「し、新太郎。その姿は……?」
「悪いシャル。後で、ちゃんと話すから今は俺を信じて避難してくれないか?」
「………わかった。でも、ちゃんと教えてよ?」
「ああ、約束する」
俺の言葉を聴いてくれたシャルは、残り少ないエネルギーを使って、ハッチへと戻っていった。
しかし、フラグ臭いセリフなってしまったが、そんなのは関係ない。なんたって、今の俺は仮面ライダーなのだから。
「異形にはコイツだ」
『KAMEN RIDE HIBIKI』
『ATTACK RIDE ONGEKIBOU REKKA』
ATTACK RIDEから呼び出した烈火を握り、その先に集中し点火した炎をキマイラに向かって放つ。
落ち着いて、考えてみればあの雰囲気は、あの時の夜から戦ったキマイラに似ている。そう思ったら、近くにその鋼刃たちの敵が居るかもしれないが、コイツを放ってはおけなかった。
「€*→3:×→9=→〒:#〆!!!tgts」
そして、響鬼になったのが功を奏したのか、烈火から放たれた炎に苦しむように、あの時のキマイラのように叫ぶキマイラごとき。
それよりも、倫太郎から清めの音の事を鍛えて貰っていて助かった。
「まだまだいくぜ!」
攻撃の手を休めずに、火炎弾を飛ばす。
だが、向こうも何度も同じことを受けていくつもりは無いようで、その燃える身体のまま、こちらに攻撃を放って来た。
「くっ、流石に1人はキツいか……」
俺が、そんな弱音を吐いていたら、上からの攻撃が、キマイラに直撃する。
「これは……」
「ギリギリ間に合ったかな?」
「コイツは……」
「一気に片付けるぞ」
「お前ら……!」
「お前たちは、アイツの周りの泥とかを剥がしてくれ。そうしてくれたら最後は俺が決める」
「オッケー。なら、魔法使いよりもこっちの方が良いかもな」
そう言うと、允はドライバーに手をかざすとウィザードドライバーが、オーズドライバーに変わる。
「変身!」
『タカ!トラ!バッタ!タ・ト・バ・タトバ・タトバ!』
「よし!行くぞ!」
「相変わらず、軽快な音だな」
「それは、俺ら全体に言えなくね?」
そんな呑気な事を言い合いながらも、俺たちは再度構え直して、攻撃を再開する。
一夏は、すぐさまクロックアップでクナイガンで、攻撃をし始めて姿が見えなくなる。
「コンボは控えておくぜ。お前らにも被害が行きそうだしな」
「ラトラータは特にな」
そう話し合えて、俺たちはその場から散開して各々の持てる手段を使ってキマイラを攻撃する。
だが、俺や倫太郎の攻撃は聞いているがやはり物理攻撃には、強いようで允と一夏の攻撃は余り効いている様には見えない。
いや、允の事だから何か考えがあると思う。そう思っていたら、メダジャリバーを取り出した。
『スキャニングチャージ!』
「セイヤァ!!!」
大振りにふるわれた大剣が、一瞬空間も切り裂いたように錯覚し、ボーデヴィッヒを呑み込んでいた泥が一気に吹き飛ぶ。
「今だ!ディケイド!俺が道を作る!」
『ダイカイガン!オレ!オメガドライブ!』
「はあぁあ!!!!!」
倫太郎が、ゴーストドライバーのトリガーを引き、ダイカイガンを行う。本来なら、それはライダーキックになる筈が、倫太郎の組んだ印がボーデヴィッヒを照らす光のように輝く。
「すまん!」
『FINAL KAMEN RIDE ARMED HIBIKI』
「響鬼・装甲!」
その掛け声と共に、俺は呼び出した
そして、装甲声刃に声を掛けて清めの音を増幅させる。
「はあああぁぁあ!!!!!」
俺の声が出ると共に、装甲声刃にエネルギーが溜まって行き、最大まで溜まった事に、装甲声刃を天高くに構えると共に、俺のドライバーがライドカードを読み込む。
『FINAL ATTACK RIDE Hi Hi Hi HIBIKI!』
「はぁあ!鬼神覚声!」
清めの音を燃え盛る炎のエネルギーに変え、その刃に纏った装甲声刃をそのキマイラへと振り下ろす。
「届けえぇぇ!!!!」
そして、俺の全力がキマイラをボーデヴィッヒもろとも飲み込んだ。
「私は、間違っていたのか………?」
暗闇の中を、誰に言うでもなく
試験管ベビー。実験によって、人工的に産まれた存在である私は、最初軍の期待戦力として様々な訓練を受けて来た。
そうなると調整された為もあったが、私は確かな成績を残し、私と同じ試験管ベビー達で組んだ
「私は、何処をどうすれば良かったのだ……?」
だが、それもISの登場とその適正向上として行われた
超兵器としてその名を各地に轟かせたISの適正能力の向上として、私たち黒兎隊に施されたオペレーション。
それが『
越界の瞳は、ナノマシンによる伝達神経などの感覚を高めて、高い戦闘能力を獲得すると言う物だった。
だが、それは失敗に終わりその代償として私は、ISを上手く動かせないと言う致命的な代償を負ってしまった。
「教官なら、教官ならどうしていたのか……?」
そんな私を救ってくれたのは、世界最強として名高い織斑千冬教官だった。
教官の指導により、私は以前のいやそれ以上の能力を取り戻していった。
だから、私はあの人に憧れた。あの人の輝きに惹かれた。あの人のような絶大な力や強さを望んだ。
「それが、間違っていたのか?」
「ただ、何者をも寄せ付けない力。あの人の強さは、それだけじゃ無いぜ」
「お前は……」
そんな自問し続ける中、突然に声をかけられ振り向くと、そこには確か先ほどまで私と戦っていた素人の男だった。
その男は、こちらに呆れたような顔をしながらも、言葉を続けた。
「強さってのは、誰かを負かしたい。勝ちたいって、思うだけじゃ手に入らない。自分がこれだと貫ける信念みたいな何かが無いと、強くはなれない」
「あの人には、それがあるのか?」
「ああ、あるだろうな。あの人は、1人で2人の弟を育てて来た。まぁ、もしかしたら他の大人とかに助けられたかもしれないけど、あの人は弟2人を守り抜くって、気持ちがあったからこそ世界最強の称号を背負ってるのさ」
その名が、弟2人を守る盾だと信じてるからな。と語る、コイツを見て私は、やっと理解できた。
あの人が、あんな優しい顔を出来たのは、そこに対しての気持ちがあったから、なら、私はどうすれば。
「どうすればあの人のように成れる?」
「誰かになれる訳ないだろ?お前は、何か大切な人ってのは居ないのか?」
「大切な人………」
そう言われて考えれば、黒兎隊の隊員たちの顔が思い浮かぶ。
同じ境遇で、時々バカな事を言うが、彼女たちは確かに私にとって大切な者たちだ。
「いる。大切な隊員たちが」
「なら、そいつらの為に輝いてみろよ。そいつらが、どんなに辛く暗い時にでも、うちの隊長は最高だって思えるようにな」
「そんなので、良いのか?」
「そんなんで良いんだよ。人が強くなる理由なんて、意外と単純だろ?」
そう語るコイツの言葉が、何の抵抗も無しに胸の奥に入ってくる。
そして、私の心を表すように暗闇だった空間に光が差す。
「もし、それでも、悩むんだったら俺が手伝ってやるよ。さぁ、手を取りな!お前を此処から出してやる!」
差し伸ばされた手を掴んだ時、私を呑み込んで闇よりも明るく暖かい光が私を照らし出した。
「私……は……」
「先ずは、皆んなに謝るところだな」
そう笑う男に、私の胸に分からない感情が渦巻いたが、疲労からかそこで私は気を失ってしまった。
「ふぅ、終わったな」
「ああ、そうだな。けど、これからどうするか」
ボーデヴィッヒを無事に助けることが出来たが、俺の正体はバレてしまったので、どうしようも無いが逃げるのは何か違う気がする。
そう思っていたら、機動隊が出てきて俺たちを取り囲んだ。
「動くな!」
「これは、従うしかなさそうだ」
結局、選択肢は無かった。