アズールレーン ―あの素晴らしい海をもう一度、です―   作:ブロックONE

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加賀さんの疑問シリーズ可変型(展開的な意味で)。


天城さんってなんだ? by加賀

重桜寮舎にて。

 

 

加賀たちは有事に備えてトレーニングや演習、そして時おり委託に出向くなど、わりと何時ものように過ごしている。

 

 

しかし、寮舎にて待機している時……

 

 

 

「わりと何時ものように過ごしているって、それではまるで冴えないサラリーマンみたいな言われようだな?まぁいいか…実際そうだしな…」

 

 

加賀は天の声に突っ込む。

 

 

しかし、そこで彼女はなにか考え事をするが、赤城に声をかけた。

 

 

「姉様…」

「なにも答えないわよ?」

「ひどい…姉様最近ひどい…」

 

 

「貴女が下らない疑問をぶつけてるからでしょう…突っ込みが追い付かないわ…」

 

「では姉様…」

「あー結局ごり押しね…」

 

 

 

 

 

 

「天城さんって……何だ……?」

 

 

 

 

 

 

 

「よし、焼き払ってやるから表出ましょうか!」

 

爽やかな満面の笑みの赤城。

 

「えええええ!!?待ってくださいよ姉様ああ!!?」

 

 

 

 

…一時間後。

 

「…なるほど、天城姉様の事を今一度思い出そう、と」

 

「は、はいぃ…(っべー……っべーわ…姉様の攻撃…)」

 

演習用の九九艦爆により死にかけた加賀は息を荒げつつ頷いた。

 

「そうね…時に思い出してさしあげるのも…それもまた供養よね…」

 

赤城は納得してくれた様で加賀は胸を撫で下ろす。

 

 

 

「姉様は重桜の戦艦。加賀、貴女も前はそうだったわね」

 

「ええ…私も元・戦艦です☆」

 

「ええ…うん…そうねぇ…」

 

 

わざとらしくおどける加賀に目を一瞬反らす。

 

 

「天城さんと赤城姉様って、もし二人とも姉様と呼ぶ際イントネーションで被りますね。言い間違えてしまいそうになります」

 

 

 

「あまぎ…姉様…あかぎ…あっ…(察し)」

 

 

「こういう時でも天城さんを絶対に呼び捨てにしない赤城姉様、ほんとすこ」

 

「噛まずに言えたわね。上出来よ」

 

「では、皆に天城さんの事を布教し…訊ねにに参りましょう。あま…赤城姉様」

 

「今ナチュラルに噛んだわね?」

 

 

 

 

……………

 

 

 

 

「お悔やみ申し上げます…」

「お悔やみ申し上げます…」

 

加賀たちは、先ずは何時ものように二航戦の二人の所に向かった。そして訳を話すと早速お通夜モードに切り替わる。一応二人も訃報を知っている。

 

 

「お気遣いありがとうね…?」

「天城さんも喜んでる事だろう。きっとその辺に寝そべりながら」

 

「地味に姉様らしくないわよねそれ…」

 

 

 

 

「そう言えば…この頃重桜にモノノケの類いが出るとかいう噂をご存じですか?」

 

蒼龍は突然切り出す。

 

「モノノケ…?」

「加賀、米良さんの曲は関係ないからね?」

 

赤城は咄嗟に加賀を落ち着かせる。

 

「え、読まれた!?」

 

「紫の和服で、羽織は赤色…それで馬の頭の被り物をしてまして…」

 

「ボクも見ましたよ…のそのそと現れては消える…黒というか焦げ茶というか、尻尾は先輩方と同様に9つ…毛の色は赤城先輩にちょっと質感が近いですね」

 

 

「ついに重桜も魔境と化したか……!」

 

「待ちなさい、これは馬の被り物の時点で不審者よ!?」

 

「9つの尻尾…?」

 

「長門様の悪戯の可能性は?」

 

 

「悪戯?長門様が?姉様kwsk」

 

「あれは数日前の事よ…」

 

 

…………

 

『長門様、赤城です……』

 

 

『どうだ?』

『わあ!長門姉の尻尾9本ある~なんで?なんで9つあるの?』

『エクステというやつだ。陸奥と江風も着けてみるか?』

『うん!』

『ぜ、是非↑っ!!』

 

 

 

 

…………

 

 

「尻尾のエクステなんてあるのか…ふむ」

 

「着けてみようとか思ってないでしょうね…?」

 

「何故わかったし!?…にしても最近の江風、ノリが良いんだな…」

 

「まぁ、江風もあの気むずかしいキャラから、せめてル○ン三世の五○門くらいには付き合い良くしないとって話してたわ…陸奥様に引かれてたのが響いたのね…」

 

「下手すると高雄と被りそうだな…」

 

 

「お二方、道中お気をつけください…」

「見つけたら慌てず騒がず、被り物を…」

「被り物がウィークポイントね。わかったわ」

 

 

 

 

 

その陰で……

 

 

馬の被り物をして日傘を差した人物が木陰からそっと顔を覗かせていた。

 

…………

 

 

五航戦の部屋にて。

 

「あらぁ…あ…それは…お悔やみ申し上げます…」

「流石に煽れないよね翔鶴姉…お悔やみ申し上げます…」

 

 

流石に赤城たちは煽れても、何故か煽れない。

 

 

空気は、お通夜モード。今回二回目。

 

 

しかし、加賀は訃報を教えに来たのではなく、布教のためにやって来たのである。しかも訃報は彼女たち後輩が現れる前に遡るのだ。

 

 

「そうだな、きっと天城さんも喜んでおられるだろう。………ランニングマンしながらな」

 

「待って加賀!あなたの天城姉様への印象ってそんなアクティブだったの!?」

 

「だって一応は戦艦ですし」

 

「戦艦だったからって必ずしもアクティブとは限らないわよ!?五航戦の二人、説明するわね?」

 

かくかくしかじかと説明する。

 

「ええっと…天城さんのことは…存じ上げております」

 

 

「まぁ、それならいいがな」

 

「姉様はお体が弱かったのよね…よく咳き込んでたわ…リュウコツをかの震災で痛めてて…ていうか、ランニングマンなんてやってないから安心なさい…?」

 

 

「今の赤城姉様を見たら、天城さん何て言うか…」

 

「余計な事を言わないで頂戴…!マジで化けて出られたら怒られるわよ私!?」

 

 

 

ガタッ

 

 

「え、なに!?」

「今誰かずっこけたわ!?近いわ!瑞鶴気を付けて!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いったぁ…私としたことが、被り物がワイヤートラップに引っ掛かってしまいましたわ………え?」

 

 

被り物を直す何者か。

 

その姿をばっちり赤城たちは目の当たりにしていた。

 

 

 

 

「押さえろ!その者を押さえるのだ!であえ、であえー!」

 

 

遠くから長門の声。

 

 

「やばっ…逃げるが勝ちです!」

 

馬の被り物を直し廊下を走り出す。

 

「あ、待て!」

 

 

 

「二航戦のとこへ向かったわ」

 

「以外と足早いぞあいつ!!五航戦、駆逐艦の皆に連絡しろ!」

 

 

 

 

「「は、はい!!」」

 

 

 

………………

 

 

「えーと、そこよ!」

 

赤城が艦載機を飛ばして馬の被り物の人物を見付ける。

 

 

廊下を走って追いかける。

 

 

 

「中々しぶといですね…!」

 

すると、馬の被り物の人物が立ち止まって一言。

 

 

 

「見付けたぞ!ふふふ、ここであったが百年目!とうっ…………」

 

「そこまでよ!とうっ…………」

 

 

 

 

加賀と赤城は、二航戦と応援を呼び終えて加勢してきた五航戦を引き連れ勢いよく飛び込むも、足元が崩れて落ちる。

 

 

『うわあああああ!!?』

 

 

「ちょっwww…っ!www…いけませんわ、今のうちに退散退散…」

 

 

馬の被り物の人物は思わずその様子に笑ってしまうも、再び逃走。

 

 

 

 

「ふう…あぶなかったー…」

 

慌てて部屋に入り込み襖を閉じた。

 

 

 

 

 

 

「誰…です?」

 

「へ?」

 

逃げ込んだ先は綾波の部屋だった。ちょうど綾波は準備を整えて部屋を出ていこうとした矢先のことだった

 

 

「…あ!!」

 

 

「お、お待ちなさい!私はその…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハイポーションの方ですかっ!?」

 

 

「は…ハイポーション?…人違いです…」

 

 

 

「ようやく見つけたわよ?馬の被り物の怪!」

 

 

赤城が現れた。長門と加賀たちも駆けつけている。

 

 

「オワタ」

 

「さあ、お縄につくのです」

 

 

「その前に、先ずは面を割らせてもらおうかっ!ぬううううん!!」

 

 

加賀は飛び掛かった。

 

 

「止めて!離しなさい!ていうか加賀!脱がすなっ!ちょ、服に手を入れないで!!ポロリと行くから!赤城!スタッフ助けて!やめろぉぉ!!?」

 

 

 

 

…暫くお待ち下さい…

 

 

 

 

 

 

 

 

「天城姉様…!」

 

「暫くぶりですね…赤城…加賀…」

 

 

その正体は天城であった。

 

中に『ど○兵衛』と文字が書かれたTシャツを着ていたので、ポロリは無かった。

 

「お亡くなりになられたはずでは…?」

 

赤城はちょっと涙声になっている。

 

 

「見事に復活ですよ。それにしても、赤城…」

 

 

「は、はいっ」

 

赤城の変容に驚く艦船たち…

 

 

「夢の中で私をノックアウトしたってマジなんですか?その後、重桜は熱く燃えている!とか…」

 

ぎくりと赤城は肩を震わせる。

 

 

「はい…」

 

 

「赤城姉様…本番中、本番中ですから…頼むからここでガチ泣きは止めてください…!?」

 

「あらあら………『赤城の知らない世界』で一度お邪魔しましてからてっきり慣れてくれたかなーなんて思っていたのですが…よしよし…」

 

 

「あの後、信じられなくて…楽屋で泣いちゃったんだからぁっ…」

 

なんとか笑い話にしようとするも、涙が流れている。

 

 

 

「妹たちがお世話になっております」

 

二航戦や五航戦、並びに関係者は挨拶を交わす。

 

 

 

 

「久しいな天城さん…」

 

「そうですね加賀…すっかり空母も板に着きましたね?」

 

「いやいや、まだまだ…」

 

 

 

「でもどうして姉様が?お体は?」

 

「残念でしたね赤城…トリックだよ…じゃなくて、いつぞやの建造で…」

 

「さりげにメタいこと仰有りますね?」

 

「いやぁ、まさかまた生を受けられるとは…この世も捨てたもんではないですね…っていうか、加賀?」

 

 

 

「は、はい…?」

 

加賀はここで嫌な予感がした。

 

 

 

「本番中に面割るとか言いつつ服脱がすって、これ前代未聞ですよ!?桃ハゲに襲われた忍者になった気分です」

 

「いやいや、桃ハゲは脱がしませんから…それを言うなら天城さんの方こそ、あの床どうなってるんですか…?」

 

「ちょっと図らせてもらいました。思いの外掛かってくださるものですから、思わず笑ってしまい…ふふふっ」

 

 

「そりゃあ…お約束ですからね?」

 

 

さっそく策を炸裂させていた天城だった。

 

 

 

 

 

「なるほどね!その内何度かやられてると恥ずかしい写真とか貼り付けられちゃうやつなのね!」

 

「あの床直すなら相当掛かると電は思いますよ?」

 

 

 

 

「うーむ、それにしても、あの崩れた床…指揮官になんと申せばよいのかのう…天城、何か策はないか?」

 

「それでしたら、事故だと仰有ればよろしいかと…」

 

「いやいや、天城姉様、指揮官様は絶対不審がりますからねそれ!」

 

 

 

本日も重桜寮舎は平和だったとさ。

 

 

To be continued…?




閲覧ありがとうございました。

今回は思い付きでこうなりました。ごめんなさい…。



次回以降はちゃんとした加賀さんの疑問シリーズになると思いますのでご安心くださいませ。

このお話を見た後に、赤城さんたちを入手したり、艦船たちと追いかけっこして床落ちをやりたくなったりした指揮官様がいらっしゃいましたら是非ともお気に入り登録、ご感想、ご投票をよろしくお願い致します。

では、また次のお話で。

by筆者

突然ですが、次の中でまた見たいと思ったネタシリーズは? Ver1.5

  • 唐突なるオギノメヨウコ作戦
  • AYAXILE(アヤザイル)
  • 三笠大先輩のミカラップ
  • オフニャの知らない世界
  • 加賀さんの疑問シリーズ

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