IS.輝きを纏いて〜仮面のヒーロー〜   作:TENC

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R.32p

「そろそろだな」

 

「そうだね」

 

色々とあった日常が終わって、とうとう学年別タッグトーナメントの当日となった。

(新太郎)は一回戦目の対戦相手が当日に発表されるので、ペアであるシャルと共に相手の確認をしに歩いていく。

一番当たりたくないのは、鋼刃たちのペアだが、当たってしまったら全力でやるまでだ。

 

「新太郎は、今日大丈夫?」

 

「問題ねぇよ。昨日も普通に眠れたから、疲れは残ってねぇよ」

 

「良かった。対戦相手って、誰だろうね?」

 

「さぁな。ただ、鋼刃たちだったら、正直勝てる気がしない」

 

「あ、あはは。僕も、あのコンビネーションを崩せる気がしないよ………」

 

あの2人は、それぞれが上手い上に、許婚なだけあって息もピッタリと多分今回のトーナメントでも、トップクラスの実力を持っているんだと思う。

まぁ、単体の実力で言えば、ボーデヴィッヒとかが入ってくるんだけど、タッグ戦はそれだけでは勝てない。

 

「まぁ、でも、俺たちに出来る事をやるだけだ」

 

「うん。そうだね。僕らは全力でやるだけだよ」

 

そう強く2人でうなずきながら、対戦表の前まで到着する。

対戦表の前には、確認しに来た人たちが沢山居たが、幸い張り出されているのも多かったので、そこまで困らずに相手が誰なのかを確認する事が出来た。

 

「俺たちの相手はっと………」

 

「あ、あった。でも、これって………」

 

「ん?なるほどな」

 

シャルル・デュノア&夜束叉新太郎

VS

ラウラ・ボーデヴィッヒ&篠ノ之箒

 

秋十が自分から箒を誘う事は無いと思ったが、箒も秋十を誘っていなかったのには驚いた。

けど、それよりも大事なのは箒ではなくその相方。

 

「初戦から、あのボーデヴィッヒか……」

 

「強いよ。彼女は」

 

「分かってる。まぁ、やるだけやるさ。俺にはそれしか出来ないからな」

 

「うん。分かった。僕も、出来る限り協力するよ」

 

鋼刃たちじゃなかったから、良かったかと思ったが、結局は似たり寄ったりだ。

ただ、こっちにはあっちに無いコンビネーションがあるのを活かして、やるしか無い。

 

「本番頑張ろうぜ」

 

「うん」

 

そう拳を合わせて俺たちは、そのまま観客席へと脚を向かわせた。

 

 

 

「ドイツにアメリカ、イギリスの防衛大臣じゃんアレ」

 

「それ以外にも、各国のIS関係のトップ連中ばかりだな」

 

「……そんなに来ていたのか」

 

「俺は、なんでそんな事が分かるのか驚きだわ……」

 

世界から注目されている学園のイベントの中でも、各国の要人たちが集まるトーナメントだってのは、もともと聞かされていたが、予想外の人たちが集まっていたのに()は驚きつつも、それよりも鋼刃と倫太郎が何でそこまで詳しく知っているのかの方が、疑問に感じた。

 

「顔や名前は、調べれば簡単に判りますわよ?ただ、あそこまではわたくしも詳しくはありませんが……」

 

「ま、そんなのは良いじゃ無い。それよりも、新太郎たちの初戦の相手はあのボーデヴィッヒなのよ?」

 

「まぁ、一応箒も居るが問題ないか」

 

近くに座る鈴は、新太郎とシャルに自分たちの仇を取って貰おうと盛り上がっている。

それに、一夏が言葉を繋げるが、意味はないなと捨てさる。

分かってたが、一夏って意外と口が悪いのな。

 

「まぁ、あのままのボーデヴィッヒなら、問題無いと思うよ。このトーナメントは、タッグマッチだからね」

 

色々とボーデヴィッヒと、因縁があるのか鋭い目つきそう語る倫太郎には、言葉には出来ないが、不気味なオーラを纏っていた。

 

「始まれば分かるだろ。なるようにしかならんさ」

 

そう言う鋼刃の言葉と共に、新太郎たちがフィールドに出てきた。

 

 

 

 

 

「ふん」

 

明らかに協力出来なさそうな雰囲気のボーデヴィッヒ達を尻目に、俺はシャルと通信しながら開始の作戦を話す。

 

『俺が、何とか耐えるから先に箒の方を頼む』

 

『任せて。でも、危なくなったら援護するよ』

 

『すまん。そっちも、余り無理するなよ』

 

『うん。分かってるよ』

 

正直、あの2人が協力するのはあり得ないから、早急に数的有利を作る。そう考えた俺たちは、実力のあるシャルが箒を落とし、その後に2人で協力してボーデヴィッヒを倒すと言ったシンプルなものだ。

けど、実際こう言う相手にはこれが一番効く。

 

「「行くぞ!」」

 

ボーデヴィッヒとのセリフが被ったが、それが試合開始の合図となった。

 

 

 

「素人風情が、私の相手とは舐められたものだな!」

 

「舐めてねぇよ!最良の判断だぜ!」

 

こちらをバカにしながら射撃してくるボーデヴィッヒの攻撃を、今日までに覚えた回避運動で、避ける。

攻撃だとか防御だとか戦略だとか。そんな難しい事は、正直やってこなかった。ただ、ひたすらに行ったのは回避1つ。

 

けど、1つのこと鍛えれば武器となる。

 

「よく避けたな。だが、これならどうだ!?」

 

「上等だぁ!!」

 

今度は、ワイヤーブレードが飛んでくるが、それをさっきの要領で避ける。だが、ワイヤーが生きているように曲がり、また俺を狙って飛ぶ。

それにも、落ち着いてさけ最初から出していたハンドガンを使って、射撃で撃ち落とす。

 

「ちょこまかと、だが、そんなことでは!」

 

「おいおい、俺1人に構ってて良いのか?」

 

「僕も居るよ!」

 

「なに?!」

 

俺ばかりに構っていたボーデヴィッヒの隙をついて、箒を落としたシャルが横からの射撃を撃ち込み、ボーデヴィッヒは、体勢を崩してしまう。

 

「サンキュー。助かったぜ」

 

「新太郎もよく耐えたね。それより、畳み掛けるよ!」

 

「ああ!」

 

2人で合流して、今度はボーデヴィッヒの事を攻める。

ボーデヴィッヒが如何に強くても、シャルの状況把握の前には鈴達の様にはいかない。

鈴達即席のコンビでさえ、いい線まで行けたのだ。ペアで戦うために特訓して来た俺たちなら、そう簡単には崩されはしない。

 

「くっ、ふざけるなぁ!」

 

「もらったぁぁ!!!」

 

「舐めるなぁ!」

 

「くっ!?」

 

「ふっ、捕えたぞ!」

 

態と突撃し、予想通りに俺のことを停止させてくるが、俺たちの狙いはまさにこの時だ。

 

「もう一度言うよ。僕を忘れないでね!」

 

「しまっ!?」

 

先程と同じように現れたシャルに、意識が削がれ、俺の拘束が解かれる。

その瞬間に俺は、銃撃を与えて離脱する。

そして、完全に隙を晒したボーデヴィッヒに向かって、シャルが取っておきを展開する。

 

「《灰色の鱗殻(グレー・スケール)》!」

 

「それは、盾殺し(シールド・ピアース)………!?」

 

確かそれは、単純な火力なら第二世代最強と言われた兵装。

それが、ガラ空きのボーデヴィッヒの腹にぶつかり撃ち込まれ、そのまま地面へと叩きつけられた。

 

 

 

 

「これは、いけない。貴女はまだまだ働いてくれないと困りますからね」

 

アリーナの上に黒のローブがたなびく。

そして、不気味に光る右手を下に落ちた少女へとかざし、嗤う。

 

「そう、死ぬまでね」

 

 

『Valkyrie.trace——STAND-BY』

 

そこに黒騎士が生まれた。

 




箒は、秋十とは違う方向に自惚れているため、結構弱いです。

べ、別に短くしたのを隠してる訳じゃないっすよ?
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