アズールレーン ―あの素晴らしい海をもう一度、です― 作:ブロックONE
ライブ当日。
イベント会場こと実験海域にて。
日程に沿って各艦船たちはカバーソングや持ち歌等のパフォーマンスを披露していく。
沸き上がる会場。そこには羽目を外した軍の上層部のおじさんたちも推しメンのグッズ片手に喚声を上げていた。
「イモアライ係長みたいなのいるよ!インディちゃん」
「キレッキレだね?」
「上層部のあのおじさん、推しメンとかいたのかにゃ…」
「さあ、グッズはこちらでございます。お早めにお求めを…」
明石と不知火がグッズ売り場で商売を展開する。
そして、綾波たち主人公ズとポラリスの直接対決の時が迫り…
始めはガスコーニュたちポラリスがステージに立った。
「一人で__佇み__」
ポラリスの曲は『coeur』。
「始めて」『始めて』
「感じた」『感じた』
現在二番の歌詞。
ヴォーカルのガスコーニュと、演奏しながらのコーラスを行う赤城、シェフィールド、ヒッパー、クリーブランド。μ兵装の性能実験とは思えないパフォーマンスに、観客たちは大興奮。
そして大盛況の中でポラリスの出番が終了。続いて、綾波たち主人公ズ…そして最後、主人公ズのトリを務める、綾波主催の『アヤザイル』の出番がやって来た。
「次って誰でしたっけ?」
ガスコーニュは次の番が気になっていた。
「綾波様たちの番ですね」
「赤城の同僚のあの子ね?」
「そう。あの綾波ちゃんよ。ニーミちゃんのお友だちの」
「あ、あの子か…!」
「綾波たちってなにやるんだろ…なんかすごい練習してたって聞いたんだけど…」
「予測不能を認む…気になる…」
「それでは皆さん、本番、行くです」
『おおー!!』
AYAXILE第一章の幕が、今、上がる________!!
――――
真っ暗のステージ。
突如点灯するスポットライトに照らされ、その下には綾波を先頭にロールダンスする複数の艦船たちが。
すると、イントロが流れて散開する。
「ええ!?なにあれ!?」
「ロールダンス美しいですね…!」
「あらまぁ…!」
「息ぴったり…やってくれるじゃないの!」
「おませアイドルの域、というか、皆吹っ切れてないか!?」
『Fun Fun we hit step step__同じ風の中 we know we love oh___』
最初のサビの歌詞をメインボーカルの綾波とコーラスのニーミたちが歌い上げる。
「な…何が起こってるにゃ…」
「ヴォーカルは綾波殿、コーラスはZ23殿ですね」
綾波と不知火が実況する。
なにせ明石は一緒に『変なおじさん』を踊ったことしか実感がないのだ。これが同じ綾波達なのか。
おまけに覆面を被っていたのは、これまでパフォーマンスをしていた吹雪たちであることが判明。その中には暁たちもパフォーマーとして参加。
サラトガはその出来映えに驚いて一瞬声がでなかった。
――――
『heat heat (the) beats like a skip skip!__ときめきを運ぶよchoo choo train__』
直後、綾波が決めポーズをするのだが、綾波だけは腕を真横に曲げたり、両手を下から上まで上げたり、首を回したりといったポーズを取る。
「アイーンにコマネチ、あの首回し…」
「シムラさんとタケシさんにゃ!」
突然のことに観客は驚く。
…が
「い、今のもパフォーマンスかな…?」
「いいとこ押さえてるわね、綾波ちゃん…!」
困惑するサラトガに、レキシントンはどこか感動している。
「今!今見ちゃったにゃ!」
「どうされました?」
「エンタープライズにゃ!そこ…ステージに!」
「あぁ…ホントです…!!」
何と、パフォーマーの中にあのユニオンの誇るエンタープライズが!
「鉄血のビスマルクに…ティルピッツ、オイゲン…ツェッペリンにゃ…なんでこんなところに首を突っ込んだにゃ…!!」
「なんかはっちゃけたら面白そうな連中まるごとぶちこんでるようにもお見受けできますね…」
――――
『月明かりにfreak 誘えば my bro_』
Bメロから一変。
綾波たちは突如俗に言うヒゲダンスになり、観客に笑いを誘ってきた。
「え?これって」
「加トちゃんですね」
「ちょっ…エンタープライズたちもやりだしてるにゃ…」
『みんな巻き込み 急ぐ edge of time』
続いて、明石も練習室で一緒に踊った『変なおじさん』__。
「やりやがったにゃwwwこれで綾波のペースにゃ…あれ、観客のみんなやってるにゃ!これは上層部のおじさんたちに怒られ…」
よくみると、踊っている綾波たちに続いて軍の上層部のおじさんたちも一緒にヒゲダンスを踊っていたのを明石は目にした。
「………みんな巻き込まれてたにゃ」
一方
「おおおお!!!」
レキシントンは興奮。
ーーー
『胸に who’s that guy__届く i don’t care__merry sympathy__』
「『おにゃんこ』になりましたね…?」
「これ一体誰へのメッセージにゃ…あ、もしかして指揮官と…赤城かにゃ?」
指揮官は思わず笑顔。
ポラリスはポカーンとしている。が、赤城だけがにやけているのは古参ゆえ、きっと世代なのか…
――――
そして再びサビに。
『Fun Fun we hit step step__同じ風の中 we know we love oh___』
「あ、元に戻ったにゃ」
「動きが揃ってます。」
『heat heat (the) beats like a skip skip!__ときめきを運ぶよ "アヤザイル" __』
「アヤザイル…!?」
ガスコーニュが反応し、思わず口に出す。
気がつくと観客、パフォーマンスしているアヤザイル、それを見守るサラトガたち、そしてポラリスのみんなも口ずさみリズムを取りだす。
一帯は何故か「楽しい」感情に満たされていた。
「なるほど、これが『アヤザイル』…。綾波がやりたかったのはこれだったのにゃ!?」
「なんというネーミング…」
「まさか、μ兵装に既視感で対抗しようとは…しかも練習の成果か、皆キレッキレにゃ…やりきったにゃ…!」
『駆け出して 跳び乗る 綾波 Train___』
そして、最後まで歌い切り…
アヤザイル、第一章となる初のステージ『Choo Choo 綾波 Train』はこうして幕を閉じた…!
この時、会場の盛り上がり様から、勝敗など、最早関係なくなっていた……!
――――
ポラリス控え室。
「「「「「はぁ…」」」」」
一息つくポラリス…
「スゴかったですね…アヤザイル…」
シェフィールドの一言に頷く面々。
「まさか…あのステージで『おにゃ○こクラブ』をやってくるとわねぇ…歳バレるわよこれ…」
赤城はやはり反応を示してきた。思い出し笑いしてしまう。釣られて笑ってしまうポラリスメンバー。
「シュペーとオイゲンも、なにより、ビスマルクたちも踊ってたわ…すごいキレッキレだったし…」
ヒッパーはなによりも、あのオイゲンや、堅物系のビスマルクたちもあの中で楽しげに踊ってたなんて思いもしなかった。
「エンタープライズにもいたよ…すごい楽しそうだった…!」
「フッド様たちも見付けました…」
「きっと溜まってたのよ…」
「まぁ、多分それもあったのかもね…」
「あれ?ガスコーニュ、何してるの?」
クリーブランドがガスコーニュの方を見やる。
「あ、その…さっきの躍りが印象的で…つい…」
ガスコーニュは先程の『Choo Choo 綾波 Train』の振り付けに興味を持っていた。
「それは『変なおじさん』だよ!?」
と、クリーブランドが突っ込むも、何だかんだ一緒にやってみる。折角なので、赤城もシェフィールドもヒッパーも加わった。
踊っていると、彼女たちは「なんか無性に楽しい」と思い始める。合わさると何故か感動を覚える。
この時、ポラリスのメンバーは、今踊っている『これ』こそ、真の『μ兵装』なのではないのか…?と思い始めるのだった。
それは「盛況につき、しばらくライブを続けていい」というお達しがきた事を明石が伝えに来るまで、その踊りは続いていたという。
「えっと…何をしてるにゃ…?」
to be continued.
数日ぶりの投稿でしたが、閲覧ありがとうございました。
アンケートや作品の投票に付きましても、ありがとうございますm(__)m
vsポラリスの結果については最初はアプリ準拠のつもりです(どこがだよ)
では、また筆が走り終え次第、投稿して参ります。
この作品を読んだ後、綾波たちに巻き込まれた指揮官様やレア艦をドロップした指揮官様がいらっしゃいましたら、是非ともお気に入り登録やご感想、ご投票など、よろしくお願いします。
by筆者
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