アズールレーン ―あの素晴らしい海をもう一度、です― 作:ブロックONE
寒空の某海域。雪が降っている。
今回は重桜寮からではなく島と島が隣接する海域…
「姉様、あれはなんですか?」
ふと加賀は赤城を呼び訊ねた。
それは島の沿岸に設置された砲台。海の方を睨んでいる。
「ああ、『沿岸砲台』ね?射線に入ると撃ってくるやつ」
赤城は答える。
「沿岸…砲台…ってなんだ?」
「よし、当たって砕けなさい!全速前進d…ヨーソロー!!!」
と加賀を沿岸砲台にむけて曳航し始めた。
「待って待って待って赤城ィィィィ!!!?」
そして勢いを付けて加賀をぶん投げる。
バレルロールしながら飛んでいく加賀。
加賀は砲台と目が合う。
その砲台は綺麗に磨かれ、塗装もされていた__
なんという巡り合わせ。
そして、砲台のバレルから発射炎が煌めき…
降り注ぐ雪を吹き飛ばしつつ、対岸に着弾。砂の混じる凄まじい粉雪を巻き上げた。
加賀は身体を捻ってギリギリ回避することに成功していた。稀に見るスーパープレイである。
「…っぶなぁ…!!?」
「お見事~」
拍手する赤城。地味に偵察機のカメラにもバッチリと録画されている。
「姉様!何するんですか!?いくらこれが加賀さんの疑問だからって、危うく木っ端微塵になるところでしたよ!?」
「これで分かったでしょ?この先にもあるみたいね…」
赤城は偵察機から沿岸砲台が設置されていることを知る。
「沿岸砲台、撃ち放題って言いたいのか?」
とりあえず寒いギャグは赤城に華麗にスルーされつつ、慎重に進むことにした。
…
「所で姉様、沿岸砲台って母港にありましたっけ?」
「どうしたのよ急に」
「いやほら、母港に攻めてきたセイレーンとかの艦艇を水際で対応できるのかと思い…」
「そうねぇ…そう考えると今後は何かしら手段は必要ね?」
斯くして先へ進むと…何か視線を感じる。
「姉様…」
「え、えぇ…」
進んだ先で多数の沿岸砲台に睨まれていた。しかも、何故か偵察機で見つけた数よりも増えている。
「まさかこんなに隠れてたなんてね…ちょっとは、や、ややややるじゃないの…」
「姉様、キャラぶっ壊れてますよ…いつものラスボスっぽい姉様らしくなにか仕込みとかビックリドッキリメカ無いんですか…!?セイレーンから貸与してきたような素敵アイテムとか…」
「んなモンあるわけ無いでしょ…ラスボス風にしてたって何時だってラスボス風のままとは限らないのよ?第二シーズンでいきなり噛ませになる事だってあるでしょうよ…」
「それ姉様の口から言って良いんですか…!?」
と、議論の最中、二人の顔面を砲弾が掠めた。目を見開いて通りすぎた先を見ると水柱が立っている。
そこから脱兎の勢い。
二人は鬼気迫る顔で全速で離脱。生存本能に従いダッシュ。
「加賀!?あんた盾になんなさいよ!?あんた元戦艦でしょおおお!!?」
「いやいや、それを言ったら赤城姉様だって戦艦じゃないですか!?」
「私は元巡洋戦艦よ!!あんたに比べりゃ装甲なんて紙っぺらよ紙っぺら!?つか姉と呼び慕うなら盾くらいなってみなさいよおおお!?!?」
「バカを言え!?そういう赤城だって姉なら姉らしく妹庇えよおおお!!?」
柄にもなく本格的にパニクりだす赤城と加賀。それでも容赦なく水柱が上がる。
すると、砲撃が止んだ。そこで艦載機を発艦させて遠くから攻撃し破壊する事にしたが。
……その艦載機は砲台により撃ち落とされてしまった。
「なんでよ!?どんだけAIM力高いのよあの砲台!?気持ち悪ゥゥ!?」
「姉様…FPSで負けたキッズみたいになってますよ…」
「あっ…コホンッ…」
咳払いをして呼吸を整える赤城。
砲台の裏に誰かが隠れているのがチラッと見えるが、後方から砲撃音が複数轟いた。弾は沿岸砲台に着弾し、破壊されていく。
「えーっと…色々かっ飛ばして何しておるのだ?」
砲撃の正体は長門であった。
「長門様!?」
「ていうかなんで一人なんだ!?」
江風はカメラの外で控えている。更には三笠も。
「あ、江風隠れたな今」
「やめなさいっつの」
赤城にたしなめられる。
「全く…主力だけで踏破しようとかなに考えてるのだ!?バカなの?ねえバカなの?」
長門の口から出たまさかの発言。
「全ては筆者の筋書きと演出です」
「こら!?」
「ま、まぁそれなら良いが…」
(いいのね…)
(いいのか…)
すると、苦笑いしつつも二航戦と五航戦がぞろぞろとやって来た。
「まったくぅ、センパイたちってせっかちですね?」
「翔鶴…」
まだ脱がされていない翔鶴が話し掛けてきた。
すると、砲台の生き残りがたまたま近くの瑞鶴に合わせられた
「…?瑞鶴後ろー!!」
「瑞鶴危ない!!」
「え?」
容赦なく火を吹く砲台。
翔鶴は駆け寄った。
「え…あ、翔鶴姉!!?」
「ばか、止せっ!!?」
瑞鶴を庇った翔鶴に命中。
「oyome ni ikenai……」
「翔鶴姉…」
はだけた着物の中のTシャツには、『安全第一』と記されていた。
「あ、これ脱がし!?」
砲台の裏の饅頭スタッフが『脱がし芸』と記されたカンペを見せつつ頷く。
「規模デカいわね…今回は…」
「あのさ…さっきまで黙ってたんだが…そこで隠れて次誰狙おうか砲台の後ろでヒソヒソしゃべってる奴…ちょっと出てきてくれるか?」
……加賀は手招きすると…
「流石だな姉上…」
土佐。
そして…
「サプライズサプラーイズ…ムハハハハハ…」
黒丸グラサンを付けた天城か砲台の裏から出て来た。
「土佐と天城姉様でしたか…はービックリし…」
再び砲撃。
「…またぁ!?」
「テ○ビ丸見えでこんな光景見たことあるぞ?つまり、これは場を盛り上げるための…?」
「パーティーグッズか!!現地でこんなコントされたら戦いどころじゃなくなるわっ」
「お前たち…全く緊張感が無さすぎではないか?…ここは(あの)海、死人に口無し、だぞ?」
「"(あの)海"の時点で説得力無くなってますよ三笠大先輩!?」
赤城が突っ込む。
「まぁ、そんなこんなで、長門よ、何時ものように締めを頼むぞ!」
「は、はい…」
暫く考え…
「チェッケーチェッケーチェケチェk」
「待て待て待て待て!!!」
スタッフ出演者総勢が笑い出す中、三笠が慌てて止めた。
「それ、我のネタ!!我のネタだよ!?」
必死な表情の三笠に、顔を真っ赤にしつつ顔を手で押さえる長門。
「いやー長門様流石だな!うんうん!飲み込みが早い!」
「なんの飲み込みよ!?前フリ無いわよ!?」
重桜メンバーは今日も仲良しだったとさ。
…………………
『これが認識覚醒の力か…』
(((絶対違う)))
カミはそう呟き、配下となる中層端末のセイレーンはそれに対し、心の底でそれを否定していたとかしなかったとか…。
To be continued…?
閲覧ありがとうございます。
久しぶりの加賀さんの疑問。如何でしたでしょうか?
そんなこんなで、もし沿岸砲台を撃破せず突っ切ってボスに向かったことがある指揮官様がいらっしゃいましたら、何卒お気に入り登録やご感想、ご投票、よろしくお願い致します。
では、また次のお話が出来たら投稿します。
by筆者。