IS.輝きを纏いて〜仮面のヒーロー〜   作:TENC

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R.26p

「そこぉ!」

 

「なんのぉ!」

 

学校終わりの放課後。

今日は珍しく全員の予定が合った為、皆んなで模擬試合をしながら談笑を交わしていた。

 

今は、唯香と倫太郎の2人が上で相変わらずのドッグファイトをしているのを見ながら、(鋼刃)はセシリアに動きの指南をしていた。

ISは、基本的にISのサポートがあるが、生身で動ければそれを使った動きをISに応用する事は、あの2人に確認してもらったから分かっている。

 

「だいたい分かったか?」

 

「す、少しはですが、とても難しいですわ……」

 

「仕方ないな。武術において足運びは、奥義にまで昇華できる大事な業だからな」

 

俺の質問に、肩で息をしながら言うセシリアに対して、武術経験者の新太郎が、補足と共に飲み物を持って来た。

 

そこで、俺は再び上の対決に目を移すと、そこでは倫太郎が大体七、八ぐらいの挌闘業を組み合わせて、唯香のゲージをドンドンと削っていく。

 

「(やっぱ、挌闘能力は倫太郎が1つ飛び抜けてるな)」

 

そこで、いつもの男子以外の奴の事を見返してみる。まずは、唯香だが、唯香も強いには強いが、慣れてる奴らと比べれば、やはり見劣りしてしまう。

セシリアは、高い射撃精度を持っているが、咄嗟の出来事だったり距離を詰められた時の対応力の悪さが顕著である。

それから、鈴だが、1年程で代表候補生となり専用機のパイロットとして選ばれる事から才能は凄いのだろうが、衝撃砲だよりだったりする事が多く感じられる。

ここで、パッと三ヶ国の代表候補生を見てみたが、やはりISの機密の高さが逆に仇になっていると様に思うが、俺1人でどうにか出来る物では無いので、ここは、どうにかなって欲しいと願いつつ最後のシャルルを考える。

 

「(シャルルは………)」

 

シャルルは、かなり巧い。

第3世代の専用機持ちの3人と違って、第2世代と悪く言えば型落ちの機体を持っているが、その世代差をシャルル本人の技術の高さでカバーしている。

それにワンマンになりがちなセシリアや鈴、独特な唯香と違って誰とでも合わせて動ける対応力の高さもある。

 

「(だからこそ、怪しいんだが……)」

 

正直、これほど高い能力を持っているなら、第2世代なんて型落ち機を渡すとは思えないが、それには何か理由があるんだろう。

シャルルが、この学園に入学して来た理由と関わっていそうな。

 

そこまで、考えた所で誰かがこちらに向かって砲撃を放って来た。が、それは戦いを終えた倫太郎が、アサルトライフルで迎撃しながら降りて来た。

そこで、俺たちは砲撃された方を向くと、もう1人の転校生であるボーデヴィッヒが、黒いISを纏って不敵な笑みを浮かべながら立っていた。

 

「ほう?素人にしては、良い動きだな」

 

「挨拶が攻撃とは君は何処の戦争屋かな?」

 

「戦場に攻撃する時に挨拶するとでもいうのか?」

 

「短絡的な考えしか出来ないのかって、言ってるんだけど?」

 

「貴様………ッ!」

 

倫太郎に対して煽っているような言葉を吐くが、この男にはそんな物は効かない。

現に、倫太郎に煽り返されて苛立ちを隠せて無いような口調で喋るボーデヴィッヒを他所に、俺はアイコンタクトで倫太郎に指示を出す。

俺の指示に、一瞬驚いた顔をしたが、納得したのか直ぐに口角を上げて笑った。

 

「え?なに?怒ったの?この程度で?」

 

「…………っ!」

 

「自分は、選ばれた人間みたいな雰囲気出してるけど、それほどじゃないかな?」

 

「……………っ!」

 

「まぁ、お前が何しようとしたかなんて興味ないけど。ただ、一言言うなら、バカだねぇ?」

 

「貴様ぁ!!!」

 

俺の指示通り煽りに煽った倫太郎に対して、愉快そうに笑う唯香を除いて全員がドン引きする状況になったが、ボーデヴィッヒは、我慢の限界が来たのかアリーナの端から俺たちの所に襲いかかろうとして、ブースターを動かすが、ここでアナウンスが響く。

 

『そこ!何をしていますか?!所属を報告しなさい!』

 

「くっ、命拾いしたな貴様ら」

 

「そっちがね」

 

アリーナの管理をしていた先生の注意により、冷静さを取り戻したのかかなり苛立ちを隠せて居なかったが、この場から捨て台詞を吐きながら去っていく。

だが、倫太郎の言葉にまた反応しそうになっていたのは、流石にどうかと思う。

 

 

 

 

 

 

「ふあぁ、眠い……」

 

練習終わりに、(倫太郎)は食後の運動と思い、学園内を散歩していたら、誰かに着けられているのに気がついた。

 

「俺に、何かようかな?」

 

「ふん。やはり気付いていたか」

 

俺の問いに答えたのは、後ろの木から出て来たボーデヴィッヒだった。

 

彼女は、心底嫌そうに俺のことを睨みながら、懐からナイフを取り出すとそのまま斬りかかって来た。

それに驚きつつも咄嗟の判断で取り敢えず、交わすことに成功する。

 

「っぶねー。物騒だなぁ」

 

「ちっ、貴様避けるな」

 

「いや、避けるでしょ」

 

舌打ちと暴言をしながら、ナイフの攻撃を続けるボーデヴィッヒに呆れながら、攻撃するタイミングでボーデヴィッヒを弾き少し距離を置く。

 

「何でこんな事するのさ?ドイツとしては大事なんじゃない?」

 

「貴様だけは気に食わん。それに、1人死んだ所で後5人いる」

 

成る程ね。確かに、君たちからしたらその程度の価値なんだろうけど、俺たちは違うんだよ。

 

「ちょっと、痛い目にあってもらうぜ」

 

「ぬかせ、一般人風情が!」

 

ガゴッ!

 

 

 

 

「悪いっすね。こんな事を頼んじゃって」

 

「いや、構わない。コイツの事は、私にも責任があるからな」

 

「そうっすか。なら、深くは追求しないで起きます」

 

「ああ、そうしてくれると助かる」

 

気絶しているボーデヴィッヒをどうしようかと思ったが、偶々通りがかった織斑先生に事の経緯を説明してから、ボーデヴィッヒの事を頼む。

何か、訳ありげだったが、本人が言う気が無かったから別に聞くまでもないだろう。

 

「しっかし、暗くなりすぎたなぁ」

 

そんな事を呟きながら、1人夜道を歩きながら俺は寮へと戻っていった。

 

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