明日と来週で令和1号、ゼロワンが完結してしまいますね…
ラストがどうなるのか、待ち遠しいです!
なお、今回は独自解釈による技がいくつか登場します。
感想、評価が力となりますのでいつでもお待ちしています!
『この本によれば、『元』普通の高校生南雲ハジメ。彼には魔王にして時の王者『オーマジオウ』となる未来が待っていた』
『樹海の大迷宮へ続く道を覆っている霧が晴れるまでの10日間でハウリア族を徹底的に鍛えていた我が魔王だが、加減を知らない徹底した教え方の弊害でハウリア族は暴走』
『幸いにも我が魔王の機転により最悪の事態は免れ、ハウリアの暴走は収まる』
『しかし…すでにタイムジャッカーという新たな刺客が我が魔王達を狙っており…』
――――――――――
九日目の夜。
ハウリア達には自主練を言いつけたハジメはツカサ、ユエ、香織と集まっていた。
「で、そっちの方はどうだったんだ?」
ハジメがユエと香織に聞くと、2人はそれぞれ相手をしたシアとクロハネについて語る。
「ん。シアについてだけど…魔法の適性においてはハジメと変わらないくらい」
「マジかよ…じゃあいくら魔力持ってても宝の持ち腐れレベルじゃねえのか?」
ハジメと同等ということは、属性魔法を行使することにおいて最低レベルということ。
間違いなく実戦での魔法攻撃は期待できないだろう。
「…でも、その弱点を補うかのように身体強化の魔法に特化してた。正直…化物レベル」
ユエの言葉にツカサも頷く。
「カブトに変身してた時も思ったが、あいつは無意識に身体強化でスペックを引き上げてんだろうな。格闘に優れたカブトとシアの身体強化は相性が良かったし…戦術は素人だけど、一撃の威力はスピード系のカブトとは思えないレベルで重かった」
「ん。多分、今の限界は強化してないハジメの6割くらい…しかもこれからの鍛錬次第でまだまだ上がる…」
「そこまで伸び代が高いのか…で、クロハネは?」
香織が軽く解説する。
「クロハネちゃんの場合、シアちゃんと同じような身体強化が得意みたい。でも…それはどっちかというと補助的だった」
「身体強化はほとんどを腕力に費やしてて、両手剣二刀流を軽々扱ってくるから近接における純粋な破壊力は多分勇者チームが束になっても敵わないと思う」
「こっちもこっちで化物レベルか…その上、あいつ飛べるんだろ?」
「うん…しかも魔法適性はユエに近いレベル」
どうやらシアは身体強化による格闘特化、クロハネは魔法と格闘をある程度バランスよくした戦いが優れているらしい。
「ま、これで何はともあれ約束も終わったんだ。あとは樹海の迷宮を確認すればいい」
ハジメは野営用テントを宝物庫から出現させる。
「ようやく二つ目の大迷宮だ…寝不足で戦えないなんてことがないようにな」
――――――――――
そして訓練が開始された日から10日目…
夜が明けると同時にハジメとツカサは目を覚まし、近づいてきた『気配』に対応すべくジクウドライバーとネオディケイドライバーを装着。
「ちっ!!」
ドンナーとシュラークを出現させたハジメは迫ってきた気配めがけて発砲し、その音で香織達だけでなくハウリア達も目を覚ます。
「ボス!」
「気をつけろカム!こいつら…なんか知らねえがやべえ!」
ハジメ達の視界の先に映っていたのは、昨日逃がしたはずの熊人族。
だが、レギンを除いて全員無表情になっており、レギンはハジメ達の姿を見ると『あるもの』を取り出す。
「あれって…」
「あいつが持ってたのと同じライドウォッチ…!?」
スウォルツが持っていたものと酷似した『アナザーカブトウォッチ』を見て警戒するハジメ達。
すると、何者かの笑い声が響いた。
「てめぇ…何もんだ?少なくとも同族であって仲間…ってわけじゃなさそうだな」
「ご名答だ、オーマジオウ…我が名は『デュール』。貴様により滅ぼされる世界を救う、タイムジャッカー」
その言葉にツカサが反応した。
「タイムジャッカー…そうか。お前らがライダーの力を強奪した…!」
だがツカサの言葉を意に介さずデュールはレギンに声をかけた。
「何をしている?貴様にも部下にもこいつらを倒せる力を授けたんだ…しっかりやれ」
「わかっている…!」
デュールが姿を消しレギンは苛立たしげにウォッチのボタンを押す。
《カブトォ…!》
「んっ!………ぐううあああああああ!!!」
時計のバンドのようなエフェクトがレギンを覆い、さらにバンドがまるで脱皮でもしたかのように剥がれ落ちるとそこにいたのは…
「こいつが、アナザーライダー…!」
「さしずめ『アナザーカブト』ってところか…」
シアの変身したカブトに似てはいるが、ベルトがカブトムシの幼虫をイメージしたグロテスクな外見になっており、所々が有機的になった仮面ライダーカブトのなりそこない。
レギンは新しい姿『アナザーカブト』へと変貌したのだ。
「キサマら!新タな力を見せテヤれ!」
アナザーカブトが叫ぶと、生き残っていた6人の熊人族は全員がカブトの戦っていた怪物『ワーム』に変貌。
「ワームだと!?じゃあ…」
「あのタイムジャッカー、生き残りを…!」
すぐさま対抗するべく、ハジメはジオウウォッチを取り出すとウェイクベゼルを回転。起動させる。
《ZI-O!》
ツカサもディケイドのカードを取り出し、ハジメはジクウドライバーにジオウウォッチを装填、ロックを解除し二人同時に変身の構えを取ると…
「「変身っ!!」」
《KAMEN RIDE…DECADE!》
《ライダータイム!仮面ライダー!ジオウ!!》
ツカサはディケイドに、ハジメはジオウに変身するとそれぞれの武器であるライドブッカー・ソードモードとジカンギレード・ガンモードを握る。
「香織!ユエ!お前らはハウリア族を戦いに巻き込まないようにしてくれ!」
「うん!」
ジオウとディケイドは迫り来るワームとアナザーカブトに対抗すべく戦いを始めた。
――――――――――
『キュルルルルルル!!』
『シャアアッ!!』
バイオリンムシに似たワーム『ビエラワーム』とダニに似た『アキャリナワーム』の攻撃をライドブッカーで受け止めるディケイド。
「くっ!数が多い…なら!」
ディケイドは連続射撃を発動させる『ブラスト』のカードを取り出すが…
「っ!!」
次の瞬間、ディケイドは目にも止まらぬ速さで攻撃された。
(これがワームのクロックアップ!だけどな…)
ツカサはすでにクロックアップへの対策を用意している。
伊達にシアの変身したカブトと戦っていたわけではないのだ。
《KAMEN RIDE…KIVA!》
ディケイドはディケイドキバに変身し、続けて新しいカードを装填。
《FORM RIDE…KIVA!BASSHAA!》
バッシャーフォームに変身し、クロックアップするビエラとアキャリナの動きを察知して…
「そこか!」
バッシャーマグナムから発せられる水の弾丸がワームを撃墜。
《FORM RIDE…KIVA!DOGGA!》
ドッガフォームに変身すると、すかさず必殺カードをセット。
《FINAL ATTACK RIDE…KI・KI・KI・KIVA!》
ドッガハンマーのトゥルーアイを開き、2体の動きを封じると必殺の雷の鉄槌『ドッガ・サンダースラップ』で纏めて撃破。
――――――――――
「これがクロックアップかよ…だったらこれでどうだ!」
ジオウはクロックアップに翻弄されながらも右手につけたビルドウォッチを起動。
《BUILD!》
《アーマータイム!ベストマッチ!ビルド!!》
ビルドアーマーを装着したジオウはウォッチに封じられた記憶…ビルドの持っている力の中からこの状況を打破できるであろう力を見つけ出す。
「まずは、これ!」
クロックアップで仕掛けてきた『セクティオワーム』に対し、ビルドアーマーの右肩についたボトルが『赤から白』に変化。
《ハリネズミ!》
迫ってきたセクティオが逃げられない距離でジオウは『ハリネズミボトル』の力で刺のついたドリルクラッシャーCを打ち込み撃破。
「次は…」
ジオウはビルドのボトルから二つの力を選び、『右肩がオレンジ』、『左肩が銀色』に変化するとオレンジ色のガトリングガンを装備した。
《ホークガトリンガー!》
ビルドの武装であるホークガトリンガーを持ったジオウはガトリング部分に触れると、マスクの下で目を閉じながら回転させる。
《TEN!TWENTY!》
中央のリボルマガジンを回転させるごとに10発ずつ弾丸が装填されていき…
《SEVENTY!EIGHTY!NINETY!》
青い身体の『キャマラスワーム』のクロックアップによる攻撃を受けながらもかろうじて致命傷を避けながら…
《ONE HUNDRED!FULL BULLET!》
「そこだ!」
弾丸が全て装填され、ジオウは背後から強襲してきたキャマラスの腹にホークガトリンガーの銃口を当てるとその引き金を引く。
『キュイイイイイイイ!?』
タカを模したエネルギー弾丸が次々とキャマラスのボディを貫き、一瞬にしてキャマラスワームは灰となって散った…
――――――――――
「…ん。わかった」
一方、ジオウとディケイドが戦う中ユエはつけていたイヤリング…『念話石』と呼ばれるテレパシー機能を搭載しているハジメ作の通信アーティファクトを通じ、ジオウに変身していたハジメからの連絡を聞くと動く。
「…カム。それと腕の立つハウリアは私と来て。ハジメが、気になることがあるって…」
「ボスが…?わかりました」
ユエはちらりと香織を見ると、彼女は頷いた。
「大丈夫。ここは私達でどうにかする」
「ん…頼りにしてる」
ユエがカム達と共にその場から離れると、ジオウとディケイドに不意打ちを行う者が。
「キサマら…よくも我が同胞を!」
レギンが変身していたアナザーカブトに対し、ジオウは通常形態に戻りながらジカンギレードを構える。
「はっ!何が同胞だよ…自分のやったことがまだわかってねえみたいだな!!」
ジオウはジカンギレードをソードモードに切り替え、アナザーカブトは拳で攻撃。
(やっぱり…これならあのヒュドラのほうが手応えあった!)
アナザーカブトのハイキックを腕でガードしたジオウはもう片方の手でドライバーに着いていたウォッチのボタンを押す。
《フィニッシュタイム!》
そのまま、勢いよくドライバーを回転。
《タイムブレーク!》
「おらあああああ!!」
ゼロ距離で放たれたジオウのキックはアナザーカブトの顔面を捉え…
膝をついたアナザーカブトは爆発し、ジオウは足を下ろす…
「我が魔王!油断してはなりません!」
《仮面ライダーウォズ!ウォズ!》
突然現れたのは、オルクスの100層以来姿を消していたウォズ。
彼は爆炎の中から放たれた攻撃からジオウを守った。
「お前…ウォズ!?今までどこに…」
「申し訳ございません。私はこれまで他のウォッチに関する情報を集めていたのですが…我が魔王に重要なことを伝え忘れておりました」
ウォズはジカンデスピアを爆炎の方向に向けると…
「マダだ…まだ、終わらナい…!」
巻き戻したかのように復活するアナザーカブトの姿があった。
「アナザーライダーはジオウ単体で倒すことはできません…倒すには同じライダーの力を持つものの力を借りる…或いは、我が魔王がそのライダーのライドウォッチを受け取る必要があります」
「そういうことは先に言え!」
思わず叫んでしまうジオウ。
つまり、現状ハジメではこのアナザーカブトに勝つ術はないということになるのだ。
「ハジメ、落ち着け!手ならある!」
「はあ!?…あ、そうか!」
対策を持っているであろう人物がこの場にいたことを思い出したハジメは、『彼女』に視線を合わせて叫んだ。
「シア!お前のカブトならこいつとやりあえる!」
――――――――――
「私の…力で?」
シアは自身の持つカブトウォッチを取り出し、見つめる。
「シアちゃん…今の私じゃ、何もできないから…」
香織はシアの手をそっと握る。
その言葉に、その手に込められた思いはただ一つ。
「今、ハジメ君を…ツカサ君を助けられるのは貴女だけ。だから…!」
「私が…助ける…?」
目の前では、アナザーカブトと戦いを繰り広げているジオウとディケイド。
今、彼らは戦っている。
自分の『道』を進むべく。決して折れず、妥協することなく戦っている。
(そうです…私も、戦うって決めたはず…)
彼らと歩む未来を望んだ。例え化け物と蔑まれても、その力で理不尽に抗うチャンスを彼らはくれたのだ。
「うああああああああ!!」
シアは走り出す。この手で、『未来』を掴むために!
《KABUTO!》
ウォッチが起動するとシアに『ライダーベルト』が装着され、周囲をカブトゼクターが飛び回る。
「カブちゃん!」
シアの呼びかけに応えるようにカブトゼクターは彼女の手に収まる。
「変身!」
《HENSHIN》
シアの体に銀色の鎧が装着され、全身を覆う。
「ううりゃああああ!!」
重厚な鎧と身体強化によって放たれた拳は完璧にアナザーカブトを殴り飛ばす。
「ぬあああ!?」
「シア!」
ジオウとアナザーカブトの間に立ったカブトの姿を見て、アナザーカブトは叫ぶ。
「この…忌み子が!化け物が!」
「ええ、私は化け物ですよ!ですがそれがなんですか!」
カブトはゼクターの角を操作し、パージさせる。
「キャストオフ!」
《CAST OFF》
まるで散弾銃の弾丸のように弾かれる鎧がアナザーカブトに直撃し、カブトはライダーフォームに変わる。
《CHANGE BEETLE》
「化け物だろうとなんだろうと、私は『私の道を往きます』!」
カブトはカブトクナイガンを構え、堂々と歩みだした…
次回、ありふれた職業と最強兄弟
第8話 継承と次なる旅