アズールレーン ―あの素晴らしい海をもう一度、です―   作:ブロックONE

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今日も元気に明石のお願いをこなす筆者です。


明石商店にゃ。by明石

母港、明石商店ことショップでは様々なものを扱い、日々来客が…

 

 

 

「理想と現実は厳しいにゃ…」

 

この頃、不良在庫を抱える。自分のスキンを売る以来の事態である。あの時は何とか売り込んだので何とかなったが…今後は試着チケットというものが発行されたために、その購入を検討してくれる人間は少なくなるかもしれない。余程のコレクターな指揮官くらいしか、購入してはくれなくなるだろう。

 

 

 

 

「あ、そうだにゃ!」

 

そこで、閃いた。

 

 

………

……

 

 

 

 

 

「明石、呼ばれてきたのです」

 

綾波たちがやって来た。

 

 

「一体どうしたんですか?」

 

「在庫処分…?」

 

 

ラフィーの指摘の後、明石の魂が抜ける。

 

「ごめん明石」

 

「……」

 

「あ、とどめ刺しちゃった」

 

「返事がないです。ただの屍の…」

 

「勝手に殺すにゃ!」

 

と、急に息を吹き返す。

 

「ということで、明石のお店の商品を使ってイベントやるにゃ!」

 

 

 

 

「まさか…ネズミ講、です!?」

 

 

 

「そんなことしないにゃ!!ちょっとは考えてたけどにゃ!?」

 

「やるつもりだったんですね…」

 

「構想段階だからグレーゾーンにしておいてやるです」

 

「一先ず、ルール説明するにゃ…」

 

 

………………

 

えーと、明石のお店の商品のうち、ここにあるのは『ほぼ100円』にゃ。

 

 

「それ以前重桜に居たときテレビで見た事あるです…」

 

お、知ってるにゃ?

 

そうにゃ!ここにあるものをひとつ選んで100円ならセーフ。でも!

 

「どうせこの中に1万円とか時にお財布の範疇越える破格の商品が混ざってるとかです?」

 

 

そうにゃ…選んだらお買い上げ、にゃ!

 

……………

 

 

 

「どんだけ不良在庫揃えてるの…?」

 

「売れると思ったのに旬が過ぎて売れ残った物とか、自己満足で仕入れた挙げ句、結局誰も買わなかった物が山ほどあったです」

 

「グサリと来るにゃ…それで、みんなに買ってもらうにはこう言う風に親しみやすくしようってことにゃ。要は遊びにゃ」

 

「お金がかかる遊びですね…?」

 

「それならゲーセンに100円入れてる方がましな気がするのです」

 

 

「これ高額引いて、足りなかったら皆や指揮官から借りるってことですか?」

 

 

 

「それを今ここで言ってはダメにゃ…!では、一先ず一人一個ずつ選んでみてにゃ!」

 

そんなこんなでゲームスタート。

 

順番は綾波から、ジャベリン、ラフィー、ニーミの順に決まった。

 

 

机の上には明石のピックアップした商品が置かれている。

 

マグカップ、カレンダー、瓶入りの鮭フレーク(三つ入り)、ブローチ、腕時計、熊の置物。

 

 

最近の100均は商品が良くなりつつある。デザインも100円かと疑いたくなるものもあるし、中には掛かっても200円くらいのものも並ぶようになったため、判別は難しかった。

 

 

 

 

見るからに高そうなものが一つ置かれており、

 

「じゃあ…綾波から行くです」

 

綾波はマグカップを手に明石に渡した

 

 

「さあ、お値段は………」

 

明石はレジスターに通すと…

 

 

 

 

 

 

「100円にゃ!」

 

 

マグカップ、100円。

 

 

「おっしゃ!です」

 

 

 

…………………

 

二品目。

 

 

 

「どうしましょう…」

 

次はジャベリンの番。

ここでミスると、ジャベリンがドボンになる。

 

「一先ず、ブローチと時計と…熊の置物は…やばそうです…」

 

「じゃあ…カレンダーで!」

 

「はいにゃ!」

 

 

明石に渡す。するとじーっとカメラを見詰め微動だにしない。

 

 

 

 

 

「妙に溜めますね?明石…」

 

ニーミが突っ込むと、綾波たちは押さえつけていたのか吹き出す。

 

 

 

祈るジャベリン…

 

 

 

すると、さっとレジスターに通す。

 

「高額商品ですにゃ!!」

 

 

「えええ!?」

 

真っ青になるジャベリン。

 

「嘘でしょ明石?」

「カレンダー高いの?」

 

「幾らなんです?」

 

 

 

「このカレンダーは…570円にゃ!」

 

 

カレンダー、570円

 

「100円以上っていったら確かにそうですね…?」

 

「割りと普通」

 

「焦ったです…」

 

「ビックリしたぁ…!ほーっ…」

 

ジャベリンは胸を撫で下ろす。

 

 

「これは、明石のお店のいつものカレンダーの一つにゃ!因みに来年の」

 

 

「もう~明石ちゃん!半泣き返してよぉ~><」

 

「お買い上げだからあげるにゃ!」

 

「そう?大事に使うね…?」

 

「言っとくけど、クーリングオフは無しにゃ!」

 

「不良在庫だからです?」

 

 

「ぐっ…はい、にゃ…」

 

………………

 

三品目。ラフィーの番がやって来た。

 

「あれ?ラフィーちゃん?」

 

 

すると、彼女は100円出して酸素コーラを買う。

 

 

「喉乾いた」

 

「それで100円まけてもらおうとか考えてもダメにゃ」

 

「ちぇっ」

 

「じゃあ…ブローチ。行くっ」

 

「え!?待ってラフィー!」

 

「早まるなです!?」

 

「こういう時勢いも必要」

 

「じゃあ行くにゃ?この商品は…」

 

 

 

 

再びカメラ目線になる明石。

 

 

 

 

ラフィーは酸素コーラを飲む。いつもと変わらない様子。

 

 

 

 

 

「100円にゃ!」

 

 

 

ブローチ、100円

 

それを聞き、ラフィーはドヤ顔。コーラを掲げる。

 

 

「へぇ~!これが100円なんですか?」

 

「とっても綺麗なのです」

 

「高そうに見えますねぇ…」

 

「これは、100円ショップから上手いこと仕入れてきた商品にゃ。とあるロイヤルの人たちからのご要望にゃ。戦闘で無くしたりして代替するとお金がかかるらしいのにゃ」

 

「王家の人達も100均…ですか…」

 

 

「ちょっと!私を見ないでよ!」

 

 

視線がジャベリンに注がれる。

 

 

……………

 

四品目。ニーミの番。

 

ここでジャベリンを越える高額商品を引き当てるか、それとも100円を引き当てるか。実際はジャベリンは570円で済んだのだから、まだセーフなのかもしれない。

 

 

「さて、私の番ですね…」

「ニーミ、ここは頭脳派の維持を見せるです」

 

「そうですね…うーん…」

 

考えるニーミ。

 

「鮭フレークを100均で見た事あるような気がする」

 

「あ、確かに!私、三連の買ったことありますよ!」

 

ラフィーとジャベリンは意見を述べる。

 

 

しかし、ラベルや品名が分かる所はクエスチョンマークの書かれた紙で隠されていた。明石はにやけている。

 

 

「明石、なんだかニヤケてるです…」

 

 

「にゃにゃにゃ…」

 

 

「にゃにゃにゃって何ですかwwwww」

 

明石に突っ込む綾波ジャベリン

 

「にゃにゃっ」

 

「口調を有効に使ってるです…!」

 

 

「うーん…困りましたぁ…Z23、これで参りますっ」

 

 

ニーミは鮭フレークを渡した。

 

 

「マジです!?」

「ニーミちゃん!」

「大胆っ」

 

 

「いいのかにゃ?」

 

「はい…!」

 

 

「ニーミ、かっこいい」

 

「…ありがとっ!」

 

 

 

 

「さあ、鮭フレークはー?」

 

 

 

 

 

祈るニーミ。

 

そして、明石がレジに通すと…………

 

 

 

「高額商品にゃ!」

 

 

 

「…え?高額……!?」

 

ニーミはハッとした顔になる。

 

「幾らなのです?」

 

 

「この商品は…4800円!」

 

 

鮭フレーク、4800円。

 

すると、今度は微妙そうな顔に変わったニーミ。

 

「4800ぅ………?」

 

ちょっとフラついた。

 

「ニーミちゃん、しっかりして!?4800万円じゃないからね?ニーミちゃん!!」

 

フラつくニーミを必死に支えて呼び掛ける。

 

 

「むしろそんな高い鮭フレークあったら食べてみたいのにゃ…」

 

「確かに」

 

「何故そんな価格なのです?」

 

「気になる」

 

 

 

「これは、重桜で有数の高級な鮭を使った品なのにゃ!売れ残ると明石の夜食か食堂にタダ同然で提供することになるにゃ…」

 

「高級品なんですね…」

 

「普通に食堂に売り付けろです…」

 

「買ってくれないのにゃ…」

 

「4800…良かった…買います…皆さん、今日は鮭のお握りですよ…ぐはっ」

 

「ニーミ放心状態です…!!」

 

 

「ちなみに、この時計と置物が高額商品にゃ……」

 

 

高級時計、100万。

置物、5万。

 

 

明石いわく、どちらも職人の手によるものらしい。

 

 

母港は本日も平和であった。

 




閲覧ありがとうございました。

という訳で、今回は100円ショップネタでした。

筆者も100均の鮭フレークにはお世話になっております。


そんなこんなで、ニーミの作ったおにぎりが食べてみたいと思った指揮官様がいらっしゃいましたら、是非ともお気に入り登録やご感想、ご投票をよろしくお願いいたします。


では、また筆が走り終えたらまた投稿して参ります。


by筆者

突然ですが、次の中でまた見たいと思ったネタシリーズは? Ver1.5

  • 唐突なるオギノメヨウコ作戦
  • AYAXILE(アヤザイル)
  • 三笠大先輩のミカラップ
  • オフニャの知らない世界
  • 加賀さんの疑問シリーズ

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