IS.輝きを纏いて〜仮面のヒーロー〜   作:TENC

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R.47p

「はぁ、はぁ、はぁ」

 

一夏の変身が解除されたのを確認した俺も、変身を解除するが、反動の影響で膝をつく。

 

「鋼刃!」

 

俺が倒れかけるのを見た唯香が、周りの目など無視して魔法を行使して、俺の事を支えつつ回復魔法をかけてくれる。

 

「後で、お説教だからね」

 

「ああ、悪い。一夏の所まで、頼めるか?」

 

「分かったわ」

 

唯香に肩を支えて貰えながら、一夏のところまで連れて行ってもらう。

その途中、こちらに降りて来た倫太郎たちと合流して、一夏と対面する。

 

「気分はどうだ……?」

 

「お前にやられた事以外は、まぁ、楽になったわ」

 

「そうか。先ずは、上手くいったな」

 

俺が、一夏と戦った理由は、今の一夏を侵食しているオーバーロードやワーム、オルフェノクと言った変質した因子を殺す為。

一度死に、2世の力によってファンガイアもどきとして、言わば転生した一夏を完全な人へと戻す事は出来ない。

だが、ファンガイアはあの2世が居るから、暴走の可能性は無いが、それ以外のは危険度が高過ぎる。だから、デッドエンドの特殊能力の“概念無視”を使って、ファンガイア以外の因子だけを全て、倒したのだ。

 

「ねぇ、鋼刃。多分、一夏は選ばれてるよ」

 

「………ああ、それか。俺も、分かってる」

 

「ふーん?なら、任せたよ」

 

おんなじ存在である倫太郎からの言葉に、俺は大丈夫だと返す。

そして、允や新太郎は何かに察しているのか、最初の時のように手を出そうとはしない。

 

「一夏。さっきも言ったが、今のお前は人じゃ無い。そこだけは分かるな?」

 

「……ああ、分かっちまったからな」

 

「だから、今から、お前は人になってもらう」

 

そう言って、俺は13枚のラウズカードの束とブレイバックルを取り出し見せる。

 

「お前には、これから死ぬ間際まで行ってもらう。だから、間違っても落ちるんじゃねぇぞ?」

 

「…………」

 

カードの束やバックルを見た一夏は、何かを考えているのかジッとその2つを見ると、確信したようにその2つを手に取る。

 

「相手は、俺がやるよ。良いね?」

 

「ああ、頼んだ」

 

「それじゃあ、俺たちは戻ろう。新太郎、外まで頼めるか?」

 

「屋上で良いか?」

 

「ああ」

 

倫太郎が、やる気を見せているので、後の事は2人に任せて、新太郎に帰る節を伝えると、やっと内容が掴めたようで、鈴が案の定突っかかってくる。

 

「ちょっと、待ってよ!?私にも分かるように説明してよ!一夏は、なんでそんな事をしなくちゃいけないのよ!?」

 

「落ち着け鈴。そんなんじゃ、分かるもんも分からねぇぞ」

 

「………ッ!」

 

取り敢えず、落ち着いた鈴に経緯を説明する。

 

「怪人の中に、人の怪人がいる。今から、それを馴染ませる為に戦うのさ」

 

「なんで、戦う必要があるのですか?」

 

「怪人ってのは、言わば生態兵器の一種だからな。戦うってのが、一番良いんだよ」

 

俺もそれで、今の身体を馴染ませて行ったからな。

 

「分かったわ。分からないけど、分かったわ」

 

「なんだか、お前一夏に似てんな」

 

そんな事を語りながら、俺らはとりあえず元の世界へ戻る。

 

 

 

 

「束。お前どうするつもりだ?」

 

「帰るよ。ここには要はないし、いっくんは任せられそうだからね」

 

「そうか」

 

そうか、篠ノ之博士は現在全世界指名手配されてるから、見つかれば大騒ぎになるのか。

それにしても、最初に見た時よりも雰囲気が変わったな。

これが、もしかして素なのか?そんな事を()が思っていたら、鋼刃のところに行くと、一つのアタッシュケースを渡した。

 

「はい。コレ」

 

「………なんだこれ?」

 

「君に役立つモノだと思うよ!それから、楽しみにしてるから。あ、ねぇ、君さっきのもやもやで上空一千メートルに飛ばせる?」

 

「まぁ、出来るが………」

 

「じゃあ、お願い!」

 

そう言うと、新太郎のオーロラカーテンを通って帰って?いった。

アタッシュケースを見ながら、鋼刃は、相当疲れたようで自分の部屋に繋げたクラックからそのまま崩れるように戻って行った。

 

「朝凪。お前たちの件だが」

 

「なんか、また抗議が来てるんすか?」

 

「いや、お前達に会いたいというものだが……」

 

「拒否で。そう言うのには、興味ないんで」

 

「分かった。伝えておこう」

 

まぁ、多分、そんな事を言ったら向こうは、切れたら何かするだろうけど、鋼刃が態々目立ってくれたお陰で、下手に手を出す事は無いだろう。

まぁ、出して来たら、全力で抵抗するだけだが。

 

「……允さん達は、辛く無いのですか?」

 

俺たちも帰ろうかと思ったところで、セシリアからそんな事を聞かれた。

辛いか。そう言えばそんな事考えたこと無かったな。

 

「俺には、親が居ないんだ。捨てられたとかじゃない。2人とも死んだ。それで、この力を持ってから、1人で生きていく事を目標にしてたから、別に辛いなんて事はなかったなぁ。まぁ、特訓は死にかけたけど」

 

「俺は、自分の行動に後悔はしないって決めてるから、そんなの思った事はない」

 

「そう、なの、ですの………」

 

白騎士事件の事なんて、もうどうだって良い。

倒すべき相手が居るのだから、そいつらを倒す為ならば、後悔なんてのは持ってない。

 

「それに、ライダーが後悔なんてしたら、ダメだろ」

 

「いや、みんなにそんな事言ったって、通じないだろが」

 

「ん?まぁ、それもそうか」

 

つまるところ、俺たちは自分の納得のいく生き方を目指してるだけに過ぎないのだから。

 

 




次回もまた、文字数が増えそう………
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