Roseliaと雇われサポート   作:ニックネームは忍者

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第一章です、第二章は少しお待ちを……










第一章 メンバー集めはライブハウス

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待って待って友希那ーっ!」

「……何」

 

 

この日、同じ学校の今井リサと湊友希那は一緒に下校していた。

 

「今から新しくできたアクセショップ行くんだけど友希那も一緒に――「行かない」……え?」

 

「……アクセサリーショップには行かない。私は歌うこと、音楽以外のことに時間を使いたくないの」

 

リサは友希那を明るく誘ったが友希那はそれを冷たく断った。だがそれはいつものことだった。

 

「そっか……でもほらアクセショップがライブハウスの手前にあるんだよね♪だから途中まで行こうよ」

「……それならいいけど」

 

二人は幼馴染み、家も向かい合ってかなりの付き合いだ。

 

 

「やった! それに、今日なんでしょ?」

「…………えぇ、本当に来るのかわからないけど」

 

二人ともう一人、幼馴染みがいる。家は隣では無いがもう一人は男であった。

 

「それでも! アタシだって久しぶりに蒼に会うのは嬉しいよ!」

「来ていても先に着いている筈よ」

 

友希那とリサと蒼は幼馴染み。三人は親の関係から知り合っていた。

 

「でも……蒼がどうして? 今まであれだけ連絡も出来なかったのに……」

「さぁ……」

 

蒼はとある日に引っ越した。引っ越してからは会っていなく、連絡も出来なかった。

 

それがとある日、連絡が出来たのだった。

 

「でもホント…最近忙しそうだね毎日いろんなライブハウスに行って歌って……毎日出演してる訳じゃないんでしょ?」

「…………」

 

友希那は時々ライブハウスで歌を歌っている。その歌は誰もが引き寄せる歌でファンがいる。

 

だが、一人で歌って馴れ合いがない為、周りからつけられたのは『孤高の歌姫』であった。

 

 

そして、リサは友希那に前から聞いていたことを質問した。

 

 

 

 

「まだ…………バンドのメンバー探しているの?」

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

「(あこちゃん早く来ないかな…………人混み…苦手…)」

 

花咲川女子学園2年白金燐子は待ち合わせをしていた。彼女は控えめで人混みが苦手だった。

 

「(あれ? …少し……目眩が――)」

 

待ち合わせ時間の前から待っていたのだが時間も少し遅れていた。そのせいか燐子の視界がくらっときた。

 

「大丈夫ですか?」

「え?」

 

燐子が少しふらついてきて倒れそうになるが花咲川女子学園近くの高校生の制服を着た少年がそっと支えた。

 

「あ…えっと……」

「…………おっと、触れたのと同時に近付きすぎました。失礼した」

 

少年は響鬼蒼。蒼はライブハウスに向かっていた。

 

「い、いえ……ありがとうございます」

 

燐子は頭を下げた。蒼も頭を下げた。

 

「人混みが少し苦手のと待ち合わせ……かな」

「え?」

「それと……ピアノが弾ける指ですね」

「え!?」

 

蒼は燐子の姿と指を見ていた。

 

「ピアノを弾いている指に見えたのでつい……それも上手な音が出そうな指と見る」

「上手なんて……それよりもわかるのです、か?」

「まぁ……なんとなく、かな」

 

蒼は何処か誤魔化した言い方をした。

 

「す、凄いです」

 

燐子は本が好き。読んでいる小説に出てきそうな主人公に見えた。

 

「君の音楽も誰かと奏でるのも聴いてみたいな」

「え……」

 

蒼の言葉に燐子は驚いた。そして蒼は思い出したかのように言う。

 

「それよりも待ち合わせの人は遅れる子なんだな」

「いえ……今日はたまたまです」

 

燐子の顔は少し微笑んでいた。蒼は仲のいい友人と見た。

 

「そうか……いい友人なんだな」

「はい……少し変わっていますけど…」

「ん? (変わっている……俺も少し変わっている知り合いがいるが……そんなに変わっているのか?)」

 

蒼がそう考えていると小柄な子が近付いてきた。

 

「……遥かいにしえの時より我らと共に戦いし魔導士よ……」

 

「あ……」

「ん?」

 

蒼は後ろを振り返る。ツインテールの女の子が不思議なポーズと言葉を出していた。

 

「今宵火と闇の封印が解かれし暗黒の地にていざあいまえん…!」

 

「あこちゃん…」

「ほぅ…」

 

蒼は待ち合わせの人は彼女だとわかった。見た姿では中学生だった。

 

「(世間は狭い方だな)」

 

「……っ! キマッた!」

 

ツインテールの子は恥ずかしくないのか、またポーズを決めた。

 

「待ち合わせの人かな?」

「はい……こんにちわ、あこちゃん」

「お待たせっ! りんりん! …………? あれ? 蒼さん?」

 

ツインテールの子――――宇田川あこは蒼を知っていた。燐子は蒼を知らないがあこは蒼を知っていた。

 

「久しい振りかな、あこ。お姉さんのライブ以来だね……まさかまた会うとは思わなかったよ」

「蒼さん忙しいって言ってたから会えないかと思いましたけど、会えて嬉しいです! ……もしかしてりんりんをナンパですか?」

「あ、あこちゃん!」

 

あこは悪意がなく、聞いた。燐子顔を真っ赤にして否定していた。

 

「彼女が人混みで倒れそうになっていたところを声をかけた。それだけだよ」

「あ、そうなんですか。ごめんねりんりん待たせちゃったから……蒼さん、ありがとうございます」

 

蒼の説明にあこは頭を下げた。

 

「僕はたいしたことはしてないさ。お姉さんのライブ、時間があえばまた来たいかな」

「そうですか! お姉ちゃんに伝えます!」

「今度はあこのドラムも聴いてみたいな……それよりも二人は待ち合わせしてたみたいだが急がなくていいのか?」

 

蒼は二人の最後の用件を思い出させた。

 

「あ、そうでしたっ! じゃ行こっか!」

「あこ、ぶつかるぞ」

「え?―――」

 

どんっ!

 

 

あこは前を見ずに歩き出そうとしたが通行人のギターケースがぶつかった。

 

「…………ごめんなさい! ケースが当たってしまいました?」

「あ、全然大丈夫っ!」

「そうですか……? 響鬼さん?」

「こんにちわ氷川さん」

 

ギターケースを背負っていた通行人は氷川紗夜だった。二人はライブハウスで待ち合わせしていたがここで会う。

 

「それよりも氷川さん、時間にはまだ早いけどもう決めたかな」

「はい、決めました。私なりにけじめはします……それよりもお二人は響鬼さんの知り合いですか?」

 

紗夜は気になったのか質問をした。

 

「それは――――行きながら話すよ。それじゃあ邪魔したね、あこと……」

「あ、白金燐子…です」

「…………それじゃあ白金さん、今度は倒れないようにね。氷川さん、行こうかな」

「はい……失礼します」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紗夜は二人に頭を下げた。二人の背中を見詰めた燐子だったがあこが話し掛ける。

 

 

 

「ね、りんりん。あの女の人が持っているのギターケースだよね? バンドやっているのかなあ?」

「うん……でも、響鬼さんは――」

 

燐子はふと、蒼の事を考えた。ギターケースを持っていた人はバンドをやっている人だと考えるが蒼は何をやっている人なのだろうと……音楽に詳しい人に見えたが何者かがわからなかった。

 

「かっこいーっ! あこもバンドやりたい~っ」

「(バンド)……あこちゃんのお姉さん、バンドやっているんだもんね…」

「そうっ! そうなのっ! お姉ちゃんのドラムちょーかっこいいんだっ!」

 

あこは携帯で動画を見せた。あこのお姉さんもバンドのドラムを担当していた。

 

「見て見てっこれお姉ちゃんのライブの動画! すっごくかっこいいでしょ!」

 

あこはまるで自分の事のように喜んでいた。本当に自慢のお姉ちゃんなんだと燐子は感じた。

 

 

「うん…すごい…」

「でしょーっ自慢のお姉ちゃんなんだぁーあこもいつかお姉ちゃんみたいにかっこよくなるためにドラムの練習してるんだよ」

「そうなの? すごいね」

「えっへん!」

 

あこもドラムを叩いている。ドラムは体力を使うが小柄なあこもドラムの練習をしていた。

 

「でね、今日はりんりんにも見せたいものが――」

「(バンドかあ…わたしには想像もつかない世界)」

 

 

燐子は控えめで後ろ向きな自分がバンドをやっていることを想像をする。だがそんなことは自分には向いてないと考えた。

 

 

 

 

 

 

 

『君の音楽も誰かと奏でれるのも聴いてみたいな』

 

「…………」

 

 

蒼に言われた誰かとやる事もそれは楽しそうな気持ちになった。

 

 

 

「ねえりんりん聞いてる? 今日はどうしてもスケジュール厳守で行きたいのっ!」

「あっ……うん…」

 

 

 

ふと、蒼に言われた事を思い出した燐子だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「バンドのメンバーは当然探してるわ。今年のフェスに向けたコンテストのエントリーの受付はもう始まってる……条件は三人以上、今年こそはメンバーを見つける」

「でもさ、なんかそーゆーのって…」

 

大事なのは出場するだけじゃないと言いたいが友希那は言葉を続ける。

 

「私はやる……お父さんのために…リサだって知ってるでしょ」

「それは――」

 

 

 

幼い頃の友希那には笑顔があった。父親のバンド活動にとても喜んでいた。

 

大好きな父の為に歌の練習して、リサもベースを練習していた。蒼もいろんな楽器を見ていた。

 

そして友希那の父はメジャーデビューが決まった。

 

三人は喜んでいた。友希那の父のバンドはFUTURE WORLD FES.に出場して本格的に始まる……のだが、バンドは解散した……。

 

 

父の曲がアレンジされた。プロの編曲家に変えられた。もちろん反対したがプロのバンドは『趣味』ではなく『ビジネス』だと言われた。

 

『一人の大人として仕事をしろ』……その言葉に父の拳は壁にぶつけた。

 

 

数日後…

 

 

「あーあのバンド解散したんだ」

 

「最初はかっこいいーって思ったんだけどねー」

 

「去年のフェスで出した曲とかなんか超ビミョーだったよねー」

 

「途中から売れ線狙ってて冷めたわ~」

 

「アハハそれわかる」

 

 

 

 

 

 

――その時の事は今でも覚えている。

 

「(父さんのことを何も知らないくせに……!)私は必ず FUTURE WORLD FES.で父さんの…いえ、私の音楽で認めさせてみせるわ 」

 

「友希那……」

 

その時から友希那の笑顔は見ていない。

 

「(もうずっと―――)アタシも友希那のお父さんは辛かったと思うよ。でもだからこそアタシは友希那には音楽で辛い思いをしてほしくないんだよ」

 

「…………」

 

大好きな音楽を自分で壊したくない。リサも音楽に関わっていたからわかっていた。

 

「アタシも多少ベースやってたし、音楽の気持ちはわかるっていうか……友希那みたいにストイックじゃないし、高校入ってからはネイルでやめちゃったレベルだけどさー……あんまり追いつめないでほしいんだよね自分を……蒼だって――」

 

「私はただ自分のしたい事をしてるだけよ」

「でもっ!」

 

「私は真剣なのやるからには全てを賭ける。妥協のない完璧なバンドをつくるには“楽しさなんて”要らないわ」

 

友希那は求めている。全てを完璧にするためならば何かを無くしてでもやりとげることを……。

 

 

「友希那……」

「ライブハウス着いたからじゃあね」

「あ……」

 

友希那は振りかえずにライブハウスCiRCLEへと入っていった。

 

「相変わらず頑固だなぁ…ま、そう簡単にあの覚悟は変わらない事はわかってるけど…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(……だから最後までその覚悟を見守るって決めたんだ…でも友希那、それって本当にお父さんの為になるの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……それは本当に友希那がやりたいことなの……? )」

 

 

 

リサは考えたが友希那を止める事は出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ……蒼、どうしらいいのかな?」

 

 

幼い頃、三人で過ごしてきた事を思い出した。あの時は笑って過ごしていた事を…。

 

 

 

 

 

 

 

『友希那の事……頼む…僕には無理だったよ』

『そんなっ! 蒼が居なかったらアタシ――』

 

『僕も少し考える時間が欲しい……だから頼む、リサ』

 

『蒼……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「蒼……帰ってきてるなら友希那の事、お願いね」

 

リサは帰ってきた幼馴染みにお願いをした。

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

「蒼……何処に居るのかしら…」

 

ライブハウスのカウンター席で友希那はドリンクを飲んでいた。

 

 

「蒼の事ならバックヤードからでも聴いているかしら……でも、メールからは――」

 

『今日のバンドは楽しみだな』

 

この一言だけだった。

 

「何組みか聴いてるけど――?」

 

興味のない音たがらバンドの方は見ていない友希那だったがとあるギターの音に反応した。

 

友希那はステージの方に振り向く。

 

 

 

「(このバンド…ギターだけ上手くて、後は話にならない。バランスが悪すぎる…)」

 

とあるバンドメンバーの水色の髪の同じ年くらいのギターを弾いている女性を見ていた。

 

『最後の曲です…聴いてください』

 

「(でもあの子……あのフレーズが弾ける技術もだけど普通に練習して身につくレベルじゃない……一体毎日どれだけ練習を……それに土台になる基礎のレベルが尋常じゃない…………それに時々見せるあの指の構えと音と弾き方は…………もしかして――――)」

 

友希那は蒼の弾き方を思い出す。幼い頃から見てた彼の姿は目に焼き付けていた。

 

『……ありがとうございました』

「紗夜ーっ!!」

「最高ーっ!!」

 

 

「紗夜……間違いないわ。あの奏で方は――」

 

そう言って友希那は立ち上がって、バックヤードに向かう。時々声をかけられたが友希那は無視していた。

 

 

 

 

 

 

 

周りから何を言われても別に構わない……私はやるべき事をするだけ……だと…。

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私の身勝手な行動だけどそれが私とあなた達の為になるの……ごめんなさい」

 

「そう……何となくわかっていたけど、紗夜だけは違うってわかってたよ。紗夜の音は違っていたからね」

「私達も紗夜の為なら構わないよ。ありがとうね」

 

 

 

「……今でもありがとう」

 

 

紗夜は控え室から廊下に出た。

 

 

 

紗夜は今のバンドを抜けた。少し前の自分なら酷い言い方をしていたが今は少し優しい言い方をした。それはきっと蒼が教えてくれたからだと感じた。

 

 

「(今日はバックヤードから聴いてたみたいだけど……何処へ……)」

 

あの日からギターの事を時々教わっていた紗夜…連絡を取っているからライブハウスでギターを二人で弾く。蒼のお陰で自分は成長したがいまだに蒼の事はわかっていなかった。楽器もレンタルだけを使用していた。

 

 

 

わかっているのは自分と同い年で色んな音楽や楽器に詳しいこと。そして、誰かに会いに来た事だった。

 

「はぁ……」

 

自分でもどうしてかため息が出た。

 

 

ドンッ

 

 

紗夜は友希那とぶつかった。

 

「……ごめんなさい、考え事をしていました。すみません」

 

「さっきのあなた達のステージを見たわ。あなたのギターとても素晴らしかった」

 

紗夜は謝ったが友希那は気にせずに演奏の感想を言った。友希那は褒めたが紗夜はあまり嬉しい気持ちにはならなかった。

 

「(素晴らしい……)いえ、ラストの曲のアウトロで油断してコードチェンジが遅れてしまいました。拙いものを聴かせてしまって申し訳ありません……私のギターを教えてくれた人も気づいてる筈です」

 

「! (教えてくれた人……でも確かに彼女言う通り遅れたけど、一瞬の音で気にならない程度……『あれ』がミスなら相当の理想の高さ……もしかしたら…この子となら…)」

 

友希那は驚くのと同時に決めた。

 

 

「紗夜っていったわね、あなたに提案があるの」

「提案?」

 

「私とバンドを組んで欲しい」

「……え」

 

 

 

 

 

これが友希那と紗夜の出会いで、“始まり”でもあった……

 

 

 

 

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