「それじゃあ、案内するわ」
「よろしくね。新太郎」
「ああ」
激動では無いが、いつも以上に騒がしい1日を終えた
その途中、他の生徒からの変な雑談が聞こえて来たが、それは気にしてばっかりじゃ、此処ではやってけないと俺はこの短い間で学んだから、無視して行動する。
けど、俺はこのシャルルに少し違和感を感じているから、余り気を抜けばしない。
「ここだ。荷物は中に入ってると思うから」
「うん。ありがと」
取り敢えず、案内を終えた俺はシャルルに允達のところに行くと伝えて、一旦別れる。
連絡先も交換したので、困ったことがあったらシャルルの方から電話してくるだろう。
「おーい。允ー」
「あ、入ってくれ」
「おう」
ドアをノックして居るかを確認すると、何時もの調子で返されたのでそのまま中に入ると、簪は居らず允1人だった。
「アレ?簪は?」
「あー、なんか私用で割と居ないぞ。なんだか、大変らしいが俺には手伝えそうにはない」
「へぇ、まぁ、本人が辛そうだった時は、手を貸せば良いことだろう」
「そうだな。それより、何か用か?」
簪について、心の中で応援していたら、允が用事を尋ねてきた。
「いやさ、シャルルに関してなんだけどさ……」
「あー、ね。俺もちょっと聞きたいことがあったんだよ」
意外と言うわけでは無いが、允も俺と同じようにシャルルに感じるような事があったらしい。
俺や允で気づいているから一夏やあの3人が気付いていない筈は無いだろう。
自慢じゃないが、あまり俺は察する能力が足りないのだ。
「正直、今日一日過ごしたが何というか男子と言うよりも女子な気がするんだよな」
「俺も。結果的に俺が一番関わったから分かるんだけど、アイツの手って、男特有の硬さが感じないんだよなぁ」
「うわ、側から見たら女子の柔らかさを知ってるみたいで、嫌だわー」
「た、例えだよ例え」
「ふーん?まぁ、それに関しては俺も感じるのはあったがな」
允からの視線が痛いが、どうにか話を修正する。
まぁ、正直朝の更衣室に連れて行く時に手首を掴んで女子みたいに感じていたが、更衣室での俺の質問に対してのキョドリ方は、いきなり俺たちに話しかけてくるようなコミュ力の高い奴には思えない。
だから、多分俺たちに言えない何かが、アイツにはあるってことだろう。
「何も無いのなら、仲良くしていきたいが、そう簡単には行かないよなー」
「俺たちと同じ男で、編入ってだけでだいぶ怪しかったがな。しかも、フランスの候補生だろ?」
「明らかに怪しいよな。男だから貴重だからってだけで、候補生にはならないからな」
同じ候補生のセシリアや鈴から聞いているからでどれほど、候補生になる事が大変かは素人の俺たちも良く知っている。
もし、正規の手続きをして候補生となったのなら、シャルルには国絡みでの隠蔽されていることになる。
となれば、フランスは他国から色々と弾糾されそうだが、そう言った話は聞いてないから、するまでも無いと判断されているのだ。
「取り敢えずは、様子見にしておくよ。悪いな、邪魔して」
「いや、構わねぇよ。んじゃ、気をつけてな」
「おう。お前もな」
そう返して俺は允の部屋を出て、食堂で食べに行こうと思い、シャルルを誘いに部屋へと戻る。
鍵は俺も持っているが、一応の為にちゃんとノックしてから反応を確かめる。
「シャルル?俺だ。入るぞ」
「し、新太郎?!ちょ、ちょっと待ってね!」
「お、おう」
余りの慌てた様子に思わず苦笑いを零すが、取り敢えず返事があるまで外で待っておく。
1、2分程度待った後、風呂上がりのようで上気した肌のシャルルが、出迎えた。
その後は、俺の誘いに乗ったシャルルと一緒に食堂まで向かう。
その途中、秋十と箒が俺に絡んで来たがテキトーにあしらいつつ、シャルルに秋十達には余り関わらないように伝えておく。
シャルルがどんな奴かは知らないが、コイツらと一緒なるよりはマシだろう。
「何時もあんな感じなの……?」
「まぁな。ただ、今日は一夏が居ないからマシな方だな」
「アレで、マシな方……」
シャルルが俺の言葉に驚いていると、注文していたカツ丼が届いたので空いている席を探していたら、丁度鋼刃達がいるのを見つけて、同席にさせてもらう。
「一緒に座っても良いか?」
「ん?ああ、大丈夫だよ」
「そうか。サンキュー」
食堂は人が沢山居るので、良く場所が取れないが今日は運が良い。
シャルルも食事を受け取ったようで、こちらに呼びかける。
鋼刃と倫太郎は、知っているが唯香さんは初めてなので、お互いに自己紹介をする。
その際、唯香さんの視線が細められたように感じたが、特に何も無かったから、俺の気のせいだったようだ。
それから、鋼刃と唯香さんの関わりを見てシャルルが俺に疑問を投げかけて来た。
「ねぇ、2人ってどういう関係なの?」
「許嫁らしいけど、俺からしたら夫婦だな。夫婦」
「い、許嫁?!そ、そう、なんだ」
許嫁という言葉に凄く驚いていたが、少し顔が引きつりながら、取り敢えずは自分で納得させたようだ。
その後も、今日の実習のことを話しながら、夕食を終えた俺は外の空気が吸いたかったので、外を散歩する。
外は、暗くなっていたが、それよりもどこか怪しい雰囲気が漂っていた。
「なんだこれ……」
悪い予感を感じながら、俺は赤いなにかを見つけて、物陰に隠れてドライバーを構える。
「lhgvy&_&__/&/#/gt?s&(v(jJltJj〆」
「なんだよ。あれ……」
すると、俺の目の前を何とも形容しがたい何物かが、蠢きあっていた。
俺は、それが、何かは何とも言えなかったがここでアイツをどうにかしなければならないと直感的に感じた俺は、迷わずにライダーカードを握る。
「変身……ッ!」
そして、俺の一人きりの長い夜が始まった。