IS.輝きを纏いて〜仮面のヒーロー〜   作:TENC

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R.17p

「いたっ!?」

 

「ぶふぅっ!?」

 

「あだっ!?」

 

「………っ!?」

 

突然足元に開いた大きなクラックに落ちた()たちは、そのまま落ちたかと思ったら、何か地面らしき場所に四人揃って落っこちた。

全員で周りを見渡して、一応の確認をしてから変身を解く。

 

「イタタタ、ここは?」

 

「俺の別空間の中さ」

 

変身を解いた新太郎が、落ちた時に痛めたであろう腰を抑えながら、苦言を呈すと聞きなれた声が聞こえてきて、暗闇だった空間が明るくなり、そこには鋼刃と唯香さんの2人が並んで立っていた。

それに、気付いた倫太郎は胡座をかいてその場に座り直した。

 

「お前らなぁ、バレたら面倒なことになるんだから、終わったらとっとと去れよ。主に、允と新太郎は」

 

「い、いやぁ、盛り上がって忘れててたわ」

 

「俺も、正直倒した辺りでどうしようかと思ってたわ」

 

俺と新太郎の言い分に呆れたと言わんばかりに頭を掻く鋼刃は、何処かからか現れたソファに座り込みながら、今の状況を説明してくれた。

 

「さっきも言った通り、ここは俺の別空間だ。出入り口はこのクラック以外にも色々ある」

 

そう言いながら、鋼刃は俺たちの前に小さいクラックを開いて外の中を見せてくれた。

それよりも、俺は聞きたいことがある。

 

「外の状況ってどうなってるんだ?」

 

「ああ、そうだよ。俺たちは居なかったとは言え、流石に不自然な所に出たらヤバイだろ。それに、新太郎やお前たちはあの場に居たんだろ?だったら、あまり姿を消してたら怪しいだろ」

 

同じことを考えていた新太郎の言葉に俺も乗る。一夏もそれに、疑問に思ったのか、ソファで寛ぐ鋼刃に目をやる。

すると、帰って来たのは鋼刃からでは無く後ろの倫太郎からだった。

 

「それは、問題ないと思うよ。どうせ、止めてるんでしょ?」

 

「察しが良くて助かるぜ。簡単に言うなら、俺は特殊能力を使える。さっき見せたクラックの開閉の他に時間停止だったり、魔法だったりな」

 

そう言って、鋼刃は指を鳴らす。

そうすると、俺たちの身体が固まったように動かせなくなった。

けど、そうなったのも一瞬ですぐに元に戻り、少しバランスを崩してしまう。

 

「それから、外の状況だけど貴方たちをこの空間に落とした時点で止めてるから、怪しまれない場所に行けば大丈夫よ」

 

唯香さんは、ソファの手置きに腰掛けながら、慣れたように状況を説明してくれた。

 

「それから、一夏。お前には、ちょっと話しがある」

 

いつも以上に胡散臭さを感じさせながら、ニヒルに笑う鋼刃がそう告げると、一夏は苦い顔をしながら顔を鋼刃たちに向けた。

 

 

 

 

 

「簡単に言うならば、俺たちは転生者また転移者だ」

 

「は?」

 

唐突に鋼刃から告げられた言葉に、(一夏)は全くもって理解が出来なかった。

確かに、俺が持ってるこの力を不思議に感じた事なんて沢山あった。けど、明らかに俺じゃないけど、俺と似たような力を持ってる奴が居るのは知ってたから、そこまで気にした事はなかった。

 

けど、鋼刃は何を言っているんだ?

転生者と言えば、一度死にそして生まれ変わった人。転移者は、別の世界から訪れた人のことを言うのは、弾や数馬の話から知っている。

 

だが、それよりも気になるのは何故それを俺に、そして今言うのかだ。

 

「俺たちの使う能力。『仮面ライダー』の力は、転生や転移の際に授かったものだ。授かったのは、神なり上位存在なり、まぁ色々だがな」

 

「別に驚く事じゃないよ。どっちも俺たちの元居た世界じゃあ、普通だったからね」

 

そう鋼刃の言葉を補足しながら、倫太郎は鋼刃の座るソファに寛ぐ。

 

「俺たちが、来た理由はただ一つ。討つべき敵の残党がここに居る」

 

「………俺にやれって事か?」

 

「いや、そうじゃない。手を貸して欲しい」

 

鋼刃が、いつも胡散臭く感じてしまうのは多分、こう言う交渉を良くやっているからなんだろう。

俺としては、やって良いのかも知れないが、一つだけ俺も聞きたい事がある。

 

「一つだけ、聞きたい事がある」

 

「ああ、良いぜ。俺たちが答えられる限りの事なら、答えてやる」

 

その言葉を聞いて、俺は意を決して今まで一番気になっていた事を口に出す。

 

「俺は、何者なんだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何者、か。一夏の事は知らない事ばかりだけど、アレはなんか心の奥から気になってる感じがするなぁ」

 

「それに、答えた鋼刃も何か知ってそうだけど、実際はどうなんだろうなぁ」

 

(新太郎)らとしては、よく分からない質問に「………調べておく」と返した鋼刃の事が気になるが、取り敢えずは夕食を取りに行く。

食堂に着くと、そこら中で仮面ライダー(俺たち)の事を話しているグループが、至る所で目に付くが、その印象は何というか女尊的な雰囲気だ。

 

「俺らが、気にすることじゃないか」

 

「まぁ、そだな」

 

気持ちを切り替えて、何時もの定食を頼み空いてる席で、允と2人で並んで食べる。

 

「そう言えば、用事があるって鋼刃は言ってたが、何だったんだろうな」

 

「さぁ?俺らじゃ、分かんない事は深掘りしない方が楽だから、ほっとこうぜ」

 

「ま、それもそうだな」

 

そう2人で結論づけて、箸を進める。

流石に今日は、疲れたな。

 

 

 

 

「やっぱり。そうか」

 

沢山のウィンドウを開きながら、(鋼刃)は、座っていた椅子にもたれかかる。

 

「どの道潰さねぇといけないって事か」

 

厄介ごとは嫌いだが、そうするしか無いのだから、腹を括ってやるしか無い。

そう心に決めて、俺はその晩を明かした。

 




次回から4話ぐらい日常とか幕話入れようと思います。
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