ありふれた職業と最強兄弟   作:狼牙竜

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お待たせいたしました、第3話です!
今回はステータスお披露目となります。

ゼロワン、新しいライダーを高岩さんが担当していたことに驚きました。そして不破さんはずっとあの筋肉認証貫くのか…


感想、評価をいつでもお待ちしております!


第3話 ステータス1310

『普通の高校生南雲ハジメ。彼には魔王にして時の王者『オーマジオウ』となる未来が待っていた』

 

『異世界トータスへと連れてこられた我が魔王達だが、リーダーである天之河光輝がこの世界の人々を救うためと戦争への参加を表明し、クラスメイトのほとんどが彼に賛同。かくして、平凡な高校生でしかなかった彼らは戦いに身を投じることとなる』

 

『そして各自の才能が明かされることとなった始まりの日。我が魔王達は能力を数値化するアイテム『ステータスプレート』を配布され、それぞれの才を確認するが…』

 

「おっと。ここから先はまだ皆さんには未来の出来事。でしたね」

 

――――――――――――――――――

 

戦争参加が決定してしまい、ハジメ達は自分達のいる教会本山がある『神山』の麓にある国『ハイリヒ王国』で戦闘訓練を行うこととなった。

 

ハイリヒ王国の国王エリヒドや王妃のルルアリア、王子のランデルと王女のリリアーナとの接見の翌日から早速戦闘訓練が開始された。

 

 

「勇者御一行、協力感謝する!私はハイリヒ王国騎士団長を務めるメルド・ロギンスだ!」

国の防衛の要と言える騎士団長が訓練に付きっきりでいいのかとツカサは疑問に感じたが、対外的にも対内的にも世界の命運を担う『勇者様御一行』を半端な者に預けるわけにはいかず、その点でこのメルドが高い信頼を得ているのは明らかだった。

 

 

(…まあ、少なくともこの世界でかなりマトモな人間だってことは間違いないな)

面倒事を副長に押し付けてこちらの仕事に就いたとか言ってはいたが、少なくともそれほど悪い人間ではないのだろう。でなければその副長さんが仕事を引き受けたりはしないはずだし…

 

 

「早速だが全員にこの『ステータスプレート』を配布する!」

騎士達が渡してきたのは横十二センチ、縦七センチほどの銀色のプレート。

 

「このステータスプレートは文字通り、自分の客観的なステータスを数値として表示するものでな。この世界で最も信頼のある身分証でもあるから、絶対に無くすなよ?」

ちなみに、メルドの気さくな接し方は本人の考えである。

これから先、彼らとは戦友になる関係故にいつまでも他人行儀で接することはできないという本人の意向である。

 

勿論、クラスの皆からしたらそのほうが互いに接しやすかった。

 

「では、渡した針で指に傷を作って、プレートの魔法陣に血を一滴垂らしてくれ。それで所有者が登録され、あとは本人が『ステータスオープン』と口にすればプレートの表にステータスが表示されるはずだ」

 

続けてメルドからの説明を受けるハジメ達はそれぞれが言われたとおり登録を行う。

「ああ、言っておくが原理とかは聞くなよ?俺にも詳しいことはわからんが、これは神代の『アーティファクト』と言ってな。現代では再現できない、神やその眷属達が地上にいた頃作られたらしい。このステータスプレートは唯一複製できるアーティファクトでな、身分証として使えるためこれだけは一般市民にも流通されているんだ」

メルドの説明に耳を傾けながらもハジメ達は無事ステータスの登録を完了させる。

すると…

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

南雲ハジメ 17歳 男 レベル:1

天職:錬成師 ■の■者

筋力:10

体力:10

耐性:10

敏捷:10

魔力:10

魔耐:10

技能:錬成・言語理解・■■■■・■■■

 

――――――――――――――――――――

 

 

「プレートには数値化されたステータス以外に本人の才能を示す『天職』や習得している『技能』も表示される。俺達と異世界人のお前達が会話できているのも、『言語理解』の技能のおかげなんだ」

 

(な、なんか僕の天職と技能の一部がバグってるんだけど…てか、天職って二つ以上あるものなの?)

 

「ちなみに、ステータスだが、トータスの人間の平均的な初期値は10だ!まあお前達ならその数倍から数十倍は高いだろうがな!全く羨ましい限りだ!あと、ステータスプレートの内容は報告しておいてくれ。訓練内容を決めるための参考にするからな!」

 

 

(…いや驚く程平凡なんですけど!?もういっそ逆にすごいと言いたくなるレベルで普通なんですが!?)

平均値ピッタリなステータスに落ち込むハジメは、隣にいたツカサに聞く。

 

 

 

「…兄さんはどうだった?」

「ああ、ほれ」

ツカサがステータスプレートをハジメに見せると…

 

――――――――――――――――――――

 

南雲ツカサ 17歳 男 レベル:1

天職:破壊者

筋力:13

体力:13

耐性:13

敏捷:13

魔力:13

魔耐:130

技能:言語理解・特性無効・■■■■・特■点

 

――――――――――――――――――――

 

なんというか、よくわからないステータスだった。

 

殆ど平均なのに対し、魔耐のみやたら突き抜けてる上にハジメ同様技能がバグっており正しく表記されていない。

 

「この『特性無効』って何だろうな…他二つが見えなくなってるし…」

だが、数値を見れば一部を除き実力的にはハジメとさほど変わらなかった。

 

「まあ、他も大体こんな感じなんじゃ…」

ハジメは一縷の望みを抱くが、団長の呼びかけに応えた光輝がステータスを報告した。

 

 

――――――――――――――――――――

 

天之河光輝 17歳 男 レベル:1

天職:勇者

筋力:100

体力:100

耐性:100

敏捷:100

魔力:100

魔耐:100

技能:全属性適正・全属性耐性・物理耐性・複合魔法・剣術・剛力・縮地・先読・高速魔力回復・気配感知・魔力感知・限界突破・言語理解

 

――――――――――――――――――――

 

((いやいや待て待て!主人公属性の塊じゃねえかそれ!))

南雲兄弟の意見が心の中で一致した瞬間だった。

 

「ほ~…さすがは勇者様だな!レベル1で既にステータスが三桁に到達しているとは…この技能の数も規格外にも程がある!」

「そ、そんな…」

メルド団長も決して弱いわけではなく、ステータスを見れば平均は300前後。

しかし光輝は初期値で既に団長の三分の一まで到達していた。

 

因みに…技能とは一種の才能であり、基本的に技能が追加されることはない。追加されるのは元々の技能を磨くことで到達する『派生技能』というものだ。

 

光輝が特別かと思えば、他のクラスメイト達も彼に及ばないものの十分にチートと言える強さを手にし続けていた。

 

しかも出てきた天職が『勇者』から始まり、『剣士』や『重格闘家』、『軽戦士』、『暗殺者』や『槍術士』といった戦闘向けの天職が多数を占めていた。というより九割がたた戦闘向けであり、非戦闘向けも『治癒師』のように戦場で強力な天職ばかり。

 

 

やがてメルドがハジメのステータスを確認するが、ハジメのステータスプレートを見たとたん凍りついた。

見間違いかと思ったのだろう。何度かプレートを軽く叩いたり光に翳したりするが、やがて微妙な表情になりハジメにプレートを返した。

 

「そ、その…なんだ。錬成師というのは言ってみれば鍛冶職だな。武器の精製や改造などに優れている…鍛冶職の十人に一人は持っている、比較的多い天職だな」

メルドの説明を聞き、これぞとばかりにハジメ達に近寄る人物が現れた。

 

 

「何だよ南雲。お前非戦闘系の鍛冶職か?そんなんでどうやって戦うんだよ?」

常日頃からハジメを目の敵にしていた檜山大輔とその取り巻きだった。

 

「ちょっとステータス見してみ!…ておいおいおい!2人とも何だよこの雑魚いステータスさ!しかも技能バグってるし!こんなんでマトモに戦えんの?」

馴れ馴れしくハジメと肩を組む檜山だが、ほとんどの生徒はそれを止めることすらせず一部の男子はハジメを嘲笑っている。

その光景を香織や雫、そして一部の生徒達が不快そうな目で見ており、ツカサは内心ため息をついた。

 

 

 

 

(全く檜山のやつ…白崎に惚れてるんなら、自分の行動が白崎の反感を買ってるって気が付けよな…)

ツカサは檜山からステータスプレートを奪い返し、ハジメに投げ渡す。

それでも嘲笑が収まらず、愛子先生が怒りながらこちらに来た。

 

「こらー!何を笑ってるんですか!仲間を笑うなんて先生許しませんよ!」

先生の姿に毒気を抜かれた生徒達が散る中、愛子先生はハジメ達に向き直る。

 

 

「2人とも気にすることありませんよ!先生の天職だって非戦闘系ですし、ステータスもほぼほぼ平均です!ハジメ君だけじゃありませんからね!」

そう言って先生はプレートを2人に見せたが…

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

畑山愛子 25歳 女 レベル:1

天職:作農師

筋力:5

体力:10

耐性:10

敏捷:5

魔力:100

魔耐:10

技能:土壌管理・土壌回復・範囲耕作・成長促進・品種改良・植物系鑑定・肥料生成・混在育成・自動収穫・発行操作・範囲温度調整・農場結界・豊穣天雨・言語理解

 

――――――――――――――――――――

 

 

確かにステータスを見ればハジメにも及ばない数値ばかりだし、戦闘向けではないのが一目瞭然だ。しかし…

 

 

 

魔力なら勇者並で技能もとんでもない数があり、しかも戦争において重要とも言える『食糧問題』を解決できそうな天職と技能の数々だった。

光輝とは違う意味でチートの権化だった愛子先生のステータスにハジメの目が死んでしまい、ツカサが思わず口にする。

 

 

 

 

 

 

「先生………空気読めないとか言われたことありません?」

「はうっ!?」

ツカサの割と辛辣な一言に愛子先生まで崩れ落ち、ハジメはそれにすら反応しない。

 

 

「は、ハジメ君大丈夫!?」

香織が揺さぶるが、しばらくハジメは反応を示さなかった。

 

 

 

(これからどうなるんだろう…)

特に珍しくもない非戦闘系の天職に、平均値ジャストのステータス。

不安材料しかないハジメは乾いた笑みしか出なかった…

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

その夜、メルドはツカサから見せられた天職を思い出し考え事をしていた。

 

「天職、破壊者…そんなもの聞いたことも………あ!」

メルドは何かを思い出し、急いで王立図書館にあった資料を漁る。

 

「確かこの中に………あった!」

昔、まだ一騎士のころトータスの歴史を学んでいた際に聞き覚えがあったのだ。

 

 

「天職…破壊者…」

メルドが手に取ったのは古い歴史書。

その中に記されていたのは古のブラックリストとでも言うべきもの。

 

 

 

 

 

 

 

「…反逆者の眷属たる魔物…『仮面ライダー』…!」

歴史書の中でメルドが見つけたページにはこう記されていた。

 

『世界の破壊者・仮面ライダーディケイド』と…

 

 

 

 




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