これでプロローグは終わりだべ。
またRTAにもどるでよ!
天の御遣いこと吾妻慶次郎がボクたちのところにきた翌日の昼前。
ーー彼はボクたちの前で土下座をしていた。
どうしてこうなったっけ。
困惑する自分を落ち着かせるため、過去を振り替える。
◆◆◆
いつものように起床、着替えて食堂に。
ーーここまではいつも通り。
月たちと合流してのんびりご飯。
今日処理する案件なんだっけ?と思いながら食べてると、彼がやってくる。
「おはよう、月、詠、華雄」
そういったあと、月の隣があいてたからか、そこに彼が座る。
あ、月もあのあと真名預けたのよね。
華雄は真名ないからあずけてないけど。
……なんで真名を自分で考えないのかしら……?
いや、真名を自分で考えるって前例がまずないわね。
育ての親か、保護してる人がつけるはず。
なら何故華雄に真名がないの?
……ああもう、なんかモヤモヤしてきた。
「ーーって訳で故郷じゃ料理も嗜んでてな」
ちょっと思考が横道に逸れてる間に、彼が何かを話してた。
ぐっ、聞きそびれた部分すごく気になるけど、ここで聞き直すと聞いてないことばれる……!
というか、一瞬横道に逸れただけ(のはず)なのに結構時間経過してた……!?
そんなボクの葛藤を他所に、会話が続いてる。
「月たちが目を丸くするような料理を作って見せるさ。……まあ、こっちの食材と故郷の食材じゃ、勝手が違うだろうし、ある程度慣れたらになるだろうけど」
少し苦笑いしながらそういうと、月たちがそれぞれを見せる。
「天の国の料理……楽しみです♪」
「驚くような料理、期待してるぞ?」
「ま、期待しててあげる」
どう言えばいいかパッと思い付かなかったので反射的に口を開くとかなり上から目線な言葉。
料理作れるけど、味は中の下くらいだから、人のこと言えないのに、と少し自己嫌悪。
「美少女三人に期待されちゃあ、頑張るしかないな」
からからと彼はそういうと、手を合わせて「ごちそうさまでした」といった。
「? なにその言葉」
「そういえば、食べる前に『いただきます』とかもいってたな。」
「どういう意味なんですか?」
ボクの言葉に続いて華雄と月が疑問を投げ掛けた。
「……あぁ、最近の若いのや爺と同じで面倒くさがってただけかとおもったが、文化違ったな」
一人で納得するように呟いて。
「食事の挨拶……いや、儀式みたいなもんだ。飯になった米や肉、野菜や魚の命をもらって俺たちは生きてるからな。『食材となった動植物の命をいただく』って意味を込めて『いただきます』、それらを食べて自分の血肉に、いきる糧にしたことに感謝忘れないために『ごちそうさま』って言ってるのさ」
「なるほど……」
「命をいただく……か」
「天の国では、食材への感謝の心を忘れないためにいってるんですね」
ちょうど月も食べ終わったのか、箸をおいて手を合わせる。
「ごちそうさまでした」
そっと目を閉じて、どこか祈りを捧げるような仕草でそういうと、ゆっくりと目を開いて笑顔を見せた。
「素敵な習慣ですね。私も真似します」
「なら私もだ」
そういって華雄もごちそうさまと手を合わせてそういう。
「……うん、悪くない」
どこか満足げに華雄はこぼす。
「とりあえず、街を見て回ったり、気になることあったら聞きに来るからよろしく」
そういって彼は盆をもって返却しに行った。
「……詠ちゃん、今日、確認しないといけない書簡たくさんあるって言ってなかったっけ?」
「……ハッ!?」
華雄が「さて、今日も鍛練鍛練」といいながら去っていく傍ら、月にそういわれて今日の仕事を思い出す。
そして少しはしたないけど、あわててご飯を食べる。
食べ終えたらしっかりと「ごちそうさま」を忘れずに言って、慌ててお盆をボクは返しに行った……。
途中で華雄を突き飛ばした気がするけどたぶん気のせい。
◆◆◆
あれから一刻(二時間)ほどあと。
月と一緒に書簡の山と格闘していると、扉をたたく音がする。
「……誰?」
なかなか減らない書簡の山に辟易しながら問いかけると、
「オレだ、慶次郎だ」
と返ってくる。
「えと……入っていいですよ」
律儀に部屋に入っていいのか聞いてきた彼に少し驚きつつも月は許可を出した。
「失礼する」
そういいながら彼は入ってきて、ボクたちの机の向かいに立つと――
「必ず金は払う、二つほど武器を買ってほしい」
そういって土下座をしてきた。
「武器?」
「えっと……身を護るため、ってことですよね。それなら構いませんよ? どんなものを?」
「市場で売っていた武器なんだが値段は……」
すさまじく躊躇った声で値段を口にして……。
「ハァ!? そんな高いの買えるわけないでしょ!? 1本でちょっとした屋敷たつし、それが2個!? そんなのアンタに持たせても意味ないわよ! ――頭痛くなってきた」
ボクは書類のことも相まってか、頭が痛くなる。
◆◆◆
回想という名の現実逃避をしていると、
「さっきの詠といい、今日の私は突き飛ばされてばかりだな……」
ボクが頭を抱えていると、トコトコと華雄がそういいながら部屋に入ってきた。
「して、なにを急いですっ飛んできたんだ?」
そう問いかけた華雄に慶次郎が理由を語る。
――なんか華雄に期待してる目を向けてるけど、たぶん……。
「今回は詠に同意だな」
「!!??」
「……えと、詠ちゃん。慶次郎さん、この世の終わりみたいな顔してるけど、どうしたらいいのかな……?」
華雄の言葉に目を見開いて顎が外れてそうなまでに口を開いている慶次郎に、オロオロしだした月。
「……なら、なら実力を見せればよいのだろう?」
少しすると立ち直ったのか、慶次郎がそういうと、華雄が眉を少し上げて怪訝そうに問いかけた。
「……一般人にしては鍛えてあると思うが……その武器がふさわしいか疑問だな」
「口では何とでもいえる。――練兵場で手合わせしてくれればわかる」
後半、急に何度か見かけた「武人」の気配と同じ気配を漂わせ、獰猛な笑みで華雄にそう告げる慶次郎。
思わず息をのんだけど、いつの間にかその気配は消えていた。
◆◆◆
月もついていったし、ボクも仕事をやる気分になれなかったから練兵場に行ったが――。
そこで起きていた光景がボクには信じられなかった。
「どうしたどうした。この程度か?」
不敵な笑みで偃月刀を持ち、華雄に来いと煽ってく慶次郎と膝をつく華雄。
「月、どういう状況?」
困惑が隠せなくて思わず月に聞くと
「これで2回目……慶次郎さん、とっても強い……」
とだけ返ってくる。
「ぐうっ! このまま負けるつもりはない!!」
カッと目を見開いて大斧を振り回す華雄。
それに対して上手くいなし、あるいは兵士が使うような偃月刀で受け止め、躱していく。
「腕力だけは見事だが――速さが足りんな。」
そういうと、慶次郎は華雄以上の速さで攻撃を繰り出す。
「ぐっ!! 速いうえに重い!!!」
叩きつけを大斧で受け止めるが、その重さを示すように華雄の足元に亀裂が生まれる。
しかも緩急を交えてくるので、華雄は苦しそうに往なすが――
「――甘い」
そういって彼は偃月刀を渦みたいに回すとどういうからくりか、華雄の手から大斧を掬い上げて吹き飛ばし、そのまま首筋に偃月刀を突きつける。
「……参った!!」
悔しそうにそういう華雄。
これだけの実力があるなら、買ってあげてもいいかな。
そう思った瞬間、隣で月があれ?と首をかしげる。
「たしか、慶次郎さんが言っていた欲しい武器って、手甲と、弓でしたよね……?」
……なんで偃月刀じゃなくて手甲と弓を欲しがったの????
「あー……実はな、素手でも弓でも戦えるんだが、一番が偃月刀なんだ。……ただ、店に行ったとき『これだ』って思える獲物が偃月刀にはなくて、弓と手甲にあって……」
凄くばつが悪そうにそういう彼に対して、ボクは告げる。
「なら偃月刀は買ってあげる。将来的には武将として活躍してもらうけど。で、弓と手甲は、実力見せてからね」
「!! オッケーオッケー、なら見せてやるよ」
彼はそう言って、貸し武器が置いてあるほうに歩いて行った……。
◆◆◆
結論だけ言うと、「規格外」
そうとしか言いようのない凄腕だった。
素手でも華雄相手に汗一つかかずに戦い、勝ち、弓に至っては一度に3本の弓をつがえて空に放つと、3匹の鳥を落とすわ、街のほうに何をトチったか数本矢を放つと、ちょうどその時数里離れていたところで起きていた
――千里眼を持ってるのか、それとも「気」で感じ取ったのか……。
どちらにせよ規格外といわざるを得ない。
ただ、本人曰く「この弓だとこの程度か」と零していたので規格外なのは間違いないだろう。
彼と敵対しないことを心に決めつつ、ボクは彼の希望する手甲と弓のお金を用意し、その店に向かうのだった……。
感想とか評価、気が向いたらよろしくな!
裏面についてだけど……(締め切り11月20日まで)
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遅くなっていいから表となるべく交互に
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表終わったらで良い
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うるせぇ!とにかく書け!
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R-18の方書けばいいのよ?
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ランナーの御心のままに