IS.輝きを纏いて〜仮面のヒーロー〜   作:TENC

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R.29p

「やあ、また、会ったね」

 

「貴様は………っ!」

 

倫太郎達の見舞いの後、俺はやんちゃした原因のボーデヴィッヒを探して、裏庭に隠れているのを見つけた。

 

「何をしに来た……!」

 

「そうだね。今の俺は、怒ってるんだ」

 

正直に言えば、この世界で誰がどんな事をしようと俺は、気にしない。けど、俺にだって返すべき恩や仇はある。

 

「鈴達の事を随分と舐めてかかったようだけど、結局は君の辛勝。あれほど、デカイ事を言っておいて、無様だね」

 

「なんだと……っ!?」

 

彼女は、上手く隠しているつもりだろうが、両手足には鈴達が与えたダメージが残っており、それほどボーデヴィッヒが鈴達を舐めていたのかが分かる。

良くは思ってないとは言え、彼女は軍人だ。そんな人が、候補生とは言えそこらの一般人に遅れを取るはずがない。

 

「人が黙っていれば、良くもつらつらと……っ!」

 

「本当のことを言って何が悪いのさ」

 

「やはり、貴様だけは許してはおけん!」

 

そういうと、ボーデヴィッヒはあの時と同じようにナイフを取り出して、こちらに振りかぶる。

俺はそれに臆さず、ナイフを握っている手首を掴みそのままの勢いを利用して、後ろに投げ飛ばす。

 

「くっ!一般人にしては、なかなか出来るじゃないか」

 

「君らは、勘違いしてるみたいだけど、鍛えた男にただの女が生身で勝てる道理はないよ」

 

「ふん!なら、これで!」

 

俺の煽りに答えるように、ISを部分展開して、こちらに標準を定めるボーデヴィッヒ。

明らかに、禁止行為な上に殺人行為だ。

けど、彼女にとっては自分にとっての使命以外は、多少の犠牲やコラテラルとしか考えていない。

さらに言えば、彼女はまともな思考を取れていない。だって、この行為が彼女の使命達成から遠ざける物だという事を知らないのだから。

 

「吠えろ」

 

「終わりだぁ!!」

 

レールカノンによる砲撃を、俺も部分展開した烈牙のバンカーを使って相殺して、爆牙のバンカーで距離を詰める。

 

「そんな事で!」

 

「それも知ってるよ」

 

どんな名前だったから知らないけど、動きを止めれるヤツだったのは、允達と別れた後に調べたから把握してる。

ボーデヴィッヒが手をかざすその一瞬の隙を、烈牙の反動を利用して横にそれてから、横腹に手を合わせる。

 

「吹き飛べ」

 

「っガハッ!!」

 

弾丸は装填していないから、直接的なダメージはないけど、バンカーの衝撃はまともに受ければ、受けきれない。

衝撃により、吹き飛び後方の壁に激突する。

 

「俺は、まだ自己防衛に入るかもしれないけど、先にけしかけた君はどうなるだろうね」

 

「そんな…事……関係ない!」

 

明らかに入った筈だが、ボーデヴィッヒは、それを物ともせずにこちらに攻撃を加える。

だが、俺にしてみればどれも簡単に避けれる程のスピードで、交わしつつ、一本のワイヤーを掴み思い切り引っ張る。

 

「そっちが、その気なら俺も容赦は出来ない…よ!」

 

「二度も同じ手を!」

 

「二度も同じな訳無いだろ」

 

こちらに飛んで来たボーデヴィッヒは、俺がさっき同じように攻撃してくると思ったようだが、その前に容赦出来ないと言った時点で俺は、バンカーに杭を装填している。

俺が突き立てる前に気付いて、その細い腕でガードしようとしたみたいだけど、もろともに放つ。

 

バギンッ!

 

「ぐっ」

 

「パイルバンカーは、ガード崩しには持って来いなんだよ。それなのに、たかが腕で一本で防げる訳ないでしょ」

 

「き、貴様………」

 

先程と同じように、俺を睨んでくるがさっきと同じような殺気も気迫も感じない。

そして、ガードした代償に骨にダメージが入った右手をダランと下げながらも、ボーデヴィッヒは俺に攻撃を与えようとしてくる。

 

「そんな攻撃もう俺には聞かない!」

 

「掛かったな!」

 

俺がワイヤーを弾くと、それを待っていたとばかりに叫ぶボーデヴィッヒに、呆れながら俺は爆牙を暴発させる。

 

「なに?!」

 

「集中が途切れてるよ」

 

「しまっ!」

 

「はあぁ!!」

 

動きは止まることは出来ても、全てじゃない。

中の機構を1つでも動かされれば、意識を逸らす事なんて簡単だ。

集中が切れた事で、拘束が取れた俺は残った爆牙で突進して、ガラ空きの腹に烈牙を叩き込む。

 

「かはっ!?」

 

「良く頭を冷やすと良いよ」

 

そこで、気絶したボーデヴィッヒを騒ぎを聞いて、こちらに来た先生方に任せて、俺はその場から去る。

 

 

 

 

「やり過ぎだ」

 

「いや、それは、分かってるんだけど………」

 

「言い訳など、聞かん」

 

「はい……」

 

倫太郎を説教する鋼刃という珍しい光景を見ながら、()は、トーナメントをどうするか迷っていた。

 

「タッグ戦かー、相方が居ないんだよなー」

 

「唯香さんは、鋼刃と。一夏は、興味がない。となると、俺らで組むしかないんじゃね?出るなら」

 

「そうなんだろうけどさぁ……」

 

本来はソロでやるトーナメントが、今年からタッグマッチになったらしい。

まぁ、組む相手は居るには居るが、出て良いものかが悩んでいた。

 

「ここに居るメンツ以外にも、相手は居るが」

 

そう、シャルルが居るのだが、警戒対象だから深く関わるのは遠ざけている。そんな状態だから、誘うに誘いづらい。

 

「まぁ、今日は解散しようぜ。参加は別に強制じゃないんだから」

 

「そうだな。それじゃあな。鋼刃」

 

「ああ、またな」

 

まだ、続く鋼刃の説教に引きながらも、俺達は自分達の部屋へと戻っていった。

 

そして、その夜とある男に時間が起きた。

 

「きゃあぁぁぁあ!!!!!」

 

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