IS.輝きを纏いて〜仮面のヒーロー〜   作:TENC

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R.35p

「かぁーっ!何時間問い詰めるんだよ!」

 

「時間にして、ざっと4、5時間だね」

 

「軽い拷問だぜ?しかも、ちゃんと答えてるってのに文句言いやがって………」

 

「疲れた……」

 

あのボーデヴィッヒのISの暴走の後、バレてしまった新太郎に巻き込まれる形で()たちは、織斑先生を筆頭にした学園のIS部隊の人たちに拘束され、事情聴取を行われた。

逃げようと思えば、新太郎のオーロラでその場から移動する事は出来たが、あそこまで各国の人たちが居る中、アレを使うのはリスクが大きい。

 

などと、並べるが実際は暴走ISモドキが、普通に強くて怠かったから、まともな思考は余り残っていなかった。

 

まぁ、変身を解いた一夏を見たときの織斑先生の顔は、結構面白いものだったな。

 

「それよりも、どうするかコレから」

 

「あくまで、俺たちの事は監査処分とは言え、余り良くは思われないだろうな」

 

「そうだね。さっき見てみたけど、かなり各国からの問い合わせがあったみたいだよ。人体実験しかり、刑罰処分しかり」

 

「五体満足とは言えないけど、こうやって呑気に話せるだけ、マシって事か」

 

新太郎の言葉に、納得してしまう。

人とは、よく分からないモノを排他しようとする生き物だから、仮面ライダーの力が、この世界の理解外のモノなら、排他しようと動くだろうな。それも、無能と見下して来た男が、変身するモノなら。

 

「ドライバーどうするか………」

 

「俺も、ゼクターの反応が無い」

 

「分解やらされて、壊さないで欲しいな」

 

「ああ、それなら、問題無いよ」

 

「「「は?」」」

 

事情聴取の際に、俺たちは自分たちが使っていたドライバーを押収された。拒否ったのだが、ヒスって煩かったので渋々オーズドライバーを渡した。

まぁ、何本かのドライバーは外す事が出来ないから、どうしようも無かったりするけど、オーズドライバーは一応外す事ができる。

 

そして、それに億劫になっていた俺たち3人に、倫太郎はこともなげにそう告げた。

 

「鋼刃が、念のためって言って俺たち以外には、崩すことも反応することも出来なくしたって、言ってたし」

 

「は?ちょ、ちょっと、待ってくれよ。何時だよ」

 

「クラス対抗戦のあの時に、やってたよ。態々時間止めてね」

 

「にしたって、どうやったんだよ………」

 

正直、鋼刃がやったと言うならそこまで不思議に思えないが、あの時の俺は、まだウィザードドライバーぐらいしか、見せていなかった筈だが………この事は、流すしか無さそうだ。

 

「じゃあ、一応良かったのか?」

 

「俺に質問しないでよ」

 

「唐突に、振り切るんじゃねぇよ」

 

ボケをするぐらいなんだから、多分大丈夫なんだろう。

それに、大丈夫じゃなくてもドライバーだけで変身は出来ないから、問題は大きく無いか。

 

「さてと、今日はもう解散しようか。またね」

 

「おう。それじゃあな」

 

そう言って、別れる倫太郎を見送ったあと、俺たちもそれぞれの部屋へと戻っていった。

 

 

 

 

 

 

「ここ………は?」

 

「目が覚めたか?」

 

「お前……は、確か………」

 

「夜束叉新太郎だ。取り敢えず、まだダルいだろうから、横になってろ」

 

「あ、ああ………」

 

目が覚めた(ラウラ)を迎えたのは、私を倒す為に力を示した男であり、闇に呑まれた私を救ってくれた男だった。

 

「今は……何時だ?」

 

「結構時間が経って、夕方の4時ごろだ」

 

「その……私はそんなに、眠っていたのか………」

 

「色々と張っていたモンが取れたんだろ。お前みたいな、タイプには良い薬だ。それに、新太郎で良いぜ」

 

そう語る男———新太郎は、こちらを見定めるでもなく聞き流すでもなく、私の言葉を聞きそれにしっかりと返すように眼を閉じていた。

 

「なら、私もラウラで良い」

 

「そうか。なら、ラウラ、気分はどうだ?」

 

「気分……分からない。正直、あの時の私が本当に間違っていて、今の私が正しいのか、色々と困惑していて、分からないんだ」

 

「そうか」

 

軽く頷いて、閉じていた眼を開けた新太郎は、今度はちゃんと私の眼を見て話し始めた。

 

「あのときの言葉を覚えているか?」

 

「ああ………」

 

覚えているとも、新太郎(コイツ)が私に抜け出す勇気を与えてくれたのだから。

だが、それでも私の中には答えは出ていない。

 

「じゃあ、聞くがお前は何者だ?」

 

「わ、私は……」

 

何者だ、と問われても私には分からない。新太郎のように人と人とが作り出した命じゃない、ツクリモノの命の私にはその問いに返す言葉は、無かった。

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒ!」

 

「っ!!?」

 

私が答えに悩んでいたら、突然に大きな声で名前を呼びかけられる。

私は、その声に驚き身体を跳ねさせる。

 

「ラウラ。お前が、何者で無いのなら都合が良い」

 

そう言うと、私に指を指し眼を真っ直ぐに突きつけて、新太郎は答えてくれた。

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒになれ」

 

「ラウラ……ボーデヴィッヒ…になれ……」

 

そう告げられた言葉が、私の胸の中にゆっくりと溶けていく。

 

「誰かが望んだラウラ・ボーデヴィッヒじゃ無い。織斑先生が、知ってるラウラ・ボーデヴィッヒじゃ無い。お前が思うお前にしか成れない、ラウラ・ボーデヴィッヒになれ。強くなるのは、それからだ」

 

「私が思う私にしか成れない……ラウラ・ボーデヴィッヒ(わたし)……」

 

教官じゃ無いのに、その言葉は確かに私に覚悟を決める言葉になった。

その後、新太郎はそれじゃあな、と言って病室から出て行ってしまった。その後の私の胸には、何かが抜けたように感じた。

 

「これは……」

 

何かは分からなかったから、私は初めて私の元部下の彼女に通信をして、頼った。

誰かを頼りにするのも、中々良いモノだな。

 

 

 

 

「意外と、優しいのねあなた」

 

「……なんだアンタ」

 

新太郎()の1日は終わらない。

 

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