今回はプロローグに大幅に加筆を加えた内容となっておりますので、プロローグに登場していなかったキャラも登場しております。
感想、評価をいつでもお待ちしています
『普通の高校生南雲ハジメ。彼には魔王にして時の王者『オーマジオウ』となる未来が待っていた』
『強大なる魔物ベヒモスを撃破した我が魔王達だが、そこに現れたのはこの世界に存在しないはずのアナザーディケイド、スウォルツだった』
『どうにかしてアナザーディケイドから逃げようとする我が魔王達だが、ついに我欲に走った愚か者が…』
「おっと…ここから先はまだ皆さんには未来の出来事。でしたね」
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アナザーディケイドによって追い詰められるハジメとツカサ。
じっと見つめていたアナザーディケイドは、突如ハジメを蹴り飛ばし踏みつける。
「ガアッ!?」
「ハジメ!」
ハジメの左腕を踏みつけ、アナザーディケイドは喋る。
「南雲ハジメ…貴様はいずれ近い未来オーマジオウとなり、この世界に君臨する。だが…それは私にとって困るのだよ…」
アナザーディケイドの足に込められた力が増し、ハジメの腕からゴキッ!という嫌な音が鳴る。
「グアアアアア!?」
「テメエエエエ!!」
ハジメは左腕に走る激痛に叫び、ツカサは剣をアナザーディケイドに振り下ろす。
「ふん。この程度…」
ツカサの剣による攻撃を嘲笑うアナザーディケイドだったが…
マゼンタの光を宿したツカサの剣は、突如複数に分裂した斬撃を放ちアナザーディケイドの装甲に傷を付ける。
「ば、馬鹿な!?何故この姿で傷を!?」
予想外の事態に慌てたアナザーディケイドだが、ツカサの持つ気配からその理由をすぐに察した。
「貴様…そうか、貴様が『ディケイドの継承者』か…」
「なんの話だ…!」
アナザーディケイドは何かに納得したような顔をすると、黒いオーラを拳に纏わせて攻撃しようとする…
すると、突然アナザーディケイドの背中が爆発する。
「兄さん!今のうちに!」
ハジメは、持っていた最後の破片グレネードでアナザーディケイドを攻撃。
手が緩んだ隙を見てツカサは無理やりアナザーディケイドから離れ、ハジメとともに走る。
「逃がさん…ふっ!」
アナザーディケイドは銀色のオーロラを遠くで怯えていたクラスメイトの1人の前に出現させる。
「ひっ!?うわあああああ!?」
逃げようとするクラスメイトだがオーロラに飲み込まれて姿を消し、その瞬間アナザーディケイドの横に別の異形が出現する。
「やれ、メタルビルド」
赤いレバーの付いたベルトに、黒いボトルが装填されている。さらに目を引くのはベルトの上に付いた赤いメーターのようなパーツ。
その異形を一言で表すなら『破壊兵器』。
一切の感情を感じさせない漆黒の体を持った戦士『仮面ライダーメタルビルド』は、出現してすぐにベルトのレバーを回転させる。
《ガダガダゴットン!ズッタンズタン!ガダガダゴットン!ズッタンズタン! Ready Go!》
メタルビルドの足から戦車のキャタピラ状のエネルギーが出現し、メタルビルドは必殺技を発動。
《Hazard Attack!》
キャタピラ状のエネルギーが橋のあちこちを破壊しながらこちらに迫って来るが、ツカサもハジメも後ろを一切振り向かずに走った。
「絶対振り向くな、ハジメ!」
「わ、わかってる…!」
左腕が砕かれた痛みに歯を食いしばって耐えながら走るハジメ。
「総員!魔法詠唱!」
メルドの指示で橋の向こう側にいたクラスメイト達の魔法が次々とアナザーディケイド、メタルビルド目掛けて飛んでいく。
「もうすぐだ…!」
痛みを必死に堪えながら、ハジメは走り続けた。
――――――――――
時間はほんの数分前にさかのぼる。
アナザーディケイドによってクラスメイト達の方へと吹き飛ばされた香織、龍太郎、光輝、雫、メルドはハジメ達が脱出できるように指示を出した。
「お前達!坊主達があの怪物から距離を取れるように魔法の準備をしろ!」
クラスメイト達が急いで並び、それぞれの特異な系統の魔法を唱え始めた。
香織と光輝は最前列に立ち、龍太郎と雫も自分の攻撃がクラスメイト達を誤爆しないような位置を探して並ぼうとする。
(…!?)
だが、その一瞬龍太郎と雫の背筋が震えた。
視界に映ったクラスメイトの中の『一人』の表情。それは醜く歪んだ笑みを浮かべていたのだ。
半ば反射的に龍太郎達はその人物の放った火属性の魔法の軌道に目をやると…
「ハジメェ!ツカサァ!逃げろォ!!」
龍太郎の叫びと同時に、ハジメの足元に魔法が炸裂。ハジメは足を止めてしまった。
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「なっ!?どうして…うわああああ!?」
火球がハジメの足を直撃し、ハジメは転倒してしまう。
「ハジメ!?」
ツカサはハジメを連れて行こうとするが…
《マックス・ハザードオン!ガダガダゴットン!ズッタンズタン!ガダガダゴットン!ズッタンズタン!》
背後から聞こえてきたのは、メタルビルドによるさらなる必殺技を知らせる音声。
《Hazard Finish!》
放たれたキャタピラの数が先ほどとは比べ物にならず、石造りの橋をまるで飴細工でも壊すかのように砕いていく。
そして、ついに橋が耐久値を超えた。
「うわあああああ!?」
ツカサよりも後ろにいたハジメ、アナザーディケイド、メタルビルドが立っていた部分を巻き込んで橋が崩落を始めたのだ。
「ハジメええええ!!」
ツカサは後先など考える余裕もなく、ハジメを追って橋から飛び降りる。
そして…
「ハジメ君!!」
崩落の兆しが見えた瞬間、香織は雫達が止める暇すら与えずにハジメを追いかけ、橋から飛んだ。
崩落に巻き込まれるハジメ。
だが、気が付くとハジメは誰かに抱きしめられたまま共に奈落の底へと落ちていく。
「白…崎…さん……兄さん…」
香織は決して離すまいとハジメを強く抱きしめ、ツカサもハジメの手を掴む。
その中で、ハジメの脳裏に過ぎったもの。
それは、彼を突き落とした犯人であるクラスメイトの醜悪な笑顔だった…
次回、ありふれた職業と最強兄弟
第9話 魔王覚醒2018