Roseliaと雇われサポート   作:ニックネームは忍者

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どうでもいいけど“狩りゲー”楽しい~♪



お気に入りが出るのは嬉しいですが、評価も嬉しいですね。誤字報告ありがとうございます、助かります。

感謝します……それでは第二章です。


それよりも紗夜と関わらせる事が難しい……












第二章 ドラマーはアレっぽい

 

 

 

 

 

 

 

「なんだろう…? 連れてきてもらったこのカフェ…入ってからずっと隣から音楽が漏れてくる…」

 

ライブハウスCiRCLEの隣になるカフェに燐子とあこが居た。燐子は隣から漏れる音楽を聴いていた。

 

 

 

 

 

 

「――――って、聞いてるりんりん?」

「あ、うん…聞いてるよ…あの、この音って――」

「気づいたんだねりんりんっ! じゃあなぞなぞだよ! このカフェの横にある建物は――」

 

そう言ってあこは隣の建物に指を差すが……

 

「ライブハウス……」

「え……」

 

先に言われて、あこは止まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私と…あなたで?」

 

 

一方、友希那は紗夜をメンバーに加えようとしていた。

 

「……すみませんがあなたの実力もわかりませんし、今はお答えできません」

「私は湊友希那。今はソロでボーカルをしていて… FUTURE WORLD FES. に出る為にメンバーを探しているの」

 

その言葉に紗夜も理解した。

 

「そうですか……私も FUTURE WORLD FES.に以前から出たいと思っています。でもフェスに出るためのコンテストですらプロでも落選が当たり前…頂点と言われるイベントですよね 」

 

紗夜もそのイベントに出る為に努力をしている。だが簡単にはいかなかった。

 

「私もいくつものバンドを組んできましたが実力が足らず諦めていました……でも私は出たい。諦めずに私は出たい……ですからそれなりに実力と覚悟のある方とでなければ――」

「あなたと私が組めばいける。私の出番は次の次…聴いてもらえばわかるわ」

 

歌を聴いただけで組むか組まないか決めるのは簡単じゃない。紗夜はそう言おうとするが…

 

「ですが――」

「それよりもあなたのギター……いい弾き方してるわね。誰かに教わったの?」

「え――――はい……少し前、知り合った方から教えてもらってます」

 

突然、ギターの弾き方をきかれた。紗夜はその通りに答えが友希那は一瞬表情が変わった。

 

 

「そう――――――――蒼は相変わらずなのね」

 

「え……」

 

 

紗夜は友希那の表情よりも言葉……“蒼”の言葉に驚いた。

 

 

「私が音楽に対する覚悟がどの程度なのか……一曲でわかるから」

「……わかりました、一度聴いてから決めます」

 

紗夜は平常心になって答えた。

 

「いいわ…それで充分よ」

 

 

友希那は紗夜の側から離れていった。

 

 

 

 

 

「(湊友希那……蒼と言っていたけど、響鬼さんの事を? ……知り合いと言うより昔からの――――)」

 

「まさか、友希那から直接氷川さんに会いに行くとはな」

 

友希那が居なくなってから蒼が現れた。

 

「響鬼さん……知り合いの方ですか?」

「知り合いと言うか……幼馴染みだな」

「幼馴染み……ですか…」

 

その言葉に紗夜は少し妙な気持ちになる。蒼は疑問になったが今日の感想を言う。

 

「? ……それよりも今日の演奏はなかなか良かったよ」

「え……そうですか」

「少しテンポがずれていた場所はあるけど、気にしないし、前よりほんといい音だよ」

「そうですか……先ほどの話は聞いてましたよね」

「…………うん、聞いてたよ。どうするかは歌を聴いてからがいいんじゃない」

 

バンドを組む話は蒼にも聞こえた。紗夜は迷っていたが蒼はとりあえず歌を聴くことを言う。

 

 

「そうですか……響鬼さんは湊さんの歌はどう思いますか?」

「…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……友希那の歌は口では表せない……昔からね」

 

「それは――」

「僕からの感想より、直接聴いた方がいいよ。氷川さん、ギターは僕が持っているから場所を取りに行ったら? 友希那の歌は人が集まるよ」

 

「…………わかりました。ギターをお願いします」

 

紗夜のギターを蒼に預けた。紗夜も友希那の歌を聴きに向かった。

 

「友希那…………あまり、変わっていないな…僕も人の事は言えないか」

 

蒼は紗夜のギターを見つめると肩にかけて歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「でねっ! ついに見つけたの! あこだけの超っカッコイイ人!」

「そうなんだ…あこちゃん、カッコイイの好きだもんね」

「えへへっだからりんりんっライブハウス行こ?」

「…………え?」

 

 

あこと燐子もライブハウスに向かおうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(やっぱり友希那が気になって来ちゃった…)」

 

 

アクセサリーショップに向かったリサも幼馴染みの友希那が気になり、ライブハウスに来てきた。

 

どんっ

 

「あっごめんなさいっ」

「いえ…こちらこそ…」

 

よそ見をしていたリサは紗夜とぶつかった。

 

「(凄い熱気…こんなにファンがいるの? しかも押してるのに全然騒がない…みんなあの子の歌を待ってるみたい…あれ?)」

 

紗夜は自分がライブをしていた時より人が集まっていた。それだけ友希那のファンがいるのを理解した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「? あれ?」

 

リサは見覚えのある人を見つけた。その人もリサと目があった。リサはその人に近付く。

 

 

「蒼……だよね」

「もしかして……リサ?」

 

 

友希那と会う予定が先に蒼と会ったリサ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「りんりん!こっちこっち!」

「ここに居れば押されないからねっ……て、りんりん!?」

 

「人が……たくさん、うちに……かえ、りたい」

「りんりん顔がー!」

 

 

隣のカフェからあこと燐子もスタジオに来ていた。人の多さに燐子は顔を青染めていく。

 

 

 

 

 

「あの人、確か同じクラスの白金さん? 彼女もファンなの?」

 

 

紗夜と同じクラス燐子も来ていた。話したことはないが、知っていた。

 

 

 

『彼女の歌は口では表せない……昔からね』

 

 

「(あの時の響鬼さんの表情……幼馴染みと言ってましたけど……何かあったのかしら……!?)」

 

照明が着き、友希那のソロが始まった。

 

 

 

数分だけ流れる友希那の歌は誰もが引き寄せる歌……彼女の歌が場を空気を……全てを包んでいく。

 

 

「本当に彼女は――――」

 

 

紗夜は友希那の実力を知った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本当に凄いね友希那」

「そうだな」

 

蒼とリサは久し振りの再会に話したいことがあったが友希那のライブが始まり、二人は聴いた。

 

「ねぇ蒼……帰ってきたことは―――あれ?」

 

リサは蒼に話し掛けるが蒼の姿はなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうだった? ……私の歌」

「なにも言うことはないわ……私が今まで聴いたどの音楽よりも……あなたの歌声は素晴らしかったわ―――――あなたと組ませて欲しい!」

「!!」

 

友希那のライブが終わって、控え室の方で紗夜は答えを出した。

 

 

「そして…… FUTURE WORLD FES.に出たい…あなたとなら私の理想……頂点を目指せる! 」

「……ええ!」

 

紗夜の言葉に友希那は二人目を見つけた。

 

 

 

「まさか友希那のメンバーに紗夜を迎えるとは……驚きだな」

「響鬼さん……ギターありがとうございます」

 

紗夜のギターを背負っている蒼が部屋に入ってきて、紗夜に返した蒼。そして友希那を見る。

 

「久し振りね蒼……あなたが紗夜にギターを教えていたのは驚きだわ」

 

友希那も無表情に蒼を見て答えた。

 

「―――――いい歌だったよ友希那……孤高の歌姫に相応しい名前だな」

「あれは勝手につけられただけよ」

 

友希那は呆れながら言う。

 

「そうか……それよりもそろそろ出るか。荷物をまとめてこれからの事を話した方がいいぞ」

 

蒼は二人の状況を考えて、話すことを提案した。

 

「そうね……そうするわ」

「はい……(響鬼さん、少し表情が変でしたけど…気のせいかしら)」

 

友希那がギターを教えてる時の言葉…蒼の表情は少し変化があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「……あなたと組めることになってよかったわ。もうスタジオに予約入れていい? 私、時間を無駄にしたくないの」

「同感ね。他に決まっているメンバーは?」

「いいえ、まだ誰も……ベースとドラムのリズム隊、それにキーボードは特に重要」

 

チームと言っても二人だけでは意味がない。まだまだ必要なことはある。

 

「あと三人も……だったら急ぎましょう。実力と向上心のあるメンバーを見つけて少しでも練習時間を確保して……」

 

「「最高のコンディションでコンテストに望まなきゃ」」

 

友希那と紗夜が二人同時にはもった。

 

「二人とも……本当に初めてか?」

 

あまりにも息が合うので蒼は笑った。

 

「初めてよ蒼……本当にあなたとはいい音楽が作れそう」

「……そうね。メロディはさっき聴いて貰ったのを私の方で詰めてみるわ」

「じゃあ私はその後のパートのベースを―――」

 

「友希那、僕がスタジオの予約を入れとくよ。後で連絡するよ(二人ともいいコンビかな……?)」

 

友希那から承諾を貰い、蒼は視線を感じて、前を見ると見覚えのある二人を見つける。

 

「(あれはあこと白金さん? あこが嬉しい顔をして、白金さんはおろおろしている……出待ちかな?)」

 

 

二人は出待ちをしている。友希那と紗夜は会話していて二人に気づいていなかった。

 

「あ、あのっ!」

 

あこは前に出てきて二人は気づく。

 

「あのっ! さっきの話は本当ですか! 友希那……さん、バンドを組むんですか?」

「……ええ、その予定よ」

 

その言葉にあこの表情が明るくなる。

 

「あ、あこっずっと友希那さんのファンでしたっ! 憧れてますっ! だ、だからお願いっ…………あこも入れてっ!」

「「!?」」

 

 

突然の言葉に二人は驚いた。

 

 

 

 

「まさかこうなるとはな……」

 

 

蒼は口ではこう言うが、内心は驚いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あこ、世界で二番目に上手いドラマーですっ! だからあこもバンドに入れてくださいっ!」

 

「(いきなりだが必要なドラマーが目の前にいるが……どう出るかな)」

 

 

突然目の前に現れて、いきなりメンバーに入れてほしいと、言われたら誰でも驚く。数秒後、先に口が動いたのは紗夜だった。

 

 

 

「ちょっとあなた、私達は本気でバンドを―――」

「遊びはよそでやって……私は二番であることを自慢するような人とは組まない」

 

紗夜の言葉に友希那が入り、断りを言いながらあことすれ違った。紗夜も後に続く。

 

 

「うぅ……」

 

落ち込むあこに蒼は近づく。

 

 

「(随分な言い方だな……友希那らしいか)友希那は疲れているから、また今度来たらいいよ。あこはこんな最初の所で諦めないだろ?」

「蒼さん……そうですね!」

 

あこの性格なら諦めない子だから蒼はこれでよしと判断した。

 

 

「(あこはこうでないとな)……僕も二人に話さない事があるからまた今度ね。白金さんもよければまたライブ来てね」

「は、はい……」

 

蒼も二人の背中を追いかけた。

 

 

 

 

「蒼さん……あこ、頑張るぞっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後日、あこは諦めきれずに毎日のように声をかけて、紗夜が毎日のように断っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅ……今日もダメ…なんで伝わらないのかなぁ……あこは本気なのに…」

 

あこはテーブルあるパソコンで燐子にメッセージを送る。

 

「あこちゃん……また断れちゃったの…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『言葉だけじゃ伝わらないのかもしれないね』

 

『? じゃあどうしよ?』

 

『あこちゃんや私が友希那さんの歌を好きになった瞬間みたいに音で伝えられたらいいのになって思った』

 

「音で……」

 

 

言葉よりも大事だがもっと違う伝えかたもあるとわかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

『わたしもあの歌を聴いたとき、すごいと思ったから……あの感覚は言葉だけじゃ上手く表せないと思う。バンドってそういう感覚で繋がるってことかなって』

 

「あ……なんかちょっとわかった…かも…」

 

あこはバンドをやっていないがあこのお姉ちゃんもバンドをやっている姿を見て、何となくわかるあこだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま~」

「あ、おねーちゃんおかえり……」

「おっ今日も不発だったみたいだなあこだけのカッコイイ人とバンドやる作戦」

 

幼馴染み五人で結成したAfterglowの宇田川巴。ドラムの担当をしている。あこの姉であった。

 

「そーなのっ! とにかくギターの紗夜さんがすっごい防御力で……」

 

あこは毎回攻撃していたが紗夜によって、毎回防御されていた。

 

「紗夜さん……って……まさか湊さんと組んだって言うあの紗夜さんのことか?」

「え? おねーちゃん知り合いなの!?」

 

巴は二人のことは前から知っていた。

 

「あこが言ってたカッコイイ人って、湊さんだったのか……知り合いもなにもあの人はうちの高等部先輩でよく構内でもすれ違うよ」

「えっ! 湊さんって……?」

 

巴も羽丘学園高等部一年……友希那の一つ下の後輩である。

 

 

「友希那さんの名字。中等部とは校舎が離れているから以外と気がつかないんだな。しかもうちのダンス部のリサさんの親友だぞ湊さんは」

 

 

ダンス部の言葉にあこは驚いた。

 

「えー!! リサ姉の歌の上手い『親友』の話もあこ、よく聞いてるよ!」

「以外に身近に居るものだよな」

 

巴は笑いながら答えた。そしてあこは思い出したかのように言う。

 

 

 

 

 

 

「あ、それとおねーちゃん、蒼さんと会ったよ」

「えっ! 蒼さんに会ったのあこ?」

「うん、ライブハウスに……友希那さんとは前からの知り合いだったみたい」

「へぇ~蒼さんには前に世話になったからな。今度皆でお礼を言いたいよ」

 

少し前、Afterglowのメンバーは蒼に世話になった事がある。お礼を言う前に本人は去ってしまい、それ以降会えていない。

 

 

 

 

 

 

 

 


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