アズールレーン ―あの素晴らしい海をもう一度、です―   作:ブロックONE

71 / 184
江風って可愛いよね。


江風が迫ってくる話。

これは、指揮官と…その指揮官が秘書官に任命した江風の好感度が高くなった頃のお話である。

 

 

『まあ、肩の力抜きましょ?観測を始めるわ……』

 

『なんでそんな楽しそうなんだろう…?』

 

……………

 

 

 

「指揮官、今日の仕事もこれで終わったな…」

 

 

江風は執務室にて、書類作業を指揮官と共に行っていた。

 

 

時間を見れば現在夜中の12時。寝静まっているか、もしくは夜間の哨戒や委託で出払っており静かである。

 

 

執務室は静寂に包まれている。すると彼女はこう告げてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「では、私と接吻してくれ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何かの聞き間違いだろうか。冗談もほどほどにしてほしいと思うところ。

 

 

 

 

 

普段からカタブツな彼女が冗談なんて言ったことは余り無い。

 

 

 

 

思わず目を反らしてしまう。

 

 

 

「こっちを見ろ指揮官!」

 

 

ぐいっと引き寄せてきた。実に女の子である。

 

 

 

え?なにこの超展開…指揮官は困惑する。

 

 

 

 

もっとフラグがあるべきだろう…

 

 

「どうしてダメなんだ?私の何処が不満なんだ?」

 

 

 

江風は武人らしく真っ直ぐな視線を向けてくるも、指揮官からは答えようがない。

 

 

 

不満はない。だが、底知れず強い不安があったためだ。そういうのは無責任な判断はできない。

 

 

 

一度落ちたら上がれなくなる様な…。

 

 

 

しかも、赤城にここを見られた場合は修羅場と化してしまう。

 

 

 

そこで、指揮官は用事を思い出したように立ち上がるも

 

 

 

 

「指揮官…今宵は用事など無かっただろう?」

 

 

 

ぎょっとする指揮官。

 

 

 

江風は予定を把握していたのだ。

 

 

 

逃げられなくなった。

 

 

 

しかし、何故江風はここまで接吻に拘るのか。

 

 

 

指揮官はそう思うと、江風に応接用のソファに座るように伝えた。

 

 

江風は何かを期待しているように少し嬉しそうであった。

 

 

しかし…

 

 

何 故 仰 向 け に な っ て い る の か 。

 

 

 

「指揮官…素直ではないな…さぁ…遠慮はいらないぞ?」

 

 

 

今度はそっちか。

 

 

 

もうド直球過ぎてむしろ冷静になっていた。

 

 

 

ちょっとばかり江風の声色が上擦っているのは気のせいか。

 

 

 

「どっ…どおしたぁ?」

 

 

 

これは誰かに吹き込まれたのか…指揮官は考察する。あのごく自然に仰向けになる艦船を思い出そうとしていた。

 

 

 

訊ねるのはそこからでいい。

 

 

 

 

こんなあからさまに『私は地雷(機雷)女です☆』と自己主張してくるとは…。

 

 

 

 

赤城からだろうか、と思考を巡らす指揮官。しかし、赤城なら、登山客が獣道に入った途端に襲い来るようなものだし、おまけに誰かに吹き込むなんて敵に塩は送らなさそうだし…と指揮官は解釈していた。

 

 

 

 

この江風の振る舞いは、容姿からしてもキツくもないし、むしろ可愛らしい。笑いが込み上げてくるくらいに。目をつぶり、半開きの唇に色気を感じざる得ない。

 

 

 

指揮官は江風の様子がどこか面白いと感じ、反対側の席に座った。

 

 

 

 

「なっ…!?」

 

 

 

 

江風は反対側に座られて驚愕した。

指揮官は『まだだ…まだ笑うな…』と、言い聞かせつつ、質問した。なぜ急に?と。

 

 

 

 

「接吻に…理由が必要か?」

 

 

 

違うそうじゃない。指揮官は何かの影響でそうなったのか。しかも、そもそも江風のキャラじゃない。

 

 

いや、どう見ても目の前でキス顔を決めているのは江風だった。

 

 

 

「ふむ、理由などない。ハニートラップでもないぞ?私はあなたと接吻がしたいのだ」

 

 

だからなぜ接吻なのか。

 

 

そこに…

 

 

 

 

 

「ただいま戻りました、です……あれ?」

 

 

 

 

 

綾波が入ってきた。

 

 

…………

………

……

 

 

 

 

「なるほど、江風は指揮官とキスしたいと…」

 

 

「ああ…」

 

 

「しかし、指揮官は早まるなと江風に言いたいのです…?」

 

 

そうだ、と頷く指揮官。

 

 

 

「何故だ…私は指揮官…あなたと…」

 

 

「そもそも、接吻…キスというのは、お互いに尊重し合えるくらいの仲でないと成立しないのでは?です」

 

 

綾波が語る。

 

 

「一方的に接吻しようとかそれ尊重してるとは言いがたいと思うのです。下手したら強制わいせつなのです」

 

 

「なん…だと…」

 

 

 

江風は一瞬ガクンと肩を落とす。

 

 

「という訳で、指揮官は綾波が貰っていくのです」

 

 

「させぬ」

 

 

立ち塞がる江風。

 

 

「むむ、江風…そこは主人公艦の綾波に譲るのです!綾波は指揮官と長いのです」

 

 

 

 

「ふむ、ならばここで一本勝負だ…鬼神…!」

 

 

「『ドクシャノキタイ』に答えてこんな時に綾波を渾名で呼んで雰囲気出そうったって、そうは問屋が卸さないのです!」

 

 

 

何だか『びそくぜんしんドロップキック』の序盤を彷彿させる二人。

 

果たしてこれで期待に応えられているのか

 

 

そしておいてけぼりにされる指揮官。

 

 

その時である。

 

 

 

 

「指揮官!江風は居るかにゃ!?」

 

 

明石が駆け付けた。

 

 

「明石!これからゴボウしばき合い対決するので後にしろです!!」

 

 

「その対決の後は、豆板醤掛け合い対決だっ!!」

 

 

「八宝菜の九番目の具材にしてやるですっ」

 

 

「べっこうみたいにしてやる!」

 

 

「お前らどこのガキ使にゃ!?」

 

 

 

 

綾波と江風の謎テンションにより、カオス極まる執務室。

 

 

指揮官も止めに入った。しかし、二人からこれ見よがしにボディタッチされまくるという地獄絵図となってしまう。

 

「兎に角にゃ…江風に飲ませた栄養ドリンク、間違えてしまったのにゃ…」

 

 

 

明石が言うには、江風が買って行ったドリンクが発注間違えで惚れ薬に刷り変わっていたという。

 

 

しかも驚くのは、製薬会社がラベルを張り間違えていたそうである。明石は念のため成分を分析した時、興奮剤の物質を発見した事から明石は販売を止めるが時既に遅し…。

 

 

「そうだったのですか…何だかごめんなさいです、江風」

 

「こちらこそ、申し訳なかった…指揮官…綾波…」

 

 

 

そんなこんなで指揮官は安堵した。

 

 

 

「あ、そう言えば…他にも買った奴がいるにゃ…」

 

 

 

 

と、明石は不穏なことを告げた。

 

 

 

 

 

 

 

やめろ、それは聞きたくない…!その時、反射的に指揮官の本能が叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

引けば老いるぞ

 

 

 

臆せば死ぬぞ

 

 

 

 

我が名は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「指揮官様ぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 

 

 

赤城であった。

 

 

 

 

「指揮官、逃げるのです!!」

 

「こ、ここは私たちに任せろっ」

 

 

 

 

指揮官と明石は非常口から離脱。

 

 

 

 

 

 

 

 

……………

 

 

 

 

「えーそういう終わり方になっちゃう?ふつー」

 

 

「オブザーバー…その惚れ薬って…」

 

 

「ああ、これ?成分は毒ではないわよ」

 

 

「そうじゃなくてね…?」

 

 

「まぁ、時短アイテムみたいなものね」

 

 

「何の時短だよ何の!?」

 

 

 

 

 

 

 

To be Continued?




閲覧ありがとうございました。



安定の赤城さん……(˘ω˘)



結局こうなりましたね…(遠い目)





綾波と江風をすこれ。

そんなこんなで、赤城から逃げるスリルを感じたいと思った指揮官様がいらっしゃいましたら、是非ともお気に入り登録やご感想、ご投票をよろしくお願いいたします。


では、また次のお話で。


by筆者

突然ですが、次の中でまた見たいと思ったネタシリーズは? Ver1.5

  • 唐突なるオギノメヨウコ作戦
  • AYAXILE(アヤザイル)
  • 三笠大先輩のミカラップ
  • オフニャの知らない世界
  • 加賀さんの疑問シリーズ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。