紅魔のオーバーロード   作:レクレア

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多分オリジナルな偏見要素
途中何か通り過ぎてますが、あれは蜻蛉です。
誰がなんと言おうと蜻蛉なんです


自我と設定

───時は遡り咲夜が村へ向かった直後────

 

さて、村との交友関係は咲夜に任せて、とりあえずは風蘭の様子を見に行こう。アイツの自室は地下だったはずだ

 

しかし、パチェを見ていて思ったが…テキストまで設定が反映されてるのは非常に不味い。

風蘭のキャラ設定には色々と盛り込まれている。

 

 

確か、姉妹で吸血鬼にしようと話した時に何を思ったのか、二人分の設定テキストを書かせてくれとせがまれた。そして数日後に長々とした文章が送られてきたのは何時のことだったか。

 

確かにそこそこの年の差は離れているし、風蘭の方が中学二年生の年齢に近いからか、私以上に彼女は拗らせているな。

 

 

まあ、何がとは言わない

 

 

 

 

風蘭の部屋のある廊下まで歩く。

 

 

 

 

 

色々な不安を過ぎらせながら廊下を歩き、風蘭の部屋の前までたどり着くと、部屋から啜り泣くような声が聞こえた。

 

私は慌てながら扉を力いっぱい叩くと、そのまま扉を思い切り開けた。部屋の中で風蘭は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐず…えへ、本当に……本当に綺麗な羽根が生えてる…っ!それに、染めてた金髪がちゃんと地毛だし、牙もちゃんとある…うぇ、うええぇ…………なれたぁぁ…!!!」

 

 

自分の姿を鏡に写しながらティッシュを部屋中に散らかして号泣していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんだこれは

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────==≡∧(∧ ˙◁˙)∧

 

 

 

 

…つまり、風蘭は『全員アバターに受肉していたからもしかしたらと思って、部屋にそそくさと戻り、鏡で見てみたら実際に受肉していて、物語だったらこんな種族でこんな姿になりたいと夢見てアバターを作ったから感極まってしまった』ために号泣していたらしい。若干ドン引きした。

 

それに、風蘭の室内がホラー映画の不気味なシーンの選りすぐりをミキサーにかけたくらいの、ぶっ飛んだ飾り付けのためそれも相まって、啜り泣く姿は本当にホラー映画を見ているようだった。

 

私は他の面子に話した事を掻い摘んで話し、風蘭にも名前を変えてもらった。

 

「うーん…フランドール、ね」

 

フランは本名の風蘭から、ドールは人形のような可愛さ、という意味で付けたらしい。

 

「とりあえず、しばらくは咲夜の報告次第ではあるけど、現実世界へ帰る方法を探しながらこの世界について調べるつもりなの。アナタもなるべく手伝ってちょうだいね」

 

「嫌よ、ここの世界の調査はいいけど、現実世界には帰りたくないわ。だってこんなにも素敵な身体を手に入れたんだもの!!」

 

…若干発狂をしている気がするのは気のせいだろうか?多分気のせいだ。いや、気のせいだと思いたい。

 

話すことは話たため、私は風蘭改め、フランの部屋を後にし、咲夜の帰りを待つことにした。

 

 

 

 

 

 

 

────しばらくして

 

咲夜が帰宅したため、仮ではあるが会議室へ呼び、ティータイムがてらすぐさま現状を教えて貰う。

 

 

「では1つ目ですが、村に住むことや土地云々に関しては村長さんから許可を頂きました」

 

咲夜は軽い笑顔で報告をする

 

「そうか、それは良かった。もし何かあったら絶対に村の人らを護るように」

 

「その点なのですが、少し厄介なことに…」

 

即座に咲夜の顔が暗くなる。

 

「なんだ?何かあったのか」

 

「…良いお知らせでもあり、悪いお知らせでもあります。良いお知らせは、我々と同じような経緯で転移したグループと接触したことです」

 

「なるほど、同じ異世界転移者なら情報は共有出来るな…それで、悪いお知らせとは?」

 

私は紅茶に舌鼓を打ちながら咲夜の返答を待つ。

 

「それが、その転移者がアインズ・ウール・ゴウンという組織でして…」

 

「ぶっふぉ!!?」

 

思わず口に含んでいた紅茶を咲夜目掛けて吹き出した。咲夜は何故か傘を予め用意していたため、吹き出すと同時に傘を開き、紅茶から身を守った。

 

「…あー、そうか。アインズ・ウール・ゴウンがねえ…アソコってもう殆ど機能してないクランじゃあ無かったかしら?」

 

口元からだばーと垂れている紅茶を気にせずに咲夜に疑問をぶつける。

 

「それが、モモンガさんだけ転移したみたいで…外見もあの骸骨姿でした。我々の現状を見れば当たり前ではありますが…」

 

「そうか…あそこはNPCもしっかり育ててるからあまり敵に回したくないのよね……咲夜?それで、モモンガとはどんな会話を?」

 

「元の世界へ帰れるようにと協力して欲しいとのことで…」

 

何度かクラン戦をしたが、アソコは頭一つ…いや、二つ三つは抜けて強かった。確か勝った時も、若干垢BANを喰らいかねない卑怯な手段を使った上での勝利だった気もする。

しかしクラン主であるモモンガは悪い人では無いのはよく知っている。この緊急時である以上協力はしてくれる筈だ。

 

「いいんじゃないかしら?私たちで元の世界に帰れるとは思えないし、あの頭のおかしいクランと協力を結べるなら、かなり心強いと思うわよ?」

 

思ったことを咲夜へ話す。だが咲夜は浮かない表情をしていた。

 

「…私は、この提案には反対したく思います」

 

意外な言葉を聞き、何故?と思っていると、咲夜は話し続ける。

 

「今のモモンガさんは、以前とは全く違った感覚の持ち主です。人は平気で殺せます。私たちに対しても、仲間とは思っておらず、きっと利用するだけしたらすぐに…」

 

「……咲夜、あの村で何があったのかしら?」

 

不安気な顔をした咲夜の目をじっと見つめながら、私は咲夜の話を聞いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────==≡∧(∧ ˙◁˙)∧

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…村での出来事を聞き、私は真っ先に咲夜のメンタルを気にした。不可抗力とはいえ、人を殺したのだ。もしかしたら心が折れているかもと思ったが、様子を見るに大丈夫だろう。

 

だが、話を聞く以上今のモモンガとは協力関係を結ぶのは危険だろう。むしろ、今後において敵対関係になる可能性も有り得る話だ。

なにより人を躊躇なく殺す事ができるのは、既に彼の魂がアバターの設定に喰われ始めているのかもしれない。

 

設定に自我を喰われている、と考えると我々も不味い事になりそうだ。いや、パチェのあの喘息を見るとヤバいというのは十二分に理解出来る。出来はするが、実感がわかない。

どうしたものかと、考える。とりあえず、転移の諸々はパチェに任せ、私も私でこの世界について調べるとしよう。

 

 

 

何より、この現状を楽しまなきゃ損だろう?

 

 

 

……この時、私は気付いてはいなかったが、かつての私なら一刻も早く現実世界に帰ろうとしていたのだろうが、今の私にはそんな思考は持ち合わせていなかった。きっと、もう既に…




設定とか書きたいけど、職業レベルとか種族レベルとか分からないからどうしようかなって…
fateのサーヴァント的なあれで良ければちょっと嬉々として書いて設定として投稿するマン


フランちゃん、もっと狂気的な内容にしようかとも思ったけど、なんか違うんだよなぁと思って没になった話。
部屋までの道中NPCの妖精メイドを殺しに殺しまくって廊下を血の海にしていたり、実際にアバターの姿になったのが嫌で自室で羽根を切り落としたり、自傷行為し始めたり、レミリアを殺そうとしたりetc……
あ、咲夜さん回はかなり書き直しましたが読んでくれましたかね…

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