アズールレーン ―あの素晴らしい海をもう一度、です― 作:ブロックONE
母港も寒くなってきて、艦船たちもあたたまる物が食べたくなる季節。
この日、綾波たちは軍事委託の帰りであった。
風が冷たい。
クリスマスプレゼントをどうするか否かの会議が終わったばかりに、まさかのクリスマスセールの商品などを運ぶ海運の護衛や、近海にセイレーンが出たという噂を確かめるために確認へ向かわされることになった。
指揮官もそれにおける采配や事務仕事、会議などでばたついていた。秘書の年末ってどうもこんなに忙しいのか。しかし、有事においては休日なんてやってられず、
「うう、年の瀬だけあって冷えるようになったです…」
「そ、そうだね…」
「指がカチ○コチン…ラフィー氷属性になった」
「さりげにラフィーに伏せ字が…?うう、冷えるぅ…」
指先の感覚が損なわれる感覚に見舞われた四名。
…そこに、平海が何かを載せたおぼんを手に持ち駆け寄る。
「皆お疲れさま。寒い日には東煌(ドンファン)名物、包子(パオズ)をどうぞっ」
「おお…湯気のせいか、神々しく見えるのです」
「出来立てだよ。姉ちゃん特製~」
四名は礼の言葉を送りながら寧海特製の包子を受けとる。その熱々な湯気がまた美味しそうに見えてしまう。
寧海のいる屋台の方では、包子の入ったせいろから湯気が吹いている。
「ドンファン料理、おいしい」
「身体が温まります~!」
「あ、なるほど、生姜が入ってますね?」
ニーミは気づく。
「そう。生姜を入れることで体温が上がるんだ。豚肉と合わせると効果を引き出せるって姉ちゃんが言ってた」
「寒い日には嬉しいのです…!」
「他にもあるよ。餡まんにピザまんも!」
せいろの中にある模様。
「品揃え豊富ですね…?」
「コンビニ顔負け」
ジャベリンとラフィーは一言。
(ふっふっふ…!喜んでくれてよかったわ…!中高生や社会人の皆が寒い季節になると包子が食べたくなるあの心理を利用した販促作戦、大成功ね!)
屋台で調理する寧海は綾波たちの嬉しそうな様子に、思わずにやける。
綾波たちは完食すると、寧海と平海の二人にお礼を言ってから指揮官へ改めて任務報告へと向かった。
尚本日は軍事委託に出た艦船が沢山いたため、かなり盛況だった模様。
…………
次の日。
再びセイレーンの出現の噂を聞き、そこへと調査に向かうが…
…マジだった。
「「「「………」」」」
綾波たち4名によりその姿を発見するが…
「寒いなぁ…」
「そうねぇ…今年ももう冬…クリスマスソング何流そうかしら?」
「観測してる身も一応防寒対策しておかないとな…艤装が凍ったりしたら大変だ…」
「あ、そろそろ鍋は良いんじゃないか?」
「開けるわね?」
ピュリファイアー、オブザーバー、テスターたちがこたつを囲んでとり、鍋から湯気が出ている。
「今日はカニ鍋よ♪」
「おおー!獲ってきた甲斐がある!」
「これは美味そうだなぁ…」
「さあ、食べましょう♪」
「な、何が行われてるんでしょう…?」
ジャベリンは思わず一言…
「こたつ囲んで…おまけにカニ鍋食べてるです…!」
「セイレーン、思いっきり冬を満喫してる」
「これ、指揮官にどう報告すれば良いんだろう…」
その後そっと帰還するが、指揮官はありのままを記した報告書に目が点になったのは、言うまでもない。
To be Continued…
閲覧ありがとうございました。
寒い日には美味しい物…な話でした。
これを見て中華まんを食べたくなってコンビニに向かった指揮官様や、鍋料理を食べたくなった指揮官様がいらっしゃいましたら、是非ともお気に入り登録やご感想、ご投票をよろしくお願いいたします。
by筆者
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