アズールレーン ―あの素晴らしい海をもう一度、です― 作:ブロックONE
重桜・横須賀鎮守府。
綾波たちの後方から赤城たちも抜錨し、作戦海域へと移動を始めていた…!
「アズゥルレェン…まんまとこの策に掛かってくれたわねぇ……このオギノメヨウコ作戦の肥やしにしてくれるゥ…覚悟するが良いわ…!フゥーハハハァ…!」
狂気に満ちているかの様な笑顔。セイレーンのテクノロジーで炙り出すことに成功。戦闘のデータを蓄積した黒いキューブを掲げていた。
「姉様?あの、姉様?」
加賀は赤城を揺する。
「…あっ…えっと…加賀、どうしたの?」
少し動揺しつつも微笑みながら返答する赤城。
「いえ、あの…何時もよりも怖いというか…」
「…はい?」
「いえ、何か悪い霊が憑いた様なお顔をなされてるので…つい…」
「それってさ…私が普段から何かおかしな人みたいじゃないの…!?」
最悪の道へ進むのは凄く楽なのだ。なにより心理的にも物理的にも、良い結果への道へ進むよりも負担が掛からないのだ。
…かくして、その作戦エリアに着くのだった。
そして立ち並ぶ両陣営。
赤城はセイレーンの摩訶不思議なテクノロジーで気候を操り出した。共鳴してるのかはわからないものの、黒いキューブはより一層、まるで漆器の様な輝きを見せる。
尚、ここまで、ハンカチでキューブを研き上げていたのだが、加賀あえて突っ込むことはなかった…。
(いやそれは流石に突っ込んじゃダメだろ…)
一方。
「うわー手が冷えてるです…」
「気温低くない?見てよこれ…」
「何でこの海域氷点下なのだ!?もっと暖かい筈なのだぞ!」
気候を操ったがために氷山まみれになった海域。
何かおかしい。
「もうほら…綾波の手…ほら…触ってみるのです」
「え、何ヒャアッ!?」
「待つのだ、せめて養命酒…つべたっ!?」
「お、おい、まて綾波、首の後ろはやめ「ほらほら~」はひゃあぁ!?」
綾波が冷えきった手を時雨たちに押し当てる。触ってみろと言う割りには、腕を掴んでいる。相当冷えていたのか、甲高い声で驚く。
「ちょっとぉ…冷えすぎじゃない?もしかして冷え性?」
「首の後ろ…暖かいとこ狙いやがったwwwwww」
「ちょっと暖まったです」
「養命酒を飲むのだ!今すぐ飲めなのだ!」
※用法用量を守って適切に服用しましょう。
すると…
「あのーまだ掛かります?」
誰かが声を掛けてきた。
「あ、もうちょっと掛かるです……って!?」
話し掛けて来た相手に応じるが、その声の方を向いた途端に驚く綾波。
「ジャベリン!!?」
「ラフィーも居るよ」
「二人とも、どうしてここに!?」
「えっと…」
「尺の関係」
「ちょっとラフィーちゃん!wwwそれはwwww」
「ごめん。…ふふっ…ボロが出ちゃったww」
口許を手で押さえて謝る。
「な、何はともあれ、ここであったが…」
「三~四週間ぶりだね!綾波ちゃん!」
「綾波、久しぶり」
「台詞潰されたです…!?」
「退職届出した?」
ラフィーのこの質問に激震が走った。
「え?なに?どう言うことなの?」
「退職届だと?」
「綾波、もしや…こいつらと行くというのか?」
凍りつく空気。
そして、綾波はカメラの方へ向き、神妙な面持ちで…
「はい」
雪風たちがずっこける。
「素直ーっ!?」
「今の溜めはなんだったのだ!?」
「どうしてだよ~!」
耳を疑う雪風たち。
「皆も来る?」
と、ラフィーが一言。
「あ、じゃあ私いく!」
時雨が手を上げる。
「なら雪風様もなのだ!」
「夕立も行くぞ!」
雪風と夕立も続く。
「では、綾波もそちらへ…」
「「「どうぞどうぞ!」」」
「え"え"え"え"!?」
綾波は思わず、この場では出たらいけない地声らしき声が出てしまう。
「あ、綾波…?」
「今の声、何だ?」
「雪風様、綾波から中の人の地声みたいなのが聞こえたのだぞ?」
「…え?あ、コホン!んんっ……あっ綾波です。着ぐるみじゃないです、中に人など居ないのです」
急いで声を戻す綾波。
「綾波ちゃん、今度はロドニーさんみたいな声してるよ……?」
「そ、そんなこと…コホン…コホン…んーっんんっ…ふぅ…そんなこと無いのです。綾波は綾波です!ブリっちゃん!音っ!」
即座に音響のブリに声を掛けて何時ものあの曲を掛けた。
\ジャンジャンジャンジャンジャンッ/
寒い中でもキレ良く踊る綾波たち。何気に後ろから瑞鶴と翔鶴、ユニコーンやエンタープライズたちも踊っている。
そして、前に出た綾波は……
「ないしてるよなんて___」
ジャベリンとラフィーがスリッパを探す。中々手間取り、少し笑い声が聞こえる。エンタープライズたちもその光景に吹き出している。
「誘ってもくれない…真夜中のいだっ!?」
スパーンッと音が響く。
「な…ないしてるよじゃねえって言ってるでしょ!!今スリッパどこやっちゃったか焦ったけど!」
笑いつつも声を張って突っ込むジャベリン。
「う、うた、ふふふっ…歌ってた人がそう歌ってたのです!!」
綾波もお決まりの返しで受け答えると、周囲は大爆笑。
一方。
「グレイゴーストぉぉっ」
「おまっ…あの展開でこれはおかしいだろ!?」
瑞鶴とエンタープライズの決闘が行われる。しかし、黒いキューブが彼女に共鳴し、様子が変わる。
すると、途端にとんでもない数の艦載機が発艦される。
おまけに、空間には次元の裂け目みたいなものが現れ、最早戦闘どころではなくなりつつある。
「グレイゴーストおおお!って何だこれ避けられない!?」
「瑞鶴ーッッ!!」
途端に叫ぶ翔鶴。エンタープライズは軽くマジモードなのか、その詳細は不明。このまま瑞鶴の出番を永久に終わらせてしまいかねない。
「…っ」
弓を引くも…
「おいっ」
バシッと綾波が魚雷で頭を叩く。
「あいだぁっ!?」
腑抜けた声を上げるエンタープライズ。
「あ、君は…ていうか私はなにを…」
「あのー二人だけで盛り上がらないでくださいです。空気嫁です」
するどく突っ込まれる。瑞鶴は思わず失笑。
「嘘でしょ?展開ぶっ壊されたよ翔鶴姉wwwww」
「側面から魚雷でブスりはやめてよ…!?ふわっ!?」
「ここですかっここですかっ…このこのっ」
横っ腹や脇腹を突っつかれるエンタープライズ。
「やめて、ちょっとそこは弱いのぉ!!wwwヴェスタルのエコー検査とかでもひゃっ…やめろぉ!」
「よし!良いよ!綾波!そのままフィニッシュムーブ」
「瑞鶴!お姉ちゃん思うんだけど、なんか物語の主旨が変わってきてない!?」
「オロチ計画ではなく、唐突なるオギノメヨウコ作戦ってところでもうとっくに変わってるぞ!?」
高雄はそこで突っ込んだ。
「エンタープライズ、脇責められてる」
「色々怒られそうだね…」
「脇、弱いです?」
「はぁ、はぁ…ああ。…はぁ…あの…エコー検査ってあるだろ?あれはもう…よくヴェスタルに怒られるんだ…」
「ヴェスタルさん大変なのです…あ、行けない!足すべっ……」
転落する綾波。
「あぁ…まさかこんなところで奈落の底に落ちる落ち…ん?オチが落ちる?あははは…変なのです…」
付近に居たジャベリンたちが駆けつけ救助され、見事に連行されたとさ。
To be continued…
閲覧ありがとうございました。
遅筆です。本当に申し訳ありません。
※アニメもゲームも無関係です。
はい。エンタープライズの脇を魚雷で突っつけるなんてKAN-SENだからこそ出来そうかなって思いつつ…
さて、それでは、もし冷え性な指揮官様やがいらっしゃいましたら是非ともお気に入り登録やご感想、ご投票をよろしくお願いいたします。
また筆が走り終えた時に投稿して参ります。
by筆者。
突然ですが、次の中でまた見たいと思ったネタシリーズは? Ver1.5
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唐突なるオギノメヨウコ作戦
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AYAXILE(アヤザイル)
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三笠大先輩のミカラップ
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オフニャの知らない世界
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加賀さんの疑問シリーズ