IS.輝きを纏いて〜仮面のヒーロー〜   作:TENC

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「はぁ、眠い」

 

平日の学校終わり。(鋼刃)は、自室のベッドに寝転がりながら手元の端末でニュースを漁りながら、今日の夜飯を何にしようかと考えていたら、ドアがノックされる。

今、友達と出掛けている居ないし、来てもノックなんてせずに入ってくるし、倫太郎たちなら連絡はする筈だ。

 

こんな時間に誰だ?と思いながら応対する為に、扉を開ける。

 

「皇ぐぅぅん!!!私の何が行けなかったんですかぁ!?」

 

すると、そこには涙目で俺を出迎える山田先生とその後ろで頭を抱えて呆れている織斑先生の2人が、立っていた。

 

「は?」

 

 

 

 

立ち話もなんだと言う事で、部屋で話すことにした。

その時に織斑先生が、山田先生を落ち着かしてくれたお陰で、一応話しが出来る状態にはなった。

 

「それで、改めて何用すか?」

 

「ああ、簡単に言うならば、お前が授業に出席しない理由を教えてくれ。私たち教師に非があるならば、直すのは当然だからな」

 

成る程、山田先生がああも、泣きそうにしていたのは納得がいった。

多分、山田先生はかなり他人思いなのは、何となくだが分かってたから、俺みたいな不真面目な生徒に対しても、親身になるつもりなんだろう。

だが、これは困った。理由なんて、特に無いのだから。

 

「あー、そっすね。うーん、なんて言うかなー」

 

「や、やっぱり。私の教え方が悪かったんですか!?」

 

「落ち着きたまえ、山田先生。皇、言いにくい事でも構わん。私たちは、しっかり受け止めるつもりで、今日は来たのだから」

 

くっ、大人の女性からの善意100パーの厚意が、心に刺さる。

けど、こんな下らない事でサボってるって知られるのは嫌だが、それ以上に、自分に非があると思っている先生2人の気持ちの方が、とてもくる物がある。

ここは、腹をくくるしか無いと思い俺は、正直に白状する。

 

「まぁ、別に先生たちには問題ないですよ。倫太郎たちから、内容は聞いているんで。けど、俺は真面目な生徒じゃないんで、中学もよくサボってたんですよ。理由は、特に無いんですけど」

 

さぁ、来い!出席簿の一発程度なら、受け切ってみせるぞ!

そう言うと、織斑先生は「はぁ」とため息を漏らすと、頭を抱えたまま言葉を返した。

 

「この際、サボった事自体にはどうこう言うつもりは無いが、しっかりと出席はしろ。山田先生から、相談された時は私も心配したんだぞ?」

 

「そ、それは、すいませんした」

 

呆れ返る織斑先生は、未だポカンとしている山田先生を呼び覚まして、部屋から出て行った。

 

「あ、あの、もし相談したい事があったら、先生にちゃんと言って下さいね!私にできることなら、何でもしますので!」

 

「あー、はい」

 

「そ、それじゃあ、明日からちゃんと来てくださいね!」

 

そう言って、山田先生は織斑先生を追うように部屋から出て行った。

そして、2人と行き違いになるように唯香が部屋に入って来た。

 

「さっき、織斑先生たちが此処から出てくるのが見えたけど、何かあったの?」

 

「あー、んー、説教っていうか登校相談されたな」

 

「なにそれ?」

 

ポカンと首を傾げる唯香に苦笑いを返しながら、俺は話題を変える。

 

「そんなことより、飯食いに行こうぞ」

 

「はーい。じゃあ、今日は鋼刃の奢りね。ふふ」

 

「はぁ……まぁ、良いけどよ」

 

これは、今日の夜は長くなりそうだ。

 

 

 

 

「よう」

 

「久しぶりだな鋼刃」

 

「毎日会ってるだろが……」

 

「学校では、久しぶりですわ」

 

久しぶりに教室に入って来た鋼刃を見て、()達は揶揄いつつ談笑を交わす。

その途中、秋十が鋼刃をバカにしてきたが。

 

「それで、セシリアにお前は勝ったんか?」

 

その一言と嘲笑でもしてそうな口調に、秋十の仮面が綻び掛けるが、それよりも先に箒が突っかかってきた。

 

「図星を突かれて、直ぐに手を出すとか猿かよお前」

 

久しぶりに学校に来ても煽り力がフルスロットルな鋼刃に、さらに手玉に取られる2人を周りの俺たちは気付かれないように内心で、笑っていると始業の鐘がなる。

 

「おはようございます!」

 

教室に入って来た山田先生は、鋼刃が来ている事に気づくと見るからに嬉しそうにしていた。

それに対して、鋼刃はかなり苦い顔をしていたのは、多分昨日辺りになんか山田先生が、鋼刃に対してやったんだろうな。

 

「(因果応報とは、言わないか?)」

 

そんな事を思いつつも、俺は1日の授業を受けていた。

 

 

 

そして、それは放課後に起こった。

 

 

バシンッ!

 

軽快に響いた音が、中庭の一角で鳴り響く。

平手打ちをした鈴は、目の前に立つ一撃を受けて何が起こったのか分からないと言った表情の秋十に対して、言い放った。

 

「ぶっ潰す………っ!!」

 

「っ!」

 

かなり殺気のこもった声に、秋十は思わず飛び退く。

やりたい事はやったと言わんばかりに鈴は、離れた場所にいた俺に手を振り返して、寮の方へと帰っていった。

 

「あー、これは、波乱の予感だなぁ」

 

そんな事よりも、秋十の奴は絶望でもしてくれないかな?なんて、物騒な事を思いつつ、俺はこちらを睨み返す秋十と箒を無視して、自室へと戻っていった。

 

そして、時間はあっという間にクラス対抗戦の当日となった。

 

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