題名と本編が結び付いていないと思うのは自分だけでしょうか……本編どうぞ
「えっ! 友希那! 今の話ってマジッ!」
「本当よ、バンドを組んだわ。紗夜って子と……まだギターとボーカルだけだけど……コンテストに向けて新しい曲も出来上がってきてる」
この日のリサは朝から驚いた。友希那がバンドを組んだ事を耳に届いたのだった。
「そっか……(蒼も帰ってきたし、こんな日が来るとは思ってたけど……本当にきちゃったか)」
友希那の性格を考えるとすぐにメンバーが決まるとは思わなかった。蒼が帰ってきて、何か起こると思っていたがこうも事が起きたのだ。
「友希那がついにバンド始動かあ……蒼がいなくなってからアタシ以外つるまないで一人でいるからさ、これでも結構心配してたんだよ」
「リサ……」
蒼と三人で遊んで過ごしてきた三人。蒼がいなくなり、友希那はリサとしか過ごしていなかった。
「でも私は本気だから……私もその子も FUTURE WORLD FES.に出たい目標が一致したから組んだだけよ 。それにこれはお父さんの―――」
「わかってるよ、目的は置いといて……アタシは嬉しいよ。友希那と一緒に練習してくれる仲間ができたってことだしさ……でもさどーすんの? FUTURE WORLD FES.のコンテストって三人以上が条件じゃなかった? 」
友希那は訳があり、バンドを始めた。リサはそれを応援する。
「…………リサは私がバンドを組むことを止めないの?」
「…………」
友希那は正直、リサが止めに来ると思っていたがリサの答えは反対だった。
「……友希那はアタシが止めたらやめるの?」
「リサ……」
「ゆ、ゆ、ゆ……友希那さんっ! お願いしますっ!」
二人は学校から出て会話していると、あこがやって来た。
「あなた、学校にまで―――同じ制服?」
あこの服装は羽丘女子学園の制服だった。
「はい! 友希那さんっ! 実は中等部にいました、宇田川あこですっ!」
あこは敬礼しながら言った。
「あれ? あこじゃん! どしたの?」
「……リサ…知り合いなの?」
リサが知り合いの事に友希那は反応する。
「うん、ダンス部の後輩で―――「お願いします! 絶対いいドラム叩きます! お願いします!」……話が見えないんだけど……」
リサはあこのアタックを初めてみる。だから友希那のメンバーに入りたいのは今日知った。
「彼女はドラムをやっている宇田川あこ……友希那のバンドに入りたいのだがいつも断られている子だ」
「蒼!? どうしてここに!」
三人の所に蒼が来て、リサは驚いた。蒼の服装は学校の制服姿で学校帰りに見えた。
「やぁリサ、この前はごめんね。少し急ぎがあったから」
「蒼の事だからわかっていたけど……今日はどうしたの?」
リサも蒼が何かしら理由があるのを察したのだった。
「今日は友希那とここで落ち合う話だったんだよ。それよりもあこ、今日はどう言ったお願いかな」
「あ、そうでしたっ!」
友希那から連絡があり、待ち合わせをした蒼。近くに来たときにあこが居たので目的の事を言う。鞄から何かを取り出した。
「……どうしたらあこの本気が伝わるのか考えて……友希那さんの歌う曲を全部叩けるようになって来ました! いっぱい練習して、だからその…………お願いします! 一回だけ……一回だけでいいから一緒に演奏させてください!!」
あこは紙を前に出してお願いしてきた。言葉よりも違う伝え方を考えたのだ。
「……それでダメだったらもう諦めるから」
「…………何度も言ってるけど遊びじゃないの」
友希那から見ればあこは遊びに見えたのだ。でまあこも本気で挑んでいた。
「まぁまぁ友希那、いいじゃん一回くらい一緒にやってあげなよ」
「……私にはそんな時間はない」
リサは後輩のあこの本気は伝わっている。友希那に何とかしようとしているが友希那は相手にしない。
「…………」
蒼も何とかしたいのと、メンバー探しにはあまり時間をかけたくないのとあこの事はわかっていた。蒼は少し背中を押す。
「あこ、少し借りるぞ」
「は、はい…」
蒼はあこが取り出したスコアを見る。少し眺めて、蒼は言う。
「ボロボロになるくらいに練習したんだな。しかも何度も……ずいぶんな努力家と見れるよな、友希那」
「…………っ」
実力も大事だが努力も大事……友希那もそこはわかっていた。
「あこの事は同じ部活で見てきたアタシが保証する。やるときはやる子だよ! 数分だけでもチャンスをあげるくらいは良いんじゃない?」
「でも……」
リサも援護して、蒼はとどめを言う。
「あこのドラムは一度は聴いてみたいな……駄目ならドラム決めの参考にもなるぞ、友希那」
あこのドラムは聴いたことはない。参考の言葉に友希那は言葉を返せない状況にした。
「蒼…………わかったわ。でも一曲セッションするだけよ」
「!! ほ、本当ですか!? やったあっ!」
友希那は折れて、許可を出す。あこはとても喜んでリサに近づく。
「リサ姉ありがとうっ!」
「やったね! あこ」
二人を見て、蒼も安心した。
「よかったな、あこ」
「蒼さん! ありがとうございます!」
「だが受かっていないし、一回勝負だぞあこ」
「はい! あこは頑張ります!」
そんな会話をしていると、リサは友希那に話し掛ける。
「ねぇ友希那! アタシもセッション見学していい?」
「別にいいけど…………どうしたの急に? スタジオなんて随分来てないのに」
「ど、どうって別に……ライブハウス以外で歌ってる友希那もたまに見たいじゃんっ! それに紗夜って子がどんな子なのか気になるしさ」
リサはしばらくライブハウスに来ていないのもそうだが、リサは少しおどおどしながら話していた。
「そう……好きにしたら」
「やったっ(変だなアタシ……今まで遠くから見ているだけでよかったのに……なんでこんなに友希那のバンドが気になるんだろ)」
「……………………」
その姿を蒼は見ていた。
――――――――――――――――――
「懐かしいなぁ、このスタジオーって感じの空気! 最後に入ったのは中2の夏休みだったっけ?」
リサは中学のあの日から音楽から離れていた。かなりのブランクがある。
いつものスタジオにメンバー以外に二人増えたことに紗夜は驚いていた。
「あの……湊さん、この人達は?」
「あいさつが遅れちゃってごめんね! アタシは今井リサ、友希那と蒼の幼馴染みで今日は見学に来ましたっ!」
「は、はい(明るい人……響鬼さんに二人の幼馴染みがいたんですね)」
リサの紹介の後にあこも自己紹介をする。
「宇田川あこですっ! 今日はドラムのオーディションをしてもらいに来ましたっ!」
「……オーディション?」
「ごめんなさい二人が……いえ、私が彼女のテストを許したの」
オーディションの言葉に紗夜は頭を傾ける。友希那の許可もそうだが蒼も言う。
「すまない氷川さん、部外者の僕が勧めたりして」
「……響鬼さんが勧めるのなら、実力がある方なんですね」
困っていたが蒼が進めたのなら、紗夜は別に断るどころか能力がわかってきた。
「僕もあこのドラムは初めてだが気になってな……友希那はどう思う?」
「……努力はしているらしいわ。勝手に練習時間を使ってごめんなさい、5分で終わらせるから」
友希那は謝ったが紗夜は別に構わない顔をしていた。
「いえ、湊さんの選出なら構いません。ただ少し意外です。あなたはどんな形であれ、音楽に私情を持ち込まない人だと思っていたから」
「その価値観はあなたと合致しているつもりよ。実力がなければすぐに帰ってもらうわ」
「はいっ! わかってますっ!」
プレッシャーがある言葉だがあこのやる気は入っていた。
「リサ姉! あこ絶対合格するように頑張るからっ」
「そうだね! あこファイトっ!」
リサからの応援を貰い、何時でもできる状態だが友希那は紗夜に確認をとる。
「二人とも準備はいい?」
「できればベースもいるとリズム隊として総合的な評価ができるんだけれど……」
「そうね……でもこればかりは仕方ないわ」
評価もしたいがそれでも足りない事があった。
「(ベースか……なら――)」
蒼はリサの方を見るが、リサから行動していた。
「あ、あのさっ! アタシ弾いちゃ駄目かな?」
「リサ……」
「えっリサ姉ベーシストなの!?」
「昔ちょっとね…誰もいないならアタシが弾くよ! 待ってて! ベース借りてくるから!」
スタジオから出て、数分後リサはベースを借りて来た。
「湊さん、今井さんは本当に弾けるんですか?」
「譜面で一通り弾くことは今でも出来る……と思う」
「一通り……ね」
紗夜は友希那にリサが出来るのか確認した。友希那もリサの昔の音は知っている。一通りの言葉にリサを見る。
「ん? ………… このネイル? 大丈夫大丈夫! アタシ指弾きはしないから」
「スタジオの、備品ですから変な弾き方をして楽器を痛めないでくださいね」
「はーいっ!」
リサは手を上げて返事をする。蒼はリサの指を見る。
「それにしてもリサの指は綺麗だな」
「えっ!?」
いきなりの言葉にリサは驚く。
「どうした? ネイルしてるのもいいが……僕的にはリサはネイルを外した指の方がリサらしくていいな」
「あ、蒼……昔から知ってるけど、よく言えるよね」
蒼は恥ずかしくないのか真っ直ぐな言葉にリサは顔を赤くする。
「…………」
「? 氷川さん?」
紗夜は蒼を見ていた。視線を感じて紗夜の方を向く。
「いえ、何も……私はあくまで宇田川さんのテストなら問題ありません。皆さん、準備はよろしいですか?」
「蒼……感想聞かせてね」
「わかっているさ友希那、いつでもいいぞ」
蒼は椅子に座って、意識を耳に集中した。
「それじゃあいくわよ!」
そして演奏をしたが、それは初めての事だがそれは初めての事じゃないかのように流れてきた。
「「―――――!!?」」
皆も驚いて、自然に指が触れていた。
「(!? なに……? この感じ…)」
流れる音をいい歌声に変えてくれる友希那。
「(見えない力に引っ張られるみたいに……指が!)」
いつもよりも体が軽く、指が自然に動いていく紗夜。
「(え……!? しばらく弾いてなかったのに…)」
しばらく弾いていないのにまるで昨日みたいに弾いていくリサ。
「(凄い……練習の時より上手に叩ける!)」
体力を使うドラムが簡単にできているあこ。
「(流石に驚くな……)」
友希那、紗夜、リサ、あこも違う感覚になっていた。蒼も驚いていた。
「(……個性あってバラバラに見えてもそれがパズルのピースの形をしていてそれが綺麗に形が出来ていく…………気持ちが重なっていくな)」
蒼は気付かれないように鼻歌を歌っていた。
・・・
「「…………」」
演奏が終わり、音が止むが誰も口を開けなかった。
……
「あの……さっきから―――」
流石に困ったのかあこが先に喋るが―――
パチパチパチパチ……
蒼が拍手をしていた。そして蒼は言う。
「友希那……結果は?」
「そ、そうだったわね……合格よ…紗夜の意見は?」
「…そう、ですね……私も同意です」
「!! いやったぁー!」
蒼の言葉に友希那は我に返って結果を言う。紗夜もどうやら同じ状態だった。あこも合格の言葉に喜んだ。
蒼は皆を見ながら感想を聞く。
「……皆はどう感じたかな?」
「なんか……すごかった! 初めて合わせたのに勝手に身体が動いて……こんな感覚初めて……!」
「あこも思ったんだ! なんかすっごくいい感じだったよね」
「そうですね…これは……」
「……技術やコンディションだけではない……その時その瞬間にしか揃い得ない奏でられる『音』」
誰もが言葉では表せない状態になっていた。
「友希那が言うのはミュージシャンの誰もが体験できるものではない『感覚』……雑誌で書いてある言葉だけど」
「えぇ……今のは間違いなく…」
迷信にあるものが目の前にある……そう感じていた。
「なんかそれってキセキみたいっ!」
「うんっマジックって感じ?」
「そう、ね……そうとしか思えない…皆さん貴重な体験をありがとう。宇田川さん、これからよろしく」
「はーいっ!」
紗夜の言葉にあこはメンバーに加わった。
「あとはベースとキーボードのメンバーね」
「え? ベースならリサ姉がいるのに!」
確かにボーカル、ギター、ドラムが決まったがベースとキーボードがまだいない……そんな中、あこはリサをベースと言う。
「えっ!? いやアタシはその……ヘルプで弾いただけで…」
「今井さんはあくまで宇田川さんのオーディションに付き合うために弾いただけ……ですよね」
「でもバンドメンバー探してるんだよね? こんないい演奏ができたのになんでメンバーにしないの……?」
リサはあくまでヘルプの為。紗夜の言う通りだがあこの言う演奏は素晴らしかった。
「いい演奏だったよリサ、ほんとにベースは弾いていんじゃないのか?」
「え、アタシはしばらく弾いていないよ」
リサは本当にしばらく弾いていないようだった。蒼は友希那を見る。
「そうか……友希那はどうだった? メンバーとしてはどうだ?」
「……技術的にはまだメンバーとは認められないわ」
「!?」
友希那はまだ認めていなかった。友希那の言葉はまだ続く。
「ただ…………足りないところはあるけど今のセッションは素晴らしかった。紗夜もそれは認めるでしょう?」
「確かに今の曲だけに限れば…よかったですが……」
紗夜は考えすぎなのか頭が固かった。
「氷川さんは少し考えすぎだ。いい演奏だったぞ、正直驚いた」
「響鬼さん……ありがとうございます」
蒼は感想を言う。驚いたのは本心、ここまでになるのは予想がつかなかった。蒼の感想にあこは言った。
「ならバンド組もうよ! この四人で!」
「…………そうね、リサもそれでいい?」
「え? いいの? ……マジで?」
友希那からの言葉にリサは問いただすと友希那は頷いた。
「おめでとうリサ」
「蒼……ありがとね」
――――――――――――――――――
『でね! あこもリサ姉も加入することになったの! 今日のことは一生忘れない!!』
『オーディション合格おめでとう! あこちゃんの努力が認められたんだね』
あことリサがメンバーに入った夜、あこは燐子とチャットをしていた。
『うん、努力はしたけど……でも努力だけじゃないかも!』
『どういうこと?』
『曲が始まったら勝手に身体が動いたの! リサ姉もマジックって言ってた! 友希那さんも言って、みんな同じに思ったんだよ! 凄くない!!』
『そんなことがあるんだ…バンドってすごいね』
『バンドはやっぱり最高! ずっと一人で練習してたから超感動しちゃった! みんなで演奏って楽しすぎる!』
話を聞いているだけであこはとても楽しんでいることを感じた燐子。それと同時に昔を思い出す。
「みんなで……昔から一人で弾いてるピアノは大好きだけど……誰かと一緒なんて…わたしは……考えたことない」
『みんなで集まるとキセキを感じるの!』
燐子のピアノは一人弾いて、周りに聴かせていた。誰かと一緒に弾いたことも無かった。
『バントはきっと成功するねわたしも応援する!』
『ありがとう! りんりんも何か音楽始めてみたらこの感じわかるはず!』
このメッセージに燐子は反応した。
「あ……あこちゃんに、ピアノの話したことなかったな」
燐子は幼い頃からピアノをしていた。今でも時々弾いている。
『バント名まだ決待ってないんだけど……りんりん何がいいと思う?』
そしてとある人に言われた事を思い出した。
「響鬼さん……わたしも―――」
『あれ? おーいりんりん? もしかしてもうゲーム インした? なら我も出陣するのでしばしば待たれよ!』
あこからメッセージに燐子は我に返り、返事をする。
『まだインしてないよ。その前にあこちゃんのバンドの話を聞いたらダメかな?』
『任せよ! 今宵は一晩中語り明かそうぞ!』
『ありがとう嬉しい』
ゲームも楽しいが今日は違う感覚が生まれた。
「バントの話…不思議だけど……聞いてるだけで…すごく楽しい……!」
近い先“披露”されるのは別の話……