ありふれた職業と最強兄弟   作:狼牙竜

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お待たせしました、再び奈落のハジメ達視点です!

ありふれのイベント、行きたいですが遠くて行けない…
その分、こちらを頑張って書いていきたいです。


感想、評価が作者の力となります!


第13話 奈落の吸血姫2008

『この本によれば、普通の高校生南雲ハジメ。彼には魔王にして時の王者『オーマジオウ』となる未来が待っていた』

 

『南雲ツカサと再会した我が魔王達は故郷へと帰還すべく戦うことを誓い、奈落の底を進み続ける』

 

『だが、潜り始めて50層目で彼らは大きな扉を見つける。それは、彼らにとって非常に重要な出会いであり…』

 

「おっと。ここから先はあなた達の目でお確かめください…」

 

――――――――――

 

「だいぶ俺達も進んだな…合流した場所から数えて50階層目か」

 

奈落の底。ハジメ達3人が合流し、進んでから約1ヶ月は経過していた。

その間、次々と現れる魔物達と戦い、その肉を食らうことで様々な技能を身に付けステータス上昇につとめていたハジメ達。

その中にはお世辞にも進んで食べたいとは思えないような昆虫やらグロテスクな魔物もいたが…生きるためだと割り切り、その力も身につけていった。

 

「正直、ここまで降りてもゴールが無いってことは…オルクス大迷宮が全100層って情報は間違ってたのかもしれないな」

 

そんな会話をしながら先頭を歩くツカサ。

ちなみに3人のステータスはというと…

 

 

――――――――――――――――――――

南雲ハジメ 17歳 男 レベル:49

天職:錬成師 ■の■者

筋力:880

体力:970

耐性:860

敏捷:1040

魔力:760

魔耐:760

技能:錬成[+鉱物鑑定][+精密錬成][+鉱物探査][+鉱物分離][+鉱物融合][+複製錬成]・魔力操作・胃酸強化・言語理解・纏雷・天歩[+空力][+縮地][+豪脚]・風爪・夜目・遠目・気配感知・魔力感知・気配遮断・毒耐性・麻痺耐性・石化耐性・■間操■・■来■

 

――――――――――――――――――――

 

白崎香織 17歳 女 レベル:50

天職:治癒師

筋力:860

体力:970

耐性:880

敏捷:1000

魔力:1080[+22]

魔耐:1080

技能:回復魔法[+回復効果上昇][+イメージ補強力上昇][+範囲回復効果上昇][+状態異常回復効果上昇][+連続発動][+複数同時発動]・光属性適性[+発動速度上昇][+効果上昇][+連続発動][+複数同時発動]・高速魔力回復・纏雷[+電気治療][+麻痺電流]・胃酸強化・魔力操作・言語理解・天歩[+空力][+縮地]・風爪・夜目・遠目・気配感知・魔力感知・気配遮断・毒耐性・麻痺耐性・石化耐性

 

――――――――――――――――――――

 

南雲ツカサ 17歳 男 レベル:55

天職:破壊者

筋力:900

体力:990

耐性:1200

敏捷:890

魔力:800

魔耐:2000

技能:特性無効[+特殊攻撃無効]・■間■動・■異点・言語理解・纏雷・天歩[+空力][+縮地][+豪脚]・風爪[+空間切断]・夜目・遠目・気配感知・魔力感知・気配遮断・毒耐性・麻痺耐性・石化耐性

 

――――――――――

 

魔物の肉を食い続けて最初の頃よりもさらにステータスが高くなっていたハジメ一行。その成長を支えていたのはハジメが見つけたものとは別でツカサが偶然にも発見した『もう一個の神結晶』だったりする。

形こそハジメのものと比べて僅かに小さかったものの、二つ分の神結晶から取れたポーションこと『神水』のストックはかなり余裕が出て、ハジメと香織の2人が服用しても影響は少なく済んでいた。

 

ちなみに香織の魔力の項目に追加で記されているのは、かつてハジメが香織に渡していた魔力活性ブローチの影響である。

合流場所を出る前、香織が無くしていたことに気づいて3人で探したところ破損こそしていたが見つかり、ハジメが修理して香織に渡していたのだ。

 

 

「しっかし…兄貴の体、どうなってんだろうな?魔物肉喰ってもなんともねえとか」

「さあな?案外これがディケイドの力の影響なのかもしれない。世界を超え、様々な敵と戦うことの多いディケイドはある程度の法則やらを破壊する力があると頭に刷り込まれたからな」

 

猛毒である魔物の肉を摂取しても何ともない体にツカサは内心驚いていたものの、ある程度世界の法則を無視できるディケイドの力が働いているのかもしれないと解釈していた。

 

「俺としてはお前達の使う神水をこれ以上俺の使う分で消費しなくて済むからこの体に関しては万々歳だけどな」

「そうかよ…でも、何かあったら無理せず言ってくれ」

 

そんな会話を続けていると、ハジメ達はある空間の前にたどり着く。

 

「………なんじゃこりゃ」

「でかい扉だな…これ」

 

思わずそう口にするほどの大きな扉があり、その両脇には二対の一つ目の巨人像が半分壁に埋まっているかのように鎮座していた。

よく見ると中央には不思議な逆三角形のマークがあり、上の角二つには丸い窪みがある。

 

「このマーク…見たことあるか?」

 

ツカサはハジメ達に尋ねるが、2人とも首を振る。

 

「悪いが、俺も見たことないな…結構勉強したつもりなんだけど」

「私も…ハジメ君と一緒にいろんな本調べてたけど、この術式は見たことない。多分…教会や王国に資料が残ってない時代の術式なのかも」

 

ハジメ達のトータス関連の知識はクラスメイト全員よりも多く、彼らでも知らないとなると相当古い術式の可能性が高かった。

 

「しゃーない。いつもどおり錬成を使って…」

 

ハジメは錬成を壁に発動させるが、扉から赤い放電現象が起き、ハジメは咄嗟に下がる。

 

「ハジメ君、大丈夫!?」

 

香織が神水をハジメに手渡し、ハジメは素早く封を開けて神水を飲む。

 

「ああ…だが、これって定番のトラップだろうな」

 

ハジメ達の視線の先には扉の両サイドにいた巨人が壁を砕きながら肉体を持って現れたのだ。

 

2体の巨人はどこからか取り出した剣を握り…

 

 

ドパンッ!ドパンッ!

 

 

そのうちの1体はハジメのドンナーと香織のレーゲンによって頭部を撃ち抜かれ、攻撃行動に移る前に撃破されてしまった。

 

「お前ら…はぁ」

 

ツカサは小さいため息をつくがすぐに頭を切り替え、ライドブッカーをソードモードにしてもう1体の巨人に攻撃。

 

「くっ!?」

 

だが、巨人は腕にバリアのようなものを作ってライドブッカーを受け止める。

 

「こいつの固有魔法か!2人とも、撃て!」

「おう!」

「わかった!」

 

ハジメと香織が攻撃するものの、ドンナーとレーゲンの射撃に対しても傷を負わない巨人。

どうやら、バリアの耐久性はこれまでの魔物と比べてかなり高いらしい。

 

「なら…!」

 

ハジメはそう言うとドンナーを一度しまい、奈落で手に入れた材料から新しく作った破片手榴弾で巨人の足元を爆破。

その衝撃でバランスを崩し転倒した巨人は固有魔法を解除してしまう。

 

「じゃあな」

 

その瞬間ハジメは『縮地』を使い距離を縮め、巨人の目にドンナーの弾丸を撃ち込んだ。

 

――――――――――

 

巨人を倒し、扉を開ける方法を考えていたハジメ達だがふとハジメは二つのくぼみを見て何かを思いつく。

 

「もしかして…」

 

ハジメとツカサは2体の魔物の腹を裂いて魔石を取り出すと、その魔石は珍しく綺麗なボール状になっていた。

恐らく、この二つを使うことで扉を開くのだろう。

 

 

「これで…!」

 

ハジメと香織が同時に魔石を扉にはめこむと、赤黒い魔力光が迸り魔法陣が展開、扉がゆっくりと開く。

 

 

「さて…鬼が出るか蛇が出るか…」

 

ハジメと香織がドンナーとレーゲンを構えながらゆっくりと入り、ツカサもついていこうとするが…

 

 

 

 

「…ん?」

どういうわけか、ツカサのライドブッカーの中から光が漏れていた。

 

「これって…もしかして!」

 

ツカサはライドブッカーを開くと、収納していたカードの中から1枚が勢いよく出現し、彼の手に収まる。

 

 

「まさか…ここに眠るライダーの力はビルドだけじゃなかったのか…?」

 

ツカサが手にしたのは『仮面ライダーキバ』のライダーカードだった…

 

 

――――――――――

 

「真っ暗だな…」

 

ハジメは夜目を使い、真っ暗な扉の内部をじっと見ているとやがて内部の全容が見えてきた。

それはまるでかつて自分達が訪れた聖教教会の神殿にも似た造りであり、何本もの太い柱が規則的に並んでいる。

そして部屋の中央には巨大な立方体の石のようなものが浮いており…

 

 

 

 

「…誰?」

 

確かに、声が聞こえた。

ハジメと香織、ツカサは声が聞こえてきた立方体をじっと見つめると…

 

 

 

 

 

「誰か………そこにいるの?」

 

その立方体の中には、腕と下半身が埋まっている少女の姿があったのだ。

 

 

 

 

それと同時に、少女の背後にあった黄色いライドウォッチが脈打つかのように輝く。

それはまるで、新たな出会いを祝福するかのように…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すみません、間違えました」

「「「………え?」」」

 

だからこそ、この一言はその場にいた彼以外全員の意識をシンクロさせてしまった。

 

 

 




次回、ありふれた職業と最強兄弟

第14話 運命♪ウェイクアップ

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