アズールレーン ―あの素晴らしい海をもう一度、です― 作:ブロックONE
ではどうぞ。
ゴルフ場にて。
ロイヤルの戦艦、クイーン・エリザベスたちはゴルフウェアに着替えてゲームに興じていた
ロイヤル戦艦のフッドの弾道はグリーンに見事乗る。フッドはガッツポーズ。
そこで、クイーンエリザベスは口を開く。
「セイレーンって何なのかしら…」
「陛下、畏れ多くも…この前の加賀さんの疑問シリーズでやったばかりでございます…」
隣に控えるウォースパイトはそっと伝えた
「…マジ?…そうなの筆者?」
そうです。
「そこは私のために取っておくとかしておきなさいよ!?」
すみません…。
そして次のコースへ車に乗って移動し、降りる時だった。
「さて、セイレーンはどうして人に干渉す___」
話の途中で消えるクイーン・エリザベス。
地面は落とし穴になっており、彼女はそこに落ちていた。
「な、ナイスショット…」
「今のは優雅に決めましたね。自然体のまま、流れ行くままに」
実況席からエディンバラとシェフィールドがその場の状況を伝える。
その後、スタッフとウォースパイトたちに引き上げられる。
「陛下…お見事です!」
「…ちょっとこの落とし穴、予定より深すぎだとはおもわなくて!?」
「ご安心ください陛下、その分上質なスポンジをタップリと敷き詰めておきましたので」
「そういう問題!?」
…………
一方、アズールレーン基地では、捕まった綾波がベッドに横たわっていた。
あの時足を滑らせ転落し掛けたが間一髪でジャベリンとラフィーにより救助。
その後、連行された。
「…こ、こんな怪我した覚えないのです…www 」
身体や指には包帯が巻かれている。もしかしたらどこかで身体をぶつけて切ったりしたのかもしれない。
が、途端にミミに手を当てる
(綾波の耳…折れてないです…セーフ…です)
何よりもアイデンティティは失われていなかった。
「逃げようとしても無駄だぞ。見張りはついてる。なぁに、とって食う事はしないさ」
アークロイヤル。綾波は彼女の声の震えからヤバイ空気を感じた。ある意味で。
(ヤバイのですニーミから聞いた話だと、駆逐艦以上は萌えないとかいう、トンでもない奴なのです…)
(ふふふ…うむ、よく知っているな!感心するぞ?)
(うーわっ…こちらの心を読みやがったです!?)
………
また一方…
「ちょwwwまてヴェスタルwwそこはダメっwwヒャハッww」
「もう!エンタープライズちゃん、動かないのっ」
検査を受けていたエンタープライズ。
ヴェスタルは横っ腹ジェルを塗って容赦なくエコーを当てる。
くすぐったくて情けない声を上げているのは本当にエンタープライズなのかと疑いたくなるが、そこで寝転んで検査を受けているのは紛れもなく彼女である。
「うん、異常ないわね…」
幸いにも身体に異常は見当たらなかった。
……
ジャベリンとラフィーの二人は、ウェールズたちの部屋にて『ウェールズ 艦(ふね)の空騒ぎ』のゲストとして招かれていた。
「どうも、司会のウェールズです!今日のゲストは……じゃなかった。さて、今回の件どうしたものか…」
レギュラーとしてなのか、クリーブランドやホーネット、ベルファストも雛壇に居る。
議題は綾波の処遇もそうだが、なにより助けたジャベリン達に対してだった。
「ウェールズさん、ノリノリですね?」
「場馴れしてて草」
「まあな…ジャベリン、ラフィー。…にしても、これでは示しがつかんな…」
司会席にもたれ掛かるウェールズ。
「むしろ、これじゃ示しが付けられる所ではない気がするんだよね…」
クリーブランドがウェールズの仕草に突っ込む
「すまんな。貴重な出番なんだ…ここはバッチリと決めさせてほしい」
「ウェールズ様、前回台詞全く無かったですものね…」
「そこなんだよ…結局尺の都合でカットされたしな?私、アニメだと最初から出てるのに…出たのだってオフニャの知らない世界くらいだったから…」
何時ものような口調なのにどこか哀愁漂うウェールズ。カットされたのが悔しかった模様。というかむしろ、その『オフニャの知らない世界』一つだけでも出演があるなら最早御の字だろう、とジャベリンたちは思った。何せ未だに、それすらにも出ていない艦船が山ほどいるのだから。この場において出番が来たのに何も言及されないホーネットはどうなるのか。
そして…判決は…
「そ、それじゃ…懲罰として、捕虜の監視に任命する」
結論はホーネットが代わりに告げた。
「ほ、捕虜は大切に扱うってルールだから……ね?うん!」
クリーブランドも苦笑いしながら頷く。
ジャベリンたちは喜ぶ。
何せ、あの綾波の突っ込み役は自分達でないと務まらないと思っていたからだ。
………
綾波はジャベリンたちに連れられ案内される。
「まずは必要なもの、買いにいかなくちゃ。暫くはこっちで暮らすんだから、色々準備しないと!」
「売店なら揃ってる」
「そうだね!行こう行こう!」
途中でボーグやチャールズ・オースバーンと出くわす。雪風たちの顔馴染みとはまた違った感じで新鮮味を感じつつ…
……と、思われたが。
「その、思ったんだけど…」
「綾波、道を知ってる歩き方してる」
「ここへは散々入り浸ってましたから、です」
「お店の常連みたいに言っちゃったよ…?」
「あっちへ行くと講堂で、向こうの橋渡るとお店が並んでて、そこにはおいしいパンケーキのお店があるです。初めてお会いしたところは、そこから更に裏手に…」
「詳しい!!?」
「綾波、土地勘有りすぎてて草」
偵察任務は伊達ではなかった…!
……
ショップに到着。
「……」
綾波は店に入った途端絶句する。
「いらっしゃいませにゃ」
明石がいた。
「ついに亡命したですか、明石…」
ジャベリンとラフィーは店内を見て回っている。ここは重桜出身同士水入らずと言ったところか。
「亡命って…お客様がいれば、どこでも商売ができるにゃ」
「ねえねえ、これまけてよ~」
「ビタ一まからないにゃ」
「けちー」
ロングアイランドは値切りを持ち掛けるが、プラモデルを安くすることはできなかった。
ジャベリン曰く、明石が来た後から品揃えが良くなったらしい。
そして…話題は重桜のことについて。
「赤城さんが?そういえば…」
一航戦の影が薄かったことを思い出す綾波。横須賀を出た後は、雪風たちやジャベリンたちアズールレーン陣営とのやり取り(コント)しかしていない。関わった空母はエンタープライズと交戦した瑞鶴くらいであった。
「赤城はおっかないけど、仲間を裏切るやつではないにゃ…まぁ今は生活用品を揃えてってにゃ」
明石は無理矢理商売に話を戻す。
「綾波ちゃーん!どれがいい?」
「絶対こっち」
ジャベリンとラフィーがマグカップを持って出てきた。
「ジャベリン、ラフィー…それ、綾波に貸してほしいです」
すると、綾波は不審に思い、マグカップを一つ一つ見て、明石に背中を向け耳打ちする
「これ…割高なのです…重桜の時同じのをみたんですけど、もっと安かったです…値段は__」
「え!?」
「初耳」
「くぉらー!!ばらすにゃー!!」
聞こえていた模様。
「ネットだと…余程のものじゃない限り、これくらい200円もしないのです」
「送料で掛かるにゃ!?」
「明石?……これがバレたら大変ですぅ…きっと不買運動が行われるですぅ…ですぅ~?」
真顔で明石に詰め寄る綾波。
「げっ…それは不味いにゃ…」
「綾波ちゃん…口調が…ww」
「綾波の経歴、気になる」
「綾波ちゃん!これだといくらぐらいなのー?」
ロングアイランドが先程のプラモデルを見せた。
「あーそれは値下がり出来ないです…このモデル、今だとコレクター間でかなり高騰化してるです」
「そうなの!?」
「明石も始めて知ったにゃ」
綾波の経歴の謎も気になるが、一先ず必要な生活用品を購入した。
その背後に、アークロイヤルが付け回していたのだが、綾波たちはあえてスルーしている。
……
「うん、やっぱりここのパンケーキは美味しいのです」
「詳しいね?」
ユニコーンも合流して一緒に食事。
割りと普通に食事をしている。
「いやほら、アニメではどうだったかなんて関係ないのです」
「えいっ」
ラフィーにイチゴを取られてしまった。
「あっ…」
「ふふん」
「鬼神の力、見るがいいですっ」
「受けてたつ」
「ブリっちゃん、音っ!」
\ジャンジャンジャンジャンジャンッ/
口許をペーパーで拭い、席を立ち踊る。
「愛してるよなんて…」
「「「お?」」」
珍しく正確に歌う綾波。
「誘ってもくれない…」
「良いよ!良いよ!」
「そうそう」
「真夜中のメルィゴゥラン…」
その背後からユニコーンがスリッパで綾波を後ろからスリッパで叩く
ユニコーンの方を見た綾波。
顔を真っ赤にして笑ってしまうユニコーン。
その場の艦船全員が笑ってしまっていた。
「尊い…私もあの中に…今ぁ…今行くぞっ…あいったぁ!?」
見ていたイラストリアスからスリッパで叩かれるアークロイヤル。
……………
夕焼けの横須賀鎮守府では、撤退した重桜艦隊が戻ってきていた。
「綾波が敵に連れ去られたのだ…!」
「きっと、飲み会強制参加させられるんじゃ…」
「そんなわけないでしょ…重桜じゃあるまいし」
雪風と夕立は泣き崩れ落ち込む。時雨はなんとかなだめるが…
「ごめん…私のせいで…せめて強制参加の風潮すら破壊できてたら…大丈夫…私と翔鶴姉の代になったら、それはぶっ壊して自由参加にっ…するからぁっ…ううっ…」
瑞鶴も泣き出す。
「瑞鶴さん!?そういう問題じゃないですからね!?」
……………
時は進み、夜。
アズールレーン基地の食堂では…
「重桜での食事ってどんな感じなの?」
「うーん…ここと大して変わんないです。いろんな人が一緒に食べてるです…強いて言うならこの頃米粉のパンが流行ってるです」
「米粉…?」
「お米を粉末にした物です。小麦粉アレルギーの方に向けて朝に出したらかなりウケて以来、週一で出てるです」
「なるほど、これはメイドとしてメモっておきましょう」
さりげにベルファストやエンタープライズも同じテーブルにいた。
「そう言えば、エンタープライズさん検査じゃなかったんですか?」
「普通に食事して良いってヴェスタルが話してたんだ」
夜の寮舎。ジャベリンとラフィーと同じ部屋で寝ていると、ふと目が覚め、外出。脱走する気はなく、外の空気が吸いたいだけ。
そこでエンタープライズと出くわし…
「そんなに脇が弱いのですか?」
「まぁな…ヨークタウン姉さんと妹のホーネットからもいじられるんだ…」
「わかるです。弱点は知られると、必ず身内がいじって くるです…」
エンタープライズが綾波に愚痴を溢していたところを、木陰からベルファストが覗いていた。
「じゃあ夜も遅いし、コーヒールンバを踊って締めるか」
「そうですね。ブリっちゃん、音っ!」
イントロが流れ出した。
『昔アラブの偉いお坊さんが__Let's dance!』
「エンタープライズさんノリが良いのです」
「だろ?」
「メイドは見た!…指揮官の皆様、風邪にはお気をつけてくださいまし…!」
ベルファストはカメラに向けて締め括るのだった。
To be continued…
閲覧ありがとうございました。
今回も遅筆となりまして申し訳ありません…。
綾波の新生活…という感じな話でした(どこがだよ)
そんなこんなで、この話を見た後に綾波に脇をくすぐられたい指揮官様や、エンタープライズみたいにエコー検査が苦手な指揮官様がいらっしゃいましたら、是非ともお気に入り登録やご感想、ご投票をよろしくお願いいたします。
では、また筆が走り終えた頃に投稿して参ります。
by筆者
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