「それでは、朝のSHRを終わりにする。くれぐれも遅刻しないようにな」
「「「「「はい!」」」」」
大きな女子たちの返事を聞くと、我らが1組担任の世界最強こと
あの後、無難に自己紹介を終えた俺の後に、件の織斑。
一夏ではなく、
正直それで良いのだろうか。女子は構わないが、男子勢は流石に辛いのだが。
「(はぁ、苦手だけど、話しかけてみるか……)なぁ、ちょっと、良いか?」
「んあ?あ、ああ、構わねぇよ」
俺が始めに声を掛けたのは、窓際でとても眠そうにしていた男だった。
ただ、初めて会うはずなのに何処かで見た顔つきに、頭を捻りながら自己紹介を済ます。
「一応、自己紹介したから知ってるだろうけど、朝凪允だ。よろしくな」
「それじゃあ、俺も。
「ああ」
軽く握手して、自分たちの今までを掻い摘んで談笑を交わしながら、次の時間が始まるのを待っていた。
そう言えば、あの多分織斑兄弟以外に居た男子2人組も、何故か見つからなかったが、放課後にでも話しかけてみるか。
「さっさと、席に着かんか!」
「「痛っ!?」」
鐘が鳴る前に、織斑一夏が来た後に割と遅れて来た織斑秋十と、原作のヒロインだった筈の
「授業を始める前に、クラス代表を決める。これは、今度行われるクラス対抗戦に出場する代表でもある。さらに、クラス内でも代表となる。誰かやりたい者は居るか?自薦他薦は問わん」
そう、織斑先生が言うとそこかしこから手が上がりだし、教室内が一気に騒がしくなる。
まぁ、織斑とかが呼ばれるだろうから、気にしないでいこう。
「はい!織斑……秋十くんが良いと思います!」
「はい、私も!」
「やっぱり、男子が居るんだから活かさないとね!」
「ねぇー!」
沢山の女子たちから推薦を受けた織斑秋十の顔は、見るからに嬉しがっているように見え、何となくいけすかない感じを受けた。
そこで、この世界の一夏の雰囲気が、暗めなのは多分あの野郎の影響なんだろう。
「(仲良く出来るように頑張るか)」
そう、心に決めた所で、原作のイベントが開始した。
「そのような選考、納得いきませんわ!?」
金髪ドリルことセシリア・オルコットのその一喝で、教室が静まり返る。
転生者である俺は、彼女の成り立ちを知ってはいるが、原作初期の彼女の言動は余り賛同出来るものじゃない。
「クラス代表とは、クラスで一番の実力者がなるのが定石。それならば、学年主席であるこのセシリア・オルコットこそが、代表に相応しいですわ!」
まぁ、本来ならそうなるんだろうけど、ここのクラスの殆どが一般出身の人ばかりだから、話題性のある者に飛びつくのは目に見えている。
まぁ、彼女もまた周りが見えて無いんだが。
「それをたかが珍しいからとテキトーに選ぶだけに留まらず、このイギリス代表候補生である私に、男の下に着くという屈辱を1年間も受けろと申しますか?!わたくしはこのような島国までIS技術の修練に来ているのであって、サーカスをする気は毛頭ございませんわ!」
うーん。この際、イギリスも島国ってのは置いといて、わざわざこっちに来たんだから、こっちの人柄とかを知ってからの方が良かったんじゃ無いのだろうか。
そう考えていたら、オルコットの演説に予想外の奴がキレた。
「それに技術的にも後進的なこの国で暮らす事自体、苦痛で——-」
「そんなん言ったら、お前ら所もマシなお国自慢なんて無いだろ。何年連続メシマズ国No. 1だよ」
「あ、貴方、我が祖国をバカにしますの!?」
正直言って、織斑秋十がこんなことを言う奴だとは思わなかったが、多分自尊心が強い奴なんだろう。
うわ、並な女尊主義者よりも厄介な奴じゃん。
その後も言い合いをするオルコットと織斑秋十の2人。
「埒があきませんわ!勝負ですわ!」
「良いぜ!しのごの言うより、シンプルで良い」
「はぁ、やっと終わったか。なら、今から一週間後に代表決定戦を行う。オルコット、織斑たち7名は、準備しておくように」
「「「「はっ?」」」」
「聞こえなかったのか?朝凪、織斑、
マジかよ。これって、職権乱用なんじゃ無いのか?
そう思い、他のメンツを見渡すと朝見た時から変わらない無表情の一夏を除いた、連中は皆面倒くさそうに顔を歪めていた。
「それでは、授業を始める。山田先生お願いします」
「は、はい!」
そう憂鬱な気分の中、授業がはじまった。