アズールレーン ―あの素晴らしい海をもう一度、です―   作:ブロックONE

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長門のちょっとしたお話です。


ではどうぞ!


長門が予約ゲームの店舗特典版を引き取りに向かう話。

余は重桜艦隊の長門なり。

 

 

え?今何してるかって?

 

 

 

 

 

赤城に見付からぬよう隠れておるのだ…

 

 

 

 

「長門様ー?まったく…どちらへ向かわれたのやら…ここにはいらっしゃらないようね…」

 

 

 

ふぅ…

 

 

 

 

実は…予約したゲームの特典版を引き取りに行こうとしたら…

 

 

 

『長門様、あなた様は重桜の誇り…むやみやたらに外出は危険でございます!』

 

 

 

と、連れ戻されてしまった…。

 

 

受けとり期限は本日まで…赤城たちには伝えてはいない…ゲームにうつつ抜かしすぎてると思われると、示しがつかなくなる…

 

 

…というわけで、こっそりと買いに出て帰る算段を付けたのだ。

 

 

 

 

ほら、お主たちもFPSとかでも何でも、立ち回りを考えるであろう?あれと要領は同じぞ。

 

 

 

 

 

 

 

まぁ不安にさせるのも何だがこれも余のこれからの独り立ちのため!

 

 

 

 

 

済まぬ赤城!許せ陣営の皆…!

 

 

 

 

しかし、余を探している赤城は空母…なんだこの音?

 

 

 

艦載機を発艦しておった…だと?

 

 

 

 

しまった。身を隠さねば…

 

 

 

プロペラの音…通りすぎるが何もない。

 

 

 

こっそり段ボール箱の取っ手になる穴から見ると、通り過ぎた様だ。

 

 

さて、急ぐかな…貴重品と予約した時のレシート、それに満充電のスマホ等は持ったぞ…うむ。

 

 

 

 

 

すると、足音が聞こえた。自分のものではない…

 

 

 

咄嗟に物陰に隠れる

 

 

 

そこには江風が。

 

 

あの無愛想な表情はやはりそうか…

 

 

 

「ックチュン!…うう…」

 

 

ええ…(困惑)

心の奥で呟いただけでくしゃみをしてしまうとは…

 

 

しかもなんだその普段と裏腹に可愛らしいくしゃみは…!!?

 

 

まぁ通り過ぎたから良いか…

 

そっと表に出よう…

 

 

 

 

 

 

 

「♪それは秘密 秘密 秘密 秘密のカッガちゃん―――」

 

 

 

その歌どこかで聞き覚えがあるな…もしかしなくても加賀ではないか…

 

 

その尻尾でわかったぞ…

 

 

通り過ぎたか…

 

 

 

ホフクして隠れた甲斐があるぞ。

 

 

 

 

まぁ艤装は外してるから…余の小柄な体型が身を救ったか…はぁ…

 

 

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

艤装を外してる時は余もしがない重桜乙女なり。

 

 

 

 

普通の女の子らしく振る舞わねばな…

 

 

 

 

艦隊のメンバーは見当たらぬ…これは好機だ。

 

 

 

そう、この予約したゲームについてだが、店舗特典のコスチュームがあって、自分の操作する特殊部隊の兵士に付けられるのだ…!しかも、珍しい重桜の装備がだ…!

 

 

 

 

 

いざ!

 

 

 

 

………………………………

 

(その頃)

 

 

「あら指揮官様、長門様を見掛けませんでしたか?…そうでしたか、失礼しました…」

 

 

どこ行ったのかしら…

 

 

「あら?」

 

部屋にも戻られていない。

 

そう言えば…このところ、長門は綾波やロングアイランドたちとゲームの話をしていたのを赤城は思い出していた。

 

あら?

 

床には小さな紙が落ちており、それはレシートだった。

 

かなり数ヵ月前のもの。もしかして…と思いよく探す。すると、もう一枚見付かった。ゲームのコントローラーだ。棚を見ると、印字されたものと同じハードのコントローラーが置かれている。買った店名は何れも同じ。

 

もしかして…

 

そう思い、早速行動に出たのだった。

 

 

 

 

…………………………………

 

 

ゲームショップまでは徒歩。

人通りはそこまで多くない。

 

こうして歩くと、どこか平穏さを感じる。

 

 

しかし、油断はできぬのだが…

 

 

 

そんなこんなでゲームショップに到着。

 

 

 

「いらっしゃいませ~」

 

「これを引き取りに参りました」

 

レジに並び、店員に引換券を渡す。

 

「受け賜りました。少々お待ちください」

 

 

暫く待つ間、念のために重桜の艦船たちが居ないか周囲を軽く見渡す。居ない。

 

 

「番号札25番の方ー」

 

すると、受けとり用のお呼びだしカウンターに呼ばれたのでそこへ向かう。

 

 

 

 

「はい。商品はこちらでお間違えありませんか――」

 

 

 

 

 

カウンターに品物を持って訊ねてきた店員。その声に聞き覚えが………?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――長門様?」

 

 

 

 

 

 

恐る恐る店員に目をやると、何とその店員はゲームショップのエプロンを付けた赤城だった。

 

 

「え…………」

 

 

「長門様、もしやこの赤城がここを知らないとでも?」

 

 

なぜそこにおるのだ!?

 

 

「どうして…」

 

 

「お部屋にこちらを見付けまして…もしかしたら…と」

 

 

赤城は自室に来たときに片付け忘れていた領収書を見せてきた。

 

というか、どうやって店員に成り済ましたのだろうか。

 

 

 

「騙すつもりは無かったのだ…」

 

 

 

「承知しております。折角予約されたのに受け取らぬままではお店にご迷惑が掛かる事を考えていらっしゃった様ですね………お話しいただければ、我々で引き取りに向かいましたのに…」

 

 

結局のところそれもあるが…客観的にゲーム(私物)ごときでそれはどうかと思ったからこうしてるのだが…

 

 

「済まぬ…」

 

素直に謝る他ない。

 

「いいえ長門様、それでは帰り道、お気をつけくださいませ。暗くなる前に…さあ」

 

 

「赤城…本当に迷惑をかけた…これにて失礼するっ」

 

 

商品の入った袋を受け取り、赤城に詫びてから店を出ていった。

 

 

その背中は少し嬉しそうであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「す、すみませーん…こちらのお客様もお願いしてもらって良いですか~?」

 

 

「あ、はーい!今お受けいたします~!」

 

 

 

 

本日はある種の書き入れ時だったそうで、その後帰って来た赤城の疲れっぷりから、今度からは通信販売で購入することを堅く心に誓った長門であった。

 

 

そして、その後は明石や不知火のお店を通じて母港に取り寄せてもらい、その都度赤城か、もしくは言い付け通り書き置きを残した後に長門が直接取りに行くようにもなったという…

 

 

「長門様がここに来たですか?」

 

「そうなのにゃ。この前はハードに外付けSSDを搭載したいと相談に来てくださったにゃ」

 

「案外ガチなのです…!」

 

 

 

To be continued…?

 




閲覧ありがとうございました。

そのー…あれです…『一人で出来るもん』なお話のつもりが…こうなったといいますか…


江風初登場なのに台詞がくしゃみだけって、まさかこのSSだけ…?

そんなこんなで長門や江風たちが気になった方は、是非ともお気に入りや感想、投票をよろしくお願いします…m(__)m

それでは、また来週も筆が走り終え次第投稿します。

by筆者

突然ですが、『中身がおばちゃん1号のベルファスト』と、『中身がベルファストのおばちゃん1号』、どっちが良い?(今後のお話に関わる予定)

  • どっちもやだよ、おう。
  • えぇ…(困惑)
  • 中身がベルファストのおばちゃん1号。
  • 中身がおばちゃん1号のベルファスト。
  • いやー(この中で選ぶのは)キツいっす(素)

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