誤字報告ありがとうございます……この前は一日かなりの通知でした……本当にありがとうございます。
それではどうぞ……
―――コンテスト公開イベント、控え室……
「(蒼からの話では書類と音楽審査はあっさりクリア。本人は何やら最終確認があるって離れている……何か知り合いの人がいたみたいだけど……アタシたちは準備を―――)……やばっ! メンテ用スプレー忘れた!」
「まったく、忘れ物には注意って連絡したじゃない」
「うぅ…」
紗夜から注意されるが何かを渡してきた。
「……はい、これ使って」
「あ…ありがとう」
紗夜はスプレーを渡してきた。リサは受け取り、何も言わずに離れるが優しい顔をしていた。
「(紗夜……前に比べて少しトゲがなくなった? ……やっぱ蒼のお陰かな)」
少し前の紗夜を追いかけた一件からトゲが減った紗夜。
「(? …………そう言えばお互い名前で呼んでいたけど――――――まぁ~いっか☆)」
「りんりん大丈夫? ステージすっごい大きいよっ。いつかみたいに真っ青にならない?」
少し前なら真っ青になっていた燐子だが今は普通どころかワクワク感がでていた。
「わたし最近…気づいたの……キーボードといると守られている気がして……」
「それわかる! あこもドラム叩いている時はちょー無敵だもんっ!」
あこは気合いが入り、はしゃぐ。
「よーしっ! 練習の成果見せてやろうねっ」
「あこ、他の応募者もいるんだからあまり騒がないで」
「Roseliaってもっとクールなバンドだって聞いてたけど……なーんか以外と普通」
「そう? あたしはバンドって仲がいいと思うけど…………ねぇそれよりテレビ見てよ」
「あっPastel✽Palettesじゃん」
「……」
「……!」
何気ない一言が紗夜に聞こえ、リサも驚く。
「まだ正式デビュー前なのにプッシュされまくりだよねーギターとドラムの子は上手そうだけどさー」
「……今井さん、スプレー終わった? 私も使うから」
「あっうん……ありがと!」
リサは紗夜を見ると、日菜のことを動じなくスプレーをして、燐子を見ると人混みが苦手なのにあこと楽しそうに話している。
「(コンテスト前なのにみんなすごい)」
リサだけは不安でいた。
「(友希那は―――)あれ? 友希那?」
友希那がいないことにリサは探す。探していると蒼が来た。
「友希那なら飲み物を買いに行ったよ。多分外の自動販売機かな」
「わかった、ありがとうね蒼!」
リサは足早く探しに行った。蒼は紗夜に話し掛ける。
「紗夜も大丈夫なんだな」
「勿論大丈夫よ」
「(流れている映像で心配になったが……)」
妹の事は解決はしていない……それでも紗夜は変わってきている。
「(……僕も変われるのかな)」
「蒼さん」
「どうかした?」
「今井さんの事が心配なのでは? 湊さんもそうですが、幼馴染みだから気になるでしょう」
「そうだな。少し離れるよ……ここは女性が多いから僕が居るのは問題だな」
部屋に男性がいないから居づらくなる。蒼は部屋から出る。
「少し離れるよ」
「えぇ」
蒼が出ていく姿を紗夜は見つめた。
「…………」
「紗夜さん」
「白金さん?」
蒼がいなくなると燐子が紗夜によってきた。
「渡さなくて……よかったの、ですか?」
「…………」
紗夜は蒼に渡すものがあったのだが、渡せずにいた。
「ちゃんと渡します……ありがとうございます、白金さん」
「いえ……頑張ってください」
燐子は笑顔で言ってきた。
「……えぇ」
紗夜も笑顔で返した。
――――――――――――――――――
「…………」
友希那は自動販売機で飲み物を買っていた。
「友希那いたあ!」
リサは走って友希那の元に駆け寄る。
「超必死で探しちゃったよ!」
「いくら準備してもなるようになるだけよ」
「ええ? Roseliaのリーダーがなげやり発言っ!」
友希那にしては珍しい発言。でも腹をくくればそれと同じである。
「練習は裏切らない。どんな結果が出ても……それがすべてよ」
「友希那……(FUTURE WORLD FES.に一番思い入れがあるのは友希那のはずなのに…ステージ慣れしてるから?)」
「……なに? まじまじと見て」
友希那は何か別の事を考えているように見えて、リサはその顔を見ていた。
「いやあ……なんかさ…スッキリした顔してるなーって!」
「―――そうね」
「え……」
友希那の目を閉じて、口元が笑っていた。
「なにも隠さないでいいってこんな気持ちになのね」
「……友希那」
目をあけて、リサを見る。
「リサ…………ありがとう」
「――――――」
友希那の突然“笑顔”にリサはポカンとしていた。
「……て、えっ!?」
「時間ね、戻るわよ」
「ちょっと待って友希那!」
一足歩く友希那の背中を追いかけたリサだった。
「…………」
友希那は建物の角を見るが、すぐに前を見る。
「(蒼……――――――)」
友希那とリサはステージへと向かう。
「………………」
角の裏には蒼が立っていた。
「…………今夜は綺麗な星空が見えそうだな」
蒼は空を見ながら呟いた。
――――――――――――――――――
「5分前よ」
「問題ないわ。いつでも行ける」
「…………」
リサだけは先程の言葉で暑くなっていた。
「……リサ?」
「へぁぇっ!? だだだ大丈夫だよ!? ははは!」
そんな言葉で言われても説得力はなかった。
「リサ……」
「リサ姉……前から思っていたけど緊張し……「しっしてないよ! してませーんっ!!」……」
「「…………」」
「(皆の顔が『し・ん・ぱ・い』と、出ているな)……リサは今日まで練習してきたから大丈夫。皆も不安な顔をしないで」
「蒼……」
五人の前に蒼が立つ。
「緊張が出るのは前からだし、今さらどうすることもできないだろ?」
「それはもそうね」
「なんか失礼な事言われてないかなアタシ……」
リサを軽くディスると和んできた。リサの緊張もなくなってきた。
「そろそろ出番かな……皆頑張ってね」
「勿論よ」
「うん!」
「まっかせて!」
「はい……」
「…………」
皆一言言うが紗夜だけは黙っていた。
「紗夜?」
「蒼さん……これを……」
黙っている紗夜を心配なっていたが紗夜は蒼に何かを渡してきた。
「髪飾り……僕の?」
「はい、そうです」
Roseliaの頭に着けてる髪飾り……それを蒼は受け取る。
「女性用だから少し困っていたけど……これならつけられるかな」
皆と同じ花柄が少し小さいがその代わりに角が着いていた。
「綺麗な薔薇には棘どころか角になってるんだね」
「本当は棘にしようとしたんですけど、角に変わりました……」
紗夜は落ち込んでいるが、蒼は別に気にしない。角の方がいいと感じた。
「氷川さんの……手作りですよ」
「ちょっと白金さん!」
「余った衣装の材料を紗夜さんが集めてつくりはじめたんですよ!」
「宇田川さん!」
余った物を集めて作った蒼専用の髪飾り……紗夜のお手製であった。
「本当は衣装もと思ったんだけど、時間がね~」
「……私達だけ衣装着ても意味はない。蒼も大切なメンバーなんだから」
気持ちは同じ………蒼は感謝する。
「ありがとう皆……紗夜も練習時間も削ってまで……ありがとう」
「い、いえ……私も捨てるにはもったいないからと思っただけです!」
「そうか……ありがとう」
素直じゃない答えをそのまま受け止めた蒼に紗夜はかなり顔を赤らめた。
「Roseliaさんお願いします」
「ほら皆……出番だよ」
スタッフの声がかかり、皆はステージへと向かう。
……けどリサはまだ気にしていた。
「(蒼は言ってるけどアタシは……経験も練習も圧倒的に足りない。もアタシが足手まといになったら…………みんなの努力が……)」
「今井さん、うつむいてたら他の人に楽器があたって迷惑よ」
「紗夜……」
紗夜にはお見通しでいた。そんなリサに紗夜は言う。
「……ちゃんと前を向いて」
「!? (そうだ……ちゃんとステージに向き合わないと!)紗夜……ありがとう」
「当然です、私も同じことを言われましたから」
「え……」
「いきますよ」
五人はステージへと上がった。
・・・
Roseliaが歌い出したら会場は盛り上がっている。
「…………」
蒼は角があるRoseliaの髪飾りを少し気にしながらも裏からライブを見ていた。
「(緊張が嘘みたいに演奏をして、魔法でもかかったかのようにカッコよく叩いて……恥ずかしさを気にせず、勇気を貰って……何も考えずに楽しそうに歌って……)」
ギターを弾いている紗夜を見る。
「…………!」
「(いい笑顔だな)」
紗夜はとても穏やかな気持ちで演奏していた。
「(それに――――――)」
その先の言葉は口に出来なかった……。
「(? ……何故言葉が止まったんだ?)」
考えていると演奏が終わり、歓声が響いていた……。
――――――――――――――――――――
「「…………」」
フェスが終わり、ファミレスで黙々と飲み物を飲む友希那と紗夜。
「二人とも相変わらずクールだなあ…」
「冷めてたらこんなところ来ません」
「そうよ」
二人の様子にリサは言うが、それでも来てくれただけでもいいこと。
「そうですよねっ!」
するとあこはテーブルを叩いて、言う。
「紗夜さんも友希那さんもっWハンバーグ&エビフライ&チキンソテーのプレート、ご飯大盛りデザート付きでいいですか?」
「「……えぇ」」
「よしっ! じゃあ6人ともそれでっ! 燐子よろしくっ!」
「は、はいっ! …………スーパーやけ食いセット6人前……ですね」
五人の女子と一人の男子が打ち上げのメニューを頼んだ。
「(カロリーは1382なのは野暮だな)ポテトはいいのか紗夜?」
「な、何を言うのですか!? 私はそんなもの入りません!」
今日は気にせず食べることにし、蒼はポテト紗夜に聞いたら少し慌てながら否定する。
「そうか……ポテトと小盛りを―――」
「…………」(悲しい顔)
「―――特盛を一つ……いや、二つでいいかな紗夜?」
「なっ!? だから私は―――しっ仕方ありません、いいですよ」(嬉しい顔)
「わかった、ポスト特盛二つお願いします」
注文をすると、リサは呟く。
「ま……結果としてはこうなっちゃったけど―――「そこまでだリサ」―――蒼……」
蒼が止めに入り、蒼は言う。
「落選はしたが認めてもらった……新しい一歩と目標が生まれた……これで良しとしよう」
「「…………」」
とても皆満足な顔をしていた。
「(細かいところは原作を……と言うのも野暮だな)っと! 品が来たぞ」
注文した品がテーブルに置かれると皆は食べ始める。
「……でも私は、認めないわ…」
「そうよ、このジャンルを育てていきたいって言うのなら……私達を優勝させてもっと大きな活動を…」
「紗夜、友希那……そんなに急いで食べるな。しっかり噛んで食べた方がいいぞ」
二人はガツガツと食べているのを止めるが皆同じなので今日ぐらいは目を瞑った。
「でも……確かにすっごい悔しいけど…………それがどうでもよくなるくらい、あこは楽しかった!!」
「「…………」」
「(まぁ……そうなるよな)」
あこはポカンとして、どうして皆黙っているのか不思議でいた。それはまるで図星に見えた。
「あー……ちょっとわかっちゃう……」
「わたしも……今まででいちばん…」
リサと燐子は素直に言う。
「あなた達…っ、何の為に練習してきたと思ってるのよ…」
「そうよ、Roseliaは自分達の音楽を極めるために……」
紗夜と友希那は否定していた。
「その割には楽しそうに笑っていたぞ」
「「なっ!? 笑っていません!」」
「(楽しそうは否定しないんだ)」
蒼が見る限り、ライブ中は皆が楽しそうにしていた。蒼も自然と笑顔が出ていた。すると友希那は言う。
「……私、今まであんなにお父さんの為になって思っていたのに……歌っている間は何も考えられなかった。だけど私はどんなに認められても父の立てなかったステージで歌うその日までは自分で自分を認められない」
「友希那……」
「(私も……ただ夢中で日菜に負けないという一心でやっていた筈なのに)」
紗夜は蒼を見る。
「(今は―――)」
「あっ、あのっ! すみません!」
気がつくと二人の女性が紗夜に話し掛けていた。
「? 私に用ですか?」
「もしかしてPastel✽Palettesの日菜ちゃんのお姉さんですか? すごい似てるなーと思って!」
「!」
会話を聞いていたリサは驚く。
「……そうです」
紗夜は普通に答えていた。
「きゃー! やっぱお姉ちゃんいるってほんとだったんだ!」
「ありがとうございましたっ!」
二人の女性は満足して帰っていった。
「紗夜……」
「……私も湊さんと同じ…………妹の存在から逃げることはできない……だけど…」
「だけど?」
「だけど今はそれでいい……私はあなた達と共にバンドをやっていきたいと思ってる。蒼さんともっとギターを教わりたいです」
「そうか……皆も―――」
「氷川さん…」
「さよさんーっ」
「紗夜……!」
燐子、あこ、リサは目を輝かせて紗夜を見ていた。
「(かなり嬉しい言葉だったんだな……最初の頃と比べると変わったな)」
「わ、わたしもやっぱりみんなで……FUTURE WORLD FES.に出たいです……っ、それを目指してきた今までが……とても楽しかったから」
「りんりんは次の衣装も考えてくれてるんだよね」
「あこちゃんっ……それはナイショって……あっ!」
秘密にしていたことを自分でバラした燐子。
「あははっ……アタシも……」
「? リサ?」
リサも笑っているがリサも何かを言う。
「アタシも……もっとこのバンドでやりたい!」
「だって……すっごーく楽しかったから……それに―――」
……友希那がお父さんのこと……笑って話せるようになるまでアタシは……
「―――友希那に……それに紗夜にも…もっともっと楽しいって思ってもらいたいから……!」
「リサ……」
「だから……これからもみんなと一緒に頑張りたいんだっ」
「はいはーいっあこも!」
あこは手を上げながら言う。
「あこもねっ! なんか今日紗夜さんに前に言われた『あこだけのカッコイイ』のを……ちょっとだけ掴めた気がして……だけどもっと……もっとガッチリ掴めたらっ……そしたら優勝できるんじゃないかって…………そう思えたんですっ!」
あこにも目標が出来た。
「あこ……色々あったから…成長したんだな。友希那もそう思うだろ?」
「……ええ、そうね」
友希那は笑っていた。
「ゆっ……」
あこはガクガクと震えていた。
「友希那さんがわらったぁー! ☆4レア級ーっ!」
「笑ってないし! 何そのガチャのレア設定は!」
友希那にしては珍しいツッコミ。
「ああーっ! ねえりんりんっ今の写真撮ってない?」
「と、撮ってないよあこちゃん!」
燐子も撮りたかったのかどうかは本人が知る。
「全くもう……」
「あははっ」
「……いいメンバーだな紗夜」
「当然ですよ」
飲み物を飲みながら無表情に言うが、口元は笑っていた。
――――――――――――――――――
「「ありがとうございました!」」
食事を終えて、ファミレスから出た。
「思うところは皆様々だけど……次もコンテスト出て、そして―――」
「「必ず優勝する!」」
「―――その気持ちは皆同じようね」
全員がまた新しいことに踏み出そうとしていた。するとリサは言う。
「じゃあこれからもみんなでRoselia頑張ろうねっ! なんかあったらこうやってファミレスに来たりさっ!」
「「しないわよ……!」」
二人は同時に喋り、片手を口に当てる。
「二度とこんな所に来て、やけ食いなんてしないように! もっともっとこれから練習するのよ」
「無駄に出来る時間はないわ、そろそろ帰りましょう」
「えーっもう一軒行かないの?」
「行きしょうよーっ!」
リサとあこはもう一軒と言うが友希那は言う。
「いいえ、Roseliaに馴れ合いは要らない……友達ごっこがしたい人は今すぐ抜けてもらうわよ」
友希那は一番前を歩き、皆はついていく。蒼は友希那の隣に立つ。
「本音はどうなんだ友希那」
「本音も何もRoseliaは頂点に立つだけよ」
「そうか……でもたまには悪くないだろ友希那」
蒼は友希那の顔を見る。
「―――そうね」
このときの顔を見たのは蒼だけ……
「…………」
「どうかした? そんな顔して……」
「――――――なんでもない……星空が綺麗だなと思ってな」
蒼は空を見ながら言う。皆も空を見る。
「ほんとだー! 綺麗だよりんりん!」
「うん、そうだね……綺麗」
あこは燐子の側を周りながら見る。燐子も空を眺めた。
「ほんとだ~雲がひとつもないね」
「確かに星がよく見えるわ」
リサ指を差しながら友希那に何やら星座の話をしている。
「…………」
紗夜は星を黙って見ていた。
「紗夜?」
「あ、いえ……本当に綺麗と思いまして…」
「妹の事を考えていたかな」
「…………」
何かを思って星を見ていたことはわかった。日菜の事は何となくであった。
「大丈夫だよ紗夜、いつか二人で星空を見る日が来るさ」
「来ますでしょうか……」
紗夜は本当にそんな日が来るのか不安でいた。
「もし見る日が来たら僕の簡易式望遠鏡を持ってきますよ」
「蒼さん…………そうですね、その時はお願いします」
不安な表情は無くなってきた。
「おーい二人ともー! 置いてくよ~」
二人は前を見るとリサが呼んでいて、先に歩いていた。
「蒼さん、帰りますか」
「うん、そうだね……」
蒼の声は小さかった。
「蒼さん?」
「……なんでもないよ、行こうか」
蒼は先に歩き出して、紗夜は遅れて追いかけた。
「そう言えば紗夜」
「どうかしましたか?」
「…………今日は化粧しているんだな」
「えっ……そ、それがどうかしましたか?」
「(何故動揺しない仕草をしているんだ?)化粧をしている紗夜も綺麗なんだなと思ったんだよ」
「…………」
その言葉を言われ、紗夜は思考が止まる。目線が下を向き、顔が赤くなる。
「紗夜?」
紗夜は頬を赤くしながらも蒼を見る。
「……これからも雇われサポートもそうですが私のギターの指導もお願いします」
「うん……勿論だよ」
「はい……」
紗夜は少し早足になる。蒼も紗夜の速度に合わせた…………
……蒼は気付いていないが紗夜が化粧を気にしていたのはRoseliaのガールズだけの事である。
漫画だとここで終わりましたね……他のバンドのも漫画出ないのかと今でも思います。