アズールレーン ―あの素晴らしい海をもう一度、です― 作:ブロックONE
思い付きの一つから走りまくったこのシリーズ。ご好評いただきまして誠に感謝です。頭が上がりません…!
では、今回もどうぞm(__)m
重桜寮舎にて。
加賀は鍛練と整備を終えて寮舎に戻る。
すると何か考え出す。
「姉様…」
加賀はすかさず、同室で茶を楽しむ赤城を呼ぶ。かなり神妙な面持ちで。
「なにかしら?」
「セイレーンって」
「それは敵よ」
「即答ですか!?」
姉の赤城からの展開ブレイクに驚く加賀。
「それだけ?ほんっとにそれだけですか!?」
「当たり前でしょう!?少なくとも情勢的にはセイレーンは敵なのよ!?この前だって指揮官様のご用命でサディア行ったら撃って来たじゃないの!栄光集めに何周したと思ってるの!?」
「でもぉ…」
「まだ説明が足りない?」
「そうではありません」
「ではどう言うこと?」
「なんであんな際どい格好をしてるのかなって……」
「えっ…」
赤城は先ほどの捲し立てる勢いが一気に困惑に向かった。何故ならば、そんなことお構いなしに艦載機の爆弾やら攻撃機やらで焼き払っていたからだ。
確かに気になるところ。
「あれか?もしや、アレの影響なのか……?黒タイツの…!?」
「そんな見るからにアラヒトガミリスペクトな訳がないでしょ!?そもそもヤバイところ以外は上半身裸よあの人…っていうか、いい加減それから離れなさいよ!?」
「また騙された…」
「最後はカミガミの遊びとか言うんじゃないかって見抜いたわ」
「流石姉者(´<_`)」
「やかましいわっ」
結局聞いて回ってみることにした。
あのセイレーンのファッションセンスについて。
「では姉様。何時もの様に…ほら行くどー」
「はいはい、結局こうなるのね…」
………………………
蒼龍と飛龍の部屋にて。
「セイレーンのファッションセンスについて、ですか?」
「蒼龍姉様…」
二人は考え出す。
「ごめんなさいね…拗らせたのよ…」
「チテキコー・キシンってやつだ。あれには敵わんな」
「『・』の入れて人名にしても誤魔化せないわよ?」
「まぁまぁ…そうですね。確かに際どいですね」
「ピュリファイヤーとかセーラーに短パンみたいなの穿いてますね?」
「奴等のことだ。きっとはいてn」
「おっとそこまでよ、加賀」
「いかん危ない危ない危ない危ない…」
「あはは…」
「にしても、あのファッションセンス、確認されたセイレーンの衣装からして、下手すると…かのニシカワの兄貴にも通じるような気がしますね…」
「なるほど、言われてみると、強風が似合いそうな格好だよな…よし、もし教本にそう記す様に…」
「風評被害が発生するからやめなさいっ!」
………………
五航戦にも聞いてみた。
「というわけなのよ」
「どう思う?」
「そうでしたかぁ…」
「それって、つまりあの者たちの世界のトレンドではないかなって思うんですよねぇ」
「トレンドとな?」
「そうです!きっとセイレーンたちは、我々のファッションセンスを淘汰する目的もあったはず…」
「あと、魚介類な感じするよね、艤装とかもファッションとかあるのかな?なんて思ったり!」
「艤装でもファッション…?まぁ…確かにそんな気がしなくもない…」
セイレーンの艤装を思い返すと確かにそうだ。奇っ怪ながら高性能ぶりを遺憾なく発揮してくるセイレーン。オブザーバーなんてタコである。
(タコ可愛いわよね?ねぇ?)
「魚介類に比べ、先輩方なんてケモノ臭がする……」
「ぬうううん!!」
「うわなにするやめ…やめろぉ!?ポロリと行きますからぁぁぁぁぁ!?」
「翔鶴姉えええええ!?」
「またか…スタッフ!ボカしなさい!?急いで!やめなさいっつの!」
…しばらくお待ちください…
「Oh…Oyome ni ikenai……」
うずくまる翔鶴
「翔鶴姉、今日はなんのTシャツ?」
翔鶴のTシャツを見ると、胸元の部分には『オーラの泉 』と記されている。
「あぁ…懐かしいね…ミワさんのかぁ…」
「そうよ…エハラさんも出てるわ…」
「すまん、私は当時めちゃイケばっかり見てたぞ」
「裏番だったわね、そういえば」
「ちょっと早めに出てきたが…お主たち、また何か騒ぎを起こしておるな?」
『長門様…』
「実は……」
加賀は長門に事の次第を伝えた。
「その様な事を考えておったのか…ふむ」
「毎度妹がご迷惑を…」
「良いぞ。ふむ…セイレーンのあの格好…」
暫し考え込む。
「それはきっと罰ゲームなり!」
『おおー…』
「ちょっと長門様…?罰ゲーム…?」
「そうだ。カミガミの遊びぞ…」
「ちょっと待ってください長門様、それって単に遊びの罰ゲームでコスプレするみたいなアレだと仰りたいのですか!?」
赤城は問う。あんなノリで
「奴等にも…ほら、きっとそう言うのがあるのだろうて…」
…………………………………
「無いって!無いから!そんなだったら、隣のオブザーバーとかはどうなるんだよ可哀想過ぎるだr…」
「ピュリファイアー。この世には露出も時にファッションなの。向こうの人類が追い付いてないだけよ?」
「そりゃ無理矢理過ぎるような…どこのT○Rだよ…」
…………………………………
「つまりじゃ、あれなら綾波たちはどうなる?余なんて、寝巻きファッションはネグリジェだぞ」
その発言に一瞬固まる加賀たち。
「マジで?」
「さっ…さりげに爆弾発言しちゃいましたね、長門様…」
赤城が可能な限り冷静に突っ込む。
「だ、誰が選んだのですか…?」
「それは聞かぬ方が良いぞ?」
「兎に角、奇抜さなど関係無いのだ。ファッションは魂ぞ。そう、個性なのだ!」
重桜寮舎は本日も平和であったとさ……
そう、重桜にはけもの(耳と尻尾)はいても除け者はいない。
「無理矢理纏めましたね…長門様…」
「加賀…そこまでよ?」
…………………
……………………………
…………………………………………
『じゃあこの前の罰ゲームとして、今度からこれを着て人類を淘汰しに行ってもらうから』
「「「…」」」
何処かではそんなやり取りがあったとかなかったとか……
To be continued...?
閲覧ありがとうございました。
セイレーンそのものから、何故かファッションへの突っ込みに移項していった回でした。
そんなこんなで、これを見た後に3-4で赤城さんと加賀さんのどちらかを見事ドロップした指揮官様がもしいらっしゃいましたら、是非ともお気に入り登録やご感想、ご投票をよろしくお願いいたします。
by筆者。
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