アズールレーン ―あの素晴らしい海をもう一度、です― 作:ブロックONE
「前々から思ったが、ミカラップあるならば加賀ラップだってあってもいい筈だろう?」
「いきなりどうしたのよ…」
重桜寮舎にて。加賀と赤城は仕事を片付け、暇をもて余していた時であった。
「筆者の構想では元々あったのだろう?」
※ありました。by筆者
「嘘でしょ…?それやってたら母港が色々パニックになってたわよ!?」
「というか、前々から思ってたが三笠大先輩よくラップなんて引き受けたな…さすが大先輩だ…」
「そうね…即断して即行動だったそうよ…」
……………………
ありし日の会議室にて。
『よし!我はラップやるぞ!』
『え!?』
『おばあちゃん舌噛まないでくださいよ…!?』
『おばあちゃん言うな!!まだピチピチだぞ!?ナレーションだって英語だってイケるぞ!?』
『ピチピチって死語ですよ…三笠大先輩…』
『え、マジか……だ、だが、我は志願するぞっ』
※イメージです
……………………
(あんなやり取りもあったわねぇ)
「さて……」
振り替える赤城を尻目に、加賀はふと神妙な面持ちになった。
赤城は「あ、来た…」と身構える。咄嗟のフリにも対応するために。
「探照灯(たんしょうとう)ってなんだ?」
「つまりは夜戦で使うサーチライトのことでしょ?はい!解決!」
「ちょっと待ってくださいよ姉様」
「なぁに?疑問は解決したじゃない」
「『三笠大先輩のミカラップ』が用語や物自体の解説なら、加賀さんの疑問はそれらの明後日か明々後日の方向の新しい使い方をネタにしていくものです。ここは一捻りして参りませんと…」
「どっちも同じ様なものじゃないの…それに、ここだと最終的には長門様が締め括るのよ?長門様締め括れなかったら、どうでもいいツッコミくらいしかやってもらえなくなるわ!」
「ならやってもらうまでです。ほらいくどー」
「あーもう待ちなさいって!」
しょうがないわね…と呟きつつも加賀を追い掛けた。何だかんだでお姉ちゃんな赤城なのだった。
……………………
「今年も終わりですね、蒼龍姉様…」
「そうね、飛龍…」
すると、部屋の中が真っ暗になった。
「あれ!?真っ暗に!?」
「停電…って日の光が無いわ!?あれ?」
そこに突然ライトが光り、グラサンを掛けた加賀と現れた。
「「加賀先輩!?」」
『No No~baby!何故うつむくの?その目に僕だけを うーつーしーてー』
Oh my juliet!を歌いながら壁やタンスに張り付いたりくねくねと動く。
「藤井隆ですか…?」
「またずいぶんと懐かしいの来たわね…」
『恋する僕のそばーにいーて…いたっ…っつ… oh
Juliet!』
足の小指をタンスの角にぶつけ悶え顔を大きく歪ませるのの、歌い続ける。
この冬場で冷えた爪先がぶつかる際に生じる痛みは凄まじかった。
その必死なパフォーマンスに二航戦は笑い出す。口許を手で覆う二航戦。
「不実な月に背いて僕をみ…いたっ」
頭をチョップする赤城。その手には艦載機の形をした艦載機が握られていた。
「そこまでよ!」
「姉様…主翼で叩かないでください…地味に痛いんですから…」
「やかましいわっ」
そして加賀は頭を押さえつつ二航戦に訊ねた。
「なるほど…新たなる使い方ですか…」
「それにしても、今の使い方は面白かったですね!夜間出撃して前衛が無双してて暇な時にでも…」
「探照灯は撮影用のスポットライトじゃないわよ!?夜戦で自分の位置をアピールとか流石の私でもやらんわ!」
「姉様いつもラスボス感出てますものね。ここではツッコミに徹してますが」
「ふふふ?そうねぇ…ならば、この流星ってやつを貴女に飛ばして差し上げましょうか?この蔵王製の最新型爆弾なら飛行甲板くらい軽々吹き飛ぶんじゃないかしら…」
「いやいや、それは勘弁してください…それなら別に流星じゃなくても良さそうな…うわっ危ないからやめてくだしあ姉様!?」
「お邪魔しまーす。あらあら?部屋が真っ暗になったり明るくなったりしたと思ったら」
「お邪魔しまーす…」
五航戦がやって来た。
「やあ、翔鶴、瑞鶴」
「また加賀先輩の疑問が始まったのよ」
「今度はどんな?」
「探照灯だっ」
「ググれば良いじゃないですか…きゃっ!?止めてください加賀先輩!ポロリと行っちゃいますからぁ!!」
「来た瞬間やられた!?あああ翔鶴姉ぇぇぇ!?」
「スタッフ!ボカシ…いや、暗転させて!暗転!!」
赤城の要請で暗転。
―しばらくお待ちください―
すると部屋が再び明るくなった。
「Oyomeni…ikenai…oh…」
「翔鶴姉…なんか慣れてきてるね…」
「へ、下手に抵抗すると怪我しちゃうからねぇ…」
翔鶴のTシャツ…今回は黒色。そこに緑の文字で『ヒデオ』と記されていた。
「何をしておるのだ?」
長門がやって来た。
『長門様!』
「うむ、昼寝の途中で目が覚めたのに辺りが真っ暗でな…何かと思いきや…」
「そちらの部屋と連動してたのね…謎だわこの寮舎の設備…長門様、実は…」
「かくかくしかじかでして…」
一航戦の二名が長門に説明した。
「なるほど、探照灯か…」
すると、長門はあるものを取り出し、探照灯の電球の部分に張り付けた。
「これでよし…スタッフ、暗転を」
部屋が暗転、すると、探照灯で照らした所に何かのマークが。
「バットシグナル?」
「そうだ。これなら敵にも畏怖をさせられるであろう!」
「というか、暗所でよく操作できたな…」
「そこは突っ込んじゃダメよ…!」
ちょっと楽しそうにする長門。
(あれ?そういやツッコミは?)
(加賀、時と場合があるからね?)
「停電したら探照灯ぞ!そう言えば、この寮舎にはヤバイのが出るって聞いたことがあってな…」
「なるほど、暗闇の所で微笑む赤城姉様が現れると、流石にビビりますからね、夜間は持って歩きましょう…」
「おい愚妹。……そう言えば、この探照灯…なにか書いてあるわよ?」
赤城は気付いた。
『きつかあ』
そう記されている。
そこで、赤城たちは察した。
そんなこんなで重桜寮舎はバタバタすることはあっても平和であったとさ。
……………
一方
「あれ?それがしの探照灯が…ない!?」
「暁、どうしたです?」
「探照灯、寮舎に置いてきちゃったでござる…」
その夜、半泣きでセイレーンに立ち向かう謎のニンジャが海域に現れた…という都市伝説が始まったという…
…………
………………
……………………
またある場所にて…
『暗視ゴーグル、いるかい?(にっこり)』
カミはそう呟いたとか、呟かなかったとか…。
To be continued…?
閲覧ありがとうございました。
休んだ分、久しぶりに初期の加賀さんの疑問シリーズを見つつ筆を走らせました。お約束は盛り込めている…はず…!
そんなこんなで、暁を優しく照らしてあげたい指揮官様がいらっしゃいましたら、是非ともお気に入り登録やご感想、ご投票をよろしくお願いいたしますm(__)m
では、次のお話をお楽しみに…!
by筆者
突然ですが、次の中でまた見たいと思ったネタシリーズは? Ver1.5
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唐突なるオギノメヨウコ作戦
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AYAXILE(アヤザイル)
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三笠大先輩のミカラップ
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オフニャの知らない世界
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加賀さんの疑問シリーズ