アズールレーン ―あの素晴らしい海をもう一度、です― 作:ブロックONE
ではどうぞ!
重桜領地。
「はい!実況のニーミです!今回もオートパラダイス重桜にやって参りました!」
「解説の明石にゃ。今日のAPJは年末だけあって冷えるにゃ~…こたつに入って丸くなりながら解説にゃ」
「そうですね…手が悴むどころではありませんよ。寒空、しかもAPJは、標高が高いところにあるので気温15度余裕で下回るのはザラです。そんなこんなで、選手を紹介していきましょう!」
「ジャベリンです!」
「ラフィー」
「ユニコーン」
そして
「綾波、です」
「あら、まるでアニメ一話を彷彿させますね。割りと普通…?」
「それにしても、一人だけレギュラーにしては見ない顔が居るにゃ」
え、誰々?と言った選手四名。
「ちょっと待ってなのです。綾波はレギュラーなのです」
「もう一回ご挨拶してみましょうか…」
「ジャベリンです!」
「ラフィー」
「ユニコーン」
「綾波、です」
「ほら、やっぱり一人多い感じするにゃ!」
「待つのです!最後に挨拶した綾波がゲストみたいに見えちゃうのです!どう見てもそこでぬいぐるみ抱いてる子がゲストなのです!」
「寒いコントはここまでにしましょう…ぐだっちゃうから…」
「はい…」
「はいにゃ」
「さて、ゲストはこの方です!」
カメラが白い馬のぬいぐるみらしき生き物に向く。
「…っ!…っ!」
「なんか喋れですっ」
生き物を軽くチョップした
「ユーちゃん!!?」
「綾波ちゃん何してくれてんの!?」
「動物虐待」
「やり過ぎたです…」
「ひどいよ!ユーちゃんの側頭部ちょっと凹んじゃったよ!?ほら!?一話で頭強打した時以来だよ!?」
「ご、ごめんなさいです…」
(ユーちゃん)入渠。
(なにげにユニコーン笑っているにゃ…)
「というわけで、改めまして、ユニコーン選手です!」
「よ、よろしくお願いしますっユニコネンです!」
「ライコネンにゃ?」
「ユニコーンちゃんがカートに?」
「意外…ラフィーびっくり」
「全然イメージが湧かないのです…」
「それでは、早速予選と行きましょう!」
この後、悪夢のような出来事に恐怖と絶望することになるとは、綾波たちレギュラー三名は知る由もない…
かくして、準備をしてカートは一台ずつコースイン。
予選が始まるのであった。
……………
【予選】
さあ、予選結果が出ましたね…今回は速いものが後ろにいくと言う唐突なリバースグリッド方式を採用しました。
そういえば、一台だけF1レーサーの少年時代みたいな走りッぷりな方が約一名居たような…
「さてタイムはどうかにゃ…」
えーっと……あ、あれ?ユニコーンさんがぶっちぎりの一位ですよ…!?
「前回の綾波たちのファステストを1秒以上越えてるにゃ!?」
(ウソでしょ…!?)
(ラフィー思わず目が覚めた)
(置いてかれたです…!)
(理論値は出た…後は本選)
明石さん、車体は同じですよね…?
「年式も性能も…何もかも同一の車種にゃ…!」
あれ、これってホントにユニコーン選手ですか…?今年度のチャンピオンとかでは…!?
「あ、やっぱりユニコーンにゃ!可能性の獣にゃ!」
綾波選手、ジャベリン選手、ラフィー選手、思わず三名が思わずアイコンタクト…動揺しています。
「不安そうにゃ…」
リバースグリッド方式ですので、ユニコーンさんが最後尾にいくことになります。
「綾波たち後ろを気にしてキョロキョロしているにゃ…いま、ちらっと見えたけど、ユニコーンの目が据わっているにゃ」
(あ、皆見てる!ふふふ!)
綾波たちと目が合ったのか、手を振っていますね…
「きっと「今からこいつら処刑しまーす」って宣告してるみたいにゃ余裕さを感じるにゃ…!?」
それでは改めて…
トップタイムはユニコーン
2位が綾波。
3位がラフィー。
4位がジャベリン。
「2位からは僅差にゃ…圧倒的にゃ、ユニコーン…」
…………………………
【レース開始 ~ 序盤】
さあ、ローリングスタートです。4台とも発進。コントロールラインに向けてスタートしました。
「嵐の前の静けさの最後ら辺みたいな空気にゃ…ユニコーン、ローリングスタートでもブレてないにゃwwwタイヤを温めるのがしなやかにゃwww手慣れてるにゃwwwww」
さあ、ここで、五台がホームストレートに戻って……今戦いの火蓋が切って落とされた!!ユニコーン選手、いきなりコーナーのイン側に突いてきた!!ごぼう抜きしようとする!!
「エグいにゃwwwww一気に詰めてきたにゃ!!wwww」
(((ヒェッ…!!?)))
咄嗟にラフィーがインを塞ぐ!!
「ブロックラインだから問題ないにゃ」
(あ、おしい…!)
(危なかった)
(消えたですよ今!?)
(こっわ…!?ユニコーンちゃんこっわ!?)
現在1位がラフィー、その後ろに、ユニコーン、ジャベリン、綾波の三台が追いかけます。
その直後、綾波がラフィーをパス!!ジャベリンも綾波のスリップに付いていく。漁夫の利でジャベリン選手がトップに!おっとまたユニコーンが仕掛けた!
「またレース始まったばかりにゃ。ここで諦めたら試合終了にゃ…あれ!?もう三人とも抜かれたにゃ!?」
(は!?)
(何時もより自分が遅く見える…って、これユニコーンちゃんが速いんだ…!)
「初っぱなから引っ掻き回されてるにゃ…!?」
際どい走りでガンガン攻めていく!!
…………………………
【レース中盤】
ゲストの皆さんも観客席で見守っています。
「わざわざ来てくださって本当に感謝にゃ!」
さあ、レースは中盤。ユニコーン選手一人により大きな番狂わせが起こった序盤。タイヤも次第に熱を帯びだしてくる!
「こんなの絶対パニックになるにゃ…そのなかでもタイムが出始めてるにゃ。誰が勝つにせよ、このままトラブルなく終わってほしいにゃ」
ですねぇ……えー現在、ユニコーン選手がダントツのトップ。二位には綾波選手、三位はジャベリン選手、四位はラフィー選手です。
「二位からは固まってるにゃ…ユニコーンは一線画してるにゃ。明石まだ鳥肌止まらないにゃ…」
ユニコーン選手との差がじわりと広がる!それでも必死に付いていく!!
「ここからが正念場にゃ。何が起こるか赤城の思惑張りにわからないにゃ…!」
おっと、ユニコーン選手バランスを崩し、そこに綾波選手たちがパスする!!
「距離を引き離そうとして突っ込みすぎたにゃ!?」
こ、これは痛恨なり、ユニコーン選手最下位に転落してしまう!
「やっちゃったにゃ…!」
…………………………
【レース終盤】
さあ、レースは残り二週です。先頭では膠着状態が続…おっとユニコーン選手、みるみる追い上げていっています!?
「えええ!?あの状態から猛プッシュしてくるにゃwwwwwメンタルどんだけ屈強にゃ…?」
(また来たー!!?)
(頭おかしくなりそう)
(もうパニックです)
ここからさらに追い上げる!ラフィー選手をパスし、ジャベリン選手のスリップに付いていく!その前には綾波もいる!!
「綾波たち何が起こってるか把握できてないみたいにゃwww」
ラフィー選手も続く!尚、楽屋では「まだ一度も勝っていない、最後はラフィーが勝って最高の寝正月をする」と豪語しておりました!
「勝って寝正月…ラフィーらしさがにじみ出てるにゃ」
ジャベリン選手も堪える!楽屋では「勝ったら指揮官に告る」そうです
「ジャベリン…それフラグにゃ…」
先頭の綾波選手、「ここで勝利して、重桜には、タイラ、ミナモト、そして綾波がいると証明するです」と豪語しておりました!
「最後に綾波はぶちこんできたにゃwwカペタと奈臣に並ぶって事かにゃ?って、時空が壊れるにゃwwww!」
さてファイナルラップです。四台とも一歩も引かない!
「これまた熱くなってきたにゃ!」
遂にユニコーン選手がジャベリン選手をパスして綾波選手に迫る…!綾波選手堪えきれるか!?
(ヤバイです追い付いてきたです…!!)
「これでそのまま良いレースでフィニッシュすれば大団円にゃ。誰が勝ってもおかしくないにゃ…」
そして、ホームストレッチ!
四台とも横並び、頭を低くして少しでもドラッグを減らす…!!
「まさかのフォーワイドにゃ!!」
そのまま、ユニコーン選手が綾波選手の前に出て…フィニーッシュ!!
「うおおお!!」
…………………………
【レース終了】
「皆さん、お疲れさまでした!」
「お疲れさまでしたっ」
「「「・・・」」」
ユニコーンを除く三人は放心状態であり、どうしたら良いか
それだけ見かけ以上のプレッシャーに当てられていたと言うことか。それでもニーミはインタビューする。それが司会者と実況の仕事である。
「燃え尽きた」
と、ラフィーは一言。
「煩悩が浄化された様な感覚です…」
ジャベリンは少し壊れ気味。
「軽くトラウマになりそうです…」
綾波もレースの疲れと共に顔色に出ている。
そこでユニコーンに訊ねてみると…
「リバースグリッドってだけあって、序盤しくじると大変なので攻めに徹しました。気温が低いですから温まるか心配で、それに、皆思った以上に早くって差を詰められそうだから、広げるために攻めてたらバランスを崩しちゃいました…でも、それで終わっちゃったら絶対にダメだって思って必死で___」
しっかりと答えるユニコーンに目が点になる綾波たち。息を切らしていないのだ。
一糸纏わず粛々と受け答える様子は、ジャベリンからしても正真正銘のロイヤルレディであった。
その様子に三人は感動したのか、ユニコーンに称賛の拍手を送った。観客席にいた三笠たちやスタッフ、指揮官も拍手している。
「ユニコーンの立ち振舞い、かっこいい」
「ロイヤルレディです!ユニコーンちゃん!」
「ユニコーン、走りもプレス対応も完璧、感動したです…!」
それに対して、ハッとしたのか顔を赤らめ、いつの間にか入渠から戻って見守っていたユーちゃんを抱き上げ、顔を隠す。
「それにしても…今シーズン最終戦に相応しい展開でした」
「まさしく可能性の獣にゃ…!」
「うう、角は割れないよっ…?」
照れ笑いしつつもジョークを返すユニコーン。
「因みに、運転はどちらで?」
「イラストリアス姉ちゃんとRDRS(ロイヤルドニントンレーシングスクール)に…今は改名されて移転したけど…」
「おおー、ユニコーンはカペタならぬカナタだったのです」
「MFゴーストにゃ…?」
「あ、そうそう!ユニコーン、勝った後、何がほしいですか?」
「来シーズンのレギュラー参加権」
「ん?すみません…もう一度…」
「来シーズンのレギュラー参加権、ください…!」
「そうですか…来シーズンですね…」
「え、だめ…?」
「いえいえ!だめではないですよ!?ええ、だめでは…」
「ま、まぁ来年の筆者次第、にゃ…?」
そして、一呼吸置き…
「それでは、皆様、よいお年を~」
『よいお年を~』
APJは祝賀ムードに包まれた。
閲覧ありがとうございました。
今シーズン最終戦はユニコーンちゃんが決めましたね。
来シーズンは未定です。本当に申し訳ありませんm(__)m
そんなこんなで、お読みになられた後にユニコーンちゃんを入手した指揮官様や、ユニコーンに追い回されたい指揮官様がもしいらっしゃいましたら、是非ともお気に入り登録やご感想、ご投票をよろしくお願いいたします。
明日は大晦日。では、またのお話で!
by筆者
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