アズールレーン ―あの素晴らしい海をもう一度、です―   作:ブロックONE

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当SSの指揮官がやったとされることを折角なので言及するノンジャンル話。

※指揮官は喋りません。


見所:皮は被ってても猫は被るな(?)


オサナナジミのよしみ、です。

母港。

 

『艦船!ナイトスクープ』

 

と看板が掛けられている綾波の部屋。

 

「さあ、今日はやるですよ」

 

「何を?」

 

ジャベリンが問うと、綾波はふふふ…と笑い…

 

「指揮官に纏わる噂の解明、ですっ」

 

「噂?…なにかあったっけ?」

 

「うーん…」

 

「ラフィー、あんまり聞いたことない…」

 

 

 

それもそのはず、噂どころか堂々とやっている。

潜水艦のKAN-SENたちとの素潜り対決。たまに裸躍りしたり、潜水艦の足を視察と銘打ちカメラに納めるなど、奇行に走ることもしばしばある。それを除けばノリが良く、企画にも見に来て苦笑いをしている。悪い噂など聞かないし、先ず基本的には奇行に対して突っ込まれ放題である。

 

 

「一つ目は…これです」

 

 

 

 

 

 

【オサナナジミのよしみ】

 

 

 

 

 

「…え?綾波ちゃん…これって…」

「綾波、これって隼鷹さんのことですか?」

 

「はい。隼鷹さんは指揮官をオサナナジミと自称してる事で有名な方、です。証拠VTRもあるので、今回はその辺をお送りするです」

 

 

「まさか、隠し撮りしたんですか…?」

 

「あ、カメラは指揮官が『踊ってみた』を投稿するために付けてそのまんまにしたものらしいです。つけっぱなしなので折角だからそのまま勤務時間に脱走防止するのを兼ねて録画させていただきました、です」

 

「なに職務の合間に踊ろうとしてるのあの人ォォ!?」

 

「指揮官、一人で踊るって空しくないですか…?ジャベリンたちも誘ってくれれば…」

 

「え、そういう問題!?」

 

「建前が脱走防止って言うの中々に草」

 

 

 

指揮官の奇行はその幅を広げている様であった。

 

ということで、VTRを除いてみることにした綾波たち。果たして…。

 

 

 

 

 

……………………

……………………

 

 

 

 

ある日の執務室。

 

 

「指揮官、今日から暫くこのオサナナジミの隼鷹が秘書を勤めるから、よろしくね!」

 

頷く指揮官。

オサナナジミ…そんなものになっていた覚えは指揮官には無論無い。

 

ケチを付けるのも可愛そうだし、そういうテイで仕事を始めることにしたのだった。恐らく幼馴染みに美形が居なかったのだろうか。指揮官はロールプレイに努めた。

 

そして、早速溜まってる書類を処理することから始まった。デスクに座り、貯まった書類を手分けして裁く。

 

「あ、それ隼鷹に任せて?」

 

彼女は働き者だった。指揮官は書類の束を渡す。

 

「うう…こうして見るとスゴい量だよね。パソコン、早く来ると良いねぇ…」

 

苦笑いの隼鷹。その台詞は素のものと言えた。指揮官も同感で頷く。しかし、パソコン等で電子化したとなると、早く処理できる分量が増えたり、出来ることが増えると、今度は仕事が増えたり等の懸念も考えられた。この時はそれを知る由もない…

 

「お昼の時間だね?あ、待ってて?食堂まで行ってきてあげるよ」

 

 

隼鷹は自分と指揮官の分のカレーライスを食堂に行って注文し、持ってきた。指揮官はここで一旦休憩しようと提案し、カレーを口に含んだ途端に気づく。

 

 

 

そういや今日金曜日じゃん…!……と。

 

 

 

 

 

 

(曜日感覚麻痺ってるじゃないですか指揮官…)

(海に出てないのにこれは草)

 

 

 

一方…

 

 

「ああ、指揮官様…ムグムグ…」

 

 

張り込みする刑事のごとく覗きつつトレーから器を手に取りカレーを楽しむ大鳳。

 

 

(目付きが張り込みしてる刑事さんみたい、です)

(あれれ、ボッチ飯ですか大鳳さん…)

(大鳳は気づいてないみたいだけど、隣にアルバコアも一緒に食べてるだらギリセーフ…)

(本人気づいたらひっくり返るパターンですよね…)

 

 

 

そして食後に片付けようとした大鳳は、ついにアルバコアと目が合い気を失い、驚いたアルバコアにより案の定医務室に運ばれていった。

 

(この辺りはカットです)

(大鳳…どんまい)

 

 

 

 

「指揮官、どうしたの?」

 

なにやらそわそわし始めたのを指摘する隼鷹。

 

 

「あ、(執務から)逃げちゃだめだよ指揮官?まだこーんなに処理しなきゃいけないのを残ってるのに。もう、昔から宿題一緒にやってる時集中力切らして半裸でイナバウアーしながら三回転ひねりやりだそうとしたの、隼鷹ちゃんと覚えてるんだから!」

 

 

 

 

 

(イナバウアーしながら三回転ひねりって指揮官どんな少年時代送ってたのか心配になりますね…)

(下手すると割とマジでやっていそうな気がするです)

 

 

 

一方、指揮官は『なんでそれ知ってるん…!?』と言いたげな面持ちになる指揮官。

 

 

(え、ひょっとしてマジだったです…?)

(指揮官!?)

(嘘でしょォォォォォォ!?)

(もう草)

 

 

「え、この後見逃した上に録画し損ねた相棒の再放送が観たいの?…確かに、昔から好きだったよね、相棒。しょうがないなぁ…オサナナジミのよしみだし、特別に隼鷹がその間はやっておいてあげるよ!」

 

 

(((えぇぇ…)))

(指揮官相棒観たさだったです…?)

 

 

「あ、やってあげるから次回の放送は隼鷹と一緒に観よう?」

 

(オサナナジミのテイが乱れ無く続いてる +114514点)

 

 

………………………………

 

 

 

「相棒には勝てませんでしたか…」

 

「あれって見てるとついつい引き込まれちゃいますよね…ジャベリンもつい手元が止まっちゃいますよぉ~」

 

「なにより、指揮官が特別何かしたわけではなかったのでホッとしましたです」

 

「幼馴染みって言うテイを今でもしっかり守ってるってのがまた凄いの草…」

 

…………………

…………………

また別の日。

 

この日、明石の店の手伝いをしてあげた指揮官、そんなこんなで残業してデスクワーク。

 

それは夜遅くまで続いた。

 

(結構溜まってるんですね…)

(ラフィーたち、もう爆睡してる頃…)

(綾波はバリバリL.Iとゲームしてた、です)

(ま、まぁ…自由時間ではありますねこの時間帯は…)

 

「あれ?また残業?しょうがないなぁ…もうっこれはオサナナジミよしみだからね?」

 

 

溜まった事務仕事を手伝ってくれることになった隼鷹に感謝と謝罪の意を伝える指揮官。

 

しかし、隼鷹は何かに気づく。

 

「でもさ、どうして上だけいつもの服じゃなくてタートルネックなの?しかも顔隠してるし…え?ちょっとそれ…なんのメタファー?ちょっと、ふざけてないでちゃんとやりなよ~」

 

 

(そりゃあそうなりますよね)

 

(マジレスされてるの草)

 

 

指揮官の奇行にマジレスするオサナナジミ隼鷹。どう見ても明石の仕事の影響でこんな姿であることを知る。

 

 

「明石が?あぁ…やってたやってたぁ…それでかぁ」

 

 

 

そして次の瞬間、隼鷹から衝撃的な一言が。

 

 

 

 

 

「ま、まぁ…オサナナジミとして言うなら、○茎の治療するなら明石だけは絶対やめた方がいいよ指揮官…」

 

 

 

((((ブフッ…))))

 

 

まさかの包茎発言。指揮官も吹き出してしまった。

 

怒る怒らないのレベルではない。衝撃的過ぎる。

 

 

 

「あ、べつに○茎だからって隼鷹は嫌いにはならないよ?包茎なんて男の人には言いづらい問題だもの…」

 

 

 

(隼鷹さん…!?)

(ラフィー大草原)

(隼鷹さん、もう止めて上げてくださいです…)

 

 

 

ある意味地雷を踏み抜く隼鷹。

 

 

 

(オサナナジミと言ってもそれはダメでしょ隼鷹さん…!?)

(包茎ってハッキリ言った… +114514点)

 

 

「でも!包茎だからって人柄まで(猫を)被ってるとは限らないもの!男性は心よ心!カントンだろうが仮性だろうが、それが真性であっても、そんなの人柄には関係ないから元気出して?」

 

 

(寛容さ伝えようとしてるのわかるけど、台詞回し的に台無しになってますよ!?)

(あれれ?指揮官が憔悴してるよ!?)

(頑張れ指揮官)

(それで元気出してってのは流石に無理があるです…)

 

 

 

まさか隼鷹から包茎の二文字が飛び出すとは…

 

これには指揮官も苦笑い。どう返答したらいいものか。

とりあえず、話を合わせてこの日は無事に執務をやり終えたのだった……

 

 

………………

………………

 

「いやースゴいですねぇ『よしみ』って…」

 

ニーミは驚きが収まらない。

 

「『よしみ』どころか、隼鷹さんからまさかの発言まで撮れていたとは…綾波もビックリです」

 

「ラフィー…っ…今でも草生え散らかってる…っ…っ…」

 

綾波の横でラフィーはお腹を抑えて堪える。

 

「ジャベリンとか、(あの海の舞台裏で)指揮官に言ってそうなのです…」

 

すると、綾波は突然ジャベリンに振る。

 

「ジャベリンでも言いませんよそれ!?デタラメ言わないでよ!?(b)カミーユだって引くよそれ!?(/b)」

 

 

 

 

「これ読んでる全国の指揮官たちが何て仰有るのでしょう…」

 

 

掛け合う二人と堪える一人を尻目に、ニーミは些か不安になった。

おまけに、赤城や指揮官LOVE勢からしても驚愕ものだろう。

 

 

 

 

 

「では、綾波も今度指揮官のオサナナジミを名乗りよしみ使って相棒…」

 

「ラフィーも相棒…」

 

「では、ジャベリンも…」

 

「で、では…このZ23も…じゃなかった、やっぱりダメです!!つーか刑事ドラマをサボりの言い訳に使うなァァァ!!?

 

 

 

 

 

目論みはニーミによって見事阻止されるのであった。

 

 

 

 

 

To be continued




閲覧ありがとうございました。


隼鷹が当SSで漸く喋った回となりました。



度肝を抜かれた指揮官様もそうでなくても、もしお気に召したり吹き出してしまった方は是非ともお気に入り登録やご感想、ご投票等をよろしくお願いいたします。



それでは、次のお話が出来ましたらまた投稿いたします。


by筆者

突然ですが、『中身がおばちゃん1号のベルファスト』と、『中身がベルファストのおばちゃん1号』、どっちが良い?(今後のお話に関わる予定)

  • どっちもやだよ、おう。
  • えぇ…(困惑)
  • 中身がベルファストのおばちゃん1号。
  • 中身がおばちゃん1号のベルファスト。
  • いやー(この中で選ぶのは)キツいっす(素)

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