IS.輝きを纏いて〜仮面のヒーロー〜   作:TENC

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R.23p

「やぁ、僕は………」

 

「あー、それは後にしてくれ。早く行かないと大変だから」

 

「え、あ、ちょ、ちょっと」

 

デュノアが、朝のSHRが終わった後、次の実習の準備をしていた()たちに話しかけて来たが、この後の展開が分かっていた新太郎が、荷物を持たせて手を引く。

その時、何故かデュノアが、顔を赤くしているが今はそんな事は気にする暇はない。

 

「居たわ!転校生の男子よ!」

 

「きゃあ!!美形!それも守りたくなるような雰囲気!」

 

「みんな!捕まえて、質問タイムよ!」

 

「ゲッ、もう来たか」

 

だが、俺たちの思惑は外れ予想よりも早くに女子たちが集まって来たので、どうするか考える。

自分の事を考えるのならば、ここはデュノアを捧げて行くところだが、そんな非人道的な事をするのは気が引ける。

だから、丁度目に入った秋十の首根っこを掴んで、そのまま女子たちの方へと投げる。

 

「お前!何しやがる!」

 

「じゃあな。嬉しいだろ?女子に埋もれるのは」

 

と、捨て台詞を吐いて急いで更衣室に移動する。

その際、秋十の叫びが聞こえたが、あんな奴がどうなろうと良いので、無視して移動する。

そして、更衣室に着いたのだが案の定鋼刃は何処かで抜け出していたらしく見当たらなかった。

 

「ん?どうしたんだよ、デュノア。着替えないのか?」

 

「う、うん!着替えるよ!そ、それに僕の事はシャルルで構わないよ!」

 

「お?そうか?なら、俺たちは先に行っとくぞ」

 

「う、うん。後で行くよ」

 

俺たちが着替えても何故か制服のままのシャルルに、新太郎が疑問に思ったが、取り敢えず先に終わっていた俺たちは、グラウンドに出て行く。

何というか、らしくないなと感じながら、俺はシャルルに対して少しだけ警戒を高めていった。

 

 

 

 

 

「お前らなぁ………」

 

「あっは!見事なまでに完敗だねー」

 

「う、うっさいわね!」

 

「うう、わたくしもまだまだですわ……」

 

今しがた2対1のマッチで見事に負けた鈴とセシリアの2人を軽く煽る倫太郎を他所に、俺はさっきの山田先生の動きを振り返る。

 

実習前のエキシビションみたいな感じで、山田先生対鈴・セシリアペアの対戦が行われたのだが、結果から言えば数的にも機体的にも有利な鈴たちが何も出来ずに負けてしまった。

正直に言えば、普段の山田先生からは全く想像出来ない上手い戦いだった。

 

だって、何もないとこでコケたり、うっかりやポカをするような人が、実はスイッチマンだったなんて想像も出来ないだろう。

スイッチマンで言えば、鋼刃も唯香さんもそんな気がするが、まぁそれは今じゃなくていいか。

 

「これで、教師の実力は分かったな?今後は、敬意を表するように。では、授業を再開する。今回は………」

 

その後は、織斑先生の指示の下授業が進められていった。

今日は、2組との合同という訳だが、この数を1人で動かせるのは多分織斑先生のカリスマ性やらが強いんだろう。

あのキツそうなボーデヴィッヒですら、素直に聞いているんだから。

 

 

 

 

 

「この内容なら問題はないか………」

 

屋上で、グラウンドで実習をしているクラスメイト達を見下ろしながら、(鋼刃)は、手元の端末を操作しながら、画面を動かしていた。

 

「さて、俺に何か用か?」

 

こっちに来て少ししてから、俺のことを背後で伺ってる奴に話しかける。

まぁ、多分何処かの国の諜報員とかな気がするが、もしもの時は消すだけだ。

 

「だんまりかよ。はぁ、面倒だなぁ………」

 

「……貴方は何者なの?」

 

俺の言葉に返す気なのか、姿を現しながら、そう語って来たのは水色の髪が特徴的な女子生徒だった。

リボンの色からして2年生だな。

 

「何者?俺は、皇鋼刃っすよ?何か、問題でも?」

 

「貴方は、今まで大小様々な問題に巻き込まれているわ。けど、学園での貴方は余りにも()()()()()

 

「……へぇ、よく知ってますね」

 

彼女のその言葉に俺は思わず目を細めてそう言ってしまった。

これでは、自分は怪しいですと言っているようなものだ。ここで、向こうのバカ王たちとの対談が仇になった。

けど、こんな事で落ち着いて居られない。ここは落ち着いて、上手く返す。

 

「けど、別に問題無くないですか?普通なのは。ここにいるのは、身分や経験に差はあれど普通な人が多いですし」

 

「そうね。たしかにそんな人は多いわ。でも、貴方は普通では無いわ。私に言わせれば、演じているわ」

 

「演じている?何を俺が演じているって言うんですか?不良生徒ですか?」

 

少し戯けた口調で彼女にそう語ると何処からか取り出した扇子で、口元を隠しながら彼女は言葉を紡いで来た。

 

「確かに貴方は、実習や座学を度々サボっているようだけど、別にそれは不思議じゃ無いわ。そして、成績も良いみたいだけどそれも珍しくない。けど、貴方はどんな時でも此処から見当たらなくなる時がある」

 

そこで、俺は右手にバレないように力を込める。

流石に、この世界の人間を舐めていた。しかし、コイツらが計算に入れていなかったのは、俺が転生者だということだ。

 

「それで、結局何が言いたいんですか?」

 

「……貴方の目的は何」

 

端的に告げられた言葉に対して俺は、静かに溜め息を吐きながら、距離を一気に詰めて彼女の頭に右手を翳す。

 

「これが俺の答えだ」

 

その後、その場に力なく倒れた彼女を放置してはおけず、保健室まで運ぶ。

別の記憶を移しておいて。

 

まだこれを語るには早すぎる。

 

 

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