Roseliaと雇われサポート   作:ニックネームは忍者

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さてさて……バンドリはどの方向に進むのか……









第十章 散る花……幼馴染みの役目

 

 

 

 

 

 

 

「「…………」」

 

三人はいつでも弾ける状態だが燐子とあこは構えていなかった。

 

「どうしたの二人とも? ……?」

 

友希那は注意するがリサは何かがおかしいと気づく。

 

「(友希那も遅れてきたな……皆の様子がおかしい)皆大丈夫?」

「やる気がないなら帰―――」

「あ、あのっ! あこ……見ちゃったの!」

「……何をですか?」

「あ、あこちゃん……」

 

紗夜は興味なしに言う。燐子は止めようとするが言う。

 

「友希那さんが……スーツの女の人とホテルで…話してて…」

「!?」

 

言葉を言うと友希那は驚いた。

 

「(友希那が驚いている……ホテルで女性と……いつものスカウトだがどうして?)」

「……それがどうしたって言うの? 湊さんにだってプライベートはあるでしょう」

 

友希那がスカウトされるのは珍しくない。紗夜の言う通りプライベートもあるが……友希那が驚くことが何よりの疑問だった。

 

「でも……」

「あこちゃん…今は練習を……」

「そ…そうだけど…でも……気になるんだもん!」

「落ち着いて二人とも……あこ、どうしたんだ?」

 

蒼は二人を落ち着かせて、話を聞く。

 

「蒼さん……あこにとってRoselia6人だけの…『自分だけのカッコイイ』のために頑張ってきました……だから……コンテストに、出られないなんてぜったいイヤなんだもん!」

「……どういうこと?」

 

紗夜も耳を傾ける。

 

「今日……りんりんと待ち合わせしてて……そしたら…友希那さんを見かけて――――――友希那さん、フェスのメインステージに出ないかって言われてて…」

「あこ……それは―――」

 

蒼が言う前にあこが言った。

 

「Roseliaで生真面目にコンテストに、出る必要なんて無いって…!」

「…………」

 

友希那は何も言わない。

 

「……宇田川さんの言い分はわかったわ。湊さん、認識に相違はないんですか?」

 

紗夜は拳を握り、友希那に詰め寄る。。

 

「私達とコンテストになんか出場せずに自分一人……本番のステージに立てればいい…………そういうことですか?」

「……っ!」

 

友希那は黙っていた。蒼も確かめる。

 

「友希那……何か言わないのか?」

「…………」

 

何も答えずにいると紗夜は言う。

 

「……否定しないんですね…だったら―――」

「ちょ…ちょっと待って! そう言った訳じゃないじゃん!」

 

リサは止めて友希那に聞く。

 

「友希那の言い分だってちゃんと聞こうよ! ねっ友希那!」

「…………」

 

ずっと黙っている友希那……それはまるで答えのように見えた。

 

「……友希那…っ! ねぇ何か―――」

「『私達なら音楽の頂点を目指せる』なんて言って……『自分達の音楽を』なんてメンバーをたきつけて…………」

 

紗夜の言葉は続く。

 

「フェスに出られればなんでも……誰でもよかった………そういうことじゃないですか」

 

冷たい言葉はあこの胸に突き刺さる。

 

「……あこ達、そのためだけに集められたってこと?」

「あこちゃん……っ! なにもそうとは……」

「あこ達の技術を認めてくれてたのも……Roseliaに全部賭けるってはなしも……みんな…フェスに出るための……?」

 

あこは泣いていた。

 

「友希那さんひどいよ…っ!!」

「あこちゃん待って!」

 

「ちょっ二人とも!」

 

リサは止めるが二人は部屋から出た。

 

「……湊さん、私は本当にあなたの信念を尊敬していました……だからこそ私も――――――とても失望したわ」

 

紗夜はギターケースを背負って出ようとする。

 

「紗夜お願い! 少しは友希那の話を……」

 

紗夜は扉の前で止まる。

 

「答えないことが最大の答えだわ」

「……じゃあこれから先アタシ達、どうするつもり…?」

「あなたと湊さんは『幼なじみ』勿論蒼さんも……何も変わらないでしょうね」

「そういうことじゃなくて……!」

 

紗夜は扉に手をかける。

 

「私はまた時間を無駄にしたことで少し苛立っているの……申し訳ないけど失礼するわ」

「紗夜…っ」

 

紗夜は部屋から出ていく。残されのは幼馴染みの三人になった。

 

「(まさかこうなるとはな)友希那、今なら言いたいことは言えるぞ」

「…………」

 

少しでも話せるようにしたがそれでも友希那は喋らない……まるで全部が本当のように見えた。

 

「友希那! ねぇ、蒼の言う通り全部本当なの!?」

「……本当だったらなに?」

「友希那はそれでいいの? 本当はメンバーに何か言いたいことがあるんじゃ…」

 

すると友希那は顔を上げた。

 

「っ! ―――知らないっ! 私はお父さんの為にフェスに出るの! 昔からそれだけって言ってきたでしょ!」

「友希那……」

「そうか……」

 

友希那は変わらない……昔も今も、これからも……

 

「どうするつもりだ友希那……またメンバー集めをするのか」

「ちょっと蒼! 今はそんなんじゃ―――」

「……帰るわ」

 

一人蒼は表情変えずに言う。リサはそれどころじゃないと言うが、友希那の行動は帰ることだった。

 

「か、帰ってどうするつもり…?」

「フェスに向けた準備をするだけよ」

「友希那!!」

 

友希那も部屋から出ていった。

 

「リサはどうする? 皆は戻ってこないと思うが……」

「蒼……蒼はなんでそんなに普通なの……止めに入らないの?」

 

蒼は普通でいた。動揺も焦りもなく、普通でいた。リサの表情は怒っている顔だ

 

「普通か……これでも驚いているんだが……前にも言ったがリサ…僕は雇われサポート。バンドのサポートをするだけ……友希那と紗夜が組んだ時からそうだよ」

「雇われサポートでも友希那が困っているよ! だから―――「それは私情だよリサ」―――蒼……」

「本当に困っているなら話してくれないと僕は何も出来ない……僕も今日は失礼するよ」

 

まるで用件がないように蒼も部屋から出ようとする。

 

「蒼……アタシはどうすればいいの?」

「どうすればいい……か」

 

蒼はリサを見る。リサは本当に悩んでいた。

 

「リサ……君は友希那のなんだ?」

「何って……それは……」

 

リサの言葉が止まる……答えようにも言葉が出なかった。

 

「答えられないか……僕も人の事は言えないが」

 

蒼は扉に手をかける。

 

「待って蒼! どうしてギターを持たないの?」

「…………」

 

蒼の動きが止まる。

 

「なんでアタシ達の前では弾かないの?」

「……」

 

「紗夜だけには……弾いたの?」

「……」

 

「蒼はもう充分だよ……お姉さんだって―――」

「リサ…」

 

蒼は振り向いた。

 

「……ギターを教えてと……言われたからだよ」

「……」

 

蒼は部屋から出ていく。最後に残ったのはリサだけになった。

 

「蒼……」

 

振り向いたその顔は悲しみが流れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一人残ったリサは一人でベースの練習…………時間が迫り、それからバイトに向かった。

 

「―――っしゃーした!」

「モカ……アンタいつも増して挨拶テキトー過ぎ」

 

バイト仲間の青葉モカ……Afterglowのギターで口調と行動はマイペースだが興味があることはとことんやる。

 

「? ……どこまで言葉を崩せるのかチャレンジ中なんですよーこのあいだは『サンシャイン』って言ってもバレなかったですよー」

「何それ!?」

 

それでもメンバーの信頼は厚い。

 

「(……色々考えなきゃいけないんだけどモカのこういうとこなごんで助かるんだよなぁ)っと、友希那からメールだ」

 

リサは携帯を見ると驚く。

 

内容は『来週の練習予定、取り消す。他のメンバーにも伝えたから』だった。

 

「(そんな……来週以降はスタジオ予約は蒼ですらしていないのに…)」

「湊さんってリサさんの幼なじみでしたっけ?」

「えっ、あ……うんっ! 家が隣同士でさ(ずっと一緒なのに……なんでアタシはもっと上手くできないんだろ…)」

 

いつも明るいリサだが今日の事で暗い表情は出てしまう。

 

「リサさん?」

「そっそういえばモカと蘭も幼なじみなんだっけ?」

「まあ一応……そう、なんですけど」

「……? どうかしたの?」

 

モカもいつもと違う言い方にリサも気づく。

 

「あの……幼なじみが悩んでいる時、リサさんならどうしますか?」

「…ど、どうって?」

「んーと……」

 

モカは考えて、リサに言う。

 

「蘭の家って華道の家元なんですけど…お父さんが蘭を後継者にしたいらしくて…」

「ふんふん」

 

「……でも蘭は華道に興味がなくてバンドがやりたいのにお父さんに反対されて……お父さんにあたし達のバンドはただのバンドごっこだって言われたってショックうけてて」

「…それは…確かにキツイね…」

 

「それで……落ち込んでた蘭を心配したら『みんなには関係ない』って言われちゃって…」

「…………」

 

家庭の事情を自分の問題だと決めて、友達には迷惑をかけないつもりでやって来たと見る。

 

「で、ちょっとトモちんと蘭が衝突しちゃいまして…」

「……なるほどね」

 

それでも友達は何か出来ることはないかと考えるが、それが『巻き込みたくない』ことを『迷惑』に変えてしまった……

 

「……で、蘭の悩みはわかったけど、モカはそれに対して何かリアクションしたの?」

「リアクション……?」

「だって蘭はそうやってモカに悩みをぶつけてきたんでしょ? それをモカはどう受け止めたのな……って話」

「あたしは……蘭がつらいことがあったら聞いてあげて…それで……できるだけ蘭がつらくならないようにしてあげようって思ってて……」

 

受け止める……受け止めるがそれだけでは伝わらない……

 

「んーと…じゃあモカはさ……蘭にどうしてほしいの?」

「…あたしは…『蘭にバンドやめてほしくない』……です」

 

モカは言う。

 

「蘭とずっと一緒にいたいし…だからそのために家のこととも向き合ってほしいし……けど、それはあたしの考えだから―――」

「それでいいんじゃない? アタシは今モカが言ったこと全部蘭に伝えればいいんじゃないかなって思う」

「ぜんぶ……」

 

受け止めて……その思いを答え、伝えることをリサは言う。

 

「モカは優しいんだよ。自分の考えが蘭を邪魔しちゃうんじゃないかって……そう思ってるんじゃない?」

「そう……なのかも…」

 

モカの悩みもいい方向に進んでいくのと同時にリサは自分も同じだと気づく。

 

「(Roseliaと似てる……いや、アタシとモカが似てるんだ……ずっとずっと『見守るだけ』)」

 

リサもモカのおかげで気づかされた。リサもやるべきことが見つかる。

 

「……本当に大切なら隣にいるだけじゃダメ。間違った方向にいかないように導くのも友達……ううん、『親友』の役目なんだよ……アタシも友希那が望む事ならって、ずっと見守ってきた。もしかしたら間違ってるかもしれないって思いながらずっと……でもそれはやっぱり間違いだったんだよね(モカならきっと大丈夫……アタシは今から取り戻さなくちゃいけない!)」

 

リサも決心がついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……て、言うことが少し前あったんですよ~」

「え……少し前?」

 

リサはポカンとしていた。

 

「はい……もう解決してくれました」

「そ、そうなんだ(アタシのアドバイス意味あったのかな)」

 

悩み相談だが既に解決済みの相談をされて、変な気持ちになった。

 

「でもーリサさんと同じことを言われましたね」

「え、同じこと……誰に?」

 

一応気になったのか聞いてみた。

 

「う~ん……変態さん」

「へ、変態?」

「間違えました、探偵です」

「どんな間違いなのモカ…」

 

探偵がなんで変態になったのか不思議でしょうがない。

 

「あの時はモカが買おうとしてたパンを取ったんですよ~」

「パンって山吹ベーカリーの?」

「そうー会計したパンを貰っちゃいました~」

「軽く窃盗じゃないのそれ……」

 

友達が軽い犯罪な行いに驚く。

 

「まぁーその人のおかげで解決してくれたんですよ」

「因みにどんな人?」

「それは―――おーバイト終了お時間ですぞ」

「あ、ほんとだ……じゃあまた今度教えてよ」

 

リサも友希那に話をするため、早くバイトから上がった。

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(事務所からメッセージ…はやく開封しなきゃいけないのに…)」

 

ピロロン♪

 

友希那は部屋で事務所からのメールを見ようとするがリサから連絡が来る。

 

『ゆっきな~窓開けて!』

「(リサ…? 何…急に…)」

 

『忙しいから無理』

 

適当に返事をして、事務所からのを確認しようとするが、またリサから連絡がきた。

 

 

ピロロン♪

 

『寝っ転がって何に忙しいのかな? カーテン空いてるぞ』

 

「……!」

 

窓を見ると、リサがピースをしていた。友希那も観念してベランダに出た。

 

「やっほーベランダ越しってひっさしぶりだね?」

「……なにか用?」

 

ライブハウスでの事があってからか友希那はいつもより冷たかった。

 

「ん~あのさ……まずはごめんね。今回のこと……アタシなんにも気づけなかった……」

「……!」

 

リサから謝れた友希那……

 

「家の前でたまたまあった夜さ……あの時から友希那はずっとひとりで悩んでたんでしょ?」

「…………」

 

家の前で会って公園で話したあの日……友希那は悩んでいたことをリサは気づいた。

 

「アタシが気づけてたら何か出来たんじゃないかって…アタシ…友希那が幸せならとか言って今まで…なんっにもしてこなかったなぁ…って!」

「…………」

 

幼い頃からずっと一緒だったがリサはいつも側にいて、ついてきただけだった。

 

「言うだけならいくらでも出来るっての……お父さんのこともRoseliaのこともフェスのことも……ずっと友希那ひとりに背負わせてごめん!! これからはアタシも一緒に―――「なんで……」……?」

 

ずっと黙っていた友希那は喋ったが腕は震えていた。

 

「リサはなんでいつもそうなの!! なんで優しくするの!? 全部……っ! 悪いのは私なのに!!私の自分勝手でこうなったことくらいわかってる!! なのに……バンドもフェスも……お父さんのことも! リサは私が何をしても笑って…………いつもそばにいて、くれて……」

「うん…ごめん……」

 

「だから…っ それはやめてってば…! 私は…リサがいると……ちゃんと音楽に向き合えない!!」

 

リサが謝るが友希那にとって罪悪感が出る……いや、それは大切な幼馴染みでもあったから……

 

「わかった……アタシ…友希那のこと大切だから甘やかしちゃってたんだね……そうするとアタシに出来ることってやっぱりないのかもしんないや」

「リサ…」

 

「でもさ……フェスに出たいって友希那の覚悟は知ってるよ。 蒼が帰ってきて、5人で演奏してた時は昔の……友希那のお父さんと一緒にセッションしてた頃の友希那が戻ってきたみたいで――――――すごく嬉しかった」

「…………っ」

 

リサは友希那に言いたいことを伝えた。

 

「少なくともアタシには友希那が幸せそうに見えてたよ。だから……もし迷っているなら今はRoseliaを捨てないで欲しい。アタシの……ただの気持ちだけどねっ」

「……気持ちだけじゃ音楽は出来ないわ」

「ん……そうだね」

 

リサは両手を上に上げた。

 

「……つきあってくれてありがと! 全部言ったらスッキリした! アタシ、夕飯食べてくる! じゃっ」

 

リサは片手を振って部屋に戻る。友希那は額を手すりに当てる。

 

 

 

 

 

 

「(お父さんの代わりにフェスに出る……その『気持ちだけ』で私はやってきた……その私が……『気持ちだけでは』……なんて……)」

 

友希那は涙を流していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ(今アタシにできることはたぶんやれたはず。他にできることはまた考えていこう……こうやってぶつかってもちゃんと友希那と向き合い続けたいから)」

 

 

リサはベランダの扉を閉めて部屋に入った。

 

「ちゃんと伝えたよ……ありがとね、蒼」

「…………」

 

部屋の壁に背をぶつけている蒼がいた。

 

「僕はなにもしていない。だがリサ……状況は変わっていないぞ」

「うん、わかってる」

 

リサが蒼に連絡し、立ち会って貰った。幼馴染みとして来たのかお願いできたのかはわからない。

 

「明日また会って話をするから」

「それでも変わらなかったらどうする?」

「それでもアタシは友希那と向き合うから」

「そうか……話も終わったし、失礼するよ」

 

用件も済んだので蒼は帰ろうと立ち上がり、部屋から出ようとする。

 

「ねぇ蒼」

「どうした?」

「……もう気にしなくていいんじゃないかな」

「僕も友希那みたいに過去に囚われなくてもいいと言うのか」

「うん……蒼はもう充分だよ」

「…………」

 

リサの前には蒼が背を向けていて表情がわからない。

 

「僕は変われない。あのギターも……弾くのが怖いんだ」

「蒼……」

「リサ……君ならまだ友希那と話せる……だから―――頑張れよ」

「あ……」

 

蒼は部屋から出ていった。

 

「…………」

 

リサは部屋のベットに腰を掛けた。

 

「(アタシはまだ諦めないよ……だけど今は友希那を―――先ずは夕飯かな)」

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

「…………」

 

 

リサの家から出た蒼は帰り道を歩いていた。

 

「(正直、皆がバラバラになるとは思わなかったな)」

 

蒼は今日の出来事を考えていた。

 

「(皆を思っていることはわかる……でも友希那の行動に驚いたな)」

 

少し前の友希那なら確実にスカウトを受けていた筈……でもそれを友希那は答えを出さずにいたことに蒼は驚いていた。

 

「(友希那……君にはリサがいる。だから“知ってほしい”……皆はどうしようか…)」

 

三人の事を考えた。

 

「(リサ一人に任せるわけにはいかないよな……)」

 

二人はどうにかできるが紗夜だけは難しくなる。

 

「…………」

 

蒼は携帯を操作する……誰かにメールを送る。

 

「まさか……こうなるとはな…」

 

雇われサポートは“穴埋めの為”、行動に出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(それにしてもリサのお母さんはそっくりだな……リサの十年後でも違和感がないな)」

 

リサの家を訪れたので挨拶をした。

 

「(皆元気そうだな……弟さんも―――?)」

 

蒼の足と思考が止まった。

 

「あれ?……リサとは幼い頃から会っているが“弟さん”いたっけ?」

 

蒼は口を開き、脳は通常の三倍になった。

 

「姉妹関係の時は『妹がいないから』と、言っていたから……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………そっとしておこう…」

 

蒼は考えることをやめて、歩き出した。

 

 

 

 

 

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