IS.輝きを纏いて〜仮面のヒーロー〜   作:TENC

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R.13p

「あら、允さん達は?」

 

「允は、昨日徹夜で遊んでたらしいから昼過ぎまで寝るとさ。倫太郎は、単純に興味が無いから見ないとさ」

 

「な、何というか、自由ですわね……」

 

クラス対抗戦の日になった今日、(新太郎)はそれぞれの理由で来ない允達に疑問に思ったセシリアからの質問に、答えながら苦笑いするセシリアに俺も苦笑いを返す。

 

「俺としては、鋼刃が来てるのが逆に不思議だからな」

 

「唯香に誘われなきゃ、来てねぇよ」

 

「ふふ、色々と必要そうだったからね」

 

俺たちの後ろから並んで歩く鋼刃と唯香の2人を見ながら、俺たちはアリーナに入る。

別に見ようとは思わないが、一応鈴がやる気を出していたからどんな感じなのか気になるから、足を運んだのだが、対戦表を見て思わず口がひきつる。

 

第1試合

一組 織斑秋十 vs 二組 凰鈴音

 

本来の対戦なら、普通なのだろうけど、今までの絡みを知ってるから誰かが狙ったようにしか見えない。

 

「鈴さんは、大丈夫でしょうか……」

 

「大丈夫だろ。鈴は、案外冷静だから」

 

「振り幅が広いんでしょ?」

 

「天才の可能性はかなりあるけどな」

 

その鋼刃の言葉に、俺は納得する。一夏と別れたのが2年の終わりと聞いていたから、そこから中国に帰って候補生になって、専用機を貰ったのだとしたら天才にも程がある。

 

「セシリア的には、どっち勝って欲しいんだ?」

 

「勿論、鈴さんですわ。クラスとしては、秋十さんに勝って欲しいですが、鈴さんの友達としては、無論鈴さんですわね」

 

そう言いつつ、俺たちは空いてる席を見つけて中に入る。

 

「唯香は、いいのか?クラスの奴と見なくて」

 

「貴方との方が面白いからね」

 

席に着いてから早々にイチャつく2人をよそに、俺は試合が始まるのを待つ。

 

「もうそろそろだな」

 

そして、試合に出る2人が各々のハッチから飛び出して来た。

 

 

 

 

「鈴。今、謝って俺の元に来るんなら許してやっても構わないぞ?」

 

「はん!そんなのゴメンだわ。アンタみたいな、ゲスの下になんか誰が着くものですか」

 

「……取り消しは聞かないぞ。本当に良いんだな?」

 

「アンタみたいに難癖つけたりしないわよ。さぁ、さっさとやりましょ?」

 

フィールドで相対したアイツは、何時もの調子で(鈴音)に向かって、そんな事をのたまった。

あの男は何を勘違いしているのか、力無きものの下よりも自分のような有能な人の元に人は集まるべきだと考えている。

まぁ、実際、アイツは並より出来たから下に着く奴なんて沢山居たけど、そんな単純なら世界に世界は争いで乱れていないのだから。

 

「誰がどこに居ようが、その人の勝手でしょ?ま、私は単純にアンタのことが嫌いなだけどね」

 

「ちっ、あんな能無しと一緒に居たところで、お前にはなんの価値もないんだよ!」

 

「価値なんて、アンタが決めんじゃないわよ。一夏との価値なんて、私が決める。私が、感じたことが価値なのよ」

 

そう告げる私に、アイツはもう無駄だと言わんばかりに睨みつけ、その手にブレードを構えた。

それと、同時に試合開始のカウントが始まる。

 

 

 

「うおぉぉーーー!!!!!」

 

「舐めんじゃないわよ!」

 

開始と共に、バカ真面目に突撃して来たアイツに、冷静に両手に握る二本の青龍刀を振るい弾き返す。

 

「俺は、強い!」

 

「寝言は寝て言いなさい!己の事しか知らない奴に、私は負けないわ!」

 

私の返し、一瞬態勢が崩れたが直ぐに整えると反撃して来た。

だが、私も落ち着いて二本の青龍刀を連結させ両刃剣に変えて切り返す。

 

「知ってるわよ!アンタのその専用機は、千冬さんと同じ能力があるんでしょ!けどね、あの人だからこそ最強だったのよ。アンタのそれは千冬さんのとは別物よ!」

 

「そんな筈はない!この力は、最強なんだぁ!!!」

 

私の言葉に激情したのか、能力を起動させた秋十の攻撃に対して、私もこの“甲龍(シェンロン)”に搭載された特殊兵装を発動させる。

その瞬間、こちらに向かって来ていた秋十の身体が横に吹き飛ぶ。

 

「ぐはっ!」

 

「どうかしら?良い、味でしょ!」

 

完全に生まれた隙に、攻撃を辞めずに私は更に乱打を加える。

 

「ここからは、私のターンよ!」

 

 

 

 

 

「何が起きたんだ?」

 

「多分、鈴の特殊兵装だろうな」

 

「“龍砲”ですわね」

 

秋十が突貫したかと思ったら、突然横に飛んだ事に対して、(新太郎)が疑問に思っていたら、セシリアが答えてくれた。

 

「………ああ、見つけた。なるほど、空気砲か」

 

「そうですわ。指定した場所の空間に対して圧力をかけて銃身を作成し、そこから圧縮した空気を圧縮エネルギーと共に放つ物ですわ」

 

「なぁ、それってさ?」

 

「ああ、お前の察してる通り、全てが空気で出来ているから、弾丸どころか砲身すらも見えないその上」

 

「死角はありませんわ」

 

「マジかよ………」

 

空気を利用していると言うから、見えないのは何となく分かったが、まさか死角も無いのは、予想外だった。

そこで、秋十が横に吹っ飛ばされたのか分かった、

 

「エネルギーも圧縮エネルギーだけですので、レーダに反応しづらいのも強みですわ」

 

「鈴にしてみれば、アイツの周りそのものがアイツの武器のようなものだからな」

 

2人の解説を聞きながら、俺はこの試合の流れは何となく分かったのと、ちょっとトイレに行きたくなって来た。

 

「少し、席外すは」

 

「おう」

 

決着が着く前に、戻ってこれたら良いな。

 

 

 

 

「はぁはぁ、クソっ!何で、当たらないんだよ!

 

「言ったでしょ?アンタじゃ私に勝てないって」

 

(鈴音)の攻撃を何度も受けた秋十は、息も絶え絶えになりながら文句を言い放つ。

けど、私にそんな事は意味を成さない。

そろそろ、決着をつけようと龍砲の出力を上げて放つ。

 

そして、その瞬間、高エネルギー反応が甲龍から伝えられ、顔を上げると私と秋十の間を巨大な光柱が、突き立てられた。

 

光が止んだ時に空に現れたのは、今までのISとは違った姿形をした機体が不気味にこちらを見下ろしていた。

 

 

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