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「眠い……」
「今日は、やけにテンションが落ちてるね。どうしたの?」
朝の登校中。
鋼刃は、夜遅くまで起きているのは特に珍しく無いが、登校の時にはある程度まで調子を戻しているから、機嫌が悪いだけなんだけど、今日は、テンションが無かった。
「それが、昨日の帰りに秋十と箒に絡まれたんだよ」
「うわぁ、それは、ご愁傷様だね」
「はぁ、変な難癖つけやがって。何しようが俺の勝手だろうが……」
「それでも、サボり過ぎだよ」
鋼刃から理由を聞くと俺も、苦い顔をしてしまう。
クラス決定戦の後から、秋十や箒は俺や鋼刃によく絡むようになった。
俺は、多分、男子で一番勝ったから。鋼刃は、唯一セシリアに勝ったから。まぁ、そんなトコだろう。
別に絡んでくるのは構わないけど、一番迷惑なのはそれが論点が無茶苦茶で、意味がわからないのだ。
やれ、何故俺に勝った。何で、あの女に勝てた。俺より、強いとかありえないetc……簡単に言えば、凄い上からそんなこと知るかと思うような事を言ってくる。
それで、知るかと正直に返せばヒステリックに叫んで、手を上げてくる。
「まぁ、素人の攻撃なんて問題ないけど」
「目立つは面倒だろが、はぁ、怠いから今日はサボるわ……」
「ホント、鋼刃は気楽だよね」
そう言って鋼刃は、どっかへと消えて見失ってしまった。
今思ったが、織斑先生達的には鋼刃のあの行動はどう考えているんだろう。流石に、見逃すとは思わないけど。
「ま、後々、本人から聞けるでしょ」
考えるのも無駄だと判断した俺は、普通にまた賑やかな教室に入る。
「へぇ、転校生ねぇ……どこに?」
「二組だとよ。まぁ、俺らにはあまり関係ない事だな」
教室で、時間を潰している間、俺はこの教室の雰囲気の原因を近場にいた新太郎に聞くと、どうやら、二組に転校生が来るらしい。
と言うか、IS学園にしかもこの時期に転校生とは珍しいな。それに、確か基準も高いって聞いたから、相当出来るんだろう。
「わたくしも気になりますわ!」
「いっちーも気になる?」
「どうでも良い」
本音ちゃんの言葉に一夏は、ぶっきらぼうに答える。
それに、本音ちゃんとか付き合いが上手い新太郎のお陰で、クラスの女子たちとは、割と良好な関係を築けている。
まぁ、流石に輪に入れるまではいかないが。
そう思っていたら、突然に教室の扉が開きそこにはツインテールが特徴的な女子が決めポーズしていた。
「私を呼んだかしら!?」
「いや、誰だよ」
快活に言われたその言葉に思わず言い返してしまう。
だけど、その女子はそのツッコミを意に返さず、一夏の前まで来ると拳を握り振り抜いた。
一夏は、それに驚くでも無く、軽々と受け止める。
「……何のつもりだよ。“鈴”」
「軽い挨拶よ。一夏」
何時もの鉄仮面な一夏と、ケラケラと笑う鈴と言う女子は、何か満足したのか、また、と言って教室から出て行った。
多分、二組に行ったんだろう。転校生の言葉に反応していたから。
「で?誰?あの女子」
「小中の友達だ」
そう答える一夏は、少し優しげだった。
「遅いわよ!」
「お前が早すぎるんだよ……」
「そうとも言うわね!」
快活な笑い方と態度に、若干引きながら
「それじゃあ、初めましての人ばかりだから、自己紹介するわ。私は
「自分で言うのかよ……」
「当たり前でしょ?特に中学なんて、結構バカしたじゃない」
そう語る鈴と一夏は、かなり楽しげに話す。
どうやら、かなりの仲のようだ。しかし、話しの内容から察するに、候補生となったのは去年だろう。それから、学園の基準を達する程なのは、かなりの天才なんだろう。
「それより、来月のクラス対抗戦なんだけど、出るんでしょ?」
「……いや、俺じゃない。アイツだ」
「あー、アイツも居るんだったわね」
アイツって言うのは、多分秋十の事なんだろう。それよりも、鈴はかなり嫌そうな顔をする。
どうやら、相当秋十の事を嫌っているらしい。まぁ、俺もアイツの言動から好きにはなれないし、関わろうとは思えない。
その後は、昼食を取りながら、お互いに自己紹介をして終わった。
その際に、セシリアがイギリスの代表候補生として、宣戦布告をしていたが、あまり興味が無いのかテキトーにあしらった鈴とそれに絶句するセシリアの図はかなり面白かった。
「あー、分かってる。休日だろ?覚えてるよ。ああ、明日には、戻るつもりだから」
夕暮れの空。
「職業柄的に、気になるがどうやって手に入れようか。困ったなぁ」
化学者として、未だ未開の技術には興味を示すのは当然の帰結だ。
「仕方ない。また、練ってからやるとしよう」
そう思い、俺は屋上から出て行った。
科学者ではなく、化学者です。