「「「「「かんぱーい!」」」」」
クラス決定戦のあった日の夜。
最後の試合で、気絶した一夏が目覚めるのを待ってから、新太郎の部屋で軽く打ち上げをしていた。
集まったメンバーは、
なんか、最後の織斑兄弟の試合は、荒れた感じがするけど、本人としても深く掘り下げない方が良いだろうし、触らぬ神に祟りなしだからな。
「にしても、一夏をよく連れて来れたな」
「本音ちゃんが、居てくれて助かったよ」
「えっへん!褒めて、褒めて〜」
「わぁ〜、えらいえらい」
「えへへ〜」
正直に言えば、一夏は来ないと思ったがやっぱり昔馴染みからの誘いは、効果的なんだな。
そんな事を、唯香さんと本音ちゃんの絡みを見ながら思っていた。
「まぁ、これで、決定戦も終わった訳だけど、クラス代表ってどうなるんだ?」
「まぁ、普通に考えたら倫太郎かオルコットのどっちかだろうけど……-」
「俺は、辞退するよ。てか、立候補も他薦もしてないからね」
だよな。織斑先生は、何が目的なのかは知らないけど、俺たち5人は巻き込まれた側だから、本来のメンバーから考えるにオルコットで決定なのは、確実だろう。
「それよか、一夏は大丈夫なのか?体調」
「あぁ、少し怠いが、問題ない」
「ま、問題ないなら、なんでもいいさ」
今まで通りの暗い口調だけど、前よりもしっかりと反応してくれるのは嬉しい。
そう思っていたら、簪が端の方で遠慮しているのが見えた。
「簪もそんな所に居ないで、こっち来いよ」
「い、いや、大丈夫だよ。それに、私4組だし。試合も見てないから……」
「そんな事、関係ねぇって」
一週間ほどしか話しては居ないが、簪はかなり遠慮気味な性格なのだろう。
一夏が、簪と知り合いだってのは、この打ち上げを開こうとした時に、本音ちゃんから聞いた事だから、どうせなら人となりを知っている人が多い方が、一夏としてもやりやすいだろうと思って、この場に呼んだのだが、やっぱり、こう言う引っ込み思案な性格は、難しいかったか。
そう思っていたら、珍しく一夏が口を先に開いた。
「……俺は、簪が居てくれたら落ち着くし嬉しい」
「え?えぇ!?」
「ヘェ〜?ま、私も3組だからね。そう言うのは気にしなくて良いのよ。ほら、こっちおいで」
「ま、待って……っ!」
「またな〜い」
慌てる簪を他所に、唯香さんが簪を俺たちの輪の中に入れる。
ちょっとぎこちなさあるが、少しは馴染めたようだ。
そうこうしていたら、ドアがノックされた。
「……俺が、出てくる」
「あ、じゃあ、頼んだわ一夏」
一夏がそれに反応して、応対に出ると予想外の声が聞こえてきた。
「お前は………」
「お、織斑一夏!?」
なぜ、このタイミングでオルコットの奴が来てるんだ?
さっきまでの賑やかな感じとは打って変わって、ちょっとどころじゃない気まずさが、辺りに充満していた。
「それで、今日は何の用だ?」
「文句なら、後にしてくれよー」
「……そんなつもりじゃ、ありませんわ」
「じゃあ、なんだって訪ねて来たんだよ?」
そう聞き返す鋼刃に対して、オルコットは真剣な目つきで身の丈を語り始めた。
「わたくしの、わたくしの父親は、母やその周りの人にとても媚びへつらうような人でしたわ。それを、何度も見てこのようなつまらない人にはなりたくないと思い、わたくしは国の代表候補生の試験を受けましたわ」
「んで、合格した訳か。ここにいる訳だしな」
「ええ、ですが、それ以降父をより一層みっともなく感じる様になりました。そんな時でしたわ。両親が、列車の脱線事故にあって亡くなりましたわ」
これまた、重たい話だ。
こう言うゆうのに慣れてるのか、鋼刃や倫太郎は涼しい顔して聞いてるが、俺はちょっと重く感じてしまう。
「そこで、謎でしたのが何故母は、父と最後まで離れなかったのか。それが、今まで謎でしたわ」
「それが、分かったのか?」
「いいえ、正確には分かっていませんわ。ですが、わたくしなりに見出せたのは、貴方がたと戦ったからですわ。特に、皇さんと三枝さんと織斑さんのお三方には」
なるほど、大体の話しが見えてきた。
だとしたら、俺もオルコットには謝らなくちゃいけないかもしれない。
「必ずしも、表だけではない。それを気付かせてくれたのは、あなた方のおかげですわ。ですから、今までの非礼を詫びる為伺ったまでですわ。すいませんでした」
そう頭を下げるオルコットに、俺や允は困惑して顔を見合わせる中に、一夏立ち上がり簡易キッチンの方へ向かっていった。
「新太郎。借りても良いか」
「あ、ああ、構わないぞ」
一夏の目的が、分からないままだったが、何かを作る気なのは、向かったのだから分かる。
そう思っていたら、簪がオルコットの方まで近づき頭を上げたオルコットの頬をビンタした。
「……貴女が、どんな人生を送って来て、一夏たちにどんな言葉を浴びせたのかは知らない。だけど、男だからとかで誰かの人生を笑わないで」
「………ホントに、すいませんでしたわ」
涙を目に溜めた簪との言葉は、口調以外にも重く感じさせるものがあった。
そこで、麻婆豆腐が乗った皿を持った一夏が戻ってきた。それを、オルコットの前のテーブルに置くと、元いた位置に戻って、口を開いた。
「食え」
「え?」
「俺は気にしてない。だから、食え。食って、また明日笑える様になれ」
その言葉に、俺たち4人は軽く笑い出す。
唯香さん以外の女子たちは、キョトンとしているが、これが笑えるずにいられるか。
「何時も仏頂面なのに、笑えって。ブーメランだぜ、一夏」
「……俺は、良いんだ」
「はいはい。オルコットも食えよ。それ。そんで、打ち上げに参加しろ」
「い、良いのですの?」
「当たり前だろ?じゃなきゃ、こんな事いわねぇよ」
そんな允の言葉の後、麻婆を食べたオルコットは辛さに少し涙目になっていたが、さっきまでの辛気臭い顔なんかよりも良い顔をしていた。
料理は全てを繋げる
あと、今が気づいたけど箒がほとんど出ていない。
まぁ、今後出てくる予定なので、気にしてないですけど!頑張ります。