっぴかれるじゃないですか…!!)

 

明らかに死体にむち打ちされるリスクしかない前任者たけしと同業者きよし。

 

苦笑いを絶やさない指揮官。

 

何故だ。なぜセイレーンへの作戦は割と成功するのに、こんなところで裏目に出る…?指揮官はそう考えた。

 

 

あ、そうか!普段から綾波たちに任せて(オート周回させて)たんだな、と思い返した指揮官。

 

ここは腕の見せどころ。ここで無理に格好をつけ…

 

『まだこの貞操が欲しいか?…取りに来いよ!!』と強者っぽく出たところで、この指揮官はこの頃連発するイベントにより生じる指揮と、基地運営の事務処理により、まともな運動どころではなかったため、試合中のスタミナ切れが心配されていた。

 

 

 

(指揮官があの台詞言ったら単なるイキリになってしまいますよね、体力的に)

 

(全くなのです。下手してもしなくても、目の前のタカオウォーカーとアタゴウォーカーに瞬殺されてしまうです)

 

(なにその坂○拓主演映画のア○スウォーカーの量産型みたいなのは!!?し、指揮官だって、そこまで貧弱なわけが…)

 

(アズレンの戦って『映画』じゃなくて『ガチの戦争』…)

 

(このSSだとコントですね?)

 

 

そして、指揮官は念仏を唱え終えると…

 

 

 

 

 

"再建されたばかりのチ○コめいた刀の柄を再びぶち抜くことをどうかお許し下さい"

 

 

………と祈った。この想いは届くのか。

 

届かないならばそれは母港に混乱が生じかねない。

 

 

(地味に酷いこと祈ってて草)

 

(仮に、もし海軍部しょっぴかれそうになったら、科学部が遊びで作って放ったらかしにしたリン酸カルシウムとタンパク質で出来た、リアルグレード一分の一スケールのストラップだって言い張ればなんとかなる筈、です)

(あ、確かにそれなら…明石ちゃんや夕張ちゃんも巻き添え食らいたくないし口裏合わせしてくれるかも…)

 

(アリバイ工作やりだしてラフィーもう草)

 

(だからそれ骨だよリアルグレードどころかリアルに遺体だよ!?しかも主成分口に出してる時点でむしろ隠せてないから!!それにいい加減ストラップから一端離れろよ!!?)

 

 

 

 

「で、では…先ずは拙者から参ろうか…」

 

愛宕が立ち上がる。

いつものキャラと打って変わってかっこよさげなのはどうしてだろうか。

 

「愛宕ちゃん!」

 

それを阻んだ高雄。

 

「高雄、妹として先鋒を務めさせてもらう__さあ、構えよ指揮官…!」

 

「待って!なら私も行くわ!!」

 

 

 

 

たけしときよしの股間に刺さる柄を力強く握り構える二人。

 

 

 

「なんつーとこ握ってんだァァァァァァァァァ!!?」

 

 

ニーミは腹の底から叫んだ。

この構えはあまりに衝撃的すぎる。握られる柄の先が白骨遺体のたけしときよしだからだ。それをこれから引き抜かんとするのだ。それを見て叫ばずにはいられない。

 

 

 

真剣な顔つきで余りにも力強く握る。ジャベリンは剣圧とはなにか違うものを感じて笑いを堪えつつ顔を伏せてしまっていた。緊急事態につき見に来た明石と夕張は高雄たちの異様な有り様に真顔になってしまっている。

 

この場を摩耶と鳥海に見られたら、一体どう説明すれば良いのだろうか。ありのまま説明してもまず信じては貰えなさそうである。

 

 

何より、もっとも強い衝撃を受けているのは、それに合間見えていかねばならない指揮官なのであった。剣を構えるものの、高雄たちの抜こうとするのを見るとその物々しい手の位置に唖然となり、更には顔が青ざめていくのである。

 

 

 

「おお、始解しようとしてるです!?」

 

「ポーズ的に霊圧解放してるみたい…かっこいい」

 

「これ大丈夫なの…指揮官青ざめてるよ!?」

 

 

「ていうかどこから霊圧出してんだよォォォ!!?」

 

 

片や指揮官の前任者だから威厳はあるだろうが、尻に遺書をぶっ刺して死んだ(?)一人。

 

もう片方はガチャ爆死した謎の人物(の骨)、きよし。

 

 

 

斬魄刀にしてもあんまりなものである。

 

 

「いいや此処は拙者に任せろ高雄」

 

きよしを銃のように構える愛宕。きよしの頭が前方を向き、ガングリップのように持つと、きよしの口が大きく開く。

 

 

 

「剣の試合じゃなかったの!?剣っつーか、きよし銃みたいになってるよ!!?」

 

 

 

しかし、愛宕を止める高雄。

 

 

 

「何を言ってるの愛宕ちゃん!相手は指揮官よ?強いかどうかは微妙だけど、ここはお姉さんが悪☆即☆斬するからっ

 

 

 

たけしをうつ伏せ状にして股間の柄をグリップとして持ち、尻を向けて開脚させ、射撃兵器のように展開する高雄。

 

 

 

「だから剣の試合じゃなかったのかよ!?つかたけしの尻をこっちに向けるなァァァァ!!?」

 

 

 

 

すると…

 

 

 

(さて、たまには我も自主トレするとしようかな……ん?)

 

 

ミカラップで散々バテてきた反省から、ビリーズブートキャンプのDVDと小型プロジェクターにビリーバンドを携えて道場に入ってきた。

 

 

「あっ」

 

『あっ』

 

 

見つかってしまった。

 

無論、たけしときよしも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何をやっとるかァァァァァァァァァァァァ!!?」

 

三笠の怒号という雷が指揮官たちに降りかかった。

 

なによりたけしときよしも何故か正座している。それでも骨盤ビンビンと突き刺さったままの刀の柄。

 

 

「海軍部にどう説明するつもりだ…?しかも…見ないうちに痩せこけたなぁ二人とも…」

 

「痩せたっつーか二人とも骨です…もう死んでるのです…」

 

「やっとストラップではないことを認識しましたね、綾波…」

 

肩に手を乗せる三笠。話が読めないが、たけしとは顔見知りだった模様。

 

「しかも、ついにお主は艤装を使えるようになったとは…よく我の艤装いじくってたら誤ってたまに暴発させたりしたのが昨日の事みたいだぞ…うわーなついなこの剣…セイレーンに二束三文で買わされた挙げ句、手から離れなくなっちゃったやつではないか…

 

 

「艤装いじくって暴発させるって危ない趣味してて草」

 

「あの呪いの剣、セイレーンからのものだったんですね…ていうかなんですかそれ初耳ですよ…林先生も知らないってやつですよねこれ?」

 

とんだ初耳学である。

 

「どうせ、仕組みは当時にはなかったけど未来から持ってきた単なる最新の瞬間接着剤でくっついたと思うです。アロンアルファみたいな…」

 

「このSSのセイレーンも大概ですからねぇ…」

 

というか、セイレーンたちはこんなものを前任者の指揮官に売り付けて何を淘汰しようとしたのだろうか。

 

 

 

それと同じくして…

 

 

「というより何なのだこれは…刃無くなってるじゃないか…おお…!!」

 

「私のもじゃない…なるほど…これが…!!」

 

 

引き抜かれた柄を、元の持ち主のものに取り替えて漸く元通りになった高雄と愛宕は。

 

うん、やっぱりこれこそしっくり来る。と言わんばかりに握り締める。変わり果てた愛刀を観察する。

 

 

やはり刃が無い。

 

 

しかし、何かに気付いた様な顔つきになり…

 

 

 

 

「拙者のビームサーベルかっ」

「私のビームサーベルかっ」

 

 

 

「違うわッッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

その直後、指揮官のスマホに基地宛に海軍部から連絡が来たそうで、応答する指揮官。

 

 

 

通話が終わると、綾波たちにそれを教えた。

 

 

 

「え?ここに勤めていた職員の方だったのならば、軍部から費用出してあげるのでお葬式をしてあげてほしい…です?」

 

かくして、無事弔われることが確定。

指揮官も書類は増えても必要ならばと今回は受け入れることにした。

 

 

 

 

 

 

しかし…

 

 

 

 

「じゃあ取り合えず、斎場とかの場所は決まったところがあるので良しとして、通夜振舞いは何にするです?」

 

「あ、綾波ちゃん!王家グルメは無しって出来ます?」

 

「出来るみたいです。ではこちらのコースで…」

 

「真っ先に不人気料理省かれてて草」

 

 

指揮官と綾波たちKAN-SENたちは通夜振舞いについて相談し始めていた。何故かたけしときよしも参加している様に座っている。

 

 

 

何故かたけしに業者から支給されたカタログを保持させ、きよしがこれがいいと言わんばかりに指を写真に指しているポージングを取っている。

 

 

「っていうか、たけしときよしを勝手にいじくったらダメでしょ!!心霊現象みたいになってんじゃねえか!?」

 

 

結局は母港のKAN-SENたちにも聞いたりして決めたが、それにしても本当に無事に葬儀が執り行われるのか、心配になったニーミであったとさ。

 

 

 

To be continued…?




閲覧ありがとうございます。



このSSをご覧になられた後、性格が入れ替わった高雄と愛宕相手に打ち合ってみたいと思った指揮官様がいらっしゃいましたら、是非ともお気に入り登録やご感想、ご投票などをよろしくお願いいたします。

それでは、また次のお話が出来た時に。

by筆者

突然ですが、『中身がおばちゃん1号のベルファスト』と、『中身がベルファストのおばちゃん1号』、どっちが良い?(今後のお話に関わる予定)

  • どっちもやだよ、おう。
  • えぇ…(困惑)
  • 中身がベルファストのおばちゃん1号。
  • 中身がおばちゃん1号のベルファスト。
  • いやー(この中で選ぶのは)キツいっす(素)
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