Lost Belt No.8 完了形極刀国 日の本 ※凍結中 作:冥土のメイド
久々の投稿で申し訳ないです
FGO忙しいですね(汗)高難度が凄い難しい
彼の手を握りながら無意識の内に言葉が出た。
「あなたが完了形変体刀の使い手…」
「…?全部知っててここにいるんじゃないのか?」
「あーそれがちょっと予定外でな。何も知らずに此処に来たんだよ」
「そうか、なら色々大変だっただろうな…主に記紀が」
彼は偽りのない同情を私に向けた。彼も苦労しているらしい
「それで記紀、カルデアはいつ来るんだ?」
「…!」
彼がカルデアと言った。そうか毒塚胡蝶を四季崎記紀と認識している時点で気がつくべきだった。彼もまた全ての事を知っているのだろう。
「およそ三ヶ月後だ。と言ってもあいつらはまずロシアに行く。此処に来るのはかなり先だ」
「また、随分と暇になるな…」
「あぁ、安心しろ。俺の子孫と刀華でやって欲しい仕事がある」
話に置いてけぼりされている。それにカルデアの一派は今虚数空間にいる、なのにどうして未来視が可能なのか。そもそもあそこには時間の概念などないのに。
「仕事って何かしら?そもそもやることあるの?」
「緋華、お前にはさっき教えた完成形変体刀の所持者にこの手紙を渡してきてもらう」
彼は「面倒だ…」とため息をついている。
「手紙?」
「あぁ今回の戦いについての事だ。カルデアとサーヴァントについても書いてある」
「それ、私たちがやらないと駄目なの?」
「無駄だぞ緋華、仕事を押しつけてくる記紀に何を聴いても納得できたことはない」
「・・・・・・・・」
「そういう事だ、言っただろ?この異聞帯を見てもらうって。楽しい日本一周をしてきてくれ」
日本一周?そんなバラバラに所持者は点在しているの?この文明力で日本一周?
「あぁ、マジで面倒だ…」
彼の深いため息がこの森に響いた。そんな気がした。
「と言うわけで、頼んだぞ緋華、刀華。餓鬼丸には俺から渡しておく」
記紀はそう言って手紙と小判の入った袋、私の着替え類、地図を渡しては何処かへ消えて行った。私と彼はどうやらここから長い旅を始めなければならないらしい。まさかの丸投げである。
「ねぇ…」
「分かってる。緋華の不安ももっともだ」
「とりあえず何人に渡せばいいの?」
「9人だ、斬刀・『鈍』の所有者は亡霊だから手紙渡しても意味がないし、悪刀・『鐚』は記紀が直してるからな」
「日本一周って言ってたけどさすがに誇張よね…」
「・・・・・・・・」
どうやら真実らしい。
「ふぶきは蝦夷に、色彩は出雲、輪廻さんは奥州、かなりの長旅になるかもな…」
彼はかなりうなだれている、やはり大変そうだ。そう言えば、ここから私は彼に守ってもらう。思えば、彼は究極の刀を持つらしいが腰には刀を提げていない。
「そうだ、とりあえず飯にしよう。今後について話しておきたいこともあるだろうし、それでいいか?緋華」
「そうね、もうお昼時だものね」
お日様はかなり高いところまであがっていた。時間を意識したためか小腹が空いてきた。どうやら彼の家に招かれるらしい。男性の家にホイホイ行くのも気が引けるが、今のところ悪い人ではなさそうだ。せっかくなのでご相伴に預かろう。私は森の中へ進む彼の後をついていった。
家は古びていたわけでもなかった。と言うか綺麗な木造の家だ。
「おじゃましまーす」
「あぁ、くつろいでくれ。俺は飯を作ってくる」
「手伝おうか?」
「いや、大丈夫だよ。奥でゆっくりしてくれ」
そう言うと彼は台所へ向かっていった。奥の部屋は囲炉裏のある部屋、そこには何故か長年過ごしてきた実家のような落ち着きがあった。
しばらくして彼がご飯を持ってきてくれた。どうやら雑炊のようだ。卵が溶いてあり美味しそうだ、食欲がかきたてられる。
「いただきます」
「あぁ、熱いから気をつけて」
朝、城で食べたのはいかにも将軍の住まう場にふさわしい豪勢なものっだった。でも私にはやはりこうした身近なご飯が好ましいと思う。この異聞帯で初めて温かいご飯を口にして
「美味しい…」
本当に美味しかった。まだ安心しきれるわけではないが少し落ち着けた
「口に合ったならよかった」
彼は優しく笑った。
「ごちそうさまでした」
「お茶いるか?」
「いいの?」
「すぐ淹れるよ。何ならこの囲炉裏で淹れられるからな。湧かしてる間にとりあえず聴きたいことあるか?」
「ありがとう、色々情報交換してもらってもいい?まだ私この異聞帯のことほとんど知らないから」
「あぁもちろん。俺も記紀ほど知っているわけではないけどな」
「じゃあまずは、今回の旅はどれくらいかかるの?」
「2カ月あったら終わるはずだ。危険もない」
「私、クリプターとしての報告や会議もあるの、旅の中でできる?」
「野宿は基本的にないと思ってくれ、宿屋でその仕事もこなしてくれるといいかな」
今回の旅の懸念事項はこれで大方解決した。日本一周は大変だがやるしかない。
「他に何かあるか?」
「えっと…そうだ!完了形変体刀って一体どんな刀なの?この家にも刀置いてないから気になって」
「俺は刀を一切使えないよ」
「え?」
「虚刀流、ひとつの武術みたいなもの何だけど、言わば俺そのものが刀なんだよ」
「あなたが刀?だからさっき私が持ち主だって…」
「そうそう、安心して俺を使ってくれ」
「・・・・・・・・」
分かったようでわからない。記紀は最初の目的の中で生み出した
「出発は明日の朝にしよう、行き先はどうする?」
「任せてもいい?」
「分かった、まずは出雲に行こう。今日は羽を伸ばしてくれ」
そう言い彼は庭へと出ていっては筋トレを始めていた。私はと言うと、とりあえず今まで履いてなかったので記紀のくれた着替え類から履いた。あれ?ここから旅を始めたら、城で乾かしてた私の下着はどうなるの…
-----interlude-----
より強く、より速く、より巧く、より鋭く、拳を振り、蹴りを放つ、例え完成していようと完了していようとこの切れ味を落とすことは許されない。まだ高みに至れる。この身は刀、全ては来たる最後の戦いのために、あと少しでこの世界は存続を許されるのだから、負けるわけにはいかない。この世界に住まう多くの人々の未来を背負っている。俺は自身の生まれてきた意味をしめさなければならない。
俺は彼女を選んだ。俺は彼女にどれだけのことをしてあげられるだろうか。
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刀華と夕ご飯を食べた後、お風呂に入り、寝る準備を始めた。もちろん彼と一緒の部屋で寝るわけではない。いつの間にか私の寝室に引かれていた蒲団、気が利くというよりは本当に優しい人なのだろう、彼はこの一日初対面の私にここまで良くしてくれた。
彼に命を預ける身として彼を軽んじることのないように、また力になれることをしようと思う。
未だにこの異聞帯をどうして行きたいか、私自身の答えは出ていないが、明日から始まる旅で少しでも私のやりたい事が見つかればいいな、ただ生きるのではなく、しっかりと私の人生を歩んで行きたい。
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・ 寝れない・・・・・・
仕方がないので少し歩くことにした。月が雲に隠されて非情に暗い。ふと庭に出てみれば、誰かがいる気配がする。月明かりがうつしだしたのは、刀華だった。美しい、月光も相まってか、そうとしか表現できないほどの一挙手一投足。これが虚刀流なのかわからないがとても魅入いってしまった。ただ強く、ただ速く、ただ巧く、ただ鋭くある様に私は深く胸を掴まれた。言葉にならない。こんなにも感動したのはいつ以来だろうか。
「どうした緋華?眠れないのか?」
「うん…少しだけ…」
彼が声をかけてくる。うまく喋れないのは何故なのか
「そっか、じゃあ明日はゆっくり出発しようか・・・・・・・・寝付けるまで話でもする?」
「それじゃあほんの少し」
そこからの記憶は酷く曖昧だ。彼と話していた内容もかなり朧気でハッキリ覚えていないが、それでも凄く楽しいかったことは覚えている。
そして始まりの朝がくる。私の生きる目的を意味を見つける旅が始まる。
いかがでしたか、話が進まないのはお許しください。これからはまた更新スピードを上げれたらいいなぁと思います。
次回からは完成形変体刀所持者との絡みを書いて行きます!その中でクリプター同士も絡ませたい。今思えばFate要素が薄すぎる。
・鑢 刀華 ヤスリ トウカ
虚刀流第十二代目当主、完了形変体刀である虚刀・「鑢」は七代目で完了を迎えており、その後代々続いた虚刀流に記紀がさらなる高みを目指した結果たどり着いたのが彼。究極の刀。
彼の起源は「朧、霞」
ちなみに、この世界の歴史では四季崎記紀の影響で、ある親子が生まれておりません。それに寄って刀語本編の刀集めも起こっていません。