店内ではピリッとした空気。突然と現れた植物使い。そして金髪少々。平凡な日常に訪れた非日常に緊張がはしる。
(あの子可愛いなぁ。その前にあいつどうしようか)
突然の出来事にも関わらず内心あまり緊張が足りていない。
「逃げるわよ」 杏は相手が悪いことを悟っていたのかすぐにそう言った。しかし、ウチは諦めずに戦おうとした。しかし、ここで格上と戦って服がボロボロになることを恐れて「うん」とだけ返事をして一緒に逃げた。
「え!ここは戦って勝つ所じゃないの!?」と、少し驚きながら反射的にツッコんだ。しかし、逃げても逃げても男は植物を使って追ってくる。(あー、もうここで死ぬんだろうなぁ。)と、冗談半分で考えていた時、突然男が叫び出した。その声は恐怖しているようにも聞こえた。それに驚いたウチは男の方を振り返った。男の操っていた植物を伝って火ダルマになっていたのだ。その時だった。
「誰かぁー。消火器を持ってきてー。」
その声に聞き覚えがあった。更に植物と男が燃えている。それに気づいた時、安心感した。
「大丈夫かなぁ」燃えてしまった男に対して心配そうに言っていたのは炎魔だった。ホッとしたウチは炎魔に問う。
「どうしたの?」
「丁度ここに来たらこの人が暴れているが見えて。で、その時、神原と横の人が襲われているのを見つけたからとっさに火で追っ払おうとしたら…。制御出来なくてそのままあの人が燃えていた。」
「あー、なるほどねぇ。そういえばその男大丈夫なの!?」
フッと思い出した二人はすぐに男の方を見た。既に消火器で鎮火された後で男はひどい火傷を負っていた。
「ガシャン」
突然割れたガラスの音にその場に居た全員が驚いた。驚いたのは音が大きかったからではなかった。いや、音が大きかったのもあるかもしれないが。しかし、何よりも巨大なカブトムシがモーターのような羽音を立てながら男を持ち上げ拐って行ったのだった。その間動けたものは誰一人いなかった。
「あの、ありがとうございます。」
杏は炎魔にそう告げて素早く去っていった。しばらくしてから炎魔は今まで起きた出来事についてウチに聞いた。炎魔は「ほいっ」と、返事をしてから話出した。
「最近今までに比べて能力者の報告が多く上がっているらしい。それについて明日ヒーロー組合から話があるから学校に来るようにだそうだ。」
ウチは何かヤバイことが起こると思い、この時代の流れにワクワクしていた。
次の日、朝早くから学校の教室にいた。ウチと炎魔を含めて4人いた。8時30分早速始まった。
「私はヒーロー組合側の人間である。早速だが今日1人欠席している者がいる。既にその人にはLINEで伝えている。要件だけを伝える。近年いや、最近になってから能力者の数だけではなく、怪人の数が急激に増えている。ここの県ではそれほど変化はないが、他の県では既に被害が出ている。その為、もしも何かあったらすぐに連絡して欲しい。」
「あ…あの。昨日植物を操る男とロマン溢れる巨大なカブトムシが現れました」
「他は?」
「特にありません」
「分かった」
この後は昼前に終わった為、炎魔と別れてすぐに帰宅した。
(もしかしたらこの先、命張って戦う日が近いかもしれんなぁ……)
その頃、時は同じくとして
「ギャー!」
複数の男性の悲鳴が響き渡っていた。
「ほらどうした?我を倒すのではなかったのか?勇敢なる者達よ」
その声は何処か寂しげで退屈そうだった。それもそのはず。御触れを出したのにも関わらず彼の前に立った者は何もできずに死に絶えるからである。
(あ、そうだ!我の分身なるものを使って強いものを探すとしよう。ついでにGPSと千里眼機能も着けてっと……。)