Roseliaと雇われサポート   作:ニックネームは忍者

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読んでいる方々ありがとうございます。

少し筆記速度が落ちていますが頑張ります。






第九章 突然の誘い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ただいま…」

「! どうしたあこ?」

 

帰ってきた暗いあこに巴は心配する。

 

「……あこっておねーちゃんの負担なの?」

「…何があった? ほらおいで」

 

心配な姉は妹を優しく抱き締める。

 

「おねーちゃんは…あこはおねーちゃんの真似したり、おねーちゃんのことカッコイイって思うのは嫌……?」

「――――――バカだなあこ……アタシはあこのことを一度もそんな風に思ったことないさ」

 

巴はあこの頭を優しく撫でて、あこを慰める。

 

「ほんとだ……」

「え?」

 

「本当におねーちゃんの言葉、蒼さんの言う通り……」

「え!? ほんとあこ? ……なんか凄いな」

 

蒼の言う通りの事に巴は驚く。

 

「お姉ちゃん、蒼さんとは何処で知り合ったの? ライブでのバイト?」

「ん? あこには言ってなかったけ? ライブの手伝いもそうだけどあたしは太鼓の事で知り合ったな」

「太鼓……地元の祭りの?」

 

少し前、商店街のイベントで巴は太鼓の披露があったのだ。

 

「そう! あの時蒼さんと会って、知り合ったな! 他の皆もライブ前に会っていてな!」

「そうなんだ……」

 

響鬼蒼の事を知ったあこだった。

 

「そしてなにより…………バンドの事で少しな……」

「? お姉ちゃん?」

 

巴は少し前の記憶を思い出した。その顔は苦顔していた。

 

「なんでもないよ! アタシ達が高めになれるのは蒼さんのおかげってこと!」

「なんかよくわからないけど……蒼さんは凄いんだね!」

 

巴は笑顔を出してあこを安心させた。あこも元気へとなっていった。

 

 

 

 

 

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「はーまた100点か……つまんないのー」

 

次の日、氷川日菜はテストで満点を取っていた。

 

「もう、日菜ってばみんな100点の方が楽しいんだからね?」

 

同じクラスからは羨ましがられる。

 

「(ヒナ…紗夜と何かあったのかな…)」

「ねえねえリサ! これ見たよーっ! 『新星ガールズバンドRoselia』!!」

 

リサは日菜の事を考えているとクラスの人がとある雑誌のページをリサに見せた。

 

「えっ何この記事!?」

 

この前のライブ写真が綺麗に載っていた。

 

「本人が知らないってどーゆーこと? 他のクラスでも超騒がれてるよ」

「湊さんってこんな有名人だったんだね」

 

友希那は学校では一人でいることが多い。幼い頃は三人で遊んで、今は女子校だからリサしかいない。

 

「まー友希那はね~……ん? ってゆーかアタシも載ってるの!?」

 

リサは雑誌を見る。

 

「うわーこの写真全然盛れてないしっ……下がるなぁ…」

 

リサはへこんでいた。

 

「いやいや写り以前にリサはもっと気にした方がいいことあると思うんだけど……」

「ん?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「友希那さんも紗夜さんも連絡したのに来ないなぁ! 祝! Roselia雑誌掲載記念お茶会! なのになー!」

「蒼さんも……来ませんでしたね…」

 

 

放課後、ファミレスでお茶会をしていた。

 

「あこってメンタル強いよね~」

「え?」

「そこが…あこちゃんの……いいとこ……」

 

昨日の事が嘘みたいだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「? だってRoseliaの記念だよ?」

「ふ……二人とも…『そんな暇ない』って……」

「蒼さんも『女子同士のほうが話せるよ』って、断っちゃったし」

「ま、友希那も紗夜も練習第一だからね~蒼も気をつかわせたんだよ~……あ! そういえばさ二人とも雑誌を見て……どー思った…?」

 

リサは雑誌の事を聞いた。

 

「あ、えっと……えーっと―――あ! 友希那さんのこと『孤高の歌姫』って超カッコイイって思った!」

「あ、あれは……カッコよかったね…」

 

あこと燐子はぎこちなく答えた。気遣ってるつもりだがリサは笑顔を作る。

 

「ちょ…………ねぇもう、なんかそうやって誤魔化されると余計凹むからさぁ? ……はっきりいっていいよっ二人とも!」

「「うっ」」

 

二人は見つめ、頷いた。

 

「じゃあ……言うけど……リサ姉だけギャルっぽくて浮いてる!!」

「ううっ!」

 

まるで逆転する裁判のようなシチュエーションになった。

 

「やっぱり……友達が言ってた通りかぁ…」

 

メンバーからはっきり言われると凹むリサ。

 

「で、でもでもっ! ほらっ! 紗夜さんも演奏はあんなガチなのに服はちょっと地味だしっ! 何て言うかリサ姉だけじゃなくて……」

「……統一…感……?」

「「それだ!」」

 

統一の言葉に二人は言う。

 

「さっすが燐子~それだよっ! Roseliaに足りないのわ~……でも考えてみると燐子と友希那って結構服の趣味似てない?」

「あっそれならあこも一緒だよ!」

「あ、あこのはちょっとほら……」

 

あこの服は珍しい服装で少し違った。

 

「だってあこの服、りんりんに作って貰ったんだもんっ。りんりん自分で服も作れるんだよ?」

 

普通に言うがそれはかなり凄い事である。

 

「えっ! それって結構……ていうか超すごくない!? これ全然手作りってわかんないじゃん!」

「わたし……いつも家にいて、時間があったこら…」

「あっ! あこひらめいちゃったかも!」

 

あこはピカッと閃いた。

 

 

「Roseliaでバンド衣装作るってどうかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「Cスタジオ空きました」

「お疲れ友希那ちゃん最近特に頑張ってるねRoseliaどう?」

 

友希那は一人で練習をしていた。時間が迫り、友希那は受付でまりなと会話していた。

 

「まだまだ理想のレベルには程遠いです」

「またまたぁ~友希那ちゃんは理想が高いからな!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ…あのっ!」

 

会話をしているとを女性が友希那に話し掛けた。

 

「すみませんちょっとよろしいでしょうか……友希那さん、少しお時間をいただきたいんですが…」

「失礼ですが…どなたでしょうか?」

「私はこういう者です」

 

とあるレコード会社の名刺。友希那はわかった。

 

「率直に伝えますが友希那さん……うちの事務所に所属しませんか?」

「……いえ事務所には興味がありません。私は自分の音楽で認められたいだけですから」

 

何度か同じ言葉を言われたが友希那は同じ言葉を言う……

 

「待ってください! あなたは本物だ! 私……いえ、私達ならあなたの夢をかなえられる!」

「…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

そう……

 

 

 

 

 

 

 

「一緒にFUTURE WORLD FES.に出ましょう!」

「!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………この日までは…

 

 

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「覚えてないかも知れませんが、あなたの2回目のライブの時に断られてるんです」

「……」

「バンドにこだわっていることもしっています。だからあなたの為のメンバーも用意しました」

 

友希那は立ち去ろうとするがFUTURE WORLD FES.の言葉に話を聞いていた。

 

「友希那ちゃん……これってつまりメジャーデビュー…」

 

確かにそれはデビュー……それを聞いているまりなも驚いていた。

 

「コンテストなんて出る必要ない本番のフェスに出場できるんです! ステージだってメインステージです!」

「……私(お父さんの夢だったフェスにバンドで出られる…なのに、なんで……わたし…)」

 

事務所に入れば確実にフェスに出られる……だが友希那はすぐに返事が出ない。

 

「……友希那さん? すみません、何か気に障るようなことを言いましたか?」

「いえ…そうではなくて……」

 

はっとして、友希那は言う。

 

「少し……待って欲しい(私…何を言っているの? フェスに出られるこれ以上ないチャンスを…!)」

「わかりました。友希那さんの中で答えが出る時までいくらでも待ちましょう」

 

「……わかったわ(なぜ引き受けなかったの…? 待たせてどうするの…)」

 

前の自分なら即受ける話だったが今は断っていた。女性も友希那の言葉を尊重したのか今日は下がっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ? 友希那じゃんっ!」

「リサ…」

 

帰り道、自宅の前でばったり会う二人。

 

「おかえりっ今日のお茶会楽しかったよ!」

「あこも燐子も行ったそうね。あなたたち今日の練習しないつもりなの?」

「みんな家でやってるってさ! アタシもこれから! それより友希那っアタシ達から一個提案があるの!」

「なに……?」

「Roseliaの衣装作っていい?」

 

二人は話し合う為、近くの公園のブランコで話す。

 

「でね、燐子が衣装作れるって話になってRoseliaの世界観っていうか演奏を伝えるためにもいいと思うんだよね。蒼からも許可を貰うからね!」

「そう……好きにしたらいいわ」

「ありがとー! 早速みんなにメールしよーっと! ……ん?」

 

リサは友希那の様子がおかしい事に気づく。

 

「友希那…顔色悪くない?」

「……え? ……別にいつもと変わらないわよ」

「……そっか。一瞬…なんな迷っている風に見えたっていうか…いや、気のせいかごめんごめん!」

「たとえ何があろうと私は今まで通り自分の音楽を信じて進むだけよ(私にとっての音楽……それはRoseliaだけじゃない。Roseliaはフェス出場の手段だったはずよ)」

 

友希那の目的は変わらない。

 

「迷うことなんて何もないわ。何をしてでもFUTURE WORLD FES. に出る……それしか考えてないなら」

「?……ん、わかった! でも友希那……本当にヤバい時はちゃんとアタシや蒼に話してね?」

「……っ」

 

無慈悲な笑顔は今の友希那には眩しく感じた。リサは話を続ける。

 

 

「アタシ……最近の友希那を見てるとよく思い出すんだよね。小さい頃のと……蒼と友希那のお父さんと一緒にさ、色んな曲を演ったよね。友希那はあの頃から歌が上手くて、アタシは弾けるようになるまでめちゃくちゃ時間がかかって…でもいつも楽しかったな……」

 

「……昔の話はやめて。もう行くわ…やることがあるから」

「友希那……」

 

昔話の事になったら友希那はブランコから立ち上がり、リサから離れていく。リサは止めることをしないが友希那は立ち止まる。

 

「ねぇリサ……」

「何?」

「………………蒼が帰ってきてから楽器を弾いてる所、見たことある?」

 

振り替えるその顔は暗い顔だった。

 

「アタシは見てないな……紗夜には見せたんじゃない、あの弾き方は…」

「そう……」

 

友希那は前を向いて歩いていく。公園にはリサだけが残された。

 

「……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………今でも引きずっているのかな、蒼…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………」

 

紗夜もは自室で練習をしていた。

 

「……ッ!」

 

何度やっているが簡単な所でミスをしていた。

 

 

「(…どうしてかしら? ずっとやってるのにこのフレーズ…少しも精度が上がらない……それに……)」

 

紗夜はあの日の事を思い出す。

 

 

 

 

「(日菜のこと、蒼さん……)とにかく集中して……まだ―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………?」

 

日菜は廊下を歩いていると何かが倒れる音がした。その方向は紗夜の部屋だった。

 

「……おねーちゃん!?」

「ドア閉めて……」

 

日菜は側に寄って紗夜を起こす。

 

「勝手に入ってこないでって言ってるでしょ…」

「でも、おねーちゃん顔色悪いよ…少し休んだほうが―――「私にはギターしかないの……っ放っておいて!」―――っ」

 

日菜は部屋から出ていった。

 

「(コンテストまでに必ず…最高のレベルに……)?」

 

紗夜の携帯から連絡の音が鳴っていた。

 

「……今井さんからメール? なに?」

 

内容は『高貴なる闇の騎士団』の名に衣装の画像だった。

 

「(宇田川さんの発案ね? 確かに衣装は必要だけど…余計なイメージをつけないでって返信しないと―――まったく、時間を無駄にしてしまったじゃない)」

 

紗夜は深呼吸する。

 

「(そうよ、Roseliaを必ず最高のバンドにしないと……蒼さんに教えてもらった……絶対に―――ギターだけは日菜に負けない!)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ただいま」

 

友希那は家に入る。フロアには父と母がいた。

 

「友希那……あまり遅くまで出歩くのは危ないから気をつけなさい」

「友希那、夕御飯は……」

「要らない」

 

それだけ言うと友希那は部屋へと向かう。

 

「…………」

 

母は父を見るが何も言わない。父の瞳は以前の輝きがなかった。

 

 

 

 

 

「(私が毎晩なんで遅いか知っているのに絶対に『理由』には触れてこない……)」

 

友希那は棚に置いてあるお父さんが載ってある雑誌を手に取る。

 

「(私は絶対この頃のお父さんを越えてみせる。そして……お父さんに、また笑って欲しい……だから迷っている場合じゃない)」

 

友希那は雑誌を置く。

 

「私は間違っていない……そうだよね、蒼――――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

『友希那! おんがくって、楽しいね!』

 

「…………」

 

帰ってきた幼馴染み……だけどあの頃のように笑ってはいなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

ピロリンッ!

 

 

 

 

 

「(あ……あこちゃん…)」

 

燐子のパソコンからメッセージが届く。

 

『紗夜さんからメッセージが来て、もっとスタイリッシュな方がRoseliaに合うって!』

 

「(スタイリッシュ……確かにちょっとあこちゃんの趣味に寄せすぎたかも…)」

『わかった、もう少しデザイン考えてみるね』

 

 

あこに返信し、ふと気づく。

 

 

「(あこちゃん以外の人からこんな風に頼まれごとをするのって初めて………変えてくれた蒼さんの為にしっかり頑張らないと)」

 

自分を変えてくれた友達の為に燐子は気合いを入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『Roseliaの皆でで衣装着たらもうすっごーくカッコよくなるの間違いなしだよっ! りんりんよろしくねっ!』

 

あこがパソコンに集中していると巴が後ろから覗き込む。

 

「なんだあこ、Roseliaって衣装作るのか?」

「まぁね! みんなで自分たちの音楽を表現するんだよっ」

「バンドってそういうところがいいんだよな! 一つになっていく感じっていうか!」

「うんっそうなの! あこ、初めはおねーちゃんみたいになりたいから入ったけど今はRoseliaが自分の居場所って感じなんだ!」

 

あこはとても笑顔だった。

 

「……そっか! よかったな~」

 

巴は頭を撫でた。

 

「あ、でも肝心の友希那さんからまだ返事が来てないやぁ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……おーい友希那ぁー!」

 

 

 

………………

 

 

リサの家と友希那の家は向かい合っている。二人はベランダから会話が出来るのだ。

 

 

「って反応するわけないかぁ…」

 

 

幼い頃から中学までは二人はベランダ越しに会話をしていた…………

 

 

「…………」

 

……あの頃の友希那はとても笑顔だった。

 

「(ねぇ友希那……カーテンの向こうで本当は何か悩んでるんじゃないの……?)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プルル……

 

「…………はい、もしもし……えぇ…そうですが」

 

 

 

友希那の方にも事態は進んでいた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………」

 

蒼はフロアの椅子に座って、携帯から録画した音を聴いていた。曲が終わり、停止する。

 

「いい感じだな……フェスに向けてこのままだな」

 

Roseliaの雇われサポートをやっている蒼は友希那達の目標の為、このまま進めるよう考えていた。

 

「あこのドラムはやんちゃだが少し抑えればいい……燐は少し後ろに出ていたが最近は前に出ていて問題なし……リサは過去の経験から感覚が戻ってきているかよし……友希那はいつも通りだが最近休めているのかが不安だな……紗夜は―――」

 

紗夜の事を考えると言葉が止まる。

 

「先にやっている事を妹が真似しての先を越される姉……」

 

蒼はこの前紗夜から話したことを思い出していた。

 

「周りからも妹の方に人が集まり、姉は孤立……紗夜も目立ちたかったからじゃないんだけど……」

 

劣等感になる紗夜……その怒りをずっと溜めていた。

 

「でも紗夜はきっと妹の事を嫌っていない。いつからかわからないけど、昔はきっと姉妹仲良く過ごしていた時間があるから――――――」

 

ふと、壁際にかけてある楽器ケースを見る。

 

「同じギターを始めた妹……」

 

蒼は近付いて、楽器ケースを横にする。

 

「もし僕が紗夜と同じ状態になったらどうなるか……」

 

そしてロックを外して後は開くだけだが……

 

「同じことをするのかそれとも―――」

 

―――♪

 

蒼の携帯から連絡が来た。内容を確認する。

 

「……意見がまとまって出来ました……か」

 

燐子からで衣装の事だった。

 

「僕としてはそこは専門外なんだけどな」

 

蒼は服装に関しては正直苦手。連絡が来る前にも皆に確認したから蒼は返事を出す。

 

「皆に確認したなら問題ないよ。衣装作りも無理しないでね……と」

 

返事を送り、携帯をしまう。

 

「…………」

 

もう一度ケースを見つめて、ロックをしてケースを起こして壁際に置く。

 

「……そろそろ寝るか」

 

電気を消して、寝室へと向かった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お待たせりんりんっ! 人多いよねぇ今度から待ち合わせは他の場所にしようかなぁ」

「あ……っだ、大丈夫だよ……(苦手だった人混み)」

 

『大丈夫だ……大丈夫』

 

 

 

「(蒼さん……キーボードを抱き締めてると……あまり気にならないって気づいた)」

 

『大切にな……いい楽器なんだから』

 

「蒼さん……」

「?」

「あ―――そ、それより……衣装あこちゃんのだけ先に作ってみたから……」

「えっほんとっ?やったー!! じゃあ早くスタジオ行かなきゃっメンバーのみんなにも見せてもらおうっ!」

 

独り言はあこには聞こえず、燐子は違う話題にするとあこはくいついた。

 

「うん、気に入ってもらえると……いいかな……」

「りんりんのデザインなら間違いなしだよ!! よーしっついにバンド衣装! 燃えちゃうなあーっ! …………ん?」

 

このままスタジオに向かおうとしたが、あこは 見慣れた人を見つける。

 

「あれって……あ、あこちゃん?」

「りんりんしーっ! 友希那さんに気づかれちゃうよっ」

 

見慣れた人は友希那だった……一人の女性と一緒に歩いていた。二人は尾行をする。

 

「あこちゃんやめようよ……勝手にあとをつけるなんて……」

「だってもうすぐ練習始まる時間だよ?」

 

もうすぐ練習の時間だが、あこは言う。

 

「あの友希那さんが練習に遅れてまで会うあの女の人……何か脅されてるとしか思えないっ友希那さんをしつこくつけ回すストーカーかもっ!」

「待ってあこちゃん!」

 

あこの尾行能力が高く、燐子は急いで追いかける。

 

 

 

…………

 

 

 

 

それから友希那と女性は豪華なホテルに入っていく。

 

「わっ! 豪華なホテルに入った! あこ達も行ってみよう!」

「わたし達……入れないん…じゃ…」

 

―――だが以外にも簡単に入り、友希那の側にも近付いた。

 

「ここからじゃ聞こえないからちょっと近づいて…」

「あこちゃん…こういうのよくないよ(それにスーツの人の雰囲気……とてもストーカーって感じじゃあ……)」

 

 

二人は近付き、声が聞こえる距離になる。

 

 

 

「以前伺った弊社のものがあなたの熱烈なファンで軽々しく『いくらでも待つ』などと言っていたようで……しかしこちらとしてはビジネスですので」

 

「……え?」

 

ビジネスの言葉にあこは反応する。

 

 

「他社からも話が来ているんでしょうか? 我々より他社が用意した条件の方が魅力的だと言うのなら潔く諦めますが」

「……他からはまだ……話は来てないわ」

 

友希那の表情は暗かった。

 

「でしたらRoseliaとして生真面目にコンテストに出場するのか、我々と一緒に本番のメインステージに立つのか…………考えるまでもないはず」

「………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ねぇりんりん…これ、どういうこと?」

「……わか、らない……」

 

わからないと言うが二人はわかっていた。

 

 

 

 

 

「…………意外ですね。孤高のボーカリストとして名高いあなたが…バンドが友達になってしまったんですか?」

「……っ! 違うわ! 私はフェスに出るためなら何でもする……ただ、今日は練習が…」

 

女性は考えられない、結論を言う。

 

「ではあと、一週間だけ待ちましょう。あなたが一人のアーティストとして、正しい選択をしてくださることを祈っています」

「……わかったわ」

「……じゃあこれで」

 

 

 

 

 

 

 

「「…………」」

 

 

友希那と女性の会話が終わり、去っていくが、二人は残っていた。

 

 

 

 

「ねぇりんりん、今のって…」

「と、とりあえず……今日はスタジオで……練習だから…わたし達も行かないと…」

「そ、そうだ…! とにかくみんなと合流して……それから考えよっか!」

 

ピロリンッ!♪

 

 

話したい事はあるが、とにかく練習に向かう。と同時にあこの携帯から音がなる。

 

 

「あ……リサ姉からメッセージだ。紗夜さんと蒼さんしかいないけどみんなどうしたの……って…」

「…………」

 

このメッセージを見ると、この事を知っているのは三人だけになった。

 

 

「今……見たこと言わないほうがいいよ、ね……?」

「友希那さんが…スタジオに来るのなら…本人の口から…聞ける…かも…」

「そ、そうだよね……っ!なんかきっと変な風に聞こえただけだよねっ……じゃあスタジオに急ごっ!」

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……30分の遅刻よ、やる気あるの?」

「そういう友希那も15分遅れたけどね?」

「「ごめんなさいっ!」」

 

二人が謝り、リサは笑っていた。

 

「いや~珍しいこともあるもんだねっ」

「いいから早く準備してください。ロスした分を取り戻さなくては」

 

「(友希那さん……)」

「(この感じだと……皆にはさっきのこと……話してない?)」

 

「ん? (二人とも何かあったのか)」

 

友希那を見ると話していないと見た。蒼も様子が違うと見る。

 

「(りんりん……これって―――)」

 

蒼は側による。

 

「何かあったのか二人とも?」

「なーに辛気くさい顔していんのっ? 紗夜せんせいが怒るなんていつものことじゃーん!」

「もうっ! 今井さん!」

 

珍しく紗夜が真っ赤に怒る。

 

「きっと早く練習がしたいんだよ(二人とも言いづらいことでもあるのか)」

「蒼さんまで……まじめにやってコンテストは刻一刻と近づいてるよ」

「はあ~い」

 

いつもより気合いがある光景だが……

 

「…………りんりん…」

「……あこちゃん…」

 

 

 

「…………」

 

 

「「どうしよう……」」

 

 

 

 

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