アズールレーン ―あの素晴らしい海をもう一度、です― 作:ブロックONE
母港の重桜寮舎にて。
「姉様」
「あら?どうしたのそんな改まって…」
「…」
加賀は赤城に訊ねる
「カミって…何ですか?」
「……はい?」
「いえ、その、ですから、カミとは何なのでしょう…」
「なんだと思えばそういうこと…」
「…済まない…何というかほら…触らぬ神に祟りなしって言うだろ?」
「まぁ、確かに下手に言及するのは罰当たりな感じするわよね」
「にしても、一体何のカミなのか?そもそも、『カミ』って色々いるだろ?重桜には八百万の神がいるわけだ。長年使う物に宿る九十九神、疫病神、貧乏神、七福神、邪神、ロマンスの神様、カミまみた……それに黒タイツで半裸の現人神…キリがない」
「途中から何だかおかしくなってるけど、最後のは神かどうかは見た人の判断次第だと思うわね。確かにいろんな神様が居ると言われて信仰されてるのは本当ね」
「あれか?神子たちが豊作とかを祈って人知れずこの様な神楽とか踊られるのだろうか…」
そう言いつつ、加賀は突然腰を突き出し両手を前に突き出したり、ぐねぐねと不思議な舞をやり出した。かなりキレが良い。
「待ちなさい加賀、そんな『取って、入れて、出す!』みたいな神楽は聞いたこと無いから…ていうか、お笑いの神様降りてきちゃうから止めなさいっ」
「そう言えば!この前、指揮官がいないと思って探してたら、潜水艦の皆と水中息止め対決してたな…結果は良い勝負だったようだが…」
「仕事の合間に何してるのあの人…!?決めたッ…」
すると赤城は立ち上がる。
「姉様?どちらへ?」
「私も潜水艦の子達と水中息止め対決に……」
「待て」
………………………………
「重桜のカミ…そう言われると、確かに気になりますよね?飛龍、どう思う?」
「んーやっぱりヤオヨロズノカミガミへの信仰っていうからには、新世界のカミ…いや、むしろ全知全能…ですかね?蒼龍姉様」
「おお、やはりそう思うか、飛龍…やはり神楽もこうなのか…」
「だからね!?黒タイツの神様降りて来ちゃうから止めなさいっつの!!」
「飛龍、キレが甘いわよ。こう!次にこう!そしてこう!」
「蒼龍まで!?」
「あらー?そんなに吠えてどうされたんですかぁ~?せんぱーい?」
「こんにちは…」
翔鶴と瑞鶴たちが通りかかった。
「翔鶴に瑞鶴…丁度良かったわ」
「おお、翔鶴、瑞鶴二人にも訊ねたい事があってな」
「何でしょう?」
「その踊り…神楽ですか?」
「どこをどう見たらこれが神楽に見えんのよ!!?お前らの信仰してる神ってあれか!!?」
「どれや!!!」
「瑞鶴…そのフリの返し、よく知ってるわね…?」
「喧しいぞ?どうしたのだ…廊下まで聞こえておるのだが…」
長門が入室してきた。
「「「「「「長門様…」」」」」」
声を揃える赤城たち
「楽にせい。カミがどうとか話しておったな?」
「ええ…加賀が重桜のカミは一体何のカミだろうと疑問を持ってまして…」
「ふむ……」
長門は「うーん…」と暫し考え出す。その間、加賀たちは『取って、入れて、出す』の踊りを繰り返して様子を見る。
「それは決まっておろう。カミというのは、己の心の中に思い浮かんだもの…それこそ、そのカミのお姿なのだ…」
ゆっくりと語り出す長門。
「その姿の見え方は各々によりけりなのだ…どれが正しいなんてものはない。ロマンスの神様だろうと、新世界のカミであろうと…かの半裸で黒タイツの現人神だろうとな」
静まり返り、言葉を思い返した。
『己の心の中に思い浮かんだもの。それがカミのお姿』
この言葉を聞いてやはりアレもカミの姿の一つと確信した。
「待ってください、それじゃフリーダム過ぎませんか?」
「まあ、あれを神楽にするのも楽し…ゴホンしないと思う…多分………」
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……………………………
………………………
…………………
……………
………
……
…
『…………草』
何者かはそう呟いたそうな。
To be Continued…?
重桜のカミ………?についてのお話でした。
まぁその、あれですね。きっと観測続けてる『彼女たち』もその上の方々も、草を生やしていると思われると思いました。
それでは、今週もまた筆が走り終えた時に投稿していきます。
by筆者
突然ですが、『中身がおばちゃん1号のベルファスト』と、『中身がベルファストのおばちゃん1号』、どっちが良い?(今後のお話に関わる予定)
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どっちもやだよ、おう。
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えぇ…(困惑)
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中身がベルファストのおばちゃん1号。
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中身がおばちゃん1号のベルファスト。
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いやー(この中で選ぶのは)キツいっす(素)