「うっわ、一組以外の連中も来てるよ」
「だろうな。話題性のある奴に飛びつかない現代人は殆ど居ないからな」
「尚更、嫌になって来た」
「どうにかしなきゃいけねぇとか、面倒だわ……」
代表決定戦の当日となった今日。
織斑先生とかが居る管制室で、
俺や新太郎は、普通に面倒なようにしているが、鋼刃や倫太郎はとても飽き飽きしたような感じで、何と言うか纏っているオーラが違う。
まぁ、オーラが違うと言えば、端に居る一夏の雰囲気も、いつもよりも違うように感じる。
あとは、ここには居ないオルコットと織斑秋十の2人だが、まぁ、どちらも自尊心の塊みたいな感じだし、この程度の事で慌てたりとか、呑まれたりとかは、しないだろ。
「試合の内容を説明する。形式は、数が多いが総当たりで行う。最初は、オルコットと織斑兄の試合だったのだが、織斑兄の専用機が遅れている。その為、お前たちが先に出てくれ」
成る程。ここは、原作の一夏通りって訳か。
けど、直ぐに決まる気はしないので、端にに居る一夏も呼び、こう言う時の一番の方法で決める。
「「「「「最初は、グー!じゃんけん、ポン!」」」」」
古より伝わる伝家の宝刀、じゃんけんで!
「クッソが、何で最初からやらなきゃいけないんだよ……」
言い出しっぺの法則とはよく言ったものだ。
まさか、俺の一人負けだとは。
「はぁ、勝てる気がしない。やるだけの事をやれるか?」
訓練機で今回の対戦に合わせて用意された確か、第二世代型のISだったか、打鉄を装着しながら独り言ちる。
基本装備しかない上に、向こうはイギリス代表候補生でしかも専用機持ちらしいから、万に1つも勝ち目を見出せないが、ちょっとはびっくりさせるぐらいは、頑張ってみよう。
「………勝敗ってどうなってたっけ?」
「上から、オルコット、倫太郎、織斑秋十、一夏、新太郎、允、
オルコット 5-0
倫太郎 4-1
織斑秋十 2-2
一夏 3-2
新太郎 0-4
允 1-4
鋼刃 0-5
うん。改めて見直しても相変わらず酷い戦績だ。
テキトーに流しすぎた感は否めないが、次の相手がオルコットってのが、尚更やる気が削がれる。
「唯華は見てないないの?今更だけど」
「ああ、用事でな」
「ふーん」
ここで、アイツが声援でもかけてくれたら、やる気も爆上がりなんだけどな。
朝っぱらから、こんな下らない事に付き合わされてるから、ただでさえ朝が苦手で、気分が上がらないのに追い打ちをかけるが如く、面倒である。
「あ、新太郎負けたねぇ」
「まぁ、相手は素人感がねぇからな」
「口だけじゃないから、尚更厄介だよ。そんな事より、君の番だよ鋼刃」
「ああ、やってくるさ」
ここで、もし勝った場合は倫太郎が成績的に並ぶ訳だがアイツなら、多分そうなれば手を抜くだろうし、結局はオルコットの優勝だな。
そう考えながら、出現の準備をしていたら、件の唯華から通話か掛かってきた。
『やっほー。どう?って、聞くまでも無いんだけどね』
「……なんだ、来てるのか?」
『今さっきね。まぁ、結果は概ね予想通りだけど』
「嫌いになったか?」
正直に言えば、唯華に胸を張って見せれるような結果では無い。だからと言って、今更覆る訳では無い。
そう、少し暗い気分で返すと、唯華はいつもの調子で言い返してきた。
『ううん。そんな、訳ないじゃん。私は、貴方を本当に愛してる。だから、貴方がどんな人かってのも分かってる。だけど、1つだけお願いを聞いて?』
「………なんだ」
『勝って』
唯華は、少し強い口調でそう短く伝えてきた。
「最後は、貴方ですか。さぁ、さっさと、してください。もう結果は見えてるでしょうが」
アリーナに出ると、オルコットが心底面倒そうにそう宣言して来た。まぁ、それもそうだろう。
ほとんどの試合を瞬殺。唯一善戦したと言えるのは、倫太郎と一夏ぐらい。それに、なんかこの2人と戦った後から、少しだけ雰囲気が違う。
まぁ、そんな事はどうでも良い。
そして、試合開始のランプが点灯し始める。
それと同時に俺は、手に持つブレードを構えて、オルコットに告げる。
「2つ。俺がこの場で、勝利を求める理由がある」
「……舐めていますの?」
「いや?1つは、惨敗中だから1つは勝っても良いだろうって事と」
もうそろそろで、試合が始まる。
全神経を集中させて、言葉を繋ぐ。
「惚れた女に勝って来いって、言われたらやるしかねぇだろ!!!!」
試合開始と同時に、スラスターを添加して加速する。
「くっ!ですが、その程度の速さ!」
「なら、これならどうだ!」
スラスターを偏差的に添加して、緩急をつけた機動を描く。
それを利用し、こちらに向けられた攻撃を避ける。
「なら、これは、どうですの!?」
こちらの動きに驚きはしたものの、落ち着いて次の手を使ってきた。出てきた、ビットの攻撃を避けながら、加速をやめない。
スラスターの異常報告を受けるがそんな事は知った事かと、もう片手に出した小銃で、迎撃しながら、オルコットの懐へと一気に接近する。
「ですが、ブルー・ティアーズはもう2つありましてよ!」
「ああ、忘れてねぇよ!」
全てのスラスターを瞬時に添加。一瞬だけの高速移動で、ミサイルを交わして、まずは手に持つブレードでオルコットのライフルを切り裂き、そのままの流れで、逆袈裟斬りをする。
《シールドエンプティー。勝者、皇鋼刃》