IS.輝きを纏いて〜仮面のヒーロー〜   作:TENC

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夕方も過ぎ、そろそろ夜が訪れようとしている中、(新太郎)は医務室から出た時にあった女生徒に連れられて、屋上に来ていた。

 

「それで、アンタ誰だよ」

 

「あら、一応、学園では私生徒会長してるんだけど、知らないの?」

 

「そんなの一々覚えられる日常じゃなかったんだよ」

 

「まぁ、それもそうね」

 

持っていた扇子をパチンッと閉じると、会長さんは嫌に決まっているポーズで、自己紹介をして来た。

 

「私の名前は、更識楯無(さらしきたてなし)。ここ、IS学園の生徒会長で、ロシアの国家代表でもあるわ。よろしくね。噂の仮面ライダーくん?」

 

「胡散臭さ……ッ」

 

「ふふ、よく言われるわ。でも、初対面の女性に向かってそれは失礼なんじゃない?」

 

「そうっすか……」

 

態とらしい反応をしながらも、更識会長は閉じた扇子をパッと、開くとそこに達筆な字で書かれた“興味津々”の文字に、引きつつ俺は身構える。

それに、更識って、もしかして簪の姉か?

と言うか、さっきまであの扇子には“生徒の長”とが、書かれた筈だが?

 

「ねぇ、IS学園の生徒会長って、どうやって選ばれるかって、知ってる?」

 

「アンタの事を知らなかった俺が、そこまで知っていると思ってますか?普通に選挙とかじゃ無いんですか?」

 

「そうね。確かに選挙もあるわ。でも、それは選ばれる時の条件の1つよ」

 

その言葉の後、更識会長の纏う雰囲気が明らかに変わり、さっきまでの胡散臭さなんか消え去り、織斑先生に近いこちらを威嚇するような雰囲気を感じとる。

 

「学園内の生徒の中で、最も強い。つまり、学内最強の生徒って事も条件の1つなのよ」

 

「………それは、また凄いことで」

 

「それで、もう一つIS学園(ココ)だからこそ、特別な任務が生徒会長にはあるの」

 

パチンッと、また扇子が閉じられ再度開かれた時には、さっきまでの文字や内容とは違う。

“敵”の一文字だった。

バカな俺でも、その文字を見せて来た更識会長の真意は理解できる。

そう思った事を口に出すと、向こうも同時に口を開いた。

 

「「敵の排除」」

 

2人で同じ言葉を答えると、更識会長は満足したように扇子を閉じた。

どうやら、望むような返答をしたようだ。

 

「人って言うのはね。よく分からないモノやそれに類する事を、周りから排除しようとするの。今の貴方達みたいに」

 

「それでもね。貴方達は、この学園に入学し生徒として過ごして来た。そして、貴方達はココや生徒達を守ろうとした。だから、私たち、学園は貴方達を守る義務がある」

 

「まぁ、私自身は貴方達の事をよく知らなかったから、試すような事したのは悪かったわね」

 

そう笑う更識会長は、さっきまでの鋭い雰囲気でも、最初の胡散臭い雰囲気でもない普通な人の雰囲気へと、変わっていた。

 

「あ、シャルル・デュノア()()()の件だけど、心配しなくても良いわよ?」

 

「……なんのつもりだよ」

 

「あら、そんな怖い顔しないで、ふふ。それじゃあね。遅くなる前に帰るのよ」

 

じゃあねー、と、張り付いたような笑顔で笑い去っていった更識会長を見送った後で、俺は壁にもたれかかり、大きな大きなため息を吐く。

 

「今日は本当、厄日だろ」

 

 

 

 

 

 

「やっぱり、視線が辛いな」

 

「だいたいが、嫌悪だろうな。この感じ」

 

「だ、大丈夫?皆んな」

 

「暗い顔は、ダメだよ〜?」

 

「……そう簡単に直せなら、苦労はしてないさ」

 

次の日の朝。()達は、あの騒動のときに仮面ライダーである事がバレてしまい、様々な理由から入学当初よりも注目されていた。

ただ、好奇心でしか無かった当初の頃の方が、悪意や嫌悪がほとんどの今の状況より、幾らかマシだった。

 

「はぁ、これからどうなるんだろ」

 

「人体実験なんてのは、やだな」

 

「はぁ、憂鬱だ」

 

俺たち3人の暗い雰囲気に、押されて簪と本音の2人は苦い顔しか出せなかった。

そして、アホが絡んできたがガン無視をしていたら、いつの間にかSHRが始まっていた。

 

 

 

 

「そ、それでは、皆さんにその編入生?を紹介します」

 

疲れ果てた山田先生が、困惑しながらそう言うと扉が、開かれ見慣れた顔の女生徒が入って来た。

 

「シャルロット・デュノアです。見ての通り、女でしたが訳があり男装していました。また、仲良くしてもらえると嬉しいです」

 

「は、はい。シャルルくんは、シャルロットちゃんでしたー……」

 

覇気の無い山田先生は、この際無視するし、腐った思考を働かせてるクラスメイトも無視する。

しかし、女子として来たってことは、上手くいったのだろう。良かった。

 

そんな事を内心で考えていたら、また1人見知った顔が入って来た。

 

「す、すいません!遅れました」

 

「はぁ、あんな事があったから、今回は許す。席に着け」

 

「は、はい!教官!」

 

「ここでは、織斑先生だ」

 

ウンザリしながらも、優しく言う織斑先生に疑問に思いながら、ボーデヴィッヒもまた、雰囲気が変わったなと思う。

新太郎が、何か話してたのは分かってるけど、何かあったのだろうか。

 

「ああ、それから、夜束叉たちにはこれを返そう。それから、終わりに伝えることがある」

 

アタッシュケース共に告げられた言葉に俺たちは、嫌な予感を感じるのだった。

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