アズールレーン ―あの素晴らしい海をもう一度、です― 作:ブロックONE
少し遅くなり申し訳ないです…!
大掃除って計画的にやらないとバタバタしますよね。
ではどうぞ!
母港はクリスマスが終わり、片付けが始まる。
が、もっと問題なのは
「大掃除、です」
「場所によりけりではありますが…」
「そろそろ始めてかないと…バタバタしちゃいますね…」
「ある意味激務。普段の片付けよりちゃんとやらないと…」
四名も新年を迎える準備のために少しずつでも始めておかないと忙しくなる。
「そもそも、私たちと指揮官に御用納めなんてものがあるのでしょうか、です」
確かに…と頷くジャベリンたち。
セイレーンも空気を読んでくれるかどうか。
おまけに報告書から諸経費、接待等の書類の山。
仮に指揮官がいくら優秀だからっていい加減な処理をする訳にもいかず…。
今年は民間企業だけでも多くの流出事件や政治家がらみの悪代官よろしく不正取引で騒いでいたのだから。どれだけの山吹色の菓子が行き来したのだろうか。
そんなこんなで、サラリーマン張りの書類仕事を行う指揮官。これもまた大掃除の一つとなりつつあった。貯めると片付けが辛くなるからだ。溜め込んだまま新年を迎えるのは流石に不味いと指揮官は感じ、オフィスワークという海域を攻略すべく立ち向かっているのであった。
「今年のセイレーン…マイペースにも程があるです」
「まぁ、カニ鍋食べたりしてましたし…」
「崎陽軒寄ってるの、ラフィーこの前横浜で見た」
「思いっきり人々の世界楽しみだしてますねこれは…」
今年は指揮官がセイレーンに誘拐され、それを助けに向かうも、セイレーンと闇のゲーム。
危うく指揮官は樽から飛び出た黒ひげの如く死ぬところだった。
「綾波~ジャベリン~ニーミ~ラフィ~」
明石がやって来た。
「明石、どうしたです?」
「倉庫の片付け手伝ってほしいにゃ…」
頼む明石。猫撫で声。猫なのに猫を撫でる声を出す。
「「「「バイト代は?」」」」
「に"ゃっ!?」
対価は必要だった。
…………………………
「うわ…」
「凄い事になってる…」
明石の倉庫に来た綾波たち四名は思わずリアクションを取った。理由は簡単だ。
この頃指揮官が装備箱の外れ品を引きまくったために装備という装備が残ってしまっていた。
捨てようにも優先順位的に後回しにしたのが祟り、この様に山になっている。
「明石ぃぃぃ…?」
綾波から視線が刺さる。重桜時代の同僚故によく見知る故に察しがついた。
………………………
『指揮官~買ってにゃあ~』
秘書官を担当することになった時。よく安くすると言われて買わされていたのを綾波は報告しに来た際に目の当たりにしていた。
………………………
「あ、明石はなにも知らないにゃ……ていうか、指揮官のくじ運の悪さを恨めにゃ!」
「クーリングオフ」
「基本返品は不可にゃ…」
「ていうか、明石ちゃんこの前盗られたダイヤはどうしたの?」
ジャベリンはふと思い出した。数日前にサンタの侵入経路に関する会議にて、綾波の計画によりごっそり持っていかれたダイヤたち。
「アレ戻ってきた後に確認したら、200個ほど足りなかったにゃ…」
これに四名は思わず笑ってしまった。
「まぁいいにゃ、母港拡張の要請で200ダイヤ分戻ったにゃ…」
それはもしかしたら指揮官が出来心で結果的にネコババした可能性が否めない。お金をかけずに母港拡張したことになるのだから。それか、頭を働かせて『返してやるから母港拡張』して、と頼んだのだろうか。明石の言動からでは分からない。
それは遺失物としてダイヤが落ちていたというのを知っていた綾波は、ここで明石の手元にダイヤが戻ったことを察したのだった。
「まぁどっちにしろお正月セールで一杯購入してもらうにゃ…これは明石からの投資にゃ♪」
この猫、中々考えてやがるな…と思う四名。
「一先ずこれからお願いするにゃ」
さて問題の倉庫。ハズレ品の魚雷が積まれている。
「これ…」
綾波が何か閃く。
「あーこれは信管が壊れててぶち当てても爆発しないにゃ」
「不発弾で草」
「そんな危ないものこんなところに仕舞っとくなです!?」
「とりあえず爆薬は外してあるから安心してにゃ」
それを聞き胸を撫で下ろす。そうして魚雷天国は無事に片付いた。
続いて綾波たちが見付けたものは…
「明石、これ、どうするです?」
「にゃ?」
目の前には鉄血製とおぼしき艤装。
「あ、これローンのにゃ。でっかいから置場所に困ってここに置かせてたにゃ。」
「ここまでデカいなら利用料金取れなのです」
「駐車料金は草」
「鉄血の艤装って、生き物みたいですよねぇ
~」
ジャベリンが撫でるとくすぐったいのか動いた。
「テクニシャンです」
「ジャベリン、手つきがイヤらしい」
「手慣れてますね…」
「そ、そんなことないよっ!?」
「シュペーの艤装はぶっちゃけとんがりコーンなのです」
「あ、それそこにあったのかにゃ?直した後色々あって忘れてたにゃ…後でシュペーに引き取りに来てもらうにゃ」
「この前演習で、シュペーは中指だけにこれ付けて雀蜂ってやってたのを思い出したのです」
「どこの砕蜂にゃ!?」
「これ、卍解したら照準器付きのミサイルになるんですね?」
「三日に一発しか撃てなさそう」
「流石に鉄血でもこんなオサレ装備は作りませんよ!?」
「ふむ、それは面白そうだな。来年の研究に備えてメモっておこう…」
ビスマルクがやって来ていた。
「ってビスマルクさんいつの間に!?今のはジョークですよジョーク!?」
「何を言うんだZ23、こうしたジョークから発想が生まれるものだ」
説得力を感じるのはなぜだろう。
「鉄血の艤装、ちょっと愛嬌ある。かわいい」
「ふふ…そうでしょう?」
ビスマルクがドヤる。
「にしてもデカいのです」
「整備も大変にゃ…部品もでっかいにゃ…」
「び、ビスマルクさんも日夜頑張っていますから、ここはどうか許してあげてくださいね…?」
「ほう?やはり小型化か…よし、来年は薄小さいをコンセプトに加えよう…」
「どこのPSPですか!?」
「いくら艦船とは言えど、重たいと気分的に沈むでしょう?気にせず突き進んでいくスタイルを持つ者には…いささか無縁かな?明石、こちらの艤装のパーツ、少し回収していくにゃ」
((((………『にゃ』?))))
「はーいにゃ。ビスマルクに何故か語尾が映ったにゃ」
「年末テンションと言うやつかもね。私も少し受かれていたのかも。それではまた!」
台車にいくつか部品を乗せて颯爽と去っていく。
「このでっかいのはどうするにゃ?」
「ローンが後で取りに来るそうだ」
「了解にゃ」
その数分後にローンが艤装を引き取りに来た。
「ごめんなさーい!ありがとうございます~!」
……………
「このでっかい…扇子ですかね?」
ジャベリンは、自分の背丈程はありそうな大きな赤い扇子を発見する。
「それ、私のですわ」
「大鳳さん!?」
「これ、動かすと…ここがね?こう…動くの…トランスフォームッ!!」
掛け声は兎も角、飛行甲板だった。
「これで幾つものウィンドブレードが飛び立つのです…?」
「サイバーバースですね?指揮官様が物真似やってほしいとか無茶ぶりぶちかましてきましたわ…あ、そうそう!大掃除とお聞きして引き取りに参りましたの!」
「メンテは終わっているにゃ。早速持ってってくれると助かるにゃ」
「有り難うございます…よっこいしょういち…」
背中に扇子を背負う。
「それでは皆様ごきげんよう…」
落ち着いた様子で大鳳は去っていった。
「あ、ハーミーズの飛行甲板ことデュエルディスク…ラフィーのターン!」
「ああ、遊ばないでにゃ!?」
「暁のオートバイです…プロテクター着けて…よいしょ」
綾波はいつぞやの暁が乗っていたオートバイに股がる。
「えーっと鍵は確かこれ…です…あ、掛かったです」
走らせて倉庫を出ようとする。
「盗んだバイクで走り出そうとすなっ!?」
ニーミがその様子に突っ込む。
「借りるだけです~」
「綾波ちゃん、免許あるの!?」
すでに走り去ろうとしている綾波。
「私有地なら多分おkだったと思うにゃ」
「地味に手慣れてる +114514点」
その後、小物の配送に使われた。
「そ、それがしのオートバイで……何をしてるでござるか…?」
「倉庫の荷物の配送、です……借りるです…です…」
(事後報告かにゃ?)
(((ま、そうなるわな……)))
そして、倉庫に装備を取りに来た暁にばったりと出くわし、冷や汗を掻いた綾波たちであった。
to be continued…?
閲覧ありがとうございました。
暁のオートバイを借りていくスタイル(しかし無断)
そういえば、本日から駿河が実装ですね。
筆者はこれから溜め込んだメンタルキューブを捧げるんだ…(フラグ
そんなこんなで、新艦を早速ドロップした指揮官様や大掃除を終えた指揮官様がいらっしゃいましたら、ぜひともお気に入り登録やご感想、ご投票をよろしくお願いいたします。
では、また筆が走り終えた頃に…
by筆者
突然ですが、次の中でまた見たいと思ったネタシリーズは? Ver1.5
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