恋をしたありふれた職業は世界最強   作:見た目は子供、素顔は厨二

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え、遠藤の髪と鼻と口がある…だと!?(漫画最新話)
馬鹿な!? 遠藤はクトゥルフ的なアレじゃないのか!?
つーかモブ顔だな!!

あと来ますね、ありふれ最新刊!
今回の表紙はティオさんだそうで!
…で?(ハイライト消滅)
…で、香織さんはどこにやったってんだよ? ぉおん?
親友にさえも抜かれてしまった香織さんの表紙2回目はどこだって聞いたんだよぉおおおおおおおおおお!!!!???!?!?

と、いう怒りのまま筆を走らせた今回ですが、次の話から香織さんの存在は暫く消去します。
メインヒロインの座って何ぞや…?
つーか、一章自体香織さんの出番が…。


4、依頼、転じて災いと成す

 ーーハジメside

 

「依頼ですか? しかも僕に?」

「ああ、その通りだ。小僧の名前をご丁寧に指定してきてやがる」

 

 工房に入ってから半年ほどが経った。【不屈】などの技能もあって、充実した鍛錬の日々を繰り返してきたハジメ。本気で鍛錬(自主練)→仕事→休憩(自主練)→仕事→鍛錬(工房)→飲み会(もとい“錬成”についての見解)→最初に戻る、を繰り返している。

 

 そんな正直に言って常識を無視したスタイルのハジメ。そう言った経緯から、ハジメ自身もある程度光明を見出しつつもあった。

 

 あとは自己鍛錬の量を増やし、戦闘技能を磨くことを方針としていたのだが…ここに来て大規模な仕事の依頼である。そしてその内容もまたハジメにとって面倒だと思わざるを得ないものであった。

 

「湖畔の町ウル…その備品などの調整、および柵の改良ですか…。この程度の仕事、しかも今まで一切関わりのない地域での依頼でわざわざ僕を指名するってことは…」

「十中八九、嫌がらせ目的だろうな。仕事にケチを無理矢理付けて、小僧を貶めたいってところじゃねぇか? 面倒だってなら断っていいぞ。小僧は義理息子と娘(ウチのボンクラ共)と違って真面目にやってくれてるからな」

「あはははは…」

 

 ウォルペンには義理の子供が九人もいる。その理由は彼らの元々の身分に関係なく工房に入れるためのものだ。すなわち「盗賊だろうが奴隷だろうが他種族だろうが、俺の子供なら関係ねぇだろ? 工房入れてオッケェだろ? なんか文句あっか? あ?」といった超理論によるものである。

 

 そんな感じでウォルペンさんの工房に入った彼らは有能であれど、一癖も二癖もある。作業するには酒を入れるのが一番だ、とベロンベロンになって言い張る大罪人の息子、経費で合コンを行い出す元奴隷、飲み会の度に騒音被害を撒き散らす元盗賊、この前ガチで刺されたナンパな別種族のハーフ…etc。

 

 元々こんな感じの義理息子娘達を相手していたのに比べれば「公然的には大罪人だが、工房内ならただただ優秀な期待のルーキー」となるハジメはウォルペン的には「なんか一つぐらい迷惑起こしてもいいぞ」となる訳である。

 

 というか最近ガチでウォルペンが「義理息子にならねぇ?」と言い出すくらいには、それはもうハジメのことを気に入っていた。なおハジメの親はまだ生きている、という理由でお断りした。なんというか…鮫姉(ジャン○ダルク(アーチャー))とか全世界の姉(ナ○メア)とかと同じような感じがしたから…。

 

 それは兎も角、たしかにハジメにとってこの依頼はかなり面倒くさい。ただただ邪険にされる程度なら良い。しかし無駄に正義感が強いものがいれば、最悪ハジメに剣を向けてくるかもしれない。

 

 この世界は地球よりも倫理観がぶっ飛んでいる。殺しすらも神の名の元、正当化される。ならば突然ながら神の使徒を罠に嵌めながらも生きながらえているハジメはそうなりかねない。むしろ今の今までそうなっていないのが奇跡である。

 

 まぁ、その要因には鍛えに鍛えられたハジメ自身の『技能』も関係するのだが…。

 

「いえ、大丈夫です。その依頼、僕が受けさせていただきます」

「…大丈夫か? 最悪強硬手段に出るような奴も出てくるだろうが」

「心配無用です。今の僕ならある程度(・・・・)までは相手出来ますから」

 

 ハジメがそう言って微笑むと、多少ながら不安げになっていたウォルペンもならば気にしないとニカッと笑った。

 

「ふん、それなら良い。男に二言はないぞ。依頼を果たして、必ず帰って来い」

「了解です! 棟梁!」

 

 ーー南雲ハジメにとっての初のクエストが幕を上げる。

 

 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

「ーーそんな訳でしばらくはこっちの方に戻れないと思うよ」

「ハジメくんご指名で依頼が来たんだ! すごいね! やったね!」

「ええい! カオリになれなれしく近づくなぁ!」

 

 とは言え、依頼の日まではまだ数日ある。そのため、たまたまホアルドからこちらに戻ってきていた香織や雫に依頼の内容を一応ではあるが伝えておく。

 

 純粋な香織はその内容を聞くとすぐに喜んだ。恐らくはハジメを貶そうぜ!といった依頼だと考えられる為、ハジメとしては「う、うん」と濁さざるを得ない。

 

「それにしても南雲くん。その依頼は一人で行くのかしら? そうだとしたらかなり無計画のように感じるのだけれど…」

「移動手段については馬を一頭貸してくれるみたいだからそれを使うつもりだよ? あとは…食費と荷物かな。鞄とかリュックサックに入れるとなると明らかに量が足りないから…どうせだし馬車でも作るか…」

「えぇ…」

「ええい、余を無視するなぁ!」

 

 なおハジメはこの半年で単なる“錬成”のみならず、手作業でものを作ることにも非常に慣れつつあった。また木材売りのおっちゃんとは親交がまあまあ深くなりつつあるので、安く売ってもらえる。案外この半年で顔が広くなっているのだ。

 

「問題は魔物かなぁ。今なら一応倒せなくもないけど、村に着くのが遅くなりかねないしね」

「非戦闘職の【錬成師】で魔物を追い払えるって断言できる時点で私には埒外に聞こえるのだけれど…」

「余の声が聞こえとらんのかぁ!!」

 

 さらに言うならばハジメの戦闘スタイルはまだ模索(・・)段階にある。だからこそ「倒す」ことまでは普通に可能だが、「圧勝」は無理なのが現状だ。それこそ仕事の前から疲労を溜めておくような真似はあまりしたくない。

 

「うーん、冒険者雇うべきかなぁ…。それぐらいなら経費で落ちるだろうし…でも僕の悪名ってかなり広く伝わってるしなぁ」

「改めて思うけれど、南雲くんはかなり不自由ね。…本当に申し訳ないわ」

「雫ちゃんが謝ることないよ! 悪いのはこの噂を真に受けてるみんなだよ!」

「八重樫さん、僕も白崎さんと同じ思いだよ。だからそんなに自分を責めないでよ」

「香織…南雲くん…」

「…カオリぃ、シズクぅ。聞こえとらんのか…なぁ?」

 

 改めて自身の面倒な境遇に呆れるハジメ。とはいえ嘆くのも束の間。すぐに移動方法を探していく。

 

 …そう、考えていきたいところだが。

 

「えーっと、ところで白崎さん、八重樫さん。そこの泣いてる子…誰か知ってるかな?」

「っ!?」

 

 そろそろハジメは泣いているこの子がかわいそうで仕方がなかった。最初の方は「いつものクレーマーかぁ…」と無視していた。この半年間でハジメのスルースキルはかなり上がったと言ってもいい。そんな無駄に鍛え上げられたスルースキルをご丁寧に全開にしていた。

 

 …していたが、恐らくその子と知り合いであろう香織と雫がガチで気がつく気配がしない。最初の方は強気であった男の子だが…今はとても弱々しい。その結果、ハジメは流石に居た堪れなくなったのだ。

 

 なので、なるべくさり気無く二人にその子の方へと向かせることにした。小さな男の子は先ほどまでの敵意が驚愕と共に霧散。救世主を見るかのような目に移行した。

 

 そして香織と雫は共にハジメの向ける視線の先…すなわち小さな男の子へと振り向き…。

 

「ほえ? ーーってランデル殿下!? どうされたんですか!?」

「ぐふっ!?」

「…南雲くん、いつからランデル殿下がいたか…分かる?」

「かハッ!?」

「…うわぁ」

 

 それは見事な…そうものの見事な精神攻撃(ハートブレイクアタック)を披露した。香織はいつもの天然であるが、雫もガチで気がついていなかったらしかった。

 

 そしてプライドの高い男の子、ランデル殿下。つい先程まで怒涛の勢いでハジメを責めていたその元気さえも見られない。もはや某燃え尽きたポーズを見せるランデル殿下にハジメは同情せざるを得なかった。

 

「ぅうう…なんだお主ら。余は王族だぞぉ…。偉いんだぞぉ…」

(あっ、王族だったのか…そう言えばいたような…)

 

※ハジメくんは最近の人生経験が濃密すぎる為、極一部の人間の名前しか覚えておりません。だって、相手が人間扱いしてこないんだもの。紳士的に接するのは…人間として扱われてからだよなぁ?

 

「なのにお主らは三人で何か桃色な空気を出しとるし…無視するし…ぐぬぅ…」

「えーっと、ランデル殿下? 大丈夫ですか?」

 

 本気で泣く寸前たるランデル殿下。これは不味いと察したハジメ。すぐにハジメは女の子座りにまでなってしまったランデル殿下へと手を差し伸べた。

 

 だがランデル殿下、プライドはまだある! ハジメの手をパシィッと叩くと俊足で立ち上がる! そしてハジメの方へとピシィッと人差し指を向けた!

 

 そしてーー

 

「お主には負けんぞぉ! 覚えておけ、我がライバル! 最後に勝つのは…余だ! …こんちくしょうがぁああああああああ!!!!!」

「「「殿下ぁあああ!!!??」」」

 

 ーー吠えた! なんだか最後の方がヤケに負け犬臭があるが…ランデル殿下は見事に吠えた!

 

 そしてその衝動のままランデル殿下は廊下へと逃げた! まだお子様たるランデル殿下、やっぱり無視され、気づかれなかったのはショックだったらしい! 最後に目の縁がやけにキラキラとしていたが、それは汗だ! 汗なんだ、心の!

 

 そして取り残された三人と言えば…。

 

「ランデル殿下…大丈夫かな?」

「香織…いえ、今回は私も悪いのだろうけれど…桃色なのはこの二人だけなのだけれど…」

(今度、何か玩具作ってあげようかなぁ)

 

 廊下の果てへと消えていったランデル殿下へと思いを馳せるのであった。

 

 なおハジメが後日作った人形はウォルペン伝てにランデル殿下の元に届いたそうな。さらに言えば割と高性能で可変する騎士人形だったため、ランデル殿下は大層気に入ったそうな。

 

 めでたしめでたし。

 

 

 

 さて、そんな一幕もあったわけだがまだ解決に至っていない問題がハジメには残っている。香織や雫とも話していたが、護衛問題である。

 

 この時点でハジメが取れる手段は多く分けて四つ。

 

 ・ギルドへの依頼

 ・王宮からの援助(神殿騎士)

 ・クラスメイトのボランティア(神の使徒)

 ・現実は非常である(単独突破)

 

 ーーとなる。だがしかし、どの選択肢を取っても問題だらけである。

 

 まず前半三つに関しては本当に協力が見込めるかも分からない点だ。前述の通りハジメの負の知名度が邪魔をする。特にハジメと接する機会の無いギルドならばまず無理と言わざるを得ないだろう。つまりまず「ギルドへの依頼」は削除である。

 

 次に王宮とクラスメイト、これは多少ならば見込みがある。神殿騎士ならメルドやその関係者、クラスメイトならば香織や雫、龍太郎。彼等ならばまず護衛の実力としては満点だろう。しかも少なくともハジメとの間では問題は起こらない。

 

 ただしそうは問屋が卸さない。すなわち周りによる「罪人の癖に生意気だ」問題が間違いなく発生する。

 

 言うまでもなくメルドや香織達とハジメの格はかなり違う。メルドは国の騎士団の団長であるし、香織や雫は迷宮の完全攻略を期待される人材である。追加すれば香織は【聖女】という稀に見る天職であり、王国が切れるジョーカーの一つと言っても過言ではない。

 

 そんな王国カーストトップクラスの彼等ががもし、ワーストクラスの男の護衛として付けばどうなるか? しかも頼んだのは浅ましいことに男の方であるとする。

 

 答えは明白、ハジメが死ぬ。恐らく何人か暴走する。最近、国の侍女辺りの人間や庭師、あとは工房の人間とは友好な関係を築きつつあるハジメ。

 

 しかしそれでもその他は依然として変わらない。むしろ悪化を辿っている。特に怖いのは光輝やら檜山辺り。たとえ彼方から申し出てくれたとしてもハジメに刃が向けられかねない。そして光輝達と戦うことになれば間違いなく、ハジメは死ぬ。それだけは避けねばならない。

 

 というわけで二つ目と三つ目も削除となる。というか他人に頼った時点でゲームオーバーな感じがしなくもない。そうとなると必然で的に選ぶのは…

 

「やっぱり…四つ目しかないか…」

 

 しかし村には確実に遅れるだろう。もしかしたら断っておけばよかったかもしれない、と後悔するハジメ。

 

「まあ。僕が引き受けたんだし仕方がないか。…とりあえず村の方には遅れるとだけ手紙を…」

 

 送っておこうかな、と独り言を呟きながら自分の部屋の棚から便箋を探していると…。

 

「聞きましたよ、南雲くん!!」

「すわっ!?」

 

 部屋の扉が派手な音を響かせ、開かれた。基本的に個室には誰も来ないため、間抜けな声を出すハジメ。

 

 ハジメは反射的に“解析”の範囲を拡大。そして現れた者の正体を悟った。

 

「愛子先生!?」

「はい。先生ですよ、南雲くん」

 

 そう、そこにいたのは神の使徒の中で唯一の大人である畑山愛子であった。しかし一見すれば鈴並に幼く見える愛子先生であった。ついでに言えば草食の小動物っぽく感じれる愛子先生であった。

 

 今もぴょこぴょこと小刻みにジャンプして、片手を上げることで己の存在をより見せようとしている。恐らくクラスメイトがいたならば和んでいた事だろう。

 

 このように一見小動物である愛子だが、クラスメイトの大半が潰れずに戦えている理由として彼女の存在はその背丈に反して中々に大きい。生徒全員の精神的なケアをこまめに行い、時には叱りつける。また王国と生徒の橋渡し的な存在でもあり、天職故に王国での地位もかなり高い。

 

 光輝、香織のカリスマ、雫の気配り、そしてメンタルケアの愛子。この三人によって使徒の現状は保たれていると言っても過言ではない。

 

 現に味方がじわじわと増えているとはいえやはり少ないハジメにとっても、頼りになる人間として区分されている。なお、雑草を食べてばかりの食習慣に関しては、それはもう静かに説教された。結論としてはハジメの毎食が黒パンと牛乳に変わったとだけ言っておく。

 

 そんな風に見た目に寄らず頼りになる愛子先生ではあるが、何故だろうか。ハジメの直感が警鐘を鳴らしている。話を聞かずに回れ右しろと叫んでいる。

 

 だがお構いなし。愛子先生は元気にハジメへと迫る。

 

「先生は聞きましたよ! 工房の方で南雲くんに依頼が来たそうではないですか! しかもご指名だとか!」

「ええ…はい」

「喜ばしいことです! 南雲くんは真面目な生徒ですからね。いつか報われる日が来ると思っていました! 今回の依頼に関しても無事成功して欲しいものです」

「えーっと…はい、ありがとうございます」

 

 怒涛の流れでハジメを褒めちぎる愛子。警鐘が鳴るのでてっきり厄介事か!?と身構えていたので、心の中で少し詫びた。

 

 だが何故だろうか。ハジメの内の警鐘は鳴り止む所か勢いを増すばかりである。意味もないが“解析”全集中! 愛子の一挙一動を把握する!

 

 こんな風にハジメが無駄に身構えていることも露知らず。愛子はホワホワとした空気感を纏いながら、口を開く。

 

「ところで南雲くんが向かうのはウルの町だそうですね? しかも護衛が足りないのだとか。白崎さんから伺いましたよ」

「はい…でも護衛を雇うとなると面倒事が増えそうなので自分一人で行こうと思います」

「それはダメですよ南雲くん! 南雲くんの仕事はウルに着いてからが本番です。それまではきちんと休んでおかなければなりません」

「ですがーー」

「心配ありませんよ、南雲くん」

 

 愛子先生の言うことは最もではあるが、生憎殆どの人間からの好感度がマイナスぶっちしているハジメに頼る術はない。そう言おうとしたのだが、愛子に遮られる。

 

 そして途端に冷や汗がブワッと吹き出す。まるでそれは愛子がこれから話す言葉に恐怖しているかの如くーー

 

先生と一緒に行きましょう(・・・・・・・・・・・・)。ちょうど先生もウルに用事があります。馬車も手配してもらえますので、南雲くんに負担はかかりませんよ?」

「ーーーーーーパードゥン?」

「先生と一緒にウルにいきましょう! 心配はいりません! 確かに先生は弱いですが…生徒の何人かや騎士の方々(・・・・・・・・・・・・)が護衛として付いてきてくれます。なのでハジメくんもしっかりと休めるかと思いますよ?」

「ーーーー」

 

 一見すればかなりの好条件。あくまでも乗り合わせるだけであり、それに掛かる代価は無し。先生の地位は高く生徒想いなのは知れ渡っているため、外野が口出しもし難い。しかも神の使徒や騎士といった屈強な護衛までついて来ると来た。

 

 だがハジメの心境は異なる。何故ならばーーー

 

 

 

 

「そういえば南雲くんには紹介していませんでしたね。こちら神殿騎士のデビッドさんです。その後方にいられるのは同様に神殿騎士のチェイスさん、クリスさん、ジェイドさんです。優しい方々ですよ」

「…騎士、デビッドだ」

「…同じく、チェイスです」

「…クリスと言います」

「…ジェイドだ」

 

 出発当日、ハジメの前に立ち塞がるように立つ神殿騎士四名。彼らは愛子が言う「優しい人」とは全く無縁の鋭い視線をハジメにザクザクっとな。目が明らかに「変な動きしたら斬ったらァ!!」と語っている。

 

「「「「「「………」」」」」」

 

 そしてもう既に馬車の中にいるのは「愛ちゃん先生護衛隊」と名乗るクラスメイト達。園部優花の他、菅原妙子、宮崎奈々、相川昇、仁村明人、玉井淳史、清水幸利の総勢七名。

 

 彼らはデビッド達程顕著に威圧はしない。変わりにあるのは見定めの姿勢。そして警戒心である。

 

 今はひたすら愛子先生が恨めしい。今回の行動が懇意からなるものであることは分かっている…しかしそれでもやはり恨めしい。

 

 何故ならば…日頃の十倍増しで環境が針の筵であるからだ。

 

(し、視線が痛い…)

 

 確かに肉体的な疲労はない旅路になるだろう。しかし…恐らく心労はこれまでないほどまで凄まじいものになるだろうとも思えた。

 

 兎に角、愛子先生のみが笑顔のままウルへの旅路は始まった。

 

 

 

 

 

「今回こそ…アイツに借りを返さないとね…」

 

 同時にこれは南雲ハジメにとっても、神の使徒にとっても大きな変革をもたらす旅路。

 

 

 

 

「俺が…そうだ。俺が『主人公』に…」

 

 そして…一つの大きな分岐点である。




なお、ハジメがビビった理由は愛子の神殿騎士の噂が耳に入ってたからです。
デビッド達は優秀な神殿騎士だよ、いい加減にしろ!
ただしクセが強いし、宗教ガチ勢だからハジメに対しては真っ最初から敵対的なだけだよ!

個人的にランデル殿下は気に入ってる。
年齢の割にプライドが高いけれど、ハジメとかいう位だけなら明らか格下を「ライバル」と言い張るからね。
勇者はまず対等にすら見てないからね。
これが生まれながらの王族と急拵えの勇者の差か?

あとひとつだけ情報開示しましょう。
アーティファクト『ヴィーゲン・リート』による頭痛は一定期間もすると治ります。
半月はムリですが、半年も経てば頭痛に慣れるので今回の「愛ちゃん先生護衛隊」のように活動が可能となります。
ですが不思議ですね?
前回の時系列は『ヴィーゲン・リート』初使用からそこまで時間が経っておりません。
なのに頭痛持ちであったはずの鈴は何故、帝国に行ける程度には活動できているのでしょうか?
不思議なこともあったものですねぇ?

再・ヒロイン投票

  • 香織オンリー
  • 香織&優花
  • 原作通りのキャラハーレム

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