たまに行く模型屋でガンプラのコンテストがあるとのことで、初心者ながら作品を出してみようと制作に時間をかけ、ここまで投稿が遅れてしまいました…
久しぶりの投稿なので文章がおかしくなっているかもしれませんが、今後共応援よろしくお願いします!
感想、評価をいつでもお待ちしています!
『この本によれば…『元』普通の高校生南雲ハジメ。彼には魔王にして時の王者『オーマジオウ』となる未来が待っていた』
『第3の迷宮、グリューエン大火山へと向かう途中ひょんなことからグリューエンとは正反対の方向にある北の山脈にて行方不明となった貴族の少年を助けるという依頼を引き受けることとなった我が魔王達。そこで彼らは恩師、畑山愛子や彼女とともについてきた生徒達と再会を果たす』
「突然の再会で、我が魔王達はどのような道をたどるのか…」
――――――――――
深夜〇時を過ぎた頃。
愛子は未だに寝付けずにいた。
(3人とも生きていてくれたのは嬉しいです…けど)
思い出すのはハジメの冷徹な視線。
そして…何より『ハジメの外見』に対しての僅かながら抱いていた既視感の正体がようやくわかった。
「あの姿…まさかハジメ君が…?」
すると、部屋の扉がノックされる。
「先生…白崎です。ツカサ君もいます」
扉を開けて入ってきたのは先ほど別れたばかりの香織とツカサ。
「二人とも、どうしたんですか?わざわざ部屋に来るなんて…」
「すいません…この話をするなら、神殿騎士の人達がいない方が都合が良かったもので…」
「話ですか?でもツカサ君達は先生達のことはどうでも良かったのでは…」
一瞬、戻ってきてくれるのかと期待した愛子だが、それをツカサは即座に否定する。
「いや、戻るつもりはありません…この話を聞いて、先生ならば一番冷静に対処できると思いまして…」
「この話を全て信じて欲しいとは言いません。その後の判断は先生に一任します」
そこまで言うと、ツカサは奈落で知った事実を説明する。
「簡潔に言うと…この世界に俺達を送り込んだ神。そいつがこの世界の戦争の根源だ」
――――――――――
「それって…どういう…?」
「先生は、俺達がどうしてここに呼ばれたか覚えてるよな?」
ツカサの質問に愛子は記憶をたどる。
「はい…魔人族から人間族を救うために、私たちは…」
「だが、当時の俺達も考えてなかっただろ…何故人間族と魔人族が争っているのか」
考えてみれば、確かに教会はそこに関して触れることは無かった。
ただ、『魔人族は人間族の敵である』ということを強調して、彼らがいかに非道な存在なのかを語るだけであった。
「全ては奴が仕組んだ…『創世神エヒト』がな」
「エヒトは…この世界の人々を駒にした『ゲーム』を仕組んでいたんです」
―――――――――――
一方、宿の外にいたハジメと奈々は…
「で…清水が消えたのはいつだ?」
ハジメは少し沈黙していたが、奈々に質問する。
「え…話を聞いてくれるの?」
「そもそも、聞いて欲しいから来たんだろ?」
そう言われてたじろぐも、奈々は返事をする。
「う、うん…私が覚えている限り、あいつが消えたのは二週間前…いきなり部屋がもぬけの殻になってて…街の人たちに聞いても、どこに行ったのかわかんないって言うし…」
奈々の言葉を聞きながらハジメは黙ってしまうが、やがてハジメは口を開く。
「なあ…お前らが知っている限り、あいつは北の山脈に行っても無事だと思うか?」
「うん…本人ははっきり言わないけど、魔法のレベルなら私達なんか比べ物にならないくらい強かったよ…ステータス見せてもらったとき、魔法関係なら天之河を越えてたくらいだし…」
その言葉を聞いたハジメは小さく「マジかよ…案外クラス最強候補じゃねえか…」と呟く。
「…わかったよ。とりあえず俺達の目的は人探しだからな…物のついでだが捜索する」
「あ、ありがとう…」
ハジメが自室に戻ろうとするが、何かを思い出した奈々は呼び止める。
「あ、あのさ!」
「…まだ何かあるのか?」
うんざりしたような口調のハジメに気圧されそうになるが、奈々はずっと抱いていた疑問を口にする。
「あの…南雲と清水って、昔仲良かったりした…?」
「っ…!」
ハジメの目が動揺していたのを奈々は見逃さなかった。
「前に清水が言ってた…南雲達が落ちた日、『戦わなきゃいけない』って…それに、『臆病で卑怯な裏切り者だ』とか…」
ハジメはすぐに奈々から背を向ける。
「………さあな。忘れた」
それだけ言うと、ハジメは奈々から逃げるように早歩きで宿に戻っていく。
(…君も、この作品好きなの?)
(……いーよ。それ買えばいいだろ。俺は別の店で探す)
「………あんの馬鹿が」
――――――――――
愛子はツカサと香織からすべてを聞いた。
『解放者』と呼ばれた神代魔法の使い手達がかつてエヒトの支配に抗っていたこと。
しかし、エヒトの『神託』に従った人々によって解放者達は戦うことなく敗北したこと。
オルクス大迷宮をはじめとする七大迷宮は、解放者達が後世の者達に神殺しを成してもらうために遺した、彼らにとっての最後の希望だということも。
「これらの情報は奈落…真オルクス大迷宮の100層で私達が得た情報です。そこには解放者のオスカー・オルクスさんによるメッセージが残されていました」
「ハジメの武装が進化していたのは本人が極限状況で技量を磨いたのもあるが、そこで手に入れた神代魔法のおかげだ。神代魔法の一つ、『生成魔法』の力であいつはアーティファクト制作能力を手に入れた」
「では…ツカサ君達はその解放者さん達の遺志を継いで旅を?」
愛子の言葉に頷くツカサ。
「それもあるな。エヒトはいずれ俺達の世界を狙う可能性がある…神代魔法を全て手に入れれば世界を超え、地球に戻れるらしいが…それでもエヒトを倒さなければ俺達はまた巻き込まれる…いや、今度はトータスの人間達が地球に戻った俺達と戦わなければいけなくなるかもしれない」
沈黙が支配する中、ツカサはライドブッカーを取り出した。
「………先生。俺はこの宿に来てからずっと気になっていたことがある」
そう言うと、ツカサはライドブッカーから1枚のカード… 仮面ライダーアギトのカードを取り出した。
「っ!そのマーク…」
「やっぱり…先生。このマークが刻まれた時計みたいなやつ、持ってるだろ」
「え!?」
香織が思わず愛子を凝視し、愛子は恐る恐るポケットからアギトライドウォッチを取り出した。
「アギトウォッチ…畑山先生、これをどこで!?」
「実は…ここの農地改革に来てすぐに私の前に現れたんです…これを持っていると作物の成長がいつもより進んでいましたが…白崎さん達はこれを知っているのですか?」
愛子が質問し、ツカサ達はアイコンタクトを交わして説明をした。
ライドウォッチは、解放者達にとってもうひとつの希望。
異界からの戦士達の力が込められており、ハジメ達が持つものの他に解放者達が所有していたもの、そして持つのに相応しい人のもとに現れるという。
「…先生。そいつが今の俺達に必要なんだ。俺達が地球に帰るために…そして、これから先地球で生きるために…」
そう言うと、ツカサと香織は立ち上がる。
「…そういや、聞きそびれてたな」
ふと思い出したツカサは、あの後の『神の使徒』達について気になったことを質問する。
「先生…俺達が奈落に落ちたことについて、その後犯人の処遇は?」
「それは…」
あの時、責任は攻撃をした檜山ではなくハジメとツカサが香織を巻き込んで逃げ遅れたという結論にされていたと説明する愛子。
さらに檜山は他の生徒達の前で土下座をすることにより光輝に許され、今もなお神の使徒として活動中。
落ちた3人のうち、ステータスの高い香織はまだ生きている可能性があると光輝がみんなに説明し、雫や龍太郎といった一部を除いた全員がこの言葉を信じて行動。
どうやら光輝にとって南雲兄弟は『すでに死んだ人間』らしく、『彼らのためにも香織を助ける』という目的のため彼らは迷宮に潜っているらしいことを聞いた。
ツカサはこの話を聞いてクラスメイト達に呆れ、香織は思わず叫ぶ。
「そんなの…そんなのおかしいじゃないですか!?何を根拠に私だけが生き残って、ハジメ君達が死んでるなんて考えてるんですか…?」
だが、ツカサはそうなる理由に何となく気が付いていた。
「…そりゃあ、天之河がそう言って皆を励ましたからだろうな。それで俺達はともかく白崎の死を受け入れられなかった連中はそれを盲目的に信じた…」
普通に考えれば明らかにおかしい理論だが、それがまかり通ったのは『天之河光輝がそう言ったから』。
努力を惜しむことは無かったが、これまでの人生で光輝が失敗をしたことはなく、彼はいつも成功者だった。
無論、それは本人が知らないだけで雫のような身近な人間のフォローあってのことだが…
「あいつは望んで行動を起こせば、必ず求めた結果が出た。そして他の連中にとって白崎の死は俺やハジメとは比べ物にならないくらい受け入れられない現実…だからほとんどのメンバーは深く考えず思ったんだろうよ。『光輝が言うなら白崎さんは生きている』ってな…ま、本当にその通りになってるわけだが」
「あいつはこの世界でもトータスでもヒーローで…主人公みたいなやつだ。主人公とヒロインは必ずまた出会える…そんな風に思ってるのかもしれねえ。確証があるわけじゃないけどな」
――――――――――
最後に、次もし雫達に出会えたら自分達の無事を伝えて欲しいとお願いをして二人は愛子の部屋を出た。
「…白崎。やっぱり雫のこと心配か?」
「うん…今の龍太郎君や鈴ちゃん達がいるからまだ精神的にはいいのかもしれないけど、いつまでもそんな状況に置いてていいはずないよ…」
ただでさえ雫は本音を隠して誰かの為を優先し行動する。
そんな状況で大切な親友が死んだという状態から彼女のメンタルケアが出来る人間はおらず、励ましたりしてくれる者は少ない。
ハジメ達と仲良くなれた龍太郎と鈴がいればまだ緩和されるが、光輝に頼っても間違いなく的外れな意見しか帰ってこず、却って雫への負荷は大きくなるばかりだ。
「…ねえ、ツカサ君。グリューエンに行く途中で雫ちゃんのところに顔出してもいいかな?」
「…奇遇だな。俺も同じこと考えてた」
香織やツカサにとって雫は大切な存在。
そんな彼女を助けられるチャンスがあるなら、二人は間違いなくそれを目指す。
「なら、このあとハジメに頼んでみな。あいつも雫には世話になってたんだから、頷いてくれるだろうし」
「うん!」
香織がパタパタと走って行き、ツカサはそのまま自室へと戻った。
(そうだ…私、雫ちゃんにお礼を言わないと…そして、できるなら…)
各々の思いを胸に夜は更け、そして―――――陽は昇る。
次回、ありふれた職業と最強兄弟
命の価値は