アズールレーン ―あの素晴らしい海をもう一度、です― 作:ブロックONE
見所:昼寝部から刺客が…?
重桜昼寝部…
その名を知らぬものがない謎の部活。
夕張、雷、白露らにより結成され、もっとも暖かい時間帯に手を繋いで昼寝を楽しむ姿が母港で確認された。
そして、昼寝ガチ勢のラフィーも何故か紛れ込んでいるこの部活。
(ここだけ見るとヤバいカルト集団みたいだね…)
(いやいや…この人たちあくまで昼寝部ですからね!?)
(見てくださいです…雷の寝相)
すると、綾波が雷の方を指す。
「あた…ま…が…┗(^o^)┛パーン…zzZ」
(エア本さんんんんんん!!?)
(ダメでしょこれェェェェェェ!!?)
(では、夕張の方を見てみましょうです……)
暫く観察すると…いきなり起き上がる。
急にビクッと体を痙攣させ、目を見開き飛び起き、綾波たちを驚かせた。
「…僅…かな…時間を…見つ…けて…zzz」
………が、覚醒してないのか呟いた途端にばたっと倒れ、再び眠りについた。
(こっわ!?…なんだったの今のぉ…)
(寝ピクにしてはかなり激しかったですね…)
(まるで締められて絶命する寸前のお魚さんみたいです…)
(生々しいわ表現がっ)
綾波の夕張の様子についての言及に突っ込むニーミ。
「ギョギョッッ!!!…zzZ」
「今確実に起きてただろお前!!?」
夕張二回目の寝ピク(特大)
白露は普通に寝息を立てている。
『お昼寝を実施中』
この看板。
そして…
ラフィーの姿。
その姿を見た途端、主人公ズ背筋が凍りついた。
なんと、何者かの尻尾に絡まれて寝ていたのである。
(ラフィーちゃん!?)
(なにこれ、どういうこと…!?)
そこにもう一人見慣れぬ顔が…
「こ、このお方は………」
尻尾を辿ると、綾波は動揺した。
(信濃さんです…!)
重桜の大物KAN-SEN。話によると赤城たちを凌ぐ指揮権限を持つとされていた大和型を改修した空母、信濃であった…!!
(信濃さん…ラフィーを取り込んだです…?)
しかし、よく見てみると、尻尾が絡まってるのはラフィーだけではなかった。
逆さに吊るされる形で指揮官も寝ていた。そういえば執務室が静かであったことを思い出す主人公ズ。
(指揮官もかよォォォォォォォォォ!!?)
(引き回しの刑にされた罪人みたいになってるよ!?)
(ああ…指揮官ついに処されたです…南無)
(いや生きてるよ!!安らかに眠ってるよ!!?)
「指揮官は……寝てるだけ……」
「「!?」」
すると、信濃が突然喋りだす
「もしや、起きてました…か…?」
「まるで左手は添えるだけみたいな言い方、です」
しかしまた寝息をたてる。
(偶々だよね?)
(寝た振りって、わりと大物の得意技って感じがありますよね…実はめっちゃ鋭いっていう!)
(あー、こちらの信濃さんですが、 実は夢を見ながら聞こえてたりすることあるです…寝言のくせに寝言じゃなかったり…祭儀とかも噂だと寝ながらやったとか伝説が残ってるです)
常人には不可能な芸当だ。
(すごい…でもさ…目を閉じてるだけで起きてるように見えるよ…)
(重桜って不思議な方が多いですよね…)
(ついたあだ名は『眠りの信濃』、です)
(小五郎のおっちゃんじゃないんですから…ってなんですかそのスキルみたいなの…)
「真実は何時も一つ!!…Zzz」
「今起きてましたよね信濃さん」
「今のは起きてたです」
「取り合えず指揮官とラフィーを自由の身にしないと…!」
「よし、ここは手分けするです」
ラフィーは解けたものの、指揮官の首もとの絡まった尻尾を解くのは難しい。しかし何故か起きない信濃。きっと夢の中で顛末を見守っているのか。空気を読んで何も言わないのか…もしくは並行世界へ旅立っているのか…。
すると…
「あっ」
綾波が手を滑らせてしまう
すると、指揮官の首に巻き付いた信濃の毛並みの良い尻尾が、キュッと締まり……
(あ、ちょっと綾波、そこ強く引っ張ったら…)
(あらぁ指揮官…)
(引き回しからついに絞殺刑言い渡されたです…?)
(何やってるのォォォォ!?指揮官ーーーー!!?)
(短い付き合いではあったが…)
信濃までさらっと小声で続いた。
(信濃さん!?)
(お前いい加減起きろよです)
(こらぁぁぁ!?そんな言い方は失礼ですよ!?)
(一体いつから…妾が寝ていると錯覚していた…?)
(いやもうそれ起きてますよね!?)
(あのー、よろしければ、解くの手伝っていただけませんか…?)
(ん?お、いかんいかん…尻尾の寝相が…)
尻尾の寝相って何なんだよ。と突っ込みたくなる中、起き上がった信濃は絡まった尻尾をほどいた。
「妾は重桜に属す、信濃と申す。以後お見知りおきを…」
自己紹介する。
最近この基地にやって来たそうだ。
「眠りの信濃とは妾のこt…」
「綾波、信濃さんに失礼ですからそこから出てこようね~」
綾波が信濃の後ろに隠れてネクタイを口元に当ててアフレコするが、ニーミに引っ張り出されてしまった。
「そう案ずるでない。これは今年の祭儀の島でウケた宴会芸なり…」
サムズアップして答える信濃。
「あそこ宴会芸とか披露して良いところなの!?」
「この前はコナン役が長門様でしたです…」
重桜の文化かどうかは疑わしいところだが、祭儀の島は重桜にとっても重要なところ。そこで宴会芸があるとあれば、是非とも行ってみたい気もする。
「ふむ…汝たちはこの子をさがしていたと…?」
「そうなんです…」
寝息を立てるラフィーを背負うジャベリン。
「実は私たちこの後出撃でして~」
「ついでに、そこでまた絡まってるそいつの命令、です」
「ふむふむ…」
ふとまた信濃の尻尾に絡まりながら幸せそうに寝ている指揮官を見やる。
「こやつは妾(わたし)たち昼寝部に任せ、そなた方は、任へ赴くとよい…」
遂に自分から昼寝部の部員だと名乗りだした信濃。
重桜の中で最も大きな空母とされる彼女が醸し出す、この偉大そうな雰囲気が何故かとても格好よく見える。指揮官が絡まってるが。
(なにこの古風なオカン味)
(ミカン味みたいで草…zzZ)
(ていうか指揮官尻尾に振り回されてません?)
(完全に吊るされてるです…)
「任務といっても、そんな大したものではないです。暇そうなセイレーンの艦隊に軽くカチコミしてくるだけです」
「なに、それは誠か__」
信濃は同行を申し出た。
千載一遇のチャンスだったそうである。
「指揮官、起きよ…おい起きよこの尻尾フェチ…」
指揮官を叩き起こして出撃を申し出る信濃。
「尻尾フェチ…!!?」
「信濃さんから凄い言葉が出ちゃったです」
「草…zzZ」
どうやら燃費が悪いために出撃を押さえたそうである。
(まあ、勝手に出るわけにもいきませんものねぇ…)
(ついに隠しスキルの『眠りの信濃』が発動するです?)
(だから、そんなスキル無いからね本家…!?)
斯くして、旗艦を信濃にして主人公ズは出発するのであった。
母港から出発してからしばらく先の海域にて。
「さーて、このSSでの信濃はどうなってるのかしらね?」
テスターが姿を表していた。
「ねえテスっち、嫌な予感しかしないんだよねこれ」
「あら、なら帰っても良いわよ?」
「あ、まじで?じゃあアッコにおまかせ観るから帰るわー」
ピュリファイアーはそういって手を降り帰っていった。
が、数分後、帰った筈のピュリファイアーは何者かによって殺害(?)されてしまった。
「ピュリファイアー!?え、誰にやられたのよ…つーかなにこの急展開!?」
テスターは駆け寄る。
まさかの爆発阻止され遺体(?)で発見される。
そこに新たな反応が近付いてきた。
「あ、テスターです」
綾波たちと遭遇。綾波たちはなんとも情けない姿をさらしているピュリファイアーを見つけてしまう
「待って!?待ってよ!?私殺してないから!?淘汰しようと動いてたらこいつが倒れてるのを見たのよ!!」
すると…
「全員、その場を動くなァァァ!!」
と、何故か柄にもなく叫ぶ信濃。
呆気に取られるこの場の全員。
そして、第一発見者のテスターを交えて推理をすることにした。
「なるほど、つまりピュリファイアーのセイレーンとしての勤怠に不満があった…そこから…殺人に至った…」
「いやまってよそれ推理してないでしょ!?」
ピュリファイアーの体や艤装には、魚雷が当たった箇所が発見された。しかも破壊力が高いもので殺られた可能性がある。
「魚雷を食らった痕…ということは…」
「犯人、この中にいる」
「一体…誰なのです…?」
一撃が重い魚雷。雷装値が高いKAN-SENの疑いが浮上し……
一同は綾波を見た。
「なっ…なんで綾波を見るのです!?」
「だって、あなたの雷装値、高いじゃん。ぶっちぎりじゃん」
「そ、そんなのマグレです!浜風とか魚雷のDPS高いやつとかいるです!?」
しかし、浜風はここにはいない。
証明するチャンスはある。魚雷の製造国だ。
「検出した水質から、使われた魚雷は重桜製の酸素魚雷が使われた可能性があるわ」
酸素魚雷。それは重桜の誇るもの。
圧縮空気を危険な物質である純酸素を使っているため、速力もあり、射程が長い。
魚雷には内燃機関付きと電池式があるが、殺人に使うのなら、隠密性には排ガスを出さず、迅速に倒せる電池式に分がある。この酸 素魚雷は、海中で排気されるものが炭酸ガスと水蒸気故に、海に溶けてしまい、魚雷が走った跡が残りにくいと言われていた。
テスターは何度もセイレーンとしてKAN-SENたちと戦い、蓄積したデータがあるため、皮肉にも信用に足りるものであった。
そんなのを搭載してるのは重桜系の確率が最も高い。
この海域にいる中では、主人公ズと信濃による艦隊しか居ない。
しかし、
「それは違うですッッッ」
綾波が大きく声を上げて否定した。
「なるほど、アリバイがあるんだね」
「綾波の魚雷発射菅を見るです。それが証拠です」
一発も撃たれていない。テスターもスキャンするが発射して再装填された形跡もない。
「落ち着いて…たしかに、重桜の魚雷とはいえ、艤装ごと交換すれば、適正値は変われど、誰でも搭載することは出来ると思われる…実際に、ジャベリンやラフィー、ニーミのお三方も搭載し運用することは可能だ…テスターよ、それをお主が知らぬわけでもあるまいな…?…Zzzz」
(あれ!?信濃さん寝てる!?マジで発動しちゃったのォォォ!?)
(というか、これホントに眠ってるんですかね?)
(アフレコしてない。生声)
にしても信濃の発言は本当だ。たまにジャベリンたちも演習や実戦で装備している。
「たしかに、悪かったわね、疑ったりして…」
「ごめんなさい綾波ちゃん…何時かやるだろうとおもってたから疑ったりして…」
「ごめんなさい…私も軽率でした…何時も平気な顔して至近距離で魚雷叩き込んでるから、もしやと思って、つい…」
「ごめん綾波…ラフィー、純粋にいつかやるだろうと思ってた」
「良いのです。ってお前ら疑いすぎなのです!!なんだよ何時かやるだろうって!?綾波はそんな悪い子に見えるですゥゥゥ!?……でも、綾波が怪しまれるのは知ってたです。気になるのは、綾波ではなく他の誰かの姿が無いというのが不自然なのです。テスター、なにか隠してることあるです?鏡面海域でしたテヘペロ…とか」
今度はテスターに疑いの目が向いた。
「ちょっ…待ってよ!?私第一発見者よ!?鏡面海域なんて発生させてないし!する前だし!」
「発生させようとはしてたのだな…」
(ぬっふっふっふ…テスタァ…これは綾波に疑いの目を向けさせた罰ですゥゥ…さぁ…持ち前の演算力とやらでアリバイを吐いてみろですゥゥゥ…)
(どす黒いなオイ!?)
(つーか、話をややこしくすなっ!?)
(怪しまれる物言いは草)
「そうね…フェアではないわね…」
「あ、言っときますけどやったのにやってない振りはダメです」
「分かってるわよ!?…今朝5時頃に起きてこの辺りで二度寝してたのよ…鏡面海域発生させる予定の時間までね…ほら、映像よ!」
カメラ映像。立体映像など見飽きた綾波たちは驚かなかった。
「大股開いて寝てるです…」
「うるさいわね…寝相なんて其々あるわよ…ピュリファイアーだって酷いのよ!?踵落とし食らうし!」
そもそもセイレーンって寝るのだろうか。
「なぜこの様な時間に起きた…zzz」
「追加の仕込みよ。昨晩仕込みしたって、あなたたちは差し向けた艦艇全滅させようとしてくるから追加してるの!」
「Zzzz…なるほど、つまりはピュリファイアーの寝相が悪くて眠れず、結果としてそなたは殺意が沸き、殺めた…と…」
「ちげえよ!!?なに眠りの小五郎みたいに寝ながら推理しといて結局私がやったみたいに適当に結論つけてんだよォォォ!?ちゃんと推理してねえだろォォォ!!?コナンくんどこォォォォォォォォ!!?」
「さて、テスターは一先ず逮捕です。そのまま起訴ってしまえば心象は圧倒的不利。はい終わり、です」
「待って待って待って!裏付けがないわよね!!?」
テスターも中々粘る。
「つへこべ言わずに来いホイ、です」
「待って!?勘弁して刑事さん!!」
………その付近の近海で。
「もー遊びなんだから力抜きなさいよねー?」
「ごめんなさーい!弾頭外しても魚雷って重たいからつい~!」
と、大人の事情で全身黒タイツ姿の駆逐艦と戦艦の二人のKAN-SENが魚雷を投げて遊んでいた。
………………………
…………………
……………
………
……
…
「…という夢を見たのだ」
「壮大な夢ですね信濃さん」
「殺人現場…」
「真犯人が故意かうっかりなのかは兎も角」
「それにしても、昼寝部の皆さんはいいとしても、指揮官はどうして信濃さんの尻尾に絡め取られてるのです?」
よくみると、信濃の尻尾に張り付けにされたように絡まっている恍惚の表情の指揮官。
そして、昼寝部の部員の配置…
気になるのは島風と駿河が既に委託で出てしまっていること。
「駿河~魚雷投げやりましょうよ~」
「えー!?この前執務室に飛んでっちゃって後始末が大変だったじゃないの!嫌よ!?」
「ここなら飛んでっても海だし平気ですよ~」
To be continued…?
閲覧ありがとうございました。
はい。そういうオチとなりましたことをお詫び申す…
ということで、また次のお話が出来たら投稿して参ります。
by筆者